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休校で学校に行けない子供(右)を基地に帯同し、支援所で受け付けをする隊員(3月11日、那覇基地で) 学校の休校を受けて開設された基地内の「一時預かり所」で自習をする子供と、面倒を見る隊員(3月6日、横須賀基地で) 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、安倍首相が要請した「全国の小中高校と特別支援学校の春休みまでの臨時休校」の指示を受け、防衛省は2月28日、「緊急登庁支援の活用」の特例措置を取ることを決定、3月2日から運用を開始した。これにより、隊員たちのために駐屯地・基地で子供を預かることが可能になった。空自那覇基地や海自横須賀地方総監部では「一時預かり所」を開設、隊員が子供を帯同して出勤する姿が見られた。 空自那覇基地「緊急登庁支援」を活用 10人でシフト、延べ28人受け入れ 【空那覇】空自那覇基地は3月3日から13日まで、周辺自治体の小学校の臨時休校を受け、子供を同伴して出勤する隊員
擬装して林の中に潜み、前進の時を待つ39戦闘団の74式戦車2両 機関銃に装着した眼鏡を使い、正確な射撃を行う39普連の隊員 【39普連=弘前、FTC=北富士】第39普通科連隊(連隊長・木原邦弘1佐)を基幹とする第39戦闘団は11月4日から9日まで北富士演習場の富士訓練センター(FTC)で行われた第10次運営(対抗戦)に挑み、20年の歴史の中で〝不敗〟を誇るFTCの対抗部隊を初めて破る快挙を成し遂げた(※)。アグレッサー(仮想敵)部隊の指揮官を務めたFTC評価支援隊長の島田昌樹2佐も「(我々の)事実上の敗北だ」と認め、39戦闘団の歴史的快挙をたたえた。 ※過去に18普連が平成28年度に、8普連が同29年度に同様の成果を挙げているが、今回は「総合的に評価した結果」(FTC)だとしている。 20年間「不敗」 FTCは陸自最精鋭の教官たちで編成された部隊訓練評価隊(隊長・近藤力也1佐)が管理してお
陸自、大規模に部隊新・改編 奄美、宮古に駐屯地開設 6師団・11旅団→「機動師団・旅団」 (2019年3月26日) 陸上自衛隊は南西諸島への新たな駐・分屯地の開設など、3月26日付で大規模な部隊新・改編を行った。「創隊以来の大改革」と位置付ける組織改革の一環で、島嶼防衛態勢を強化するため、鹿児島・奄美大島に奄美駐屯地と瀬戸内分屯地を、沖縄・宮古島に宮古島駐屯地をそれぞれ開庁、警備隊などを配置した。また、4師団(福岡)には機動力を高めた「偵察戦闘大隊」を、8師団(北熊本)には中域用無人偵察機を装備した「情報隊」を新編、西方の偵察・情報収集能力を強化した。東日本では6師団(神町)と11旅団(真駒内)を「機動師団・旅団」に改編。岩屋防衛相は同22日の記者会見で、奄美、宮古島への部隊配置について「(南西諸島の)守りの空白地帯が埋まる。災害を含む各種事態に対する初動対応、迅速な展開が可能になる」と語
海自の護衛艦「むらさめ」(奥)から容疑船舶の立ち入り検査に向かう隊員たち(防衛省提供) PSI海上阻止訓練の立ち入り検査で、容疑船舶に乗り移り、周囲を警戒しながら前進する隊員たち(いずれも7月25日、房総半島沖で) ・・・他 大量破壊兵器やミサイルなどの拡散阻止を目的とする日本政府主催の拡散に対する安全保障構想(PSI)海上阻止訓練「パシフィック・シールド18」が7月24日から26日まで、房総半島沖の海域や横須賀港で行われた。洋上では海自護衛艦「むらさめ」の乗員が容疑船舶への立ち入り検査訓練を実施。一方、陸上では、陸自1特殊武器防護隊(練馬)の隊員が警察と連携し、化学物質の対処要領を演練した。(写真・文 星里美) PSI訓練は日、米、豪、韓、ニュージーランド、シンガポールが持ち回りで行っており、日本での開催は4回目。今回はオブザーバーとしてカナダ、ブルネイ、インドなど計19カ国の軍人らも加
防衛省の大野政務官(左)から労いの言葉を掛けられる森下3佐(右)と前田3佐(6月28日、東京都千代田区の中央合同庁舎8号館で) 山崎陸幕長(テーブル奥中央)に帰国報告する前田3佐(その左)と森下3佐(左端)。陸幕長の右は陸幕副長の高田克樹陸将、運用支援・訓練部長の沖邑佳彦将補=右手前(6月28日、陸幕第1応接室で) 国連平和維持活動(PKO)の一環として、国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)で約1年間、第9次司令部要員を務めた情報幕僚の前田優3陸佐と施設幕僚の森下史康3陸佐の2人がこのほど帰国し、6月28日、都内の中央合同庁舎8号館で帰国式が行われた。 式では内閣府国際平和協力本部の能化正樹事務局長が「我が国の国益増進と存在感を示し、立派に任務を果たした」と赤間二郎副大臣の言葉を代読し、2人の活躍をたたえた。 続いて、防衛省を代表して大野敬太郎政務官が「皆さんの活動が世界で最も新
11月27日、中国海空軍の航空機計11機が、沖縄本島と宮古島間の宮古海峡の公海上を通過し、東シナ海と太平洋を往復飛行したため、空自南混団と西空のF15戦闘機などが緊急発進して対応した。領空侵犯はなかった。 往復飛行したのは、中国空軍のH6大型爆撃機8機、Tu154型情報収集機1機、中国海軍のY8情報収集機型1機、Y8早期警戒機型=写真=1機の計11機。 このうち、H6大型爆撃機4機が九州方面に向け東シナ海を北上する特異な飛行を行ったほか、Y8早期警戒機型も尖閣諸島付近で特異な旋回飛行をした。 統幕は同日、空自機が撮影した中国軍機の写真と航跡図を公表した。
海自は大湊造修補給所(青森県むつ市)で勤務する防衛技官(ドック長)を募集している。 ▽採用予定者数=1人 ▽採用予定日=平成28年4月1日 ▽受験資格=2級海技士(航海)または運航1級以上の資格を保有し、艦長、船長(1000トン以上)経験のある者 ▽応募締め切り=10月16日(必着) ▽試験日=11月27日 ▽試験地=海上自衛隊大湊地方総監部 ▽問い合わせ=大湊地方総監部管理部人事課職員人事管理室0175(24)1111(内線2317)。 詳細は大湊地方隊ホームページwww.mod.go.jp/msdf/oominato/を参照。
技本電子装備研究所がフライト試験に着手する新型の「MIMOレーダー」。右側3基(白色)が送信用、左側8基(黒色)が受信用サブアレイ。右は試験を指揮する山崎主任研究官(5月28日、千葉県旭市の電装研・飯岡支所で) ステルス戦闘機の探知が可能となる「次世代警戒管制レーダー」の研究用試作機が5月28日、技術研究本部の電子装備研究所飯岡支所(千葉県旭市)で公開された。同レーダーの試験は6月から空自の実機を使ったフェーズ(段階)に入る。 新レーダーは多数の小型送信・受信サブアレイ(アンテナユニット)を・・・ 続きを読む
過激派組織「イスラム国」による日本人人質事件は残念な結果となった。悔しい気持ちはわかるが、自衛隊が人質を救出できるようにすべきとの国会質問は現実味に欠けている。 人質救出は極めて困難な作戦だ。米軍は昨年、イスラム国に拘束されている二人のジャーナリストを救出するため、精鋭の特殊部隊「デルタフォース」を送り込んだが、居場所を突き止められずに失敗した。 作戦に際し、米軍はイスラム国の通信を傍受し、ハッキングもしていたに違いない。さらに地元の協力者を確保し、方言を含めて中東の言語を自在に操れる工作員も潜入させていたはずだ。もちろん人質を救出するためであれば、米軍の武力行使に制限はない。それでも失敗した。 国会質問を聞いていると、陸上自衛隊の能力を強化し、現行法を改正すれば、人質救出作戦は可能であるかのような内容だ。国民に誤解を与える無責任な質問と言っていい。 これまで国会で審議してきた「邦人救出」
〝カレーの街〟横須賀にGC1グランプリがやってくる! 横須賀基地に所属する艦艇16隻がカレーの味を競う「護衛艦カレーナンバー1グランプリ(GC1グランプリ)」が4月19日、横須賀地方総監部で行われる。 参加艦艇は護衛艦「むらさめ」「はるさめ」「たかなみ」「おおなみ」「くらま」「あまぎり」「はまぎり」「はたかぜ」「こんごう」「きりしま」・・・ 続きを読む
試作機が各種試験実施 空自の次期輸送機「XC2」 対空ミサイルから自機を守る「自己防御系統試験」で、火炎弾「フレアー」を機体の周囲に一斉に射出したXC2(硫黄島周辺空域で) 厳冬期の耐寒試験のため、不凍液を吹き付けられるXC2の機体(空自千歳基地で) 「搭載・卸下系統試験」で、XC2の機内に搭載された陸自のUH1ヘリコプター(空自岐阜基地で) 「搭載・卸下システム(空中降投下系統)」の試験で、上空から20個のコンテナを連続投下したXC2(陸自東富士演習場の上空で) 飛行中に後部ドアを開け、コンテナを投下するXC2(陸自東富士演習場の上空で) 空自の次期輸送機「XC2」の技術・実用試験が現在、試作機2機を使って続けられている。 C1輸送機の後継機として防衛省技術研究本部が開発したXC2は、C1の3倍、約30トンの貨物輸送能力があるほか、無給油で約6500キロ(貨物12トン)を飛行でき、アラ
松島基地 「修復1号機」羽ばたく T4・676号機の修復完了を祝う松島基地隊員(1月24日、同基地で) 空自松島基地で1月24日、東日本大震災で被災した航空機の「修復1号機」として、T4中等練習機676号機が震災後初の整備試験飛行を行った。 同機は東日本大震災で津波に襲われたが、エプロン地区の北西側にある洗浄格納庫に置かれていたため胴体下面までの水没にとどまり、製造会社から自隊での修復が可能と判断された。 しかし施設が被災し、整備器材も津波で流されてしまったため、基地の復旧を待って昨年8月20日から修復作業を開始。整備補給群検査隊の小野寺政敏1空曹以下約35人が日夜作業に当たってきた。 フライト当日は、前席に21飛行隊の江藤進一3空佐、後席に飛行主任の立和田孝2空佐が乗り組み、約1時間、三陸沖の空域を飛行した。その後、同機は訓練のため三沢基地に向け飛び立った。 隊員たちの後方には建
ハイチに陸自重機譲与 武器輸出3原則の緩和後初 ハイチ政府への陸自重機譲与式で記念撮影に臨む関係者(12月18日、ポルトープランスの陸自宿営地で) ハイチで約3年間、国連平和維持活動(PKO)協力法に基づき、大地震からの復興支援に当たってきた陸自「ハイチ派遣国際救援隊」の撤収に伴い、12月18日(現地時間)、これまで使用してきた陸自の施設器材が正式に同国政府に譲与された。 譲与されたのは、油圧ショベル、ドーザー、バケットローダーなど民生品を含む重機14台など。 このうち4台は銃座を備え、武器輸出3原則等の「武器」に該当するが、2011年12月の同原則の緩和措置により国際貢献や人道支援目的の譲与が可能となったことから、今回、「武器」とみなされる自衛隊の装備品が海外に譲与される初のケースとなった。 日本政府は同国政府と、これらの重機を軍事目的に転用しないことで合意。同日、陸自宿営地で譲与
自衛隊の体制強化 小野寺新大臣に聞く 「国民の生命財産、領土を断固として守るため、自衛隊を質量ともに強化する」と決意を述べる小野寺防衛相(12月28日、防衛省で) 会見骨子 一、我が国の領土・領海・領空を守り抜くため、量的、質的な面から防衛力を整備、自衛隊の体制を強化 一、防衛大綱、中期防、日米ガイドラインを見直す 一、普天間飛行場の移設は辺野古移設案を堅持 一、統合運用や効率化に向けた防衛省の組織改革を検討 一、領土については断固とした対処の一方、しっかりした対話を進める 第2次安倍内閣で第12代防衛大臣に就任した小野寺五典氏は12月28日、朝雲新聞社などとの共同インタビューに応じ、国民の生命、財産、領土・領海・領空を断固として守るため、「質的にも量的にもしっかり我が国を防衛できる体制をつくる」と述べ、「平成23年度以降に係る防衛計画の大綱(防衛大綱)」「中期防衛力整備計画(中
1戦群の戦車等が"24時間耐久レース" 「機動力の限界」見極めろ! 燃料の消費を抑えるため、平均時速約40キロで隊列を組み、ひたすら走行を続ける1戦群の90式戦車(写真はいずれも北海道大演習場恵庭・千歳地区で) 戦車も24時間走り続けられますか――。戦車部隊の「機動力の限界」を見極める"24時間耐久レース"が7月13日、北海道大演習場恵庭・千歳地区で行われた。この「長距離機動・整備等訓練」には第1戦車群の74式、90式戦車などが参加、一昼夜ぶっ通しで走行し、そのサポートには第101戦車直接支援隊が当たった。過酷な耐久レースだったが、ほとんどの車両が完走し、北部方面隊機甲科部隊の高い初動対処能力を示した。 今回の24時間耐久レースは格好の点検・整備機会ともなり、各車両それぞれ貴重なデータが得られた 旧式車両ながら、軽快な走行を続けた74式戦車。敵の奇襲攻撃に備え、ドライバーは車内で運転し
防衛省シンポジウム オスプレイ 「日本の防衛に必要」 米関係者専門家ら 事故率、民間より低い スライドを映し出し、シンポジウムで意見を述べるパネリストら(8月29日、時事通信ホールで) 米垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)への配備に地元自治体や住民に懸念が広がる中、防衛省主催による「日米同盟とオスプレイの沖縄配備」をテーマとしたシンポジウムが8月29日夕、宮崎緑・千葉商科大学政策情報学部長を議長に都内で開かれた。飛行ルートに入る自治体関係者や一般公募の聴衆など約100人が参加、オスプレイの安全性について米海兵隊やヘリ専門家が意見を述べたほか、配備を契機とした日米同盟のあり方などに関し識者による率直な意見交換が行われた。 傷んだ日米同盟の立て直しを 会場では米海兵隊の情報開示に基づく「在日米軍・海兵隊の意義及び役割」「MV―22オスプレイ」の二つの冊子
陸自 多国間訓練に幹部派遣 カーン・クエスト12 PKO活動能力向上図る 陸自は8月12日からモンゴルで始まった米、モンゴル共催の国連PKO活動に関する多国間共同訓練「カーン・クエスト12」に中央即応集団から幹部2人を派遣した。 同訓練は国連平和維持活動の能力向上を図る実動訓練で、今回は米、モンゴルのほか、日本、韓国、豪、ニュージーランド、カナダ、ドイツ、インド、カザフスタンの各国が参加。8月23日までの予定で各国が共同して人道支援活動や検問、巡察などの実動訓練を実施する。 陸自は同訓練に平成18年から22年まで毎年オブザーバー参加するとともに、21年と23年には実動訓練に参加してPKO分野に関する能力向上を図ってきた。
加速する民間転用 US―2やXC―2 輸出実現へ官民協力 インドへの売り込みが進行中の新明和工業製の海自US2救難飛行艇(上)と、民間転用が計画されている川崎重工業製の空自XC2次期輸送機 政府の「防衛生産・技術基盤」強化のための諸施策や「武器輸出3原則」の緩和を受け、自衛隊向け装備品の開発・製造を行っている各社では、新型航空機などの「民間転用」に向けた活動を強めている。 海自向けに「US2救難飛行艇」を製造している新明和工業は、同機の民間向け機体「SS3水陸両用飛行艇」のインド輸出に向けた動きを加速させている。 同機の民間転用について、同社はUS2の技術資料を所有する防衛省から機体の製造・販売の認可を得たのに続き、輸出に向けた営業資料の認可を得るため経済産業省との調整に入っている。 さらにインドが水陸両用飛行艇の導入計画を進めていることから、同社は4月1日、社内に専任組織「飛行艇民
核(Nuclear)生物(Biological)化学(Chemical) NBC偵察車 初公開 陸自化校 報道陣に初公開された陸自のNBC偵察車。化学攻撃対処のデモンストレーションで、汚染状況の解明のため現場に急行する場面(写真はいずれも5月16日、大宮駐屯地で) 最新の検知機能を搭載 汚染状況 瞬時に指揮所へ 核・生物・化学テロや原発事故などに対応する陸自の最新鋭「NBC偵察車」が5月16日、大宮駐屯地の陸自化学学校で報道陣に初公開された。 陸自の化学防護車と生物偵察車の後継として技本が平成17年度から試作に着手、21年度までに技術試験と実用試験を終了し開発を完了したもの。広域にわたる有毒化学剤、生物剤、放射能汚染地域の状況を迅速に偵察(検知、識別)し、事後の部隊運用に必要な情報を収集する。 陸自では22年度予算で3両を調達し、今年3月、化学学校に1両、中央即応集団隷下の中央特殊
ネット動画関連イベント初出展 陸幕広報室 「ニコニコ動画」のイベントで陸自車両などを展示し、大勢の若者が詰め掛けた陸自ブース(4月29日、千葉市の幕張メッセで) 全国で延べ2000万人以上が登録する人気の投稿動画配信サービス「ニコニコ動画」を運営する会社が主催の大型イベント「ニコニコ超会議」が4月28、29の両日、千葉市の幕張メッセで開催され、陸幕広報室が陸自ブースを出展して自衛隊の任務や活動をPRした。 陸自ブースでは空挺団の軽装甲機動車と高機動車を中央に配置し、大勢の若者が高機動車に乗車するなどして陸自の一端を"体験"。後方のパネルでは「陸上自衛隊PKO20年のあゆみ」と題して、これまで自衛隊が世界各国で行ってきたさまざまな国際貢献の歴史を写真と解説記事で振り返るとともに、今もハイチ、ジブチ、東ティモール、南スーダンで続く自衛隊の国際協力活動を来場者にPRした。 また、近未来型のヘ
24年度防衛費 重要施策を見る <2> 陸上自衛隊 コンテナを自動で搭載卸下するPLS装置を備えた特殊トラック(イメージ)。PKOなどで効率的な物資輸送が可能 島嶼部の防衛強化 与那国島に監視部隊 迅速な展開目指す 陸自の24年度当初予算案は、歳出1兆7722億円(前年度当初比95億円減)で、内訳は人件・糧食費が1兆2002億円(同140億円減)、歳出化経費4256億円(同26億円増)、一般物件費1468億円(同24億円増)。新規後年度負担額は3813億円(同190億円減)。陸自は24年度予算の重視事項として、(1)東日本大震災の教訓の反映(2)南西防衛態勢の強化(3)各種事態等対処能力の強化――を挙げている。 【部隊・組織の新・改編】(1)4師団と12旅団について、即応予備自衛官部隊を廃止して常備自衛官部隊化し、即応性を強化する(即応近代化改編)。これら作戦基本部隊の改編を通じて火力調
22年度計画の海自最大ヘリ搭載護衛艦が起工 海自22年度計画ヘリ搭載護衛艦の完成予想図 海自最大の護衛艦となる平成22年度計画ヘリコプター搭載護衛艦(22DDH)の起工式が1月27日、防衛省・自衛隊関係者も出席して横浜市磯子区のIHIマリンユナイテッド横浜工場で行われた。 22DDHはすでに2隻が就役している「ひゅうが」型DDH(1万3950トン)の拡大・発展型で、基準排水量は1万9500トン。長さ248メートルの全通型飛行甲板を持ち、同時に5機の各種ヘリコプターの発着艦ができる。 同艦は「ひゅうが」型にはないサイドランプを船体に有し、岸壁から直接、陸自の車両などを搭載することができ、高速輸送艦としても活用できる。さらに非常時には医療活動の中核を担えるなど、災害派遣活動や国際緊急援助活動などにも活用が可能だ。 同艦は退役する現有DDH「しらね」(5200トン)の代替で、26年度末の就
南スーダンPKO 施設部隊先発主力現地入り ハイチ、海賊対処 交代部隊も相次ぎ出発 国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)で同国の国づくりを支援する自衛隊国際平和協力隊の主力の一部40人が1月28日、成田を出発、29日、同国の首都ジュバに到着し、後続の本隊に備えてさっそく宿営地整備などに着手した。同じ28日には旭川駐屯地でハイチ大地震の復興支援に当たる陸自国際救援隊6次隊の壮行行事が、また、同30日には海自海賊対処航空部隊の9次隊が厚木基地から東アフリカ・ジブチに向けて出発した。カンボジアPKOから20年の今年、自衛隊の平和協力活動は国際社会にとって欠かせないものとなりつつある。 宿営地に天幕、逐次プレハブに 国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)に派遣されている自衛隊国際平和協力隊の1次隊(施設隊)の先発主力約40人が1月28日、成田空港を出発し、翌29日、同国の首都
宇宙開発調査会 早期警戒衛星運用など 安保分野の利用を提言 政府の宇宙開発戦略専門調査会(座長・葛西敬之JR東海会長)は1月13日の会合で、安全保障分野における宇宙空間の利用を強力に推進する体制構築を促す提言をまとめた。 平成20年8月に施行された安全保障分野での宇宙開発の推進をうたった「宇宙基本法」が宇宙活動に関わる法整備を行うこととしていることから、専門家の意見をもとにまとめた。 提言は、民生・安全保障分野における宇宙空間の利用の推進と、宇宙空間の利用を自律的に行う能力とを有機的に連携させ、国家戦略として宇宙政策に積極的に取り組む必要があると指摘。 宇宙基本法は総合調整を行う機関として首相を本部長、全閣僚を本部員とする宇宙開発戦略本部を設置しているが、提言では「同本部のトップダウンを可能とし、強力な企画立案・調整機能を有する司令塔を内閣府に構築すべき」と強調。さらに宇宙航空研
ハイチPKO 復興支援3年目へ 5次隊 解体作業など次々 孤児院で遊具の補修も ポルトープランス市の孤児院を慰問、子供たちに日本の習字を教える陸自5次隊員(昨年11月、下も) 相撲の取り組みを披露する5次隊員。日本の伝統文化の数々にハイチの子供たちは興味津々の様子だ 大地震で損壊したままだったポルートプランスの病院を、油圧ショベルで解体する陸自国際救援隊5次隊(昨年10月) ポルトープランスで病院を解体する陸自国際救援隊と、作業を見守る地域住民(昨年10月) 子供たちに日本の伝統文化紹介 平成22年1月12日(日本時間13日)に起きたマグニチュード(M)7・0のハイチ大地震から2年が経過。ハイチの復興支援に当たっている陸自国際救援隊も今年2月で3年目に入る。 現在は5次要員(隊長・9施設群長の橋本功一1陸佐以下、西方主力の約320人)が、MINUSTAH(国連ハイチ安定化ミッション)
次期戦闘機F35 突出した状況認識能力 ネットワーク型戦闘に最適 試験飛行中のF35AライトニングⅡ。ステルス性を追求した機体形状も特徴の一つだ(写真はいずれもL・マーチン社提供) ステルス性を保つため胴体内に兵器倉を有するF35。ステルス性を重視しない作戦では機外の搭載ステーションを使用 正面から見たF35。開発計画時の名称は統合打撃戦闘機(ジョイント・ストライク・ファイター=JSF)。多用途作戦機として任務をこなせるよう、導入国の多種多様なウエポンが搭載可能だ 「納期厳守」の誓約書要求 空自 米ロッキード・マーチン社が開発主体となり、米英など9カ国が開発中の最新鋭ステルス戦闘機F35AライトニングⅡ(通常離着陸型)が12月20日、空自の次期戦闘機に決まった。 同機はレーダーに映りにくく、敵に捕捉されにくいステルス性が最大の特徴の第5世代戦闘機で、超音速巡航能力はないものの、防衛省
東日本大震災 災派隊員の献身称える 統幕長 330人に2級賞詞 3級に約3000人 過去最大の表彰 東日本大震災の災害派遣の功績で折木統幕長(左)から2級賞詞を授与される久納陸幕副長ら(11月25日、防衛省で) 3月11日の東日本大震災に伴う大規模震災対処と福島第1原発で起きた原子力災害対処の二つの災害派遣で顕著な功績のあった全国陸海空の隊員に各級の賞詞が授与されることが決まり、11月25日、防衛省で久納陸幕副長(前6師団長)ら36人に折木統幕長から直接2級賞詞が授与された。このほか2級賞詞294人、3級賞詞は約3000人が受賞、逐次各隊員に伝達される。また、部隊レベルでも顕著な功績のあった隊員に各部隊長から4、5級賞詞が授与される。過去最大の10万人規模となった災害派遣で被災地の救援に献身した派遣隊員の労に報いるもので、一度にこれだけ大量の賞詞が授与されるのは自衛隊史上初めて。 4~5
自民党南スーダンPKO調査団報告 23年11月25日 (「1 調査団派遣の背景」「2 視察主要目的」「3 調査団の構成」「4 主な日程」は略) 5 調査の概要 (1)エンテベ国連補給基地ユーリ・シェレプ副所長との面談の概要及び所感 ◆ウガンダのエンテベ国連補給基地は、国連コンゴ民主共和国ミッション(MONUSCO)のために設置し、物資集積・人員交代・教育訓練の拠点となっている。 ◆2006年に基地は拡張され、国連のグローバルフィールド支援戦略の中に位置づけられることとなった。現在、コンゴPKO以外にも、周辺の様々なPKOミッションおよび国連活動等の支援を行っている。また、地域のサポートセンターとして、文民の訓練、ワークショップ等が行われている。 ◆米国もウガンダ反政府勢力(LRA)掃討作戦支援ジョイントミッションの為に、この基地が使えないか検討している。他方、これまで軍事面での支援は
サイバー攻撃 高まる脅威 拙速排し、人材養成など準備に全力 防衛隊新編、1年ずらし基盤固める 防衛省は高度化・複雑化するサイバー攻撃への対応をより強固なものに再構築するため、平成24年度に防衛省・自衛隊の60人程度で創設する予定だった「サイバー空間防衛隊」(仮称)の当初計画を見直し、幅広い情報基盤と人材を投入した組織を25年度に立ち上げる方針を明らかにした。このため24年度は統幕・指揮通信システム部で人材育成などの準備作業を急ぐ。 防衛省は24年度末までの新組織創設のため、23年度当初予算への計上も行っていたが、「拙速で組織を立ち上げても急激に高まる脅威に対応できるか疑問。基盤と人材をしっかり組み直す必要がある」(指揮通信システム部)との考えから部隊新編を遅らせ、その間に人材育成と高度化する攻撃への調査・研究を進めることにした。 新設されるサイバー空間防衛隊は、サイバー攻撃に関
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