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付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「ガンパレード・マーチ2K~西海岸編2」 榊涼介

2013-09-30 | 異世界結合・ゲート・ゾーン
 サンディエゴの戦線を視察する5121小隊。
 しかし、そこでは「銀狼」と呼ばれるエリート師団が牛耳る歪な戦線であり、しかもシアトル政府は幻獣の精神汚染について何の対策も立てていなかった……。

 小規模な視察部隊と言いながら、実は史上最強の視察部隊が戦線を蹂躙します。
 長く5121小隊の面々が出てこない話が続いていて、その間に彼ら以外のキャラが活躍するようになってしまったので、日本での戦いではなかなか出番が回ってきませんでした。
 サブキャラが存在感を増しすぎてメインキャラの出番が減ってしまうのは本末転倒かもしれませんが、彼らはもはや神話的なバランスブレイカーになっています。あまり出番が多いのも濃すぎるかなあというのが最近の感想です。
 アメリカ編になってからはここぞとばかりに出ずっぱりです。やはり、普通の人がぎりぎりまで頑張って、それでもピンチのときに登場するヒーローになって欲しいと思います。

【ガンパレード・マーチ2K】【西海岸編2】【榊涼介】【きむらじゅんこ】【電撃ゲーム文庫】【無人偵察ヘリ】【知性体】【ゴルゴーン使い】
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「辺境星区司令官、着任!」 マイク・シェパード

2013-09-29 | ミリタリーSF・未来戦記
 いかにも「アメリカ人の書くミリタリ系ラノベ」の最新刊。主人公が美人の女性士官で、惑星国家首相の娘で、財閥総帥の孫娘で、王の曾孫で、欠点と言えば胸が薄いくらい……というチートな設定で戦闘メイド付き。田中芳樹の『薬師寺涼子の怪奇事件簿』あたりを彷彿とさせます。
 こういうチートキャラの話はストーリーがよほど面白くないと投げ捨てるんだけれど、これがチャンドラーの銀河辺境シリーズのグライムズ艦長並の出世スゴロク状態で、天然のトラブルメイカーというか、平地に乱を起こすタイプと周囲に思われがち。これだけ本人の能力も優れていてコネもあって財力は膨大で、しかも毎回大活躍しているのに、巻が進むごとに出世するどころか左遷される一方というのがミソです。
 ただ、「こいつが来るとトラブルが……」と思われているのに、いざトラブルが起きてしまうと「いちばん傍にいて欲しい人」になるところが、いかにも正統派の主人公です。

 クリス・ロングナイフ大尉の次の任地が決まらない。
 まともな艦長なら自分が正しいと思えば独断専行どころか叛乱すら辞さない士官など御免こうむりたいし、軍から放り出すには親族の権力は大きいしプリンセス自身の戦果も華々しすぎる。
 なんとか決まった新たな任務は、チャンス星系の海軍管区司令官。本来なら将官クラスでもおかしくない地位だが、さすがは数ある海軍管区のなかでも最低の辺境星区。司令部である宇宙ステーションには歓迎団どころか人の気配すら無く、動力反応炉も停止し、非常用電源で動いているだけというありさまで……。

 さて、今回、ついに宿敵ヘンリー・スマイズ・ピーターウォルド13世と直接対決しますが、この人は本当に金持ちのボンボンという第一印象のままでしたね。妹だったかが名前だけ出ていますが、どうもこちらの方が父親でもなく兄でもなく、本命の敵っぽいです。そう考えると、今までの事件のあれこれの辻褄があってきますし、そもそもハンクの才覚というか性格ではやれることじゃなかったしね。
 3作でシリーズが終わったような気がしていたけれど、本国では既にシリーズ11冊目とか。どこまで堕ちるのか、登りつめるのか、次はどこに飛ばされるかが目下の楽しみです(このあたりは涼子さんとは正反対ですね)。

【辺境星区司令官、着任!】【海軍士官クリス・ロングナイフ】【マイク・シェパード】【エナミカツミ】【ハヤカワ文庫SF】【熱血戦争SF】【中継ステーション】【自主独立】【ピザ】【酒場の乱闘】【これが左遷だっ】【クレジット決済】【エクスプローラー】
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「部活アンソロジー2 春」 野村美月他

2013-09-28 | 学園小説(不思議や超科学なし)
「部活は仲間の絆を強固にする」
 目標に向かって仲間と努力することが本旨であり、大会で優勝するとかプロになるとかは二の次なのだ。

 「部活」をテーマにしたアンソロジーの2冊目で、初っ端から野村美月が美術部で、日日日がバスケ部で、正面から文化系と体育会系の王道路線な話から始まりました。ところがそこからは二転三転。最後の話なんか、もう「学校」の話でもなんでもないのに、ちゃんと「部活」話で、部活というのは何なのか?ということまできちんと突き詰めた青春小説で、しかも思いっきり切なくて仕方が無い……というか、読後感がひたすらやるせない話でした。
 『僕たちの部活動はまだ始まったばかりだ!』は『僕の学園生活はまだ始まったばかりだ』の原型となった短編で、そのクライマックスは長編そのまま。ヒロインのゲスっぷりが今ひとつかな。
 『インセンシティ部』は『人生』みたいな悩み相談もので、王道の複数ヒロインものを凝縮した作品。
 楽しめるアンソロジーですが、1が「青」で2が「春」なので、次は無いのかな……?

【部活アンソロジー2】【春】【鑑賞部の不埒な論理】【野村美月】【千田衛人】【根暗男子のバスケットボール】【日日日】【こずみっく】【インセンシティ部】【田尾典丈】【RiE】【輝け、モ部】【田口仙年堂】【パセリ】【僕たちの部活動はまだ始まったばかりだ!】【俺の部活動はもう始まらない】【岡本タクヤ】【のん】【地下迷宮の帰宅部】【石川博品】【nauribon】【ファミ通文庫】

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「彼女(アイドル)はつっこまれるのが好き!10」 サイトーマサト

2013-09-27 | アイドル・声優・芸能
 本編は前巻で終わったけれど、これは全6篇の短編集で、シリーズ開始当初のインタビュー話やアトラクションショーにゲスト出演した話から、音無まどか30歳の墓参りエピソードまで詰まったシリーズ完結編でもあります。
 『ぼいる・しゃるるの法則』も収録されていますが、とことん下品ですね。お嬢様学校の文化祭エピソードだけは今ひとつ。薔薇がキライとかいう話ではなく、ストーリーの流れが荒っぽくて理不尽なのがイヤなんですね。

【彼女(アイドル)はつっこまれるのが好き!】【アフターレコーディング】【サイトーマサト】【魚】【電撃文庫】【ハイテンション・つっコメディ】【アイドル声優】【文化祭】【グラビア撮影】【服だけを溶かす液体】
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「壱級天災の極めて不本意な名推理(1)」 鳳乃一真

2013-09-26 | 学園小説(不思議や超科学あり)
 南海の孤島の巨大学園で繰り広げられる秘宝争奪戦『龍ヶ嬢七々々の埋蔵金』のスピンオフ作品で、自称名探偵の壱級天災が悪魔と推理バトルするという、まさに名探偵の本領発揮なシリーズです。探偵と防犯思想は相容れないんだなー。

「力とは暴力が全てではない。知恵も技術も等しく力だ。誰がどの力を磨くかは本人次第」
 壱級天災の主張。

【壱級天災の極めて不本意な名推理】【鳳乃一真】【赤りんご】【ファミ通文庫】【巨大学園】【南海の孤島】【トレジャーハント・ロワイヤル】【学生特区】【バアル】【刻印の呪い】【ロボット】【ストーカー】【ダイイングメッセージ】
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「犬とハサミは使いよう Dog Ears3」 更伊俊介

2013-09-25 | 本屋・図書館・愛書家
 『犬とハサミは使いよう』の短編集3冊目。
 本田書店の姉妹が心温まるエピソードをだいなしにしたかと思えば、カラスが犬とメイドを引き連れてマンション内を蹂躙したりする話など5篇。
 そして今回も、晴海円香とそのクラスメイトが経験する怪事件が含まれています。

「作家もそうだけれど、本に関わる人間って、皆どこか限界突破しているんだろうか」

 テニス部員でもないのに巨大なラケットケースをいつも携行してる円香と、怪盗二面相を追いかけているという自称“探偵”で薄灰色の脳細胞で日仏ハーフのアリス、そして自分は普通と言うけれどその普通もやはり自分基準の普通でしかない陸奥田奈央の3人が買い物に行く……という普通の話なんだけれど……。

【犬とハサミは使いよう】【Dog Ears3】【更伊俊介】【鍋島テツヒロ】【ミステリ系不条理コメディ】【犬にも衣装】【犬子危うきに近寄らず】【犬心を忘るべからず】【犬は相談】【犬を持って集まる】【話は聞かせてもらったわ!!】【素行調査】【姉妹愛】【アイドル】【赤ちゃんはどこから来るの】【子守唄探偵】



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「信長の密偵」 中谷航太

2013-09-24 | 時代・歴史・武侠小説
「三郎さまといれば、笑って死ねる。俺は笑って死にたい。ああ、面白かったと」
 人間どうせいつかは死ぬのだと、川並衆の頭領、蜂須賀小六。

 武田・今川・織田の思惑が交錯して騒乱ただ中の尾張国にやってきたのは、落ち武者狩りを生業とする丹左とその弟妹たちだ。
 しかし、彼の目的は首売りにはなかった。命の恩人である“歩き巫女”たちが尾張国に潜入した後に消息を絶ったというのだ……。

 買ってみたら「首売り丹左」というシリーズの第2弾で、それでも良かろうと思ったけれど、なんか前作からの引きの部分が多くてなんとなく説明不足というか歯切れが悪いというか。
 愛知県知多半島の根元、村木砦と緒川城の攻防戦という極めてニッチな戦場をテーマにしていて、どちらも職場から歩いて行ける範囲で繰り広げられた合戦ということで脳内補正が200%。なので、勢いで読んでしまったけれど、やはり前作を読んでいないと、主人公の動機とかわかりにくいなあ。もともと行き当たりばったりながらも、喜怒哀楽とは無縁な人間なので、血気盛んな二郎丸の方に惹かれます。
 1話2時間の時代劇ドラマスペシャルの2回目という感じ。

【信長の密偵】【首売り丹左】【中谷航太】【中澤一登】【ハルキ文庫】【時代小説文庫】【ハイスピード戦国アクション】【柿の木】【柔術】【尼】
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「お召し上がりは容疑者から」 似鳥鶏

2013-09-23 | 食・料理
「『1人の生命は、全地球より重い』っていうなら、1人の生命を奪った罪だって、地球を壊すより重いはずじゃないですか」
 だいたいの場合、法律による裁きというのは、死人に口なしで被害者が軽んじられ、犯人の人権が守られるものなのだ。

 惣司智は突然勤めを辞めると、兄の季の喫茶店に転がり込んでパティシエを始めた。そのお菓子の評判はお客に好評だったけれど、困ったお客も出没するようになった。
 県警本部長の秘書室の直ちゃん。
 智の元の職場は警察で、彼はその中でも腕利きの警部だったということで、彼の力が必要な警察は四方八方に捜索の手を伸ばしていたのだ……。

 最近流行の「お店ミステリ」ですけれど、日常系ミステリでもないし、安楽椅子探偵とも違います。難解な殺人事件に次々に巻き込まれ、かなりやりきれない結末になることも少なくありません。それでも最後はお菓子に絡めてお話を結末に持っていくストーリーが4篇。
 本当に、あの事件だっていちばん悪質で元凶は放射脳であって、でも強情な愚かさが裁かれることはないのです。
 うん。やっていいと思うよ。心のこもらない上っ面の言葉で等価交換は無理です。

【パティシエの秘密推理】【お召し上がりは容疑者から】【似鳥鶏】【森川聡子】【幻冬舎文庫】【スフレ】【ヴィクトリアン・サンドウィッチケーキ】【桃のタルト・タタン】【モンブラン】
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「はたらく魔王さま!(5.5)」 和ヶ原聡司

2013-09-22 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
「食い物を生まない世界は、社会を形成できないんだ」
 尊い意志も視野狭窄では道を間違えてしまうと魔王サタン。

 千穂の実家で農作業の人手が足りなくなり、浜茶屋のバイトからヒマしていた魔王サタンは全軍で長野県へと向かうこととしたのだが……。

 農業を甘くみちゃいけないよということと、もともと農家の娘だった勇者エミリアと配下の軍がその農場を焼き払った魔王サタンの間の溝があらためて鮮明に浮き彫りにされたエピソードでした。失敗した過去を忘れないまま、前を向く姿に、「償えない罪があれば、前に進んじゃいけないの?」という望月砕月の言葉を思い出しました。
 DVD&Blue-rayの限定版ですが、見かけもボリュームも通常の文庫版と比較しても遜色なく、むしろ独立したエピソードとして本編より愉しかったかも。

【はたらく魔王さま!】【和ヶ原聡司】【029】【魔王城文庫】【初回生産限定特典】【野菜泥棒】【かけうどん】【草むしり】【日帰り温泉】【カッパ館】【シェスタ】【太陽光発電】【熊殺し】
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「小さな国の救世主」 鷹見一幸

2013-09-21 | 架空戦記・仮想戦史
「俺が選ぶのは、正義か悪かじゃなくて、どっちが信じられるか、ということなんだ」
 右も左もわからない異国で内戦に巻き込まれた天山龍也は、自分の選ぶ道を決めた。

 治安が急激に悪化しつつある中央アジアの国セリカスタンで、パスポートと財布を奪われて草原に放り出された日本人少年を救ったのは、逃亡途中の女性2人だった……。

 とりたてて取り柄の無かった高校生・龍也が戦乱に巻き込まれて、キンリの里の姫巫女リューカとその護衛である女戦士サラサと共に逃亡を繰り返す顛末から始まり、国内の部族勢力を殲滅して己の覇権を確立しようとする大統領派と対決して自分の居場所を自分で決めるまで。
 新刊で出たときには意識していなかったシリーズですが、作品紹介をネットで見て面白そうだと感じて購入。確かに面白かったので、今から追いかけていきたいと思いますが、既に新刊書店ルートでは入手困難な模様です。

【小さな国の救世主】【なりゆき軍師の巻】【鷹見一幸】【Himeaki】【電撃文庫】【RPG7】【T-55】【GPS誘導爆弾】【ノモンハン事変】
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『宇宙戦艦ヤマト2199』 第七章「そして艦は行く」

2013-09-20 | ミリタリーSF・未来戦記
 そろそろテレビ放映も追いついてきたことだし、劇場版の感想の補足を。
 やはり途中で作画が荒れたし、一部にカットされたシーンもあったらしいので、とにかくブルーレイでの完成を待つ!!……ということで、いち早く振り込みに。
 終盤の展開にご不満な旧作ファンもみえるみたいですが、(こまめに新旧比較で視聴してますが)旧作の総統ってアレより酷いですよ? 帝都の市民を巻き添えにするどころか都市をちぎっては投げ、爆雷を振りまき、陶酔しきったあげく制止しようとした文官を射殺するくらいとち狂ってます。
 自己陶酔型の独裁者ってのは、あんなものでしょうか。飼っていた鳥をひねり潰すような描写で延々と伏線張ってましたし、そもそも『さらば…』で放浪の武人として再登場し、以後サムライみたいな描かれ方をしたのがおかしいのです。ぜったい『影武者徳川家康』ですって。

 さて、最終章の前夜祭、劇場はいい年した(声高に早口でしゃべる)おじさん、おばさんばかり。20年経っても40年経っても、人の性根や嗜好はそうそう変わらない。三つ子の魂百まで。若い頃にアニメやSFに夢中になった世代は、年を取っても趣味を囲碁や三味線や演歌に変えたりしないで、深夜にアニメ映画を観に劇場に出向き、アニメソングを聴き、聞き知った業界情報を大声で話すものなのだ……orz。
 もう少し若い連中を連れてくる努力をすべきだと思わないでもないが、とにかくみんな金払いがよくて、劇場内は新春初売りのデパートのようです。

 しっかりヤマトの話をしているのに、そこかしこに見覚えのある構図やシーンが出てきて、あのシーンはあの作品のパロディだとかリスペクトしているとかいうではなしに、なんというかヤマトから始まったものが一周してヤマトに戻ってきた感じです。
 なんというか、最終章だけに山あり谷あり思わぬところにサービス回あり……と息をもつかせぬ展開で、思わぬ人が死ぬ一方で、予想外の人が生き残って良い見せ場を作り、忘れられた人は忘れられたまま終わり、いつの間にかやることやっている人はいて、予断を許しません。ヒス副総統は(ボーマン船長みたいに)視聴者がやりたいことをやってくれたんだなあと思いました。旧作の結末を知っている視聴者なら、ヒルデとかの存在を知った瞬間に思ったことだと思います。
 そしてデスラー総統は、『さらば宇宙戦艦ヤマト』以後の(ドメル将軍の役割を乗っ取って)宇宙の侍……みたいにはならず、あくまで孤高にして狂気の独裁者として幕。むしろドメル将軍を残して、次シリーズにつなげるべきではなかったのかと思うのです。

 さて、旧作リメイクがこれで終わっても心残りはほとんどなくなりました……。
 あえていうなら、空間騎兵隊の対戦車戦がなかったなということくらいですが、きっと今回の保安部の件で懲りて次の航海では空間騎兵隊を投入することでしょう。艦内の秩序を維持するどころか叛乱を起こすし、七色星団や総統府突入(計画のみ)、そして最後の戦いでは明らかに白兵戦力不足でしたから。
 でも、へたな続編を作るよりMSイグルーみたいな裏方話のOVAとか、劇場版でJ・J・エイブラムス版スター・トレックみたいな新規まき直し版があっても良いと思います。今まででも、メインキャラがほとんど死んだの無かったことに!から始まり、紆余曲折して大ヤマト零号になったりパチスロいったり実写版があったりといろいろあったので、やろうと思えばまだまだ30年くらいは楽しめますよ。
 「波動砲」の扱いについても封印されちゃいましたので、拡散波動砲は出てこないのかとか、あの地球の武断派がおとなしく従うとは思えないとか不安はありますが……、実際、波動砲ってイメージ的に戦果を上げてないんですよね。浮遊大陸を吹き飛ばしたときに巻き添えで1隻沈めて、バラン星を吹き飛ばしたときに射線上の何百隻か沈めてますが、そんなことしなくてもショックキャノンとミサイルで十分血路を切り開いているわけで、もう少し艦艇の数がそろえば(扱いがデリケートで暴発したら宇宙崩壊の危機があるなどという)波動砲など要らないと軍部が判断しても不思議じゃないと思いますよ。
 
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「カブキブ!1」 榎田ユウリ

2013-09-20 | 学園小説(不思議や超科学なし)
「女の子の半分は夢でできている」
 残り半分は凄まじいまでの現実でできていて、そのはざまで揺れ動いているものだと浅葱芳。

 歌舞伎が好きだったから、高校に入ったら歌舞伎部を作ろうと思った。観るだけじゃなくて、自分たちでも演じてみたい。
 伝統芸能だナンだというけれど、そもそも歌舞伎は江戸時代のライブだ。大事件が起きればすぐさま取り入れ、泥棒が主役で戦隊ヒーローみたいな話があったり、不倫みたいなゴシップネタも少なくないし、時代考証もかなりいい加減だ。たとえ農村歌舞伎以下の素人歌舞伎だって、自分たちの舞台を観ることでみんなが少しでもホンモノに興味を持ってくれたら嬉しい。
 そんな野望を抱いて高校進学した来栖黒悟だったが、新しい部の設立への道のりは険しい。友人のトンボを頼りに人集めに奔走するのだが……。

 タイトルと表紙に惹かれて手にとって、ぱらぱら中身を見て面白そうと判断して購入。テーマは歌舞伎とちょっと特殊だけれど、正統派の青春サークル小説でした。中高生向けのレーベルでも良い内容なのに……と思ったけれど、内容紹介に「こんな青春したかった!」とあるので、最初から青春が終わってしまった人がターゲットのようです。読み終わってから著者プロフィールを確認したら、妖怪小説の人でした。この前、読んだばかり。
 これから!というところで終わっていますので、2が待ち遠しいです。

【カブキブ!1】【榎田ユウリ】【イシノアヤ】【角川文庫】【バンド】【梨園】【日本舞踊】【演劇部】【コスプレ】
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「皇国の守護者2」 佐藤大輔

2013-09-19 | 架空戦記・仮想戦史
「人は常に卑しい。貴賤の別なく。我々もその例外ではない」
 五将家の一角、駒城家当主である篤胤の言葉。

 友軍撤退までの時間を稼ぐべく、北領で決死の後衛戦闘を続けていた剣虎兵大隊指揮官・新城大尉だったが、既に戦力は激減し、東方辺境姫ユーリア率いる帝国軍の猛攻によって蹂躙されるのを待つばかりとなっているように思えたが……。

 社会制度の変遷、それによる経済活動の変化、またそれによる国家の変容までしっかり理詰めで設定された、いずこともしれない世界での祖国防衛戦争と国内での権力闘争を描いた作品。
 文庫で再始動したシリーズですが、中公の新書でスタートしたときは手をつけていませんでした(1巻だけは買ったものの当時は未読)。既に佐藤大輔の面白さと筆の遅さ……というか、すぐにシリーズが止まるのは知られていましたから、「完結するまでとっておこう」と思っていたのですね。
 それから早幾年月……というか、1巻の初版が1998年のはずだから15年になるはずだけれど、この文庫化できちんとけりがつくものと期待して手をつけてみました。
 人相は悪いし、体格も優れているとはいえないし、無口でバカみたいに思われることもあるけれど、頭の中ではいろいろな考えがぐるんぐるん回っていて、敵に回すと致命的という主人公です(Aくんみたいだね)。 
 文庫もぼちぼち出るそうですが、読み始めると面白くて止まらないので、既刊9巻までを古書かKindle版で読んでみようかなとふらふらしているところです。

【皇国の守護者2】【勝利なき名誉】【佐藤大輔】【中公文庫】【大河戦記】【士官学校】【遅滞防衛戦】【捕虜交換】【血塗られた英雄の伝説】
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「鉄の魔道僧2~魔女の狂宴」 ケヴィン・ハーン

2013-09-18 | 日常の不思議・エブリデイ・マジック
「その土地の人間のように話せ。外国のアクセントで話すのは、排外主義の玄関のベルを鳴らすようなもので、地元の人間に兄弟ではなく、よそ者として認識されてしまう」
 それが人間社会に溶け込むための最初のルールだと、アティカス・オサリバン。

 最近、本屋のアティカスは大人気だ。(神殺し特約をつけた)生命保険のセールスマンやら(シェルターを売りつけようとする)ペテン師はもちろん、さまざまな神々が彼の功績を褒め称える一方で、自分には手を出すな、あいつを殺したらどうかと誘ってくるのだ……。

 いかにも「アメリカ人の書いた伝奇系ラノベ」というべきシリーズの2冊目。
 イエス・キリストも雷神トールも吸血鬼も狼男も実在していて、現代の人間社会に紛れ込んでいたり出入りしているんだよ……という設定で繰り広げられる、神殺しが仕事みたいに思われ始めた古本屋店主のあんちゃんの冒険で、ダグラス・アダムズは正しかった……物語。
 今回は、ポーランドの魔女とドイツ魔女の対決に問答無用で巻き込まれ、顧問弁護士たちは昼の担当者も夜の担当者もトールを殺すのに協力しろと言い始め、ダーナ神族の女神たちにはベッドの上で殺されそうな目にあわされ、バッカスの巫女であるマイナデスもこのときぞとばかりに進撃してくるという、オール神さま総進撃状態な死屍累々のバトル・ファンタジィ。
 けっこう盛りだくさんだけれど詰め込みすぎな感じはなく、凄惨な話なんだけれど『聖☆おにいさん』みたいなシチュエーション・コメディ的な雰囲気に今回もごまかされた感じです。もう、ジョニー・デップみたいなイエス・キリストしか脳裏に浮かびません。
 魔女狩りの秘密結社は今後どう関わってくるのか、あのヒゲはなんなんだ?とか、警察はどう動くのかとか、黄金のリンゴをどうするんだとか、いろいろ続きも気になりますが、まずは隣のレバノン人の正体がはっきりしたので満足ではないでしょうか。

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「スカイ・ワールド#05」 瀬尾つかさ

2013-09-17 | VRMMO・ゲーム世界
「おい、フリじゃないからな!」
 “臆病に恋愛から逃げまくっているうぶなハーレム野郎”としては、横からちょっかいを出されて女同士のさや当てでパーティーが内部崩壊するような事態は避けたいのだが。

 ジュンたちの一行は、ついにサクヤとの再会を果たした。
 しかし、それは間一髪だった。リザードマンを利用するつもりで利用されている大手ギルドたちによって殲滅されようとしている竜人ドラゴニュートを護る戦いで、サクヤたちは潰走の一歩手前だったのだ。
 そして、ジュンたちは事件の背後にいるグループの存在を確信した。彼らはどう考えてもゲームであった「スカイワールド」のマスター用データや没データを利用しているとしか思えないのだが……。

「大切なのは、なにができるかじゃなくて、なにをするか。おれがいま、なにをしたいかだ」
 なにができるかということに囚われすぎると視野狭窄を起こすとジュン。

 目の前のレイド戦も、その背後にあるシナリオの裏を読むことも大切だけれど、主人公が優先すべきことは彼の周囲の女性関係の整理であった……。

「女性への甲斐性というものは、自己評価のなかから生まれるものです」
 ドラゴニュートの長老の言葉。

【スカイ・ワールド】【瀬尾つかさ】【武藤此史】【ファンタジア文庫】【オンライン冒険ファンタジー】【MMORPG】【全寮制の女子校】【カーバンクル】【遊戯王】【告白】【ロリ巨乳】【投石機】【水中戦】
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