問われていることに誠実に向き合う姿勢はうかがえなかった。 兵庫県の斎藤元彦知事らに対する元県幹部の告発をめぐって、県議会の調査特別委員会(百条委員会)が報告書をまとめた。それについての知事の記者会見でのやりとりである。 報告書は、職員へのパワハラ行為や贈答品受け取りなど七つの疑惑のうち五つで一定の事実があったと認め、告発は「公益通報に当たる可能性が高い」とした。 知事らが事実確認より告発者探しを優先させ、元県幹部の関与を公表し、必要な調査結果も待たずに懲戒処分を決めた対応は「告発者つぶし」と捉えられかねないと指摘。対応全体を通して客観性、公平性を欠き、大きな問題があった―とした。 公益通報制度の専門家ら延べ40人近い証人、参考人との質疑や職員へのアンケートを重ねた調査の結果である。一つ一つ事実を詰め、県や知事に改善点を提言するなどうなずける内容だ。 これに対して知事は「改めるべきは改める」