家賃が払えなくなったらひとり暮らし最大の恐怖は、家賃が払えなくなることではないだろうか。大学を卒業し、親が仕送りをやめたその日から、私は長らく、家賃が払えずに住む場所を失う恐怖と隣り合わせの人生を送ってきた。仕事を辞めれば、みるみるうちに貯金は減っていく。やがて家賃を滞納し、家を追い出されて行き場を失う。あゝ無情。とはいえ、実家にだけは絶対に帰りたくないのである。中学のとき、不良のトモヒロ君にさんざん嫌がらせをされたし、とにかく田舎は絶対にイヤ。私はトモヒロ君のいない東京が大好きなのだ。かくして、住む場所を失いたくないという不安から、上司のパワハラに耐え、しんどい仕事を続け、私は心身を疲労させてきた。もううんざり。もっとライトに「体調が悪い」「職場が合わない」「なんかダルい」「ちょっと休みたい」、そんな理由で仕事を辞めてもいいはずだが、そうはいかないのが現実である。 思うに「住む場所を失う