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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/column (9)

  • 社員旅行で眺めた日本

    5月中旬、友人から携帯にメッセージが届いた。「日では日酒と、冷たいビールと、冷たい牛乳と、冷たいジュースと、冷たい水道水をそのまま飲んでも、わたしのお腹はなんともない! まだまだべたい飲みたいと思うくらい。中国ならそんなことをしたら1日もしないうちにバッタリだわ。ここは当に素晴らしい国!」 中国IT関連企業に勤めるチャンさんは、社員旅行で初めての日滞在中だった。毎日のように彼女から届く写真とメッセージを見て、6日間の滞在を終えて帰国したチャンさんにお願いして仲の良い同僚のシュウさん、モンさん、ビンさんに集まってもらった。チャンさんが得意げに温泉地から送ってきた写真に浴衣と丹前を上手に着こなして仲良く写っていた男性3人組だ。 残業で遅くなる、というビンさんを待たずに、4人で鍋を囲みながらおしゃべりが始まった。 ――旅行に参加したのは何人くらい? シュウ:うちの社員は20人、あと旅

  • 政治家を育てる質問

    12月16日の衆議院選挙投票日。テレビ東京の開票特番「池上彰の総選挙ライブ」を担当しました。 放送中から思わぬ反響をいただき、テレビ東京にはいまも再放送やDVDの発売を求める声が寄せられているそうです。 テレビ東京の人たちはもちろんのこと、外部スタッフが総力を挙げて制作・放送したものですから、当然の評価とはいえ、その一翼を担った私も嬉しく思います。 いつも「いい質問ですね」が口癖の私としては、視聴者に「いい質問ですね」と言ってもらえる内容を目指したからです。 ただ、党首や候補者への私のインタビューは、ジャーナリストとして当然のことをしたまでで、これに関する評価は面映ゆいものがあります。 というのも、たとえばアメリカテレビ政治番組なら、政治家に対しての容赦ない切り込み、突っ込みは当然のことだからです。 日なら「失礼な質問」に当たるようなことでも、平然として質問をしますし、質問を受けた側

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2012/12/25
    「まずは、政治報道に関わるジャーナリストが、「いい質問」を鍛え上げること。日本の政治を立て直すためには、ここから始めてはいかがでしょうか。政治家を育てるような質問を考えるのです。」
  • NY地下鉄で死ぬ直前の男の写真が撮られたとき、他の乗客は何をしていたか

    ニューヨークのタブロイド紙『ニューヨークポスト』が火曜、前日に地下鉄駅で起きた事故を報じた。いや、正確には事故になる瞬間を報じたと言った方が正しいだろう。 乗客同士の言い争いで50代の男性がホームから突き飛ばされ、そこに入ってきた電車に挟まれて死亡した。ニューヨークポストが1面で大きく掲載した写真は、ホームに手をかけ数メートル先に迫った電車のほうを振り返った男性の姿を捉えている。タイトルは、「万事休す、線路に突き落とされた男が死に行く瞬間」。 この事件は、いくつもの意味でいたたまれない気持ちにさせる。 まずジャーナリズムの観点から、こんな写真を載せる必要があったのかという点。数秒後に死のうとしている人間の姿を晒すことに、センセーショナリズムを煽る以外の意味があるのか。 もし事故の様子を伝えることが目的だったのならば、文章で説明し、写真は意図的に掲載しないという選択肢もあっただろう。だが同紙

  • それでも日本は走り続ける

    中国は9月30日の中秋節から国慶節(10月1日)の8連休に突入、それが明けると休み前の反日デモが醸造した重苦しいムードから開放された。そして、日でも連休明けのメディアで話題のノーベル賞が、国際情勢に敏感な中国人ネットユーザーたちの間で注目を集めている。 こんな「フェーズの転換」は11月8日を「X-day」とみなしているだろう中国当局にとってありがたいはずだ。いや、これも計算済みだったのかもしれない。だが実際はノーベル賞を見つめるレベルの人たちは片時も先日の騒ぎを忘れておらず、ノーベル賞が証明する「日中国の差」をはっきり意識しているのだが。 それは一部の日人が想像するような単純な「酸っぱい葡萄」ではない。逆に彼らは数年前の民主活動家、劉暁波の平和賞受賞に歓声を上げた人たちで、「酸っぱい」どころか、先月の信じられないような暴動を苦々しく思っている。あわせてGDP世界2位のこの国に何が足

    yyamaguchi
    yyamaguchi 2012/10/10
    「ニュースになったのはトヨタだが、実際には他の日本車ディーラーも同様のサービスを始めたという。日本の企業がここで踏ん張れば、また道もひらけていくはずだ。中国の消費者に続く道はまだ長い。」
  • 「日本よ、がんばれ!」@香港

    香港で入った書店で、「日・再出発」というタイトルのが目に入った。カバーに使われている写真はあの「希望の松」だ。小さな「頑張ろう!日!」と日語で書かれた赤いステッカーが貼り付けられていた。手に取ると、副題に「日で暮らす香港人22人の地震後の想い」とある...ぱらぱらと開いて、ふと思った。ほかの国でもこんなが出ているのだろうか? 我々は日で震災後海外における「風評」ばかりを気にしてきたが、こんなふうに日で暮らす人々が自分の震災経験を自国の人に伝えようとしていることに我々は気づいているだろうか? 「日人はどうしてこんなに前向きになれるんだろうと、なんども考えた。災難に慣れているから? 周囲のことなんて気にしてないから? どちらかというと、わたしはこう感じている。ここが彼らの家だから、ここを離れるなんて考える必要のない問題だから。SARSの(感染地域に指定された)期間中、わたしも

    「日本よ、がんばれ!」@香港
    yyamaguchi
    yyamaguchi 2012/01/20
    「我々は日本で震災後海外における「風評」ばかりを気にしてきたが、こんなふうに日本で暮らす人々が自分の震災経験を自国の人に伝えようとしていることに我々は気づいているだろうか?」
  • 事故現場からの生中継

    今一番注目されている高速鉄道事故について、わたしはなんら一次情報を手に入れることができる立場にはない。中国ではジャーナリストには「記者証」所持が義務付けられており、外国メディアも例外ではない。警察が現場を仕切る事件、事故の現場取材など、記者証をもたないフリーランスにはまったく不可能な話なのだ。 だからわたしも、この事件に高い関心を抱いていた人たちと同じように、既存のメディアからの情報によって事態を判断するしかなかった。しかし、わたしのこの「既存のメディア」にはインターネットがかなりの割合を占めている。 中国ではインターネットは「一庶民が公に向けて発言できる場」として大きく利用されているのは周知の通りだが、特にマイクロブログと呼ばれるツールがその情報発信力を爆発的に広げている。日ではマイクロブログと言えばツイッターだが、中国ではそのツイッターへのアクセスがブロックされており、その一方で「微

    事故現場からの生中継
    yyamaguchi
    yyamaguchi 2011/07/30
    「マイクロブログサービスを「公に向けて発言できる場」と見なしているのは庶民だけではない。今やプロの中国人ジャーナリストやメディア本体も、ウェブサイトやブログよりもすぐに手にした情報を発信できるメディア
  • 震災が教えてくれた「らしくない」東京の魅力

    今週のコラムニスト:マイケル・プロンコ 東日大震災から2週間ほどたったある日、私はと吉祥寺の小さなレストランに出掛けた。客は私たち2人だけ。どこに座ってもよかったけれど、私は窓から離れたテーブルを選んだ。楽しく事をしている姿を通行人に見られたくないと、何となく思ったからだ。 レストランはいつもより照明を落としていて、少し寒かった。こんなときに外していることと、客が全然いないことへの罪悪感から、私は大して空腹でもないのに料理を注文し過ぎてしまった。 あの地震以来、東京の日常は変わった。大学に行くために中央線に乗ったら、何と座ることができた!「遅刻気味なのかな。それとも避難命令でも出ているのかな」と、不安になったほどだ。ところが電車だけでなく、都内はどこもガラガラ。みんな放射線量測定器を持って家に閉じ籠もっているのだろうか。 すいている電車、商品のないコンビニの棚、場所取りのされていな

    震災が教えてくれた「らしくない」東京の魅力
    yyamaguchi
    yyamaguchi 2011/05/24
    「とはいえ、明かりの消えた東京を見るのは、メークを落とした女友達の素顔を初めて見るようなもの。今までよりずっと親しみが湧く。東京は、谷崎潤一郎が『』で見いだした陰影の美しさを取り戻した」
  • エジプト:軍とイスラム勢力にまつわる「誤解」

    一週間前、エジプトの反ムバーラク勢力が「怒りの日」に結集したときには、こうも急速に事態が展開するとは予想できなかった。3日ごとに組織される数十万規模のデモ、外出禁止にも従わず終日ムバーラク退陣を叫ぶ若者。米政権も現政権を見限り、30年間のムバーラク大統領の治世は終焉を迎えつつある。 「ムバーラク政権の独裁に反対する民衆に、軍も共感し、反政府勢力のムバーラク下ろしが勢いを増しているが、野党のなかで最も強力なイスラーム主義のムスリム同胞団が新体制下で支配的になり、イランのようになるから危険だ」――。これまでの報道振りをまとめると、こんな感じだろう。だが、このロジックに強い違和感を覚える。 第一は、軍に対する認識である。ムバーラク政権は、52年以来続いてきた紛うことなき軍事政権である。52年の共和制革命を担った主役として、以来軍は支配層の中核にあった。ムバーラク批判が強まるにつれて、軍が真っ先に

    エジプト:軍とイスラム勢力にまつわる「誤解」
    yyamaguchi
    yyamaguchi 2011/02/03
    「政権打倒を求める民衆パワーは、東欧の民主化革命や一年半前に民主化を求めたイランの緑の運動にように、これまでのアラブ世界にはまれな新しい市民運動である。」
  • 既存メディアの限界なのか | Newsweek斜め読み | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

    連日多数の人が殺され、それを報道する新聞記者たちも、次々に消されていく。たまりかねた新聞社は、遂に報道の自由を放棄。麻薬密売組織のことを報道しなくなってしまった。 こんなことが、報道の自由を謳歌しているアメリカの隣の大国で起きているのに、日の国内では、大きな扱いにはならない。これに歯がゆい思いをしていたのですが、誌日版10月20日号は、ようやくこの問題を取り上げました。「麻薬戦争に現われた『救世主』ブログ」というタイトルの記事です。麻薬戦争が繰り広げられているのは、アメリカの南隣のメキシコなのです。 この記事には、麻薬カルテルによって殺されたと見られる死体が吊るされているショッキングな写真が添えられています。極めて衝撃的なシーンを撮影した写真ですが、極力グロテスクにはならないように配慮されてもいます。残虐な事件は、写真によって迫真的になるけれど、目を背けたくなってしまう。こんなジレン

    既存メディアの限界なのか | Newsweek斜め読み | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
    yyamaguchi
    yyamaguchi 2010/10/17
    「メキシコ政府が、麻薬組織との戦いを始めて4年。この間の死者は2万8000人に上ります」「ジャーナリスト保護委員会(CPJ)によると06年以降、30人以上のジャーナリストが殺害されるか行方不明になっている」
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