2010-08-01から1ヶ月間の記事一覧
先ほど田舎から帰ってきた。当初は帰省中に本書を読みおえようと意気ごんでいたのに、友人と飲んだり市内をチャリで回ったりしているうちに戦意喪失。帰りのバスと飛行機の中でふたたび取りかかった。 今日は Parrot と Olivier の二人が船でニューヨークに…
昨日から帰省。またもやケータイを使って駄文を綴ることになり、不便この上ない。ともあれ、今年のブッカー賞候補作、Peter Carey の "Parrot and Olivier in America" を読みはじめた。これまた大長編だ。 Peter Carey もぼくには馴じみの薄い作家で、"True…
先週読んだ David Mitchell の "The Thousand Autumns of Jacob de Zoet" がわりと重い内容だったので、今度は肩の凝らない小説を、と思って取りかかったのだが、結果的に当てはずれ。えらく長いし、最後あたりは夏バテも手伝ってヒーヒーだった。これまた大…
今年のブッカー賞候補作、Paul Murray の "Skippy Dies" をやっと読みおえた。さっそく、いつものようにレビューを書いておこう。Skippy Dies作者:Murray, PaulFarrar Straus & GirouxAmazonSkippy Dies作者:Murray, PaulHamish HamiltonAmazon[☆☆☆☆] 学園も…
がんばればレビューを書けそうなところまで読み進んだが、このあと酒を飲むことにしているので今日はもうあきらめた。それにしても長い小説だ! ひょっとしたら、今年のブッカー賞候補作の中でいちばん長いかもしれない。こんなにつき合ったんだから、ぜひと…
ガーディアン紙のHPをながめていたら、A. S. Byatt がオレンジ賞についてこんな発言をしている記事が目についた。The British novelist [Byatt] has been vocal in her criticism of sexism in the literary world, and also hit out at the Orange prize, w…
注文していた今年のブッカー賞候補作の第2陣が届いた。ぼくはふだんレビューのたぐいはおろか、表紙の宣伝文句もほとんど読まないのだが、一度に何冊も届いたのでさすがに選別しないといけない。そこで裏表紙の紹介文だけ斜め読みした結果、おそらく泡沫候…
先月の末に読んだ Paulette Jiles の "The Color of Lightning" について駄文を綴ったとき、「日本文学より海外文学のほうが倫理の問題を扱った作品に出くわす確率が高いのではないか」という趣旨の独断と偏見を披露してしまったが、食い足りない面こそある…
エコ時代を先取りしてわが家にはクーラーがなく、扇風機も風呂上がりにしかつけない。あとは熱帯夜でも団扇だけだが、今年の夏の暑さはただごとではなく、保冷パックを首筋や脇の下に当てながら本書を読みおえた。最初のうちこそ「一気に読み通したくなるほ…
今年のブッカー賞の有力候補作、David Mitchell の "The Thousand Autumns of Jacob de Zoet" をやっと読みおえた。さっそくレビューを書いておこう。The Thousand Autumns of Jacob de Zoet作者:Mitchell, DavidSceptreAmazon[☆☆☆☆★] いささか度を超した細…
今日は第3部の途中まで読み進んだ。このペースだと、明日にはレビューが書けるかもしれない。毎日猛暑が続いているが、本書のように分厚い本をヒーヒーうなりながら読むのもまた格別だ。小学校のころから夏は大好きだ。 第2部は相当に面白い! 例によって…
今日は暑い、この本も厚い、などと親父ギャグを考えているうちに、だんだん面白くなってきた! 正直言って、これはおそらく熱心な Mitchell ファンでもないかぎり、最初は多少の忍耐を要する作品だと思う。が、それでもしばらく我慢して読んでいると次第にそ…
今度は David Mitchell の "The Thousand Autumns of Jacob de Zoet" に取りかかった。何しろ今年のブッカー賞候補作はもうペイパーバックでほとんど読めるので、夏読書の予定がすっかり狂ってしまい、うれしい悲鳴だ。本当は積ん読の古典をじっくり読みたか…
直感で予想すると、これはショートリストどまり。受賞はないと思う。William Hill のオッズは 10 / 1 で、ぼくが「泡沫候補」と呼んだ Rose Tremain の "Trespass" と同じく7位グループに属しているが、あちらよりはブッカー賞にふさわしい内容だ。しかしな…
お盆休みを利用して今年のブッカー賞候補作、Andrea Levy の "The Long Song" を読みおえた。さっそくレビューを書いておこう。The Long Song: Shortlisted for the Man Booker Prize 2010作者: Andrea Levy出版社/メーカー: Headline Review発売日: 2010/02…
"The Slap"、"Trespass" に続いて今年のブッカー賞候補作、Andrea Levy の "The Long Song" に取りかかった。彼女の作品の中では、2004年にオレンジ賞とウィットブレッド賞を取った "Small Island" がいちばん有名だが、中身はほとんど失念。6年前というと…
Rose Tremain の作品を読むのは2年前のオレンジ賞受賞作 "The Road Home" 以来だが、相変わらず手堅い作風だ。「登場人物の心理や性格、関係、主筋の展開など、どの要素もすんなり頭に入り、ここにはまさしく英国小説の長い伝統が息づいている」とは同書を…
この夏、ほんとうは英連邦作家賞の最近の受賞作を3冊読もうと思っていたのだが、"Solo"、"The Slap" に続いて2年前の "The Book of Negroes" に取りかかる前にブッカー賞候補作の第1陣が手元に届いてしまった。既報のとおり、今年は珍しく大半がもうペイ…
William Hill がつけたオッズを今見ると、本書は 11/2 で3番人気ということだが(ちなみに1番は David Mitchell で、2番は Tom McCarthy)、ぼくの率直な感想は読みはじめたときと変わらず、「ブッカー賞はたぶん無理でしょうね」。 もしかしたらショート…
今日はお昼を食べたあと、つい眠りこけてしまったが、あとは順調そのもの。今年のブッカー賞の候補作で、昨年の英連邦作家賞受賞作、Christos Tsiolkas の "The Slap" を思ったより早く読みおえることができた。さっそくレビューを書いておこう。The Slap: A…
もうそろそろジョギングに出かける時間だし、そのあと酒を飲むことにしているので今日の読書はここまで。それでも、明日がんばれば何とか読了できるかもしれない。最近のぼくにしては珍しくハイペースだが、それはひとえに本書が「無類に面白い読み物」だか…
マジック・リアリズムの小説といえば、とにかく奇妙きてれつ、まことにケッタイな世界が繰りひろげられ、何が何だかわからないがメチャクチャ面白い。ただ、読みおわったあと、はて、作者は何が言いたかったのだろうか、「この現実は果たして、現実と虚構の…
つい先日、仕事帰りに東京の根津まで足をのばし、友人の案内で路地裏を探訪、根津権現にもお参りした。古い木造の家が軒をつらね、軒先の植木鉢から壁板をおおうように草花が生い茂り、ステテコ姿のおじいさんが夕涼みをしていた。「千と千尋の神隠し」に出…
予定よりかなり遅れてしまったが、今年の英連邦作家賞(Commonwealth Writers' Prize)受賞作、Rana Dasgupta の "Solo" を何とか読みおえた。さっそく、いつものようにレビューを書いておこう。Solo作者: Rana Dasgupta出版社/メーカー: Fourth Estate Ltd…
雑感(1)からずいぶん間があいてしまった。本書は今年の英連邦作家賞(Commonwealth Writers' Prize)の受賞作で、作者はインドの作家 Rana Dascupta。連日の猛暑のせいか予定より遅れ気味だが、何とか目鼻がついてきた。これはどうやら、現実と幻想が混在…
Rana Dasgupta の "Solo" の仕掛けがやっとわかってきたところだが、やっぱり昨日の続きを書こう。 白人によるインディアン迫害の歴史を考えれば、白人はインディアンの襲撃に寛容であらねばならぬ、それゆえ、「平和と友愛の精神で臨む努力を続ければ理解が…