「トランプ、ヴァンス陣営」として選挙戦を勝ち抜き、米国史上3番目に若い副大統領となるJ・D・ヴァンス。麻薬中毒の母親、貧困と労働者階級の出自、弁護士としての成功、大富豪ピーター・ティールとの繋がりなど派手な経歴が取り立たされる一方、カトリックの世界観に共感し、信仰を選び取ったということは意外と知られていない。キリスト教という視点から大統領選挙を考察した前回に続き、本稿ではトランプ2.0の行方を担う次期副大統領・ヴァンスについて掘り下げる。 最も頭脳明晰な次期副大統領 ヴァンスはここ数年、新右翼(The New Right)、あるいは「国民保守主義(National Conventionalism)」と呼ばれる共和党内の新たな動きの中で、最も頭脳明晰な論者として位置付けられている。