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伊佐子のPetit Diary

何についても何の素養もない伊佐子の手前勝手な言いたい放題

京都スタイル

2005年09月02日 | 京都



京都本は、見つけるとつい買ってしまうのでいけない。

この本は、
10年くらい前に東京から京都に移り住んだ女性が書いたという
どこかであったパターンの本。
私はとても好意的に読んだ。

京都に来ていかに驚いたかということが書いてある。

これだけ驚いている人が多いのだから、
やはりほかの土地の人には、
京都(京都人)はよほど変わっていると映るのだろう。


それはともかく、
京都の人の醤油はキッコーマンの濃口とヒガシマルの薄口、
という京都の台所事情までが書いてある。

確かにそうだ。ウチでも濃口はキッコーマンで薄口はヒガシマルだ。
ええい、それのどこがいかんか。
こんなとこまで京都の人間の生活を暴かなくてもいいではないか。
なんか、
最近は京都人のあらゆる細部までをほじり尽くすのがトレンド(死語)か。

というか、こういう開き直りが京都の人間の良くないところだろう。
どこが悪いねん、と開き直る。
もっと美味しい醤油があるかもしれないのに、
それを試そうとしないであくまでキッコーマンにこだわる。


でも、本当のことを言えばこだわっているわけではないのだ。
本当は別にどうでもいい。
醤油に関して言えば、代々母から娘へと受け継がれているから、
だけのことだと思う。
だから、何も疑問に思わず使っている。
スーパーへ行けば他の醤油も売っているけれど、
別にほかに変える確たる理由もないからそのまま使う。
それで良いと思っている。


こだわるという行為が、大体品のよくないことだと思う。

そんなことを私が言うな、と怒られそうだが、でも本当だ。
最近、こだわりという言葉を避け、
執着というような言葉を使うことにしている。

こだわりという言葉は、元来マイナスの意味の言葉だからだ。
物品にこだわるのは、品のない人間だ。

京都の人間はこだわるのではなくて、執着心が強いのだと思う。
大福は出町ふたばでなくては駄目、
というのは、こだわりではなくて、執着心なのだ。
…おなじことか



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西本願寺と高松塚

2005年09月02日 | 京都の社寺と文化財
西本願寺の阿弥陀堂に灯油をばら撒いた男が逮捕された。

ライターなどを持っていたというから、
火をつけるつもりだったのだろう。

阿弥陀堂は重要文化財に指定されているという。
危ない処だった。

男は右翼で、本願寺の靖国参拝に対する態度がよくないと、
火をつけようと思ったらしい。

母によると、
東西本願寺はコイズミさんが靖国を参拝する度に
参拝反対の声明を出しているのだという。

ガイ〇チ右翼に重文を放火されないでほっとしたが、
右翼でもタリバンでも構わないが貴重な文化財を狙うのは卑怯だ。
それはやめて欲しい。

阿弥陀堂は重文とは言え、信徒が毎日お参りしているお堂だ。
でも油だらけになったので当分使えないだろう。
御影堂は現在修復中だ。
お西さんにお参りしていた人はどこで拝めというのか。
そういうことをしたなら、
清掃費を責任とって弁償してほしいものだ。



というようなことを思っていたら、
高松塚古墳の壁画の保存のため冷却の準備をしているという。

あまり美しくないというか、不粋な装置を高松塚の周りに巡らして、
懸命に冷却中だ。

不粋ではあるが、この装置のために相当のお金がかかっているだろう。

壁画にカビをはやしたという文化庁のミスのために、
ワシラの税金を使うか。

母は、あんな装置で本当に保存が出来るのか、
かえって壁画を傷めるのではないかと言ったが、私もそう思う。

あんな美しくない装置で、
あんなに人工的な手段を使ってしまえば、
ますます壁画が駄目になるような気がする。

高松塚はもう、捨てた方がいいと思う。

朽ちるに任せるのがもっとも自然な方法だ。
人間の作った物は、朽ちるのだ。自然だって滅びる。
それが、自然界の掟だ。

高松塚は、残っていた事が奇跡なのだ。
それが自然に還る。それだけのことではないか。

高松塚は、
エドガー・ポーの「ヴァルデマール氏の死の真相」のようだ。

…これは、前にも言ったような気がするな。
要するに眠っていた浦島太郎なのだと思う。
「眠り姫」はめでたしめでたしだけど、現実は厳しい。


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