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日刊イオ

月刊イオがおくる日刊編集後記

素晴らしかった東京中高70周年記念公演

2016-11-30 09:41:22 | (K)のブログ
 11月20日の日曜日は、東京朝鮮中高級学校の70周年記念祝典に参加してきた。
 私は第2部の記念公演から参加したのだが、いつにもまして素晴らしい公演だったと思う。朝鮮学校はいいな、と思う時はいろいろとあるが、子どもたちの芸術公演を観る時もそのひとつだ。幼稚園児から大学生まで、これまで何百という公演を観てきたけれど、どれも例外なく素晴らしいものだった。





 70周年記念の公演は、生徒たち一人ひとりが、自分たちの学校の70年の歴史に思いを馳せ、誇りに思い、守って行こうという気概にあふれ、いつにもまして素晴らしかった。定番の「万豊年」はじめ(写真1)、どの演目も良かったが、一番心に残ったのは、チョゴリの制服を題材にした舞踊だった(写真2)。
 1990年代に入り、各地で朝鮮学校の女子生徒が通学途中に襲われ、着ていたチョゴリの制服を切り裂かれるという卑劣な事件が続いた。日本社会に根深く残る朝鮮人蔑視・差別と政治的に作り上げられた「反北朝鮮」の風潮、日本政府による朝鮮人に対する弾圧の歴史を象徴するのが、女子生徒のチョゴリ制服に対する攻撃だ。
 朝鮮学校は仕方なく、通学時に着用するブレザーの第2制服を導入する。しかし、チョゴリ制服は今も守られ、生徒たちは朝鮮学校の中で朝鮮人としての心を育んでいる。民族教育は生徒たちにとってなくてはならないもの―それらのことを舞踊の作品として見事に表現していた。



 けっしてつけたしではなく、朝鮮学校に子どもを送るオモニたちの合唱(写真3)も素晴らしかった。オモニたちの多くは、ン十年前は朝高生だったはずだ。卒業して子どもを朝鮮学校に送り、舞台に立つことで朝鮮学校に戻る(おそろいのピンクのシャツが素敵だった)。この日、公演に出場した生徒たちも、これからも、卒業した後も、いろんな形で朝鮮学校を訪ねてもらいたいと思った。(k)

○○専門店!

2016-11-29 10:00:00 | (麗)のブログ
「○○専門店」―。この響き、妙にそそられる。

最近、近所の商店街にあるテイクアウトのみの餃子専門店にハマっている。
店頭では、エプロンが似合う素敵な女性たちが愛情込めて餃子をせっせと作っている。

今日は餃子が食べたいなと店に寄る、といつも続々と常連客がやってくる。夕飯前には行列が出来るほど。

そして焼餃子・生餃子が10個入りで340円(タレ、ラー油つき)という安さ。
生地はややへにょっとしていて、一部剥がれやすい包み方になっていることもあれど、そんなもん食べてしまえば関係ない!
ニンニクたっぷり、野菜多めな餡にはしっかり味がついているので、タレがなくても美味しくいただける。
そしてそしてビールによく合います。あ~なんて美味しい食べ物なんだ!といつも興奮&感動している。

今日は餃子!そういう口になっている時にふらっと寄るのだが、定休日だということを忘れて行くと絶望する。
その味に惚れ込んで以来、たまの夕食として大活躍している。
ビール片手に「餃子は美味しいな~」と一人、噛みしめている。(麗)

旅するカメラ

2016-11-28 10:00:00 | (理)のブログ

(上野彦馬賞HPより)

 先日、「上野彦馬賞受賞作品展」に行ってきました。上野彦馬賞とは、若い写真家の発掘と育成を目標としたフォトコンテストで、幕末から明治にかけて長崎で写真館を営んだ実存する人物の名を冠したものだそうです。
 今年は一般部門705点、高校生・中学生部門5454点、ファミリー部門124点、合計で6283点が全国から集まり、その中から選ばれた作品が会場に展示されていました。

 シンプルで静かな会場に、等間隔で受賞作品が展示されています。そのような雰囲気もあってか、一つひとつの写真の前に立つとまるでその場に吸い込まれるような迫力を感じました。メッセージ性のあるものから、中にはホッとさせられるものまで、素敵な写真がたくさん。こんな賞と展示会があるということを、今回初めて知りました。
 なぜ私がこの賞を知ったかというと、なんと来年の1月号からイオで連載を担当して下さる方の作品が展示されているからなのです。上の写真で右下にあるのが、フリーフォトジャーナリスト・板谷めぐみさんの作品です。以下は板谷めぐみさんの、受賞作品についての文章です(ご本人のブログより)。

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タイトルは『邂逅~辺野古より~』
辺野古キャンプシュワブで60年代米兵として従軍していたケンマイヤーさんと、
当時沖縄戦が終わりシュワブ基地内で働いていた、今も辺野古の座り込みをしている文子さんの約60年以来再会の場面でした。
タイトルにはあえて元米兵をいれませんでした。なぜ、ケンマイヤーさんは軍隊や戦争に疑問を持つようになり、元米兵がなぜ米軍基地を反対しているのか?
元軍人と基地内で働いていたという立場を超え、平和な未来を目指すという同じ目標になった時同じ人間としての瞬間を感じていただけたらと思いまして。
皆様に見ていただければ、本望でございます~~!!!
よろしくお願いします!!!!!!!!
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 タイトルにある「邂逅(かいこう)」という言葉を調べてみると、「思いがけなく会うこと、めぐりあい」という意味でした。見れば見るほど、この二人と、二人を取り巻く大きな物語が迫ってくるようで、作品の前にじっと立ち尽くしてしまいました。

 板谷めぐみさんがどんな方なのか、イオでは何について書いて下さるのか。それは1月号以降のお楽しみです。

 作品展は入場無料。東京では12月4日まで行われるほか、来年も日本各地で巡回するみたいです。日程とHPは以下。写真はHPでも見られますが、パネルで大きく展示されたものを見るとやはり強く印象に残ると思います。ご興味のある方はぜひ足を運んでみて下さい。(理)


●上野彦馬賞
http://www.kyusan-u.ac.jp/relation/hikoma/2016_sakuhin/index.html

【2016年】
11月26日~12月4日 東京都写真美術館
【2017年】
2月7日~12日 鹿児島市立美術館
3月22日~4月2日 小倉井筒屋パステルホール
5月23日~28日 長崎県美術館
9月10日~21日 北海道東川町文化ギャラリー

初雪とリニューアル号に向けて

2016-11-25 10:00:00 | (愛)のブログ
昨日は東京にも初雪が降りました。
紅く染まった落ち葉の下に白い雪が降り注ぐという、東京ではめったに見られない光景に驚きながら出社しました。
幸い積もるほどの雪ではなかったのが幸いでしたが、(ここは長野?)と思うほど寒くて、これでもか!というくらい厚着をしての出勤でした。

さて、12月号工程も終わり、いまは2017年度のリニューアル号に向けての準備で大忙しです。
デザイナーにとっても、リニューアルする頁が多く、
筆者やイラストレーターさんとの打ち合わせ、取材、新規レイアウトの製作などやることが多く、
目まぐるしく1日が過ぎていきます。
1年で1番大変な時期ですが、と同時に、
新たな企画が生み出される瞬間は、とても面白く、やりがいを感じる時でもあります。

来年度は、イオをいままで支えてくださっている読者の方々とも
誌面上でコミュニケーションを取れるよう、色々奔走、準備中です。
「読者の声」頁も1頁から3頁に増える予定ですので、
ぜひその頁も見逃さずお読み頂ければと思います。

2017年度1月号は12月16日発行予定です。(愛)

3月に結審決まる/広島無償化裁判第14回口頭弁論

2016-11-24 10:00:00 | (S)のブログ

 広島無償化裁判第14回口頭弁論が11月16日、広島地裁で行われた。

 法廷ではまず、原告の1人である広島朝鮮初中高級学校の教員が意見陳述を行った。陳述では、祖国で暮らしたことのない在日4世の自分が、ルーツを知り、朝鮮人であることに誇りを持つことができたのは朝鮮学校があったからだと話し、在日朝鮮人にとって朝鮮学校がいかに重要かということを話した。また、街頭活動中に罵声を浴びせられ泣き出す生徒もおり、身近に差別があることを実感したこと、一方では、朝鮮学校が日本と朝鮮の架け橋になれることなど、高校時代の経験も語った。最後に、「子どもたちの頑張る姿を見てほしい」と裁判官に学校訪問を求め、公正な判決をするよう訴えた。

 裁判では、原告側(朝鮮学園)が第14準備書面を提出し、大きく2点を主張した。

 ①被告(国)はこれまで、広島朝鮮高校に対する不当な支配が疑われる根拠として産経新聞に書かれた内容をあげている。原告は、「本当に補助金の流用という重大な疑惑があるのであれば、産経新聞だけでなく他の多くのメディアもこれを大きく取り上げたであろうし、場合によっては捜査機関による捜査も開始されたはずであるが、そうした事態は起きなかった」などと説明しながら、被告が主張する「事実」はいずれも真実と認定できない単なる疑惑であるにもかかわらず、これを無償化除外に至る経緯として位置づけていることは不当だと主張した。
 
 ②また、被告が朝鮮学校と朝鮮民主主義人民共和国や朝鮮総聯のつながりを「不当な支配」としていることについて、「日本国内の外国人学校であれ、日本国外の日本人学校であれ、現地の私的団体である外国人団体と一体となって運営され、人事、財政、教育内容等に関する支援を受けることは、自然かつ普遍的な現象」だとし、他の外国人学校でも普遍的に認められる本国や民族団体からの支援を理由に、広島朝鮮高校を規程13条(学校運営の適正)違反と認定することは明白に違法だと主張した。

 被告からは第11準備書面が提出されたが、原告が公開を求めていた文書に対し、「指定された文書がない」との回答に留まった。

 原告は今回、教育法学の立場から国の不当性を指摘している、獨協大学の成嶋隆教授の意見書を提出。次回はこの意見書を踏まえた主張を行う予定だ。また、来年3月に結審が行われることが決まった。

 今後、以下の流れで裁判が行われる。
 第15回口頭弁論/12月14日(水)16:00~ 広島地裁
 第16回口頭弁論/2017年2月8日(水)13:30~ 広島地裁
 第17回口頭弁論・結審/2017年3月8日(水)13:30~ 広島地裁



 広島では11月13日から1週間、オモニ会、朝高生、教員、日本人支援者たちが広島駅前に集まり、街頭活動を行った。
 高校生たちは街頭で、「ビラに目を通すだけでも、どうかお願いします!」と一人ひとりに声をかけながら、ビラを配っていた。
 「在日でしょ?」と吐き捨てて通り過ぎる人や、「私は知らないから、いらない」と言った人もいた。
 一方で、立ち止まって話を聞いてくれる人の姿も。日本の学校に通う学生は、ビラを1枚だけでなく何枚も受け取り、朝高生と一緒にビラを配ったという。
 
 今回の裁判には、配られたビラを見てこの問題を知り傍聴に訪れた日本の方がいた。
 今後も地道に問題を伝えながら裁判を闘っていこうと、現場では気持ちを新たにしている。(S)




映画「弁護人」を見て

2016-11-22 10:00:00 | (瑛)のブログ


 公開中の映画「弁護人」は、韓国の第16代大統領(2003~08年)だった故・盧武鉉が人権派弁護士として目覚めていく姿を描いた作品だ。

 舞台は1980年代の韓国・プサン。

 高卒で司法試験に受かり判事になるも、学歴社会の差別に嫌気が差し弁護士になったソン・ウソクは、不動産登記の仕事で夢に見た「安定」を手にした。

 そんなある日、ソンは苦学していたころから世話になっていたクッパプ屋の息子・チヌが不穏な読書会を開いた容疑で捕まり、突然、母親の前から姿を消したことを知る。

 ようやく実現された接見の場で目にしたチヌの拷問の痕-。

 国家保安法に人権の理念などない。自白を強要し、でっちあげられた事件を証明していく道のりには高い壁が立ちはだかる。弁護人を引き受けたことで、ソンの家族は脅かされ、仕事も減っていった。

「壁」の象徴として、映画ではチャ・ドンヨンが冷酷非道な警監として描かれる。拷問に手を染めるチャに罪の意識はなく、「戦争は終わっていない。われわれに感謝すべきだ」と警察権力を正当化する姿は、まさにこの国の「闇」だ。

 弱者の人権より、国の繁栄-。映画では軍事独裁政権によって犠牲になった無辜の市民を浮かび上がらせる。その市民のなかでソンは自らの磁場をみつけ、「敵」を作るためのスケープゴートにされた、チヌら大学生に「無罪」をもたらすべく、無謀ともいえる闘いを挑むのだった――。

 見所はソン・ガンホの迫真の演技。ささやかな日常をとりもどすため、葛藤を繰り返しながら、泥臭く、愚直に生きる姿に心が揺さぶられる。

 ヤン・ウソク監督が盧大統領に注目するようになったのは、政治家に転身した彼が、政局の大きな変化の中であえて厳しい選択を取った姿からだったという。

 主演のソン・ガンホさんは上映公開に合わせて来日。記者会見の場で、「この時代を貫いた人たちの民主主義への熱望を描きたかった」と話していた。

 「厳しい経済状況の下で苦労している今時の若い世代…かれらを元気づけて前向きにさせるような話を届けたい」とのヤン監督の言葉に、現在の故郷の姿が重なる。

 映画は、来年初めまで各地で公開される。(瑛)

ストレス発散のために差別発言をする国会議員

2016-11-21 10:00:00 | (相)のブログ
 一昨日のこと。日ごろ利用しているSNS上で、目を疑うような発言に接した。
 その発言がこれ。
 https://twitter.com/adachiyasushi/status/799822458341593089

 日本維新の会所属のあだち康史衆院議員の投稿だ。
 精神衛生上よろしくないので、当該投稿へのリンクだけ貼って、全文引用は控えたい。
 一言で、ひどい差別発言で、国会議員にあるまじき暴言であることは論を待たない。
 国会議員が「こんなこと本当は言ってはいけないのだが、我慢するとストレスがたまって仕事に影響するので言ってしまおう」と前置きしてから、SNS上で堂々と差別発言を開陳。「ストレス解消」のため差別発言をするような人物が、ヘイトスピーチ規制法を制定した国会に議員として身を置いていいのか。 上記の発言一つとっても政治家に向いていないのは明らかなのだから、即辞職すべきだろう。
 公人(とくに政治家)による差別発言は一般人によるそれに比べて、拡散や扇動といった側面からより影響力が大きく、悪質だといえる。
 あだち議員はこれまでにも数々の問題発言で批判を浴びているいわくつきの人物。本人はなんのことなしにいつもの「炎上芸」のつもりでやっているのかもしれないが、確信犯的に差別や暴言を繰り返す人物がいまだに国会議員を続けられているという現実が日本の政治状況のひどさを如実にあらわしているのではないだろうか。(相)


月刊イオ12月号が完成しました

2016-11-18 09:22:15 | (K)のブログ
 月刊イオ12月号が完成しました。今年、最後のイオとなります。はやいものですね。

 特集は「トンポ版・海外ビジネスの手引き」。
 在日朝鮮人も海外に進出する企業が増えています。海外でビジネスを展開する企業家を「羽ばたく同胞企業家」として4つ紹介。海外進出を支援するため立ち上げられる同胞有志による機関「KIIR」を紹介しています。また、主に香港への進出をモデルに解説した「トンポのための海外進出ノウハウ」を掲載しています。
 日本の枠にとらわれずに世界で活躍する同胞企業がさらに増えることを願っています。

 特別企画は「ニュース2016、私はこう見た」。
 今年もいろいろな出来事がありました。そのなかから編集部が気になった10のニュースをピックアップして、専門家や編集部員が個人の見解を書いています。ピックアップしたニュースは、「オバマ広島訪問」「東京都知事選挙」「蓮舫議員の「二重国籍疑惑」」などです。個人的には暗い事件が多かったという印象です。皆さんの気になっているニュースも入っているでしょうか。

 その他には、北陸朝鮮初中級学校で行われた北陸同胞フェスタ2016、朝鮮が優勝し大阪朝高の李誠雅選手も出場した女子サッカーUー17ワールドカップ、朝鮮大学校の張炳泰学長と白鳳大学の奥島孝康学長の対談、100回を超えた高校無償化制度への適用を求める「金曜行動」、川崎桜本で行われた「在日バイタルチェック」の公演、在日朝鮮学生美術展の活動を続けてこられた仲野誠さんへの追悼文などを掲載しています。
 今年最後の月刊イオは、いつにもまして豊富な内容です。ご愛読ください。(k)

コンビニ通いがやめられない

2016-11-17 10:00:00 | (麗)のブログ
最近めっきり寒くなってきました。
衣替えもようやく済み、羽毛布団と毛布のあたたかさに癒されています。
夏より冬の方が好きで、ご飯も美味しい季節。

コンビニで肉まんの香りがふわ~っと漂ってきたら、もうそんな時期かと買うわけでもないのにワクワクしてしまいます。
相変わらず「コンビニ飯」にお世話になりっぱなしの身です。
最近は「こんなものまで売ってるの?」というクオリティのものまであって、感動を隠し切れません。

まだ「料理の楽しさ」を見出せていない自分にとって、この存在は大変ありがたいです。
近所のコンビニではいよいよ顔を覚えられてしまい、いつもごはんの温めをしない自分に「温めは大丈夫ですよね?」と言われる始末。
若干恥ずかしさもありますが、それでも行かずにはいられない…。

便利な世の中、ありがとう…!!と心の底から感謝をする日々です。

今はおでんの美味しい季節! ビール片手にアツアツおでんを楽しむのがマイブームです。(麗)

「アンニョンハセヨ、はじめまして」

2016-11-16 10:00:00 | (理)のブログ
 イオ編集部ではすでに来年度1月号の工程に取りかかっています。新しく始まる連載、リニューアルされる連載など、2017年も内容盛りだくさん。
 新連載の一つに、「アンニョンハセヨ、はじめまして」という企画があります。これまで同胞コミュニティに出会う機会がなかった同胞たちを紹介するコーナーです。

 日本の学校に通ったためウリマルはわからないけれど当たり前のように朝鮮名を使っていたり、もしくは日本名で生活していても自分のルーツをどこかで意識していたり。
 連載をしようと思ったきっかけは、今年そういった同胞に出会う場が多かったからです。そして、お会いした方のほとんどが『月刊イオ』の存在を知らない、というのも新鮮でした。

 イオでは、ウリハッキョや同胞コミュニティとつながりのある同胞たちを紹介することがやはり多いです。その理由の一つとして、私(編集部員)自身が、コミュニティとつながる機会のなかった同胞たちとまだまだ出会えていないからというのがあったと思います。「同胞コミュニティ」という言葉も、私はウリハッキョを中心とした集まりを考えていますが、それ以外にもきっと様々な場があるでしょうね。
 もっと色々な同胞と会って話してみたいですし、事前にイオも読んでもらって意見や感想も聞いてみたいです。イオのコンセプトは「コリアンつながりで広がる生活情報誌」。少しずつつながりを広げていけば、そこからより楽しいものが生まれてくると思います。(理)

本紹介「神様2011」

2016-11-15 10:00:00 | (愛)のブログ
今日は本の紹介を。
「神様2011」川上弘美さんの小説です。

初版は2011年9月。
新しい本ではありませんが、私自身最近知り、自然や原発についてまた一度深く考えさせられた本でした。

元々は作者がデビュー作(1993年)に「神様」という作品を書き、3.11東日本大震災が起こった後に、加筆し「神様2011」を書き上げました。

この本には「神様」と「神様2011」二つの作品が掲載されています。

話の流れとしては、
ある日主人公の隣に「くま」(雄の成熟した熊)が引っ越してきて、引っ越しそばを持ち挨拶にくる。
赤の他人ではないと知った主人公とくまは、
ある日ピクニックに出かける。

というのが主な内容。

現実世界に話ができる熊が表れるというなんとも不思議なお話です。

加筆された作品には、原発事故後の変わった景色や事柄、言葉などがでてきます。

作者はあとがきでこう書いています。
「日常は続いてゆく、けれどその日常は何かのことで大きく変化してしまう可能性をもつものだ、という大きな驚きの気持ちをこめて書きました。」

私はこの本を読んで、人間と自然との共存や、人間がいいと傲慢に思いやってきたこと(原発推進など)への驕りなどを感じ、いまいちど原発事故について考えさせられました。

神様2011は日本の教科書にも掲載されているということで興味はもっていたものの、読んだことはありませんでしたが、
この作品はとても読みやすく、それでいて、深いので、
ぜひ機会があれば読んでみてください(愛)

映画「高江―森が泣いている」を観て

2016-11-14 10:00:00 | (S)のブログ

 先日、ポレポレ東中野で上映されていた映画「高江―森が泣いている」(監督:藤本幸久・影山あさ子)を観に行った。

 これは、沖縄本島北部に壮大に広がるやんばるの森に囲まれた、人口140人ほどの小さな集落・高江で、今何が起こっているのかを記録したものだ。
 2007年、住民たちの反対にもかかわらず、沖縄防衛局は米軍北部訓練場でのヘリパッド建設工事に着手した。同時に高江の住民や支援者たちもゲート前で座り込み、テントを設置し、絶対に工事を食い止めようと闘ってきた。
 そして、今年7月10日の参議院選挙で、辺野古新基地に反対する伊波洋一氏が勝利したその日、明日から高江のヘリパッド建設が再開するという情報が入った。市民たちは翌日から現場に駆けつけ、撮影チームもそれから毎日撮影を続けた。

 全国から動員された約500人の機動隊員が市民たちを容赦なく排除していくようすは、本当に恐ろしい。機動隊のあからさまな暴力によって救急搬送されていく市民たち。「戒厳令」かと目を疑うほどの壮絶な光景だ。7月22日、激しい混乱の末、機動隊は市民がゲートを封鎖してきた座り込みテントを破壊してしまう。呆然とたたずむ人びとから、悔しさがにじみ出る。

 上映後のトークで藤本監督は、「国を挙げて全国から動員された機動隊員500人、沖縄県警入れて1000人が、140人しかいない高江の村にもう3ヵ月間も貼り付けている。沖縄の森の中で安倍政権がやっていることを、早く伝えないといけない」という思いで、映画をまとめたと話した。また、自然が破壊され工事が強行されていく森の中で、今も人びとが闘ってる。そのことを伝えるため、次の映画を準備しているという。
 「沖縄が今、闇に覆われているが、光を放つ人びとが集まり行動しているのも事実。集い続ける人たちに自身も付き合い続けて、記録を続けて行こうと思う。記録しない事実は消えていくし、記録してもたくさんの人が見られる形を作らないと意味がない。映画を観てもらう事で、初めて事実が事実として伝わっていく」

 現在、上映権付きDVDを販売中。また、ポレポレ東中野でアンコール上映が予定されているそうだ。
 次回作の「高江―森が泣いている2」は、11月末から上映権付きDVD販売。劇場上映は沖縄(12月10日~、桜坂劇場)、東京(12月中旬、ポレポレ東中野)、大阪(シアターセブン)で行われる。
 是非、足を運んでほしい。(S)

補助金留保、の報を聞いて

2016-11-11 10:00:00 | (瑛)のブログ
 神奈川県の黒岩県知事は8日、神奈川朝鮮学園に通う児童生徒への学費補助(4~8月分、約2100万円)の交付決定を留保すると発表した(神奈川県新聞)。

 その「理由」は、県が求めていた歴史教科書の改訂が行われていないからだという。


 同知事は2013年2月の朝鮮の核実験を受け、13年度の経常費補助の交付を取りやめ、14年度からは、外国人学校への補助金制度をなくし、児童生徒への補助に切り替えた。それが「外国人学校児童・生徒学費軽減事業補助金」だ。その「交付要綱」第1条には次のように補助金の趣旨が明記されている。

 「外国人学校に在籍する児童・生徒等の保護者に対してその授業料または保育料を補助することにより、保護者等の負担軽減を図り、児童・生徒等の教育を受ける機会を安定的に確保…」

 要綱のどこにも、教育内容によって補助金を停止したり、留保する、とは書いていない。県は新しい補助金制度を設けたとき、以下のような説明をしていた。

 …国際情勢・政治情勢の不安定さが、母国・民族との関連を想起させ、子ども達の教育の機会に影響を与えかねない。外国人学校に通う子ども達であっても、こうした不安定さの影響を受けることなく、安定的に教育を受ける機会を確保する必要がある。

 「想起させる…」の部分は理解しがたい。なぜなら、国際情勢は常に不安定であり、仮に想起させたとしても、国や民族の隔たりなく教育の機会を設けることが、行政や国の責務、仕事であるはずなのだから…。

 同知事は、拉致問題を教科書に明記することにこだわる。

 しかし、そもそも、朝鮮学校は学校教育法に定める1条校ではない。法律の枠組みでいうと、朝鮮学校は、各種学校の認可を受けており、そこで教える教育内容に県知事が介入することは法律で認められていない。知事こそが、要綱が定める「子どもの学ぶ権利」を脅かしているのではないか。

 政府の無償化差別に始まり、東京都、大阪府でも教育内容を口実に補助金が止められているが、今後、日本の教育行政は、すべての外国人学校の教育内容を監視するつもりなのだろうか。アメリカンスクールで原爆投下をどう教えているのか、アジア系の学校で「従軍慰安婦」問題の記述がどうなっているのか、など、枚挙にいとまがない。お金をちらつかせながら、マイノリティ学ぶ権利を脅すその先に、何があるというのだろう。

 留保を受けて、朝鮮学校を支援を続けてきた日本市民たちが、撤回を求め、動きだしている。

「神奈川朝鮮学園を支援する会」の成田恭子事務局長がイオ12月号に寄せた文を紹介したい。補助金留保は知事一人の問題ではなく、日本社会、県民たちの意識が問われていることだと思う。


●会う(マンナミョ)・学ぶ(ペウミョ)・ともに(トブロ)


 神奈川県下には5校の朝鮮学校があります。2013年2月、神奈川県知事は「北朝鮮の核実験」を理由に朝鮮学園への経常費補助金の予算不計上を発表しました。それと連動して、横浜市、川崎市、大和市が補助金の停止または減額を行ないました。

 その数日間のうちに県下83もの労働組合、市民団体が結集して「反対声明」をあげ、「朝鮮学園への補助金支給再開を求める県民会議」を結成しました。

 署名、集会、「60万回のトライ」上映会などを実施し、朝鮮学園について市民の理解を深め、補助金再開を求める活動を行いました。また、「ムジゲタリ基金」を募り、高校無償化制度から除外された上に自治体の補助金まで不支給となった学園への経済的な支援の輪を広げました。

 県は2014年度予算において「外国人学校に通う生徒に、政治や国際情勢に左右されず安定的に教育を保障する」として、県下のすべての外国人学校に対し、経常費補助に代えて新たな就学支援金制度をスタートさせました。これは朝鮮学園の児童・生徒にも支給されることになりました。県民会議は一つの役割を終え、復活していない自治体の補助金再開をはじめとする課題を引き継ぎ「神奈川朝鮮学園を支援する会」と統合されました。

 しかし今年11月8日、県は朝鮮学校に通う児童・生徒に対する支援金の交付決定を留保すると発表。教科書に拉致問題の記述がないことを理由にしています。

 何としても留保を撤回させなければなりません。現在、支援する会は「出会う(マンナミョ)・学ぶ(ペウミョ)・ともに(トブロ)in NANBU−かながわの朝鮮学校交流ツアー2017」(2017年2月18日)に向けて取り組みを進めています。(成田恭子「神奈川朝鮮学園を支援する会」事務局長)

今週末は朝鮮大学校創立60周年記念行事へ

2016-11-10 10:00:00 | (相)のブログ
 

 これまでにも何度か本ブログで書いてきたが、朝鮮大学校(東京都小平市)が今年、創立60周年を迎えた。
 さる5月28、29日に大学で創立60周年記念行事が盛大に催されたが、今週末の12日(土曜日)には国際シンポジウムが、13日(日曜日)には学園祭がそれぞれ行われる(詳細は下記参照)。
 12日のシンポジウムは事前申し込み制で、応募はすでに締め切られているが、翌13日の学園祭はオープンになっている。
 学園祭のtwitter公式アカウント https://twitter.com/KoreaUniv_Fes も「遊びに来て朝大(ちょうだい)!」と猛プッシュしているので、関心のある方々は足を運んでみてはいかがだろう。
 以上、いち卒業生からのアピールでした。(相)


 ●朝鮮大学校創立60周年記念国際シンポジウム「海外コリアンの民族教育と朝鮮大学校~歴史、その現在と未来~」

 日時:11月12日(土)、10時~(9時30分開場)
 場所:朝鮮大学校講堂
 開会式(10時~10時30分)、1部・報告(10時30分~13時20分)、2部・コメントと総合討論(13時20分~15時50分)

 ●朝鮮大学校創立60周年記念学園祭2016「KO(DAIRA)KO(REA UNIVERSITY)からたしかな未来へ」
 日時:11月13日(日)、10時~16時(メインセレモニーは11時~)
 場所:朝鮮大学校
 朝・日友好、地域交流を目的とし、見て、食べて、遊ぶさまざまな企画あり

 詳細は上のチラシ画像のほかに、下記リンク先でも見られる。
 https://www.facebook.com/%E6%9C%9D%E5%A4%A7News-1435739610013707/
 http://chosonsinbo.com/jp/2016/11/20161104ton/


「アイドルのナチ風衣装」問題

2016-11-09 09:40:16 | (K)のブログ
 アメリカ大統領選挙が始まったが、結果が出るのは今日の午後らしいので、別の話題を。
 アイドルグループが、コンサートでナチス・ドイツの軍服を思わせるデザインの衣装を着たとして問題となった。ネット上で話題となり、海外から非難の声があがってユダヤ系団体が抗議、謝罪を求める事態にもなった。
 グループの所属レコード会社(ソニー・ミュージック)が謝罪、プロデューサーの秋元氏もコメントを出している。しかし、それを読むと、「本当に反省しているの? 悪かったと思ってるの?」と個人的に思ってしまった。

 ナチス・ドイツと同じ頃、日本帝国も同じように、他国を侵略し、植民地支配し、そこの人々を虐殺し、資源を略奪するなどあらゆる犯罪を繰り返してきた。
 侵略・虐殺などの国家犯罪は、日の丸、君が代のもとで行われたが、それが強制される社会になっている。靖国神社の周辺に行くと日本軍の軍服を着た人たちが闊歩している。
 日本政府が先頭に立ち、教科書から日本軍「慰安婦」問題をはじめ国家犯罪の事実を消し去るなど歴史を修正し、過去の日本の国家犯罪を告発する施設などを抹殺しようとしている。
 このようなうことが日本国内にあふれているが、何も問題となっていない。問題だと炎上するどころか、抗議する人々の声はかき消されている。(k)