思想雑誌。
1946年に創刊。 創刊時の同人は、丸山眞男、武谷三男、都留重人、渡辺慧、鶴見俊輔、鶴見和子、武田清子。 1996年まで刊行される。
鶴見俊輔の証言によると、雑誌の題名は、science of thinking の邦訳であり、上田辰之助の提案によるという(『戦争が遺したもの』新曜社、2004年、170頁を参照)。
書く力よりまえに考える力がなければと云われるが、さらにそのまえに気づく能力が不可欠だ。 鶴見俊輔というかたからは、若き日のほんのいっとき、ご恩を受けた。しかしそれを機に弟子入り志願するでもなく、お礼に参上することすらなく、とうとう謦咳に接する機会がなかった。引込み思案というか、ひとえにわが生意気ゆえの非礼というに尽きる。だがご著書をとおして、私は鶴見俊輔のファンの一人ではあった。 鶴見さんから直接原稿をいただく立場にあった、とある出版社の編集部員との、酒の肴の鶴見俊輔談義のなかで、彼は云った。 「鶴見さんってかたは、ビックリすることの天才だな。だからオメエみたいなモンにまで、眼をおつけになった…
他人事ではない気がしている。 京都大学での滝川事件を境に、同大出身の俊英たちはファシズムの急速な膨張気配に対する危機感を深めた。昭和八年のことだ。東京では、日本共産党の理論的指導者の一部と目されていた佐野学・鍋山貞親の両名が、獄中にあって懺悔とも自己批判ともとれる転向声明を公表してしまい、それまで歯を食いしばって活動してきた全国の学生や勤労青年たちが、激しい動揺に見舞われた年である。 中井正一を中心とする京都の俊英たちは、ファシズム監視と文化防衛とに目処を置いた同人雑誌『世界文化』を発行した。中井が発行していた『美・批評』の発展拡大版との位置づけだった。同人各個の専攻分野に関する、最新の海外情…
そういえば、今月のこれから刊行になるであろう本の案内をいただいたおり ました。一冊は、すでに注文をすませておりまして、届くのを待っておるのです が、もう一冊は、これから郵便振替で送金をして注文をすることになりです。 いただいた案内には、「本書は直接販売のみです」とありますので、Amazonは おろか、一般の書店では販売せずと記されていました。このような版元は応援を しなくてはいけないですね。 ということで、編集グループ SUREさん 今月の新刊予定であります。 鶴見俊輔さんの「日本の地下水 ちいさなメディアから」となります。 案内いただいたちらしをスキャンして、下にはりつけることにです。この本…