■地上で5年後に実用化か 宇宙空間で太陽光から作り出した電力を電波で地球に送り届ける「宇宙太陽光発電」の地上実験に、三菱重工業などが相次いで成功した。実用化の目標時期は遠い先だが、この技術を地上で応用する「無線送電」は5年程度で実現しそうだ。(伊藤壽一郎) ◇ ◆10倍の高効率 宇宙太陽光発電は、地球で太陽に最も近い赤道の上空約3万6千キロの静止軌道に、約2・5キロメートル四方の巨大な太陽電池パネルを備えた発電衛星を設置し、原発1基分に相当する100万キロワットを発電する壮大な構想だ。 生み出した電力は、電子レンジなどにも使われている波長がごく短いマイクロ波という電波に変換し、無線で地上に送信。地上で電力に再変換して利用する。経済産業省が中心になって研究開発を進めており、2040年代の実用化を見込んでいる。 わざわざ宇宙空間で発電する理由について、宇宙システム開発利用推進機構の中村修治担当
政府が1月に改訂した2024年度までの宇宙政策指針「宇宙基本計画」に、引き続きあの夢のプロジェクトが明記された。SF映画やアニメなどにも度々登場する「宇宙太陽光発電システム(SSPS)」の設置計画だ。莫大(ばくだい)な設置コストから採算がとれないなどと一部の専門家から「ばかげた計画」と揶揄(やゆ)されるが、政府は2030年代の実現に向け研究開発を推進する姿勢を崩さない。その実現可能性とは? 米国は財政難でプロジェクト中止宇宙空間に浮かべた太陽光パネルで発電し、それをマイクロ波と呼ぶ電気に変えて地球に送電する-。これがSSPSの基本的な仕組みだ。天候や昼夜を選ばず宇宙では24時間直射日光を浴び発電できることから発電量は最大で地上の10倍となる。さらに二酸化炭素(CO2)を排出しないため温暖化対策にも役立つと期待される、まさに夢の計画だ。 その研究は1968年に米国のピーター・グレーザー博士の
宇宙航空研究開発機構(JAXA)などは8日、電気を無線で飛ばす実験に成功した。宇宙空間に浮かべた太陽電池パネルから地上に送電する、「宇宙太陽光発電」の実現に不可欠な技術で、今後の研究開発につなげる。 宇宙太陽光発電は、電気をマイクロ波などに変換して宇宙から地上に送る構想で、日本では1980年代から本格的な研究が始まった。昼夜や天候に影響されずに発電できることが特徴。実現するには、コストの大幅な削減など多くの課題があるが、JAXAなどは、直径2~3キロメートルの巨大な太陽電池パネルを使えば、原発1基分(100万キロワット)相当の発電ができると試算している。 一方、強力なマイクロ波は人体や環境に悪影響を及ぼす恐れがあるため、極めて高い精度でマイクロ波の向きなどを制御して、ねらった場所にピンポイントで送電する必要がある。 兵庫県内にある三菱電機の屋外試験場で実施された実験では、送電用アンテナから
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、経済産業省から事業受託した一般財団法人宇宙システム開発利用推進機構(J-spacesystems)と連携・協力し、将来の宇宙太陽光発電システム(Space Solar Power Systems:SSPS)の実現、及びエネルギー源の多様化に資することを目的として、マイクロ波による無線電力伝送技術の研究開発を行っています。 本研究開発において、JAXAは、SSPSの中核的技術であるマイクロ波による長距離無線電力伝送技術の確立に向け、マイクロ波送電ビームを受電アンテナに向けて高精度に指向制御・形成制御を行うビーム制御技術の研究開発を実施しています。静止軌道から地上までの36,000㎞という長距離の無線電力伝送を行うにあたり、 受電アンテナ*注1側から送電アンテナ*注2側に向けてパイロット信号*注3を送出して、その到来方向を送電アンテナ側で高精度に検知し、それ
宇宙空間で太陽光発電をして地上に送電するシステムの実現に向け、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などは3月1日、兵庫県内で行う、無線で送受電する実証試験を報道関係者向けに公開する。屋外に設置した送電側のアンテナから受電側のアンテナに向けてマイクロ波を送る。 JAXAは2009年度から宇宙システム開発利用推進機構と協力し、送電側アンテナの向きがずれても正確にマイクロ波が送れる技術などを開発している。送電装置から約55メートル離れた場所に受電装置を設置。送電側から約1800ワットのマイクロ波を発射し、受電側で電気に変換する屋外試験をする。マイクロ波を正確に受け取れれば、数百ワットの電気を取り出せる。 宇宙太陽光発電システムは、天候に左右されずに発電できる。地上約3万6千キロに直径2~3キロにわたって太陽電池パネルを広げ、原発1基分にあたる100万キロワットの電気を作ることができるとされる。30~
ソニーグループは8日、2025年3月期連結業績予想(国際会計基準)の売上高を前回予想から1000億円上方修正し、前期比2・4%減の12兆7100億円を見込むと発表した。自社制作以外... マイクリップ登録する
世界有数の産油国、UAE=アラブ首長国連邦で最先端の環境技術をテーマにした国際見本市が始まり、日本が紹介した宇宙で太陽光発電を行い地上に電力を供給するという新たな発電システムの構想など、次世代の技術に注目が集まりました。 この国際見本市は、UAEの首都アブダビで19日に始まり、日本などおよそ40か国の600以上の企業や団体が、再生可能エネルギーと省エネをテーマに最先端の技術を展示しました。 日本の展示では、宇宙に縦横が2キロの巨大な太陽電池パネルを備えた発電施設を組み立てて、得られた電力を電波で地上に送るという新たな発電システムの構想など、20年後を見据えた技術や研究も紹介されました。 さらに、日本の大手建設会社は、海上に直径が3キロほどの巨大な人工地盤を建設し、その上に高さが1キロの超高層ビルを建て、再生可能エネルギーで電力を賄う構想を紹介し、資金さえあれば日本の技術で建設できるとアピー
週刊SPA!の記事の要約を紹介するWEB版の日刊SPA! 週刊SPA!の2月25日号(2月18日発売)に掲載された、公共事業の無駄遣い叩き記事の筆頭が、宇宙太陽光発電衛星(SSPS)でした。 現在の技術で採算がとれないことは認めますが、「予算」の意味がおかしいとか、論法も納得できず、元SSPS研究者として看過できなかったので、発言&トゥギャりました。そういう訳で私の立場は偏ってますが、なるべく公平に検索して賛否両論とも集めたつもりです。 とはいえ、自身でコメントをつけて発言している人は記事への批判派が多かったです。記事タイトルだけのツイートは割愛しましたが、それらが主に記事賛同派だったのだろうと思います。
増税につぐ増税で、厳しさを増す一般庶民の経済状態。ところが、「それとは別腹」とばかりに、税金をもとに1兆円を超える巨大プロジェクトが行われている。 その中でもスケールの大きさと採算性の疑問度が問題になっているのが宇宙太陽光発電(SSPS)という計画。 地球から3万6000km。宇宙の静止軌道上に2.5km四方もの巨大な太陽光発電衛星を設置し、マイクロ波やレーザー光に変換して地上の受電設備にエネルギーを送るシステムだ。一施設で原発一基並み(100万kW)の発電ができるという。その予算は2兆~2.5兆円ともいわれている。宇宙航空研究開発機構が研究を進めているが、同機構のHPで、SSPS研究計画担当者はこう語る。 「天候や季節、昼夜に左右されないので、効率よく太陽エネルギーを集めることができます。太陽光は枯渇することがなく、宇宙空間では二酸化炭素を出しません」 さらに、マイクロ波は地球が雨や雲で
宇宙太陽光発電の技術をEVに転用、三菱重工のマイクロ波方式ワイヤレス充電:人とくるまのテクノロジー展2013 三菱重工業は、宇宙太陽光発電システムの技術を電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)向けに転用した、マイクロ波方式のワイヤレス充電システムを展示した。2015年ごろの実用化を目指して開発を進めている。 三菱重工業は、「人とくるまのテクノロジー展2013」(2013年5月22~24日、パシフィコ横浜)において、宇宙太陽光発電システムの技術を電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)向けに転用した、マイクロ波方式のワイヤレス充電システムを展示した。2015年ごろの実用化を目指して開発を進めている。 同社は、宇宙空間に設置した太陽光発電パネルの電力を地上に送る宇宙太陽光発電システムや、離島への電力供給を送電ケーブルを用いずに行う離島送電システム向けに、マイク
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