「今は、自由が欲しいです」 と、TOKYO FMにニューヨークからの生放送中、言ってしまった。そう、新型コロナウイルスは、これまで当たり前に享受していた「自由」を私たちから奪った。 ニューヨークは4月4日現在、出勤禁止・自宅待機令のもと14日目。3月1日に1人だった州内の感染者数はいまや13万人超。アメリカ最大都市ニューヨークではほぼ10分に1人が死亡する「爆発的感染」の震央だ。私の近所も朝から晩まで静まり返った街に救急車のサイレンの音しかしない。 今、無性に大根おろしが食べたい。以前だったら、大根一本のために買い物に行った。しかし、今はそれが自殺行為になりかねない。スーパーは密閉空間だし、人との間隔を180センチあけていても、ウイルスは外よりは濃い密度で空気中に漂い、商品の上にも付着している可能性は高い。大根だけを買いに行く「自由」はもうない。(注:感染防止に全米で、他人とは180センチ