米国政府から日本政府が直接、装備品などを買う有償軍事援助(FMS)契約で、日本側が代金を前払いしたのに、納品が遅れるなどで精算が終わっていない取引の累計額が07年度で3626億円に達していたことがわかった。FMSは「国庫金の有効活用が図られていない」と会計検査院から12年前に問題点を指摘されたが、再びその時の水準にまで戻っていた。背景には、弾道ミサイル防衛(BMD)システムの導入が始まったことがある。 FMSは「日米相互防衛援助協定」などに基づき56年度から始まった取引。4月の北朝鮮ミサイル発射でも出動したイージス艦がもつ最新の対空戦闘装置など、米国が開発した機密度の高い装備品や、地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)の実射試験の支援などを、日本政府が米国政府から直接買う方式だ。米国が武器輸出管理法に従って出した見積もりに沿って日本が前払いし、装備品の納入後に、前払い金が精算される。