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録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

このブログは

このブログは、PCでテレビ番組を快適に録画し、自由な形で好きなように活用するための実験結果報告をメインとしたものです。ですが、その自由を奪い、不自由を売りつけて無制限の利権を得ようとするものたちが、現在のテレビ界では勢力争いをしています。そういう連中とは断固戦い続けます。それが、ここのテーマです。
2011年7月24日まで続けることを目標にしていましたが、2011年いっぱいまで延期いたします。 ・・・の、予定でしたが、衛星放送の行く末が気になりますので、それまでは続けます。ああ、意志薄弱。



特殊なコンテンツ
・SpursEngine H.264エンコーダ 実験プログラムサポート&他ソフト紹介ページ
Lalfさんが作られている、SpursEngineで使えるエンコードソフトのリンク先の紹介などをしています。CUI版とAviUtlのプラグインの二種類があります。 また、それ以外に同じくLalfさんの作られたCodecSys Personal向け参照AVI、ravi2や、BOさんの開発されたLinux用HD PVRコントロールソフトのリンクもおいています。

※10/07/01 se_h264enc_auo ver 0.09、se_mpeg2enc_auo ver 0.05、Seche Technical Preview2 リリース

・スカパー!e2 各チャンネル解像度・ビットレート一覧表
独自の調査による、スカパー!e2とBSデジタル放送の解像度とビットレートの一覧表です。多少の間違いはご了承ください。

・意外とある、デジタル放送録画可能キャプチャーボード・ユニット
外部入力を用いて、デジタル放送のチューナーやレコーダーから出力される番組を、自由に扱える形式で録画可能なPC用のキャプチャーボードおよび外部ユニットの情報を集めたものです。

ソニーもBD生産より撤退! どうなる私的録画補償金問題

2025-01-23 22:22:09 | 次世代ビデオへの懸念
パナソニックが撤退を表明してから二年、ソニーもBDの生産終了を発表しました。


まぁ実を言うとBDの生産終了よりミニディスク・MDがまだ生産していたことの方を驚いておりますが。少なくともMP3プレイヤーが流行りだしたころからMDの衰えは始まっていたはずなので、ずいぶん長く生産が続いていたことになります。それと比べると、ある意味替えの利かないBDはずいぶん早い生産終了というイメージです。
これで思うのがどうしても私的録画補償金問題。前にパナソニックが撤退したときは、さすがに私的録画補償金に対する反発が理由ではなく、あくまでキッカケにすぎないと考えていたのですが、ソニーは本気で反発が理由かも知れないですね。というのもつい先日私的録画補償金の額が認可された、という発表があったばかりなんです。声をあげただけで立ち消え?という予想もあったんですが、ゾンビのごとくよみがえってきてしまいました。


もちろんこんな仕事をするのはいつもの文化庁です。確か京都に移転したはずの文化庁ですが、こんなことを迅速に行っているところを見ると、やはり実質的には東京における庁舎が本庁であり、本庁の京都庁舎はただの看板・ヘタすると左遷先になってるのかも。で、この実施が4月ですからその前に撤退してしまえ、というふうにしか見えないですね。パナソニックについでソニーという日本の二大AV機器メーカーが相次いで撤退したことで反発の意思を示したのでしょう。一応他のメーカーをBDを使うことで利用者はまだ大丈夫ですが、録画のイメージ低下は避けられません。スカパー!とかWOWOWは少なくない打撃があるだろうなぁ。我々PC勢ならともかく一般勢は保存の手段が少なくなるんじゃ・・・と思うでしょうから。

もちろんそんなことでSARVHは巨額の収入をあきらめたりしないでしょう。BDとレコーダーが対象なのはあくまで第一歩。最終的にはあらゆる保管装置・メディアに補償金を付けるところにあるでしょう。少なくとも過去にSARVHは私的録画補償金を「私的複製補償金」として(すいません。この件、CultureFirst公式サイトとともに消えてしまっているので手前みそ記事しか残ってないのでそこは勘弁してください)無限の範囲拡大を要求した実績があります。ひょっとしたら現在ほとんど意識されずに支払われているユニバーサル料のように通信費に「私的複製補償金」を乗せてくるよう要求することだって考えられます。なにせ司法がどう判断しようと閣議決定で簡単に覆せますし、文化庁が簡単に認可の仕事をしてくれるんですから、最終的にはやりたい放題になるでしょう。

唯一の救いは今回の生産終了が示すように、少なくともメーカーはそう簡単に言いなりにならないという姿勢を見せているところですが、どっちにしても消費者はとばっちりを食うわけですからたまったもんじゃありません。だから私的録画補償金にはわたしは反対なんです、文字通りの複製が完全自由化しない限りは。
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いい話もしよう BS/CS2KにもHEVC来る?

2024-12-28 13:23:20 | 次世代ビデオへの懸念
せっかくなのでいい話から取り上げましょう。


現状BSや110度CSではMPEG2が、124/128度CSではH.264/AVCが圧縮方式として使われています。BS/CSをよく見る人は気が付いている話ですが、すでにMPEG2ではついてこられない映像コンテンツが増えています。先日、WOWOWで放送された「劇場版 SPY×FAMILY CODE: White」見ていたら、ヨルさんのシーンが激しすぎてデジタルノイスが目立つものになっていてちょっとガッカリしたものです。たまたまこの放送回だけエンコーダーの調子が悪かった(日本映画専門チャンネルではしょっちゅう起こることなので、複数回録画して一番良いものを残すのがセオリー)ことも考慮してリピート放送も録画しておいたのですがデジタルノイズの多さは変わらず。ならば配信の方は大丈夫かとWOWOWの配信版を見ると、特にそこらへんは解像感がかなり甘くなる印象はあったものの見苦しいノイズはなく、うまく処理されていたように見受けられました。スカパー!プレミアムのWOWOWはどうだったんでしょうか。もしそっちの方が画質がいいのなら乗り換えも、と思ったんですが、124/128は5.1chとかまずやらないし、音質は期待できないからなぁ。
劇場映画がどのようなフォーマットで収録されているのかはわかりませんが、H/264/AVCやH.265/HEVCに近い形式で、MPEG2化すると欠点が目立つようになってしまう相性があるかもしれません。いずれにしても、H.265/HEVCで放送できるようになれば低容量と高画質化が期待できます。問題はHEVCで放送した場合にちゃんとテレビで映るか、ですが、これは4Kテレビなら4K放送のフォーマットであるH.265/HEVCのデコーダーが入っているので問題ありません。放送局がほぼ撤退し、意味のないものになりつつあった4Kテレビも新BS/CS対応となれば意味のあることになります。だからH.264/AVCではなくH.265/HEVCでの検討なんでしょう。
PT3で録画さえできれば我々としては反対する理由はありません。PCなら最悪ソフトデコードで再生できますからね。その際に解像度のフルHD化が促進されればいうことなしです。



一方、こっちは取り上げようかどうしようかすこし迷った話なんですけどね。正直書いていてウンザリするんで。リンク先の記事ではレコーダーやBDどころかPC用SSDやHDDなどほかのメディアに対しても補償金をかけようとするのではないか、と懸念されていますが、懸念どころか当然やるでしょう。それどころかPCやスマートフォンタブレットそのもの、国内のクラウドサービスとか動画が張り付けられるSNSとかすべてのものに録画補償金を要求してくるでしょうね。なので「もうレコーダーは使わないから関係ない」話ではありません。
しかもこの件、なにより問題なのは、一度裁判で録画補償金を要求する適切な理由はない、とされた司法判断を、閣議決定だけで覆して進めてしまっている、ということに尽きます。三権分立の原則から言えば司法判断を行政だけの判断で覆すことなどありえません。もしそれが可能だとしたら、「国の最高機関」である国会で新たな立法によるものだけです。その場合も、当然法案提出者以外の議員から、どんな根拠を持って司法判断が下った話を新たな立法で覆そうとするのか激しい追及を受けることになるでしょうね。そういう表舞台での論議を得たのならまだしもただの閣議決定での覆し。これは行政機関が司法より上であり、すべての判断は閣議決定が最優先であると内閣が宣言したに等しい話です。なのでこの話を各機関が飲むか、が録画問題だけならず、日本国のあり方を示す意味でも重要。司法判断を盾に行政指導に従わないよう団結することも考えられますが・・・。まぁしないだろうなぁ。



有料記事なので途中までしか読めませんが、他の同じ件を扱った記事より若干詳しいのでこちらを貼っておきます。
例の船井電機の準自己破産手続きに「待った」をかけた方の件を、東京高裁が却下してしまいました。これは会長の原田氏に取締役の権限があるか、即時抗告ができる権利があるかどうかが問われていて、どうやら提出された臨時株主総会の議事録に出席していないはずの役員が出席したことになっていたようで、これをもって「原田氏が船井電機の取締役の地位にあることに疑義があることは否定し難い」と判断したようです。まぁ株式が公開されておらず、かつ身内やそれに近い出資者を募っただけの株式会社では電話連絡だけで済ませて架空の株主総会を「開いたことにした」、ってのはありうる話ですが、それと同じことをやっちゃったのかなぁ。事前に取締役の権利を持っていないと申請できませんからね。少なくとも法律上の権利面では会長側より準自己破産手続きを進めた経営陣の方が上というのは間違いないようです。
まだ根拠のない話ではありますが、船井電機の製造や権利面での売却話も中国企業との間で進めているとかなんとか。現経営陣は最後の最後まで船井電機の資産を現金に換えてしまう方針だと思われますから、ありうる話です。よほどのミラクルがない限り、このまま船井電機は消滅してしまうでしょうね。船井電機がないとHEVCテレビを日本向けにローカライズして作ってくれるメーカーがまた一つ減ってしまうんですが、どうなる日本のテレビ事情。
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まだ二千万台? 4K放送の受難続く

2024-12-05 09:56:05 | 次世代ビデオへの懸念
すでに発表されていたことなので別段新しい話はありませんが、BSの左旋で放送を行っていた4K放送が、すべて右旋へ移動もしくはサービス終了の記者会見が行われたそうです。


なお、消滅するのはあくまで4Kだけで8K放送は残るので左旋衛星が使われなくなるわけではないですが、まぁわざわざ買って利用したい、って思う人がさらに減ることは確実でしょう。
で、この会見時にちょっとニヤリとする一言が。

「今年の8月末で、4K8K放送の視聴が可能な機器が2,000万台を無事突破した。そして4年後のロスオリンピックの開催時には、4,000万台を突破するという大きな目標を掲げた。」

あれぇ~、おかしいぞぉ。前に「東京オリンピックのためにみんな4Kテレビを買うので普及率は50%になる」ってさんざん言ってなかったっけ~?  
"50%を目標"にして達成できなかった、なら仕方ないんですが、"50%になる"って断言してましたからねぇ。日本の世帯数が今年1月の時点でおよそ5800万世帯。その時点で最低でも2900万台は売れてるなきゃおかしいんですが、遠く及んでいなかったようですね。しかもテレビ+レコーダーで2台を一つの世代に置いている家ももちろんあるはずですから普及率、で言えばさらに低くなりますし。
ずっと「著作権のぉ、保護のためぇ」と言いさえすれば何をしてもいい、と録画マニアを犯罪者扱いして放送業界の癒着談合をを正当化し、凶悪な関税システムを引いて日本国内メーカーを保護し、国際競争力を衰えさせてきた結果、もはやテレビを作って販売するメーカーすら碌に残ってない状況で、2000万台も日本国内限定のテレビを製造できる工場が無いんですが。今まではOEM製造を一手に引き受けてきた船井電機もあの始末ですし、もはや発注先が無いのにたった4年で2000万台も製造できるはずがないので、物理的に不可能なんですが。海外メーカー、特にサムソン当たりに泣いて頼んで再参入してもらえば機器の用意は可能かも知れませんが、まぁ日本で売らなくても充分儲かっているメーカーが日本限定仕様での製造をわざわざやってくれるとは思えないので、無理でしょう。

わたしの趣味からすれば本当ならもっと前向きなことを書きたい話なんですが、放送の利点を徹底的につぶして不便にすることを最優先し、こちらに何もさせないようにしてきた放送業界の普及がうまくいかないのは「当然だよね」と言うしかありません。根本的な立て直しが必要なのに、相変わらずのオリンピック頼りでは先は知れてます。もちろんネットがあれば放送はいらない、とかわたしは欠片も思ってませんよ。特にSNSを情報源、とか考える人がこれ以上増えるのは危険です。簡単に騙されて嘘が蔓延する世の中になっていってるのが現状で、それよりは何百倍もまともな情報を流す放送には頑張ってほしいと思ってます。ただ、情報源としてなら4Kなんかじゃなくて2Kで十以上分なくらいなんで、そこは放送界も勘違いしないでいただきたいものです。結局強制移行じゃないと爆発的普及なんてありえないと思うし。
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新規BS右旋4K放送事業者、決まる!が・・・

2023-11-16 21:29:26 | 次世代ビデオへの懸念
先日スカパー!が事実上の4K撤退を決めたばかりで暗雲が経ちこみ始めた衛星4K放送業界。それとは特に関係なく、総務省から4K放送に新しいチャンネルを開局できる新業者の選定が終わり、発表されました。


同時に日本放送協会が放送しているBSプレミアム放送の業務廃止~終了~も認可されました。まぁこれは予定通りでしたけどね。
さて、もともと申請があったのは5社。残ったのは3社、ということですが。

申請した5社
・SCサテライト放送株式会社 /ショップチャンネル4K /ショッピング番組
・OCO株式会社(設立中) /OCO TV/アジア映画・ドラマ・音楽・ 日本の地域紹介番組 
・株式会社QVCサテライト /4K QVC /通信販売番組 
・株式会社東京通信グループ /AMIZAチャンネル /ニュース解説、文化教養 番組、情報バラエティ 
・株式会社WOWOW /WOWOW 4K /総合エンターテイメント (映画、ドラマ、音楽、スポ ーツ) 

でした。結果残ったのは上の3社であり、下の2社が事前に申請を下げたためにほとんど自動的に決まるという不可解な結果に。今回は今までのように左旋ではなく視聴にハードルの低い右旋での放送です。申請しておきながら直前での却下、という事態に談合を感じずにはいられません。
まずOCOは新設の会社ということで事実上審査前に認可は決まっていたと思われます。問題は残りの4社で2つのチャンネルをどう割り振るか、だったわけですが・・・。4チャンネルのうち3チャンネルがBS左旋放送からの移行をもくろんでいました。でも、それらは総務省としては申請理由として表に出したくないものでした。3社の思惑を資料として残したくなかった総務省は、2社にあらかじめ辞退することを要求し、無審査で認可が下りた、という形にしたかったのだと思います。そして残ったのが通販チャンネルの2社であり、下ろされたのが情報を扱うAMIZAとエンタメのWOWOWだったわけです。総務省はBS放送が通販ばかりになるのは好ましく思っていなかったでしょうし、せいぜいどちらかしか残らないのがバランスの取れた考えというところです。だからこそどちらかを残してどちらかは却下、という理由が見つからなかった。ましてWOWOWが移ってしまったら左旋は事実上とどめを刺され、全く利用されない放送になってしまいます。そういう理由で通販だけが残り、WOWOWは左旋に取り残され、AMIZAは却下されたのではないでしょうか。

せっかく右旋を空けての募集だったのに増えたのは魅力の薄いチャンネルばかりのBS4K放送。CS4Kを含む左旋放送をどうするかも踏まえて先行きはまだまだ不安なようです。当面CATVへの供給元になるための放送でいいじゃん?とかわたしは思うのですが。
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総務省、「高度地上デジタルテレビジョン放送方式」の概要発表

2023-07-20 12:28:34 | 次世代ビデオへの懸念
日本の地上波のテレビ放送は早いところでは2004年から始まっているので現在で19年、ボチボチ20年になります。技術的にはもう古いということで新しい方式を作ろうとだいぶ前から放送業界と総務省は画策していました。とはいえ、前の地上波は50年以上も使われましたし、しかも総天然色やステレオ放送といった新技術が導入されてもなお、旧型の受信機でも視聴可能だったというおそるべき互換性維持を続けた技術だった、のと比べるとずいぶん浅い歴史しかたっていないわけなのに、とも思いますね。しかもデジタルですから次の放送と前の放送の互換性がないのは確実なのでどうなるかと思いますが、とにもかくにも新地上波テレビ放送のプロジェクトは大きく動いているのです。


こうした記事では「4K地デジ」などと書いていますが、総務省ではこうした解像度を放送に冠することはしていません。


リンク先の資料では新地上波のことを「高度地上デジタルテレビジョン放送方式 」と呼んでいます。4Kの解像度だけがウリではない、としたいのでしょうね。もっとも地上デジタル放送でも似たようなことを言って結局ほとんど全部絵に描いた餅、ただのHD放送が行われただけだったので今回も同じでしょう。それでもあえてわたしは「高度地上デジタル放送」ないし「高度地デジ」と呼ぶことにします。
フォーマットはH.266として認定されたVVCが採用されることとなりました。現行のBSの4K放送はH.265/Hevcであるため、それより新しいフォーマットが使われることとなります。おそらくこの制定を待っていた、というのもあるでしょう。これによって現行の4K/8Kテレビでは直接高度地上デジタル放送を直接受信・視聴することは不可能にすることが確実になりました。デジタルの波を受信するわけですから理論的には現在の地上デジタル放送向けのチューナーで受信することは不可能ではないはずですが、VVCのデコーダーが内蔵されていないので受信は出来ても復号はできないので混乱を避けるためにもチューナーは別のものを採用することになるはずです。また、総務省の資料には「限定受信」とあるため、またしてもヘンテコリンなCASが入るのは確実でしょうからそれを使わせるためにチューナーの互換性は持たせないでしょう。最悪の場合BS放送もVVCに変更、なども考えられますので後のことを考えたら今4K対応機器は買わない方がいいかも知れません。
他の変更点として4K解像度の採用の他にインターレースが不可となってプログレッシブのみとなったこと、HDRも選べるようになったことがあります。インターレースは高度地デジでは明確に不可とありますが、HDRは利用可なだけでSDRも使えるとなっていますので、ひょっとしたら高度地デジはビットレートを抑えるためにSDRばかり使われるかも知れません。4Kは無理やりでも入れてくるでしょうがHDRはあくまで「技術的要件」項目にあるだけなので、蓋を開けてみなければわからない、というところです。4KよりHDRの方が高画質化の効果は高い、と言われていますが。

一応主な要求として「既存のシステムに妨害を与えないこと」が定められているうえ、今までの地デジから「移行」のようなことは書いていませんので、高度地デジ導入と同時に今の2K放送が廃止に向かう、ということはないかと思います。が、「テレビ局の負担減」を理由に早めに地デジを終了させ、夢再びと買い替えを促す、は考えられます。前の時はエコポイントをばらまきましたが、今度は・・・。今話題のマイナンバーカードとの銀行口座紐づけを条件にマイナポイントのばらまきとかになるんでしょうか。こういう施策だけは揶揄しやすいので楽しみなんですが。
なにも書いてないことではありますが、「限定受信」の一言がある以上、まともな録画は絶望的でしょう。地デジの録画規制はある程度しのいだこの業界ですが、高度地デジの暁には・・・多分多くのこっち趣味人がこの世界からいなくなり、誰も見ない技術だけの世界がそこらへんで渦巻いてるんでしょうね。今は放送のキャッシュ録画どころか放送も見なくなり、コンテンツもスマホの小さな画面で見るだけ、になりつつある日本、楽しみを奪ったんだから当然そうなります。そんな日本での"悪い"高度化はビギニングオブジエンドへの道となるでしょう。
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いまさら「電波オークション」の実施の話が出てきたことに対する素人の勝手考察

2023-03-02 20:48:50 | 次世代ビデオへの懸念
先日povo2.0に入りましたが、「auかんたん決済」が使えるというので、ついでにそちらも入ったんです。主な目的は現在GooglePlayで支払っている「ジャンプ+」の定期購読費の支払い。どっちで払おうと大して変わらないんですが、au通したほうが両方のポイント付いてお得かな? と思いまして。で、実際先月末支払い分はそちらで支払われたんです。ところが、今朝になってpovoからメールが届きまして、
「4月1日からpovo加入から7か月目までの方はauかんたん決済が使えなくなり、それ以降も上限は2000円になります」
とかなり一方的な通知が。おいおい、なんなんだよそりゃ。そういえばpovo2.0がauかんたん決済に対応したのってかなり最近でしたっけ。やっと対応したと思ったら即改悪、ってあまりにドタバタ。ようするにauってpovo2.0のユーザーを信用していないってことなんでしょうけど、せっかくわたしの中で身近に感じるようになってきたauとpovoの印象悪くなってきたなぁ。これをキッカケにどんどんサービス悪くなっていく、なんてこともない話じゃないですし、どうなるんだろ。トッピングの値上げや要基本料金とかにはならないで欲しいものです。その時は他のMVNOにau回線でMNPするか。なんか今後MNPは移行先との手続きだけでできるようになる、って話ですし。MNOが先でしょうがMVNOも当然やりたいでしょうから、mineoなんかも対応する可能性は高そう。

さて、MNPもそうですが電波の話がいろいろ動いています。ちょっと驚いたことに、「電波オークション」の実現に向けて動きがある、というじゃありませんか。


諸外国では当たり前の電波オークションですが、日本では長らく総務省による審査制がとられていて、オープンとは言えない場所で利用者が決定されていました。これはぶっちゃけ電波が利権になるからです。かつて地上波のテレビ放送、とりわけ地方ではその地域の政治家(当然自民党)が有力者になると放送局が増える、と噂されていました。雇用の確保や視聴可能な番組が増えると人気が取れるし、放送番組を使って~露骨ではない方法で~自分の宣伝にも使え、新たな立候補者や地方議員をその有力者の傘下に収めるのも容易だったからです。その影響はいまだに残っているのか、比較的遅く開局した地元放送局は、選挙が近づくと政治とは関係ない地域密着報道番組の中での道中での取材を立候補予定者の演説会告知ポスター(日付が一年くらい先でまず開催されないやつ)の前でやる、なんてことをちょっと前にやってて苦笑いした覚えがあります。そういう便利に使える電波を取引にかける、なんてのは日本ではありえない話だったのです。ですから、わたしは何度も各政党の公約を見ているのですが、電波オークションないし周波数オークションの実施を謡っているのは野党か諸派だけで自民党が載せていた覚えはありません。
自民党だけでなく総務省も同様に電波の自由化には反対だったでしょう。この手の話が出てくるたびに思い出されるのがあの「NOTTV」問題です。かつてアナログだった時のテレビ地上波放送は主にVHF波で流されていましたが、デジタル放送への移行の際に一時的に両放送の併用が必要だったため、デジタル放送はUHF波で行われることになりました。そして移行完了後にさぁ空いたVHF波をどうするか、といろいろ話し合われたのですが昔でいうところの1~3chのV-Low波はまだしもV-Highに関しては全然まとまらず、使う企業はないかと募集をかけたら名乗りを上げたのが外資系。かなりノリノリだったのですがふたを開けると締め切り間際になってドコモが名乗りを上げ、総務省の審査でドコモが使うことに決まりました。それで立ち上げたのが「NOTTV」というモバイル向け放送サービス・・・だったのですが数年とやらないうちに撤退し、ドコモはVHF波も手放してしまいました。これから見るに明らかにドコモはやる気なし。そもそもVHF波は遠くまで届く代わりに干渉しやすいため、テレビ放送には向くが他に使い道がない、と言われています。ドコモは通信事業者であって放送事業者じゃないですからね。わたしはあの件はどうしても外資系に放送用電波の使用権を渡したくなかった総務省がドコモに押し付けたんじゃないかと思ってます。もしドコモが名乗りを上げなかったら放送法を拡大解釈して外資を押しのけたかもしれません。

そうまでして電波の権利をブラックボックス化しておきたかった行政がなんでオークション?と思ったのですが、考えてみたら外資だろうとなんだろうと今更日本に地上波放送で参入してくる企業などないでしょうね。だったらオークションにしてお金を少しでも確保しちゃえ、の方が合理的っちゃ合理的です。今回は5G向けの電波ということで、先日もめた楽天モバイルへのプラチナバンドの割り当て話も当然影響しているのでしょうが、将来的にはVHF波もどうにかしよう、ってことになるのかも。
そういえば、5Gではアメリカと中国に歯が立たず、開発できなかった日本が6Gでは今度こそ、とNTTとKDDI共同で開発をしている、って報道がありましたが、総務省はこの件に「VHF波使えるようにしろ」とか無茶言ってないでしょうね。そういう足かせ噛ますとまた負けますぜ。
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一つの時代の終わり パナソニックが録画用BDを生産終了に

2023-01-24 22:22:58 | 次世代ビデオへの懸念
いよいよ来る時が来た、という気がします。


同社は理由を「市場規模の縮小に伴い、継続生産が困難であるため」としています。確かに市場規模の縮小は間違いないですが、地上波はともかく衛星放送、特に有料放送の保存など一定の需要はまだまだ存在しますので、生産規模の縮小ならまだしも撤退、それも来月にというあまりに唐突な宣言に、裏に感じるしかありません。
コメント欄で913dさんもおっしゃっていましたが、全部ではないにせよその一つが先日閣議決定によって最高裁判断があっさりと覆された録画補償金問題でしょう。そんな理不尽に付き合うくらいなら撤退してしまえということなんでしょうね。2月のうちに撤退すれば強引に実行を迫るだろう補償金を払う必要もなくなるわけですから。当然BDレコーダーも4K対応を含め撤退の道を歩むのは近いと思われます。
パナソニックと言えば、他の日本メーカーがことごとく撤退してしまったテレビ事業を支え続けている貴重なメーカーです。そのパナソニックがついにテレビ事業撤退を匂わせ始めた・・・。パナソニックが全面撤退してしまえば、もうB-CAS関税のおかげで海外メーカーの参入も少ない日本でテレビそのものが存続できなくなっていくでしょう。補償金ごり押しがどれだけ罪深いものだったか、そろそろ後戻りできないところまで来たのかも知れません。
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4K8K受信環境の総出荷台数出てる

2019-09-25 14:23:26 | 次世代ビデオへの懸念
最近情報を仕入れるのがすっかり遅くなっています。以前は毎日ネットを巡回していろいろ調べていたんですが、最近は仕事関係はともかく趣味は数日に一度くらい。なので話が遅くなるのは勘弁してください。なので少しまとめて書きます。この間チラッと書いたRyzen9 3850xの出荷が11月に遅れることになったのもやっと知りました。

AMD、Ryzen 9 3950Xの発売を11月に延期


12コアの3900xですら品薄なので16コアは安定供給できる見通しがたたない、とのことです。12コアの3900xも売れているのは確かでしょうが、確か3900xは内部的には16コア持っていたはず。全コアが3950xの規定を満たす完成度に達していないものを12コアのみ有効にして出荷しているのが3900xじゃなかったでしたっけ。まだ7nmmの製造プロセスが熟してなくて、16コア完全動作の完成度のダイがなかなか切り出せないのかなぁ。当分歩留まり悪そう。そのうち16コアベースでそのうち8コアしか有効になってない方のRyzen7とかも出るかも。


話二つ目。
最近になって興味が若干復活したのが4K8K放送関係。もちろんその環境をウチに入れる気は全くないのですが、以前「2020年夏までに4K8K放送の普及率50%にする」と総務省の会議で息巻いていた発言を思い出し、それは絶対無理にしても今普及率何%くらいなんだろ? には興味がわいてきわけなんです。なにせあと1年なのに普及率の発表が全然ないし、それに向けた努力の跡もない、だから「もうあきらめたんだな」と書いたわけなんですが。努力の跡が見られないのは「2020年夏までに普及率50%にする」とわたしが読んだのは間違いで「2020年夏までに普及率50%になる」と総務省の会議では予想していただけだった、が真相のようです。買い替えが進んでみんな新しいテレビを買うだろうし、その時はほとんどが4K8K放送対応になるだろうと踏んでいたらしいんですね。実際にはその予想からは程遠い状況ですし、なにより多くのメーカーが撤退して、すっかり体力のなくなった国内メーカー残党と日本向けにはあまりやる気のない海外メーカーのごく一部だけが残る日本のテレビ市場でこの2年ほどの間に普及率50%分も製品を出荷できる製造能力があるわけないんですけどね。
とはいえ何も公表しないわけにもいかないと思ったのか、普及率ではなく出荷台数がA-PABから発表されたようです。

4K/8K機器の8月出荷数は過去最大。“増税直前まで累計200万台超える勢い”


テレビ・単体チューナー・STB合計による8月末までの4K8K放送受信可能機器の出荷台数は174万3千台だそうです。あくまで出荷台数であり、販売台数ではありません。とはいってもこれしか数字出てませんし、余裕をもって大量に先行出荷することはないでしょうから、一応出荷台数≒普及台数としておきます。それにしても、この「千台」単位で書くの、紛らわしいんでやめて欲しいものです。3桁上がりの欧米基準で千台単位にしてるんでしょうが、日本は漢字圏で4桁上がりなんだから「1743(千台)」じゃなくて万台単位で「174.3(万台)」にしてほしい。どうしても欧米基準で数字を出したいなら「1743(千台)}じゃなくて「1,743(千台)」と書くべきだろうし。まぁそれはおいておいて。
この数字、放送を受信できるもう一種類の機器であるレコーダーが入っていません。それを含めればもう少し台数出そうです。なので計算でおおざっぱにレコーダーの出荷台数を推測してみましょう。まずは昨年一年間のレコーダーとテレビの出荷台数を調べます。最近は「レコーダー」で検索してもドライブレコーダーのことしか記事が出てこなくて不便なんですが、さすがにJEITAのサイトには数が書いてあります。もちろん販売台数ではなく出荷台数ですが。
それによると、レコーダーはDVD系が405千台、BD系が2,051千台です。やっぱり千台単位ですが、さすがに”,”が入ってますね、少しだけわかりやすいです。合わせて245.6万台というところでしょうか。DVD系で4K対応はおそらく無いと思いますので分母を増やしちゃいますが、比較のテレビも4k対応がない29型以下を数値に加えるので合わせます。テレビは4,510千台、451万台になりますね。テレビ販売数の54.5%くらいになります。
それと4K放送が始まってからの売れ行きを比べ、レコーダーにおける4K対応の割合をテレビと同じとしましょう。すさまじく大雑把ですけどね。テレビが
89.2/451万台ですから19.7%、レコーダーがX/245.6万台で19.7%と仮定して計算すると48.4万台。先の174.3万代に足せば224.7万台になります。これらが全部別々の戸に使われているとさらに仮定した場合、計算上日本で最大限に多くみた普及数になります。ちなみに日本の戸数は5000万世帯くらいですから、最大限見積もって4.5%。放送が始まって約9か月でこれだけ売れた、とみればそれほど悪くないですが、あと1年で総計50%と見込んでいたところから見ると良いとは言えません。
追記:レコーダーの分母にDVDレコを含ませる、と書きながら入れるのを忘れていたので、計算しなおしました。前の数値より0.2%上がっています。

しかもテレビの出荷台数の割合も昨年は「4k対応テレビはテレビの出荷台数全体の44%で198万台」とか言っていたはず。去年12月に売れた分に目をつぶって(大した数ではないでしょうから)全部今年売れたと仮定し、残りの4か月同じペースで売れたとすると今年度一年間の出荷台数は133.8万台にとどまります。もちろん昨年の4Kテレビのほとんどはチューナーレスな"対応"テレビなのに対し今年のはチューナーレスを含んでいない純然たる4K放送受信テレビだけですが、今年発売の4Kテレビは大抵チューナーありでしょうからチューナーレスの"対応"テレビを上乗せしたとしても二倍になるとは思えません。せいぜい5割増し・・・と考えると約200万台。去年のチューナーレスオンリーの時とほとんど変わらないのではないでしょうか。しかも今年のこの時点は一応「消費増税前の駆け込み需要」ありです。わが街ではわたしが見た限りその様子がなく、地元の報道でもテレビの売れ行きは取り上げず、冷蔵庫に駆け込み需要が見られたのを大きく取り上げてましたからあまり無い気がしますが、地域差はあると思いますからテレビの駆け込み需要があってもおかしくないですし、むしろあってこの程度の数字しか出てこないようじゃ普及率50%に到達して地上波も4Kへのチェンジ、なんて夢のまた夢の先・・・というしか。
もちろん素人の推測の上に推測を重ねたいい加減なものですし、「お前が4K放送嫌いだから数字がよくならないように計算しているだけだろ」と言われれば返す言葉はないですが。むしろ掛けこみ需要がなくて増税に慣れて余裕が出てきたら売れ行きは伸びる、を期待したほうがいい気がします。来年には絶対間に合いませんが。


全く別の話。
ついつられてディアゴスティーニの「週刊ゴジラをつくる」を定期購読してしまいました。不器用なわたしではありますが、まぁなんとかなるだろ、と買ってみたのですが、予想外にハサミやカッター、接着剤を使う項目があってちょっと冷や汗。特にカッターを使う行為はわたし苦手でして、いつも指を傷だらけにしちゃうので組み立てたゴジラが血まみれになりかねないんですが。次の休日に今来ている分をまとめて組み立てる予定なのでまだ手を付けてないのですが、組み立てサービスを頼まなかったことを少し後悔してます・・・。もちろんそれじゃ面白みが半減しちゃいますけどね。
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4K8Kテレビの普及ってどうなったんでしょうか

2019-08-30 23:10:35 | 次世代ビデオへの懸念
わざわざ書くほどの話でもないですが、最近更新してないので書いておきます。ただの穴埋めです。

暑かった8月もようやく終わります。あまりの暑さのために都市圏からやってくる金の買取業が本来7月後半から8月前半に来る予定を見合わせ、8月月末になってやっと来店してくれたくらいです。最近現金が出ていく取引のケースが多く、ちょっと手持ちの現金が不足(銀行で下ろせばいいんですが、なかなか外出も難しく)していたのでホッと一安心。
8月と言えば来年は東京オリンピック・パラリンピックがあります。事前の問題としては、やはり開催時期には襲ってくるだろう猛暑対策ができそうもないことと、最近になって浮上した東京湾の水質がかなり悪くて競技に向かないのではないか問題、当たりがクローズアップされてます。他にも誘致に関する不正疑惑、なんてのもありましたが何故か有耶無耶になって話に上がらなくなってますが。
そんな中、わたしも一度は追っていながら完全に忘れていたのが「4K8K放送を2020年の五輪までに国内普及率50%に」話。期限まで一年切ってます。となればそろそろ普及率の大本営発表が行われてもいいころ、さて現在は・・・と軽く検索してみたのですが全然話がない。どうせ昔の地上デジタル放送の時みたいな胡散臭い普及率の数字が出ているだろうからそこに陰謀論でも唱えようか、と思っていたのにアテが外れました。総務省もネタを提供してくれないと困ります。

数年前に「2020年に普及率50%」という目標数字を見たときは「まぁ無理だろう、不可能だ」と思ったものです。その時点で出荷されていた4Kテレビは当時の将来である2018年12月に放送が開始される4K放送のチューナーが内蔵されておらず、外付けチューナーが別途必要になるものばかりでした。東京五輪までに普及率が50%になるには、最低でも2018年12月から1年半と少しの間に最低でも4K放送チューナーを内蔵したテレビ・レコーダーおよび単体チューナーを合計して2500万台日本国内だけで売らなければいけません。普通に大ヒットしても難しい数字なのに、、いかに上げるような環境でその数字が達成できるとは思えなかったのです。

1.4Kテレビがデカすぎる
新4K・8K放送、テレビ局もテレビメーカーも「やる気なし」のワケ

昨年、4K8K放送が始まる時点の記事なので参考にならないかも知れませんが、一番下に「もともと、家庭にあるすべてのテレビが「10年サイクルで買い換えられる」と楽観視していたのが間違い。というのも、多くの家庭が子供部屋や寝室にあった2台目以降のテレビを買い替えなくなった。スマホやタブレットで事足りてしまうようになり、もはやテレビはスマートデバイスに圧倒され始めているのである。」なんてありますが、もし現在の状況を普及させる放送局や総務省側まで売れない理由をスマホのせいと考えているようじゃ話になりません。それ以前の問題、寝室や子供部屋に放送開始時には4Kテレビの最低サイズだった55型のテレビを買い替えて置く人がいるわけないのです。何度もいいましたが、そうした部屋におけるのはせいぜい32型です。36型ならちょっと無理して置く人も少なからずいたかも知れませんが、現在のテレビのラインナップには36・37型は存在せず、32型を超える最小サイズが40型になってしまいます。気軽に置くサイズがないうえに、4Kテレビの最小サイズも40型、それも最近になってやっと出てきたのが実情です。これでは買われないのも仕方ないところ。ついでに言えば、たとえ4K放送を入れても視聴の主流は地上波であると思います。が、4Kを前提にした超巨大テレビで地上波を見ると汚くて見れたものではなくなります。超解像処理で誤魔化そうとするテレビもありますが、圧縮で失われた画面の細部を無理やりシャープを強くして解像感だけあげてもむしろ汚く見えるだけ、ってのも買い替え意欲を湧き立たせない理由かと思います。それならまともなサイズで見ていた方がマシですから。

2.金銭的問題
ひょっとしたら、4Kテレビが売れるだろう考えには「消費税アップの前に駆け込み需要が起こり、テレビを買い替えるだろう」があったかも知れません。が、そのアテは外れました。駆け込み需要が起こらなかったということは、統計や株価などの数字はともかく一般人のふとごろ具合はよくないということです。むしろこれから出費が嵩むことを心配し、なるべくお金を使わないようにしようと考えているのではないでしょうか。どうしても買っておきたいものはあるでしょうが、それらに該当するほどテレビの優先順位は高くないということです。なにせ買って10年たっていない人が多く、しかも古いテレビはリサイクル料という処分費用がかかりますので余計な出費はは抑えたいと思うのならテレビは現状維持、となって当たり前だと思うのです。

3.製品群がつまらない
地上波の放送をデジタル化する際にそれまでのアナログテレビ市場にいた海外や安売りのメーカーをことごとく追い出し、日本の大手メーカーの半独占市場にしてしまいました。買い替え重要に沸いた時はわが世の春を謳歌しただろう日本メーカーですが、それは需要の前倒しをしたにすぎませんでした。そのあとは右肩下がりで売れなくなり、無理やり需要を起こそうとした3D押しは逆にテレビ離れを引き起こした感さえあります。かくして買い替え需要の時にはテレビを売っていたメーカーも次々と撤退、今はテレビを作っている日本メーカーはいくつも残っていません。海外メーカーも、以前から日本で踏ん張っているLGのほかは東芝を参加に収めることで参入できたハイセンスくらいなものです。売っているのも総務省の旗振りで規格化された筋にのった、脱線を許さないものばかりで選択肢がなく面白みが全くありません。もちろん従来のHD放送よりもさらに強化した録画規制のために録画好きのツボを押せる製品が出せないのも、テレビと同様あるいはそれ以上にレコーダー需要を冷えさせている大きな理由です。


これら売れない理由、がカッチリと強く存在する中でどうやってありえそうもない普及率を達成するのか、どんなミラクル策を用意するのかはちょっと楽しみではあったのですが、未だに何も見られず、数字の公表すらしないところを見ると、テコ入れよりそもそも短期間普及をあきらめる方を選んだようです。それでいいんならいいんですが、それなら大急ぎで削ったBS放送の帯域をもとの放送に返してやってほしいものです。
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また4K8K放送見てきた

2019-01-22 00:06:05 | 次世代ビデオへの懸念
この間の休日、またしても4K8K放送の見学に某量販店に行ってきました。その前に行ったのとは違う店です。前に行った店で見た4K8K放送の画質はひどいものでしたが、ひょっとして照明がHDR放送向けでなかったとか、そもそも調整がヘタクソな店員しかいないとか、放送とは違う理由で画質が悪かった可能性も否定できないな、とちょっと思いなおしましたので別の店に見に行くことにしたのです。大きく違うようなら今後下見は最初のA店ではなく今回のB店一択にしよう。

見に行きましたら、そも店Bにはちゃんとシャープの8Kテレビがデンと置いてありました。テレビ売り場の力の入れ方がA店とは全然違います。必ずしも店舗がA店より広いわけではありませんから、B店ではまだテレビは見捨てていない、ってことなんでしょうね。超巨大な8Kテレビに映っていた放送はやっぱりフィギュアスケート。とりあえずこれ放送しとけ、ってことなんでしょうか。前見た放送は背景が黒いせいもあってかなり残像がひどく目立つものでしたが、今回は大勢の観客がいるリンクで滑っているシーンなせいか、選手には目立った残像がなく、割と安心して見られました。やはりA店では照明か調整のミスでもあったのでしょう。ただし、それは選手だけに注目した場合であり、背景の、大勢のお客さんの方に視線を向けるとほぼ常時ブレブレ、まるで解除してないインターレース映像です。解像度は高いのにほとんど表情も読み取れません。もちろんフィギュアの選手はリンクを大きく使って高速で滑っているので所謂"テレビ"の映像なら描画が追い付かず、こうなるのも当たり前ですが、8K放送は従来の放送と違ってプログレッシブ、最初からインターレースを使ってないうえ、フレームレートは最大120とされています。選手の動きを見せることを優先したため、お客さん部分は二の次ということなんでしょう。HDR放送の理想で言えば、高い解像度と色再現によって、今までのテレビ映像とは違う、あたかもその場にいるような臨場感が楽しめる、になるはずでしたが、機材の能力かエンコーダーがまだ未成熟なのかはたまた理想が高すぎなのか、所謂テレビの映像からまだ抜け出ていないというのが素直な感想です。思ったより色も薄めでやや作った感もあり、超巨大で解像度は高いものの液晶特融の立体感のない平たい映像でしかありませんでした。
同じく液晶の4Kテレビに映っていた日本放送協会系4K放送を見たのですが、やはり印象は変わりません。こっちはほとんど動いていない映像だったので崩れてはいませんでしたがなんとなく背景がうまくボケず、色も薄くて映像が平たく感じます。ひょっとしたら有機ELテレビで見ればだいぶ違ったのかも知れませんが、あいにくと有機ELの4Kテレビは専用のデモ映像か、なぜか地上波の放送しか映っていません。そして例によって有機EL4Kテレビで、量販店の照明で見る地上波の放送は本当に汚く見えます。有機EL映像のキレイさはプラズマやブラウン管のように汚い部分を適度にごまかしてくれるキレイさではなく、悪い部分もハッキリと映し出すキレイさなので、地上波や最近のBS放送の悪い点が見事に浮き彫りになってしまうのです。補正もかなりクド目に入っているうえにタイムラグがある製品も少なくなく、悪い意味でテレビやメーカーごとの画質補正の方針も浮き彫りになります。個人的に有機ELテレビには期待していたのですが、現状の映像処理では放送も映像ソフトも全部4Kに移行してしまうのでない限り、有機ELテレビは勧められないですね。

そしてこの間やっと気が付いたのですが、テレビのラインナップって完全に「40型以上」と「32型以下」に分けられてるんですね。昔ならその中間のブラウン管なら36型(「29、ワイドにするなら36」ってCMが懐かしい)液晶なら37型があったわけなんですが、もうとっくに、Amazonとかの在庫で見ると2011年を最後に用意されなくなっているみたいです。いやー、今まで気が付かなかったというのは、それだけわたしテレビという映像機に無関心でいたのか、と反省しかりです。
以前から何度も「日本でテレビがもっとも売れるサイズは32型」と主張してきました。そして32型で受信できない限り、HDR放送が短期間で普及率50%というのはあり得ないと確信しています。ただ、メーカーはどうしても4K8という解像度をHDR放送においては最優先、前面に押し出したいと考えているようです。そのため、少しでも大きなテレビを売りたい。そのせいか60型70型という非常識なサイズのテレビばかり売りたがっていますが、メーカーの作るテレビがどんなに巨大化しようと消費者の住む家が巨大化するわけではありませんし、いまやリビングで家族そろってテレビを見る時代でもなし、テレビは個室で自分一人で所有して使うものですし、部屋に置く家電の中で最優先されるものでもなくなりました。だからやっぱりボリュームゾーンは32型なんです。ただし、だからと言って32型を主力としてテレビを売ると、テレビが個室においても二度と家電の主力に返り咲けない、かつてのラジカセの道を歩むのは目に見えています。それを受け入れず、リビングはもちろん個室においても優先度の高い存在としてテレビがこれからもあり続けたいのなら、どうしても32型を卒業するに最適なサイズ、昔の32型程度の設置面積で置けるだろう36~37型を用意しないとどうしようもないんです。でも4Kどころか2Kの37型すらメーカーのラインナップから姿を消しています。なんでなくなったのかはわかりませんが、わたしが一番消費者が求めるテレビというのがわかっているメーカーと考えているオリオン電機ですら37型を用意していないところを見ると、おそらくパネルが入手できないんでしょうね。パネルメーカーが作ってないんでしょう。多分ポスト32型としての37型の必要を全く考えてないわけではないでしょうが、作れないのだから仕方ないというところでしょうか。
日本メーカーは4K8Kを武器に世界において次世代テレビ規格の主導権を握るのが目的なのでしょう。ただ、テレビがデジタルになってからの所謂コモディティ化、部品を買ってきて組み立てればテレビになる、というメーカーに必要なのは技術ではなく生産能力になる方式に乗っかってしまって今までの方式が通用しなくなりました。それに加えて国内から大半の海外メーカーを追い出してぬるま湯につかった独占市場で一儲けできたために開発能力が落ち、弱体化しています。その結果、わたしの想像のようなパーツメーカーの都合に合わせた製品しか作れなくなっているとしたら、もう新規格を作る資格すら持ち合わせていないんではないでしょうか。言い過ぎかも知れませんが、まぁ録画を規制したり禁止放送にできる状態をキープし続ける限りわたしが4K8K放送に対してよいことを書くことはないので、むしろ今回は甘いなぁ。B店の画質がA店よりかなりマシだったせいかも。


寒波のせいでついに地元に雪が降りました。ああ、衛星放送の映りが悪い・・・。アンテナの雪落としたい。ケーブルがCSも再送信してくれればなぁ。
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