長野の聖火リレーはとりあえず無事に終わったようだ。
「フリーチベット・チーム」も「加油中国チーム」(松沢呉一氏の命名による)も日本国憲法で保障された表現の自由を謳歌したのはたいへん結構なことだ。ただ、一部にはヘイトスピーチや暴力行為が見られたことは残念である。
さて、フリーチベット・チームが長野県警の警備の不公平さを批判している。
長野県警さんって一体…:FREE TIBET
世界最低の国、日本(転載)
『聖火リレーin長野』スタート&ゴール地点状況まとめ - 想像力はベッドルームと路上から
フリーチベット・チームの不満は心情的には理解できるけれど、私は長野県警のやり方がひどいとか許せないとは思わない。むしろよくやった、ご苦労様でしたと言いたい。
そもそもフリーチベット・チームの方々は警察に何を期待していたのだろう。
あまりにもナイーブすぎる。最初から事情がわかっていてあえて警察を批判してみせるならまだしも、どうやら純粋に怒っている人が多いようでびっくりする。
長野県警の仕事は治安を守り長野市主催のイベントを無事に終わらせることである。抗議が平和的に行われると確信できる状況でない以上、抗議側の行動規制を行わざるをえない。エクストリーム聖火リレーにおいてフリーチベット・チームは攻撃側であり、加油中国チームと警察は防御側である。最初から利害が対立している。
警察は治安維持のためのお役所である。警察の方針を決めるのは警察官僚、つまり役人だ。役人の処世術は事なかれ主義であり、責任を取らされることを何よりも恐れる。フリーチベット・チームのほとんどが日本人であるのに対し、加油中国チームは中国人ばかりだ。バックの力がぜんぜん違う。
フリーチベット・チームに本気で肩入れする有力政治家や大物財界人がいるとは聞いたことがない。砂のごとき市民の集まりであり、彼らの機嫌を損ねても後で上のほうから叱られることはない。せいぜい一部のマスコミとネットが騒ぐくらいだ。
逆に加油中国チームの後ろにはオリンピックに国威発揚を賭ける中華人民共和国が付いている。彼らの機嫌を損ねてしまい「不当弾圧だ」「差別だ」と騒がれると外交問題になる。外務大臣が謝らされたり警察庁長官が責任を取らされる羽目になるかもしれない。そうなると長野県警はたっぷり油を絞られる。お役人である警察官僚がそんな事態を望むわけがないし、フリーチベット・チームの正義のために泥をかぶる覚悟などあるはずもない。
今回は「フリーチベット・チームv.s.加油中国チーム」だったが、他の場合でも警察は同じような対応をするだろう。
オーストラリアから「捕鯨反対チーム」が来日して日本人の「鯨食わせろチーム」と衝突しそうになれば警察は「お客さん」である捕鯨反対チームを守って鯨食わせろチームを抑圧する。アメリカから「原爆投下の正当性を主張する歴史家グループ」が来日して「被爆者・反核運動グループ」と衝突しそうになれば警察は後者を押さえ込む。警察のお仕事とはそういうものであり、政治的な「正義」とは無関係だ。
結果として長野県警は加油中国チームの好き勝手にさせたわけだが、それが中国人たちの望む結果につながるとは思えない。
『聖火による市中引廻の刑』~晒されているのは中国という国家の特異性 - 木走日記
木走氏の意見に完全に同意する。
加油中国チームは思いきりONE CHINAを叫び愛国心を高揚させ満足して長野を後にしたのだろうが、それを見る日本人の目は決して暖かいものではない。むしろ異様さと恐れを感じて「引いた」人が多いはずだ。
かのテサロニケ大先生は「政治戦は中国側の圧勝で右翼側の完敗だった。」と満足しておられるが、あの方の予言が当てにならないことはご存知の通りである。
参考記事
自分の感覚としては、「棲み分け」は(すべきではなかったけど)やむなしだった - sjs7のブログ
長野聖火リレー現地レポート:TBN -Today's Best News-
【読みもの】黒子の部屋 ≫ お部屋1474/長野観光ガイド●スタジオ・ポット/ポット出版
「フリーチベット・チーム」も「加油中国チーム」(松沢呉一氏の命名による)も日本国憲法で保障された表現の自由を謳歌したのはたいへん結構なことだ。ただ、一部にはヘイトスピーチや暴力行為が見られたことは残念である。
さて、フリーチベット・チームが長野県警の警備の不公平さを批判している。
長野県警さんって一体…:FREE TIBET
なんと。
中国人は優遇処置されてたそうですね。
かなりビックリ。
日本人を守りもせず、中国人ばかり擁護して一体どうするつもりなんだい、日本の警察さん。
世界最低の国、日本(転載)
出発地点に、中国の旗を持った人は入場できるが、チベットの旗を持った人は入れない。
警察の言い分。
「危険だから」
じゃあ、何で中国人はいいんだ?
「......ご協力お願いします。」
は?
それやらせじゃん。
中国国旗しかない沿道って、警察が作ってるんじゃん。
『聖火リレーin長野』スタート&ゴール地点状況まとめ - 想像力はベッドルームと路上から
チベット国旗、ないしはチベット弾圧に反対するメッセージボードなどを掲げる事、あるいは「チベット支援者だと思われる人物」の行動制限は、スタート地点・ゴール地点双方でかなり厳しく行われていました。
フリーチベット・チームの不満は心情的には理解できるけれど、私は長野県警のやり方がひどいとか許せないとは思わない。むしろよくやった、ご苦労様でしたと言いたい。
そもそもフリーチベット・チームの方々は警察に何を期待していたのだろう。
あまりにもナイーブすぎる。最初から事情がわかっていてあえて警察を批判してみせるならまだしも、どうやら純粋に怒っている人が多いようでびっくりする。
長野県警の仕事は治安を守り長野市主催のイベントを無事に終わらせることである。抗議が平和的に行われると確信できる状況でない以上、抗議側の行動規制を行わざるをえない。エクストリーム聖火リレーにおいてフリーチベット・チームは攻撃側であり、加油中国チームと警察は防御側である。最初から利害が対立している。
警察は治安維持のためのお役所である。警察の方針を決めるのは警察官僚、つまり役人だ。役人の処世術は事なかれ主義であり、責任を取らされることを何よりも恐れる。フリーチベット・チームのほとんどが日本人であるのに対し、加油中国チームは中国人ばかりだ。バックの力がぜんぜん違う。
フリーチベット・チームに本気で肩入れする有力政治家や大物財界人がいるとは聞いたことがない。砂のごとき市民の集まりであり、彼らの機嫌を損ねても後で上のほうから叱られることはない。せいぜい一部のマスコミとネットが騒ぐくらいだ。
逆に加油中国チームの後ろにはオリンピックに国威発揚を賭ける中華人民共和国が付いている。彼らの機嫌を損ねてしまい「不当弾圧だ」「差別だ」と騒がれると外交問題になる。外務大臣が謝らされたり警察庁長官が責任を取らされる羽目になるかもしれない。そうなると長野県警はたっぷり油を絞られる。お役人である警察官僚がそんな事態を望むわけがないし、フリーチベット・チームの正義のために泥をかぶる覚悟などあるはずもない。
今回は「フリーチベット・チームv.s.加油中国チーム」だったが、他の場合でも警察は同じような対応をするだろう。
オーストラリアから「捕鯨反対チーム」が来日して日本人の「鯨食わせろチーム」と衝突しそうになれば警察は「お客さん」である捕鯨反対チームを守って鯨食わせろチームを抑圧する。アメリカから「原爆投下の正当性を主張する歴史家グループ」が来日して「被爆者・反核運動グループ」と衝突しそうになれば警察は後者を押さえ込む。警察のお仕事とはそういうものであり、政治的な「正義」とは無関係だ。
結果として長野県警は加油中国チームの好き勝手にさせたわけだが、それが中国人たちの望む結果につながるとは思えない。
『聖火による市中引廻の刑』~晒されているのは中国という国家の特異性 - 木走日記
中国という国を語るときにはいろいろな意味でその13億という巨大な人口、頭数の多さを無視しては語ることができないのでありますが、世界各国で大量の留学生を動員して沿道を五星紅旗と中国人で埋め尽くしてしまうという、このような頭数を利用しての聖火を独占するかのような集団行動は、中国政府は意図していないでしょうが、これでは世界の人々の反感は買っても、中国への理解を深めることはないでしょう。
まったくの逆効果なのであります。
まさに『聖火による市中引廻の刑』であります。
そして引廻され「みせしめ」にされているのは、まさに中国という国家の特異性なのであります。
木走氏の意見に完全に同意する。
加油中国チームは思いきりONE CHINAを叫び愛国心を高揚させ満足して長野を後にしたのだろうが、それを見る日本人の目は決して暖かいものではない。むしろ異様さと恐れを感じて「引いた」人が多いはずだ。
かのテサロニケ大先生は「政治戦は中国側の圧勝で右翼側の完敗だった。」と満足しておられるが、あの方の予言が当てにならないことはご存知の通りである。
参考記事
自分の感覚としては、「棲み分け」は(すべきではなかったけど)やむなしだった - sjs7のブログ
そりゃあ理想論として「棲み分け」なんていうのは、対話促進*2というデモの精神から外れることだし、良くないのもわかるんですが、じゃあ誰か怪我したり騒動が起こったときあんたたち責任取れるの?というのが、警察の言い分でしょう。僕も、それについては警察に同意します。少なくとも傍観者としてみてる分には今回の警察はグッジョブだった。
長野聖火リレー現地レポート:TBN -Today's Best News-
一部の中国人が日の丸を持ち、日本人の若者たちの間に真の人権意識を持った人が現れ、遠い長野まで来て、冷たい雨の中でフリーチベットと叫び続けた人がいたのを見れたことは収穫でした。
【読みもの】黒子の部屋 ≫ お部屋1474/長野観光ガイド●スタジオ・ポット/ポット出版
地元の人たちはどう感じていたかと言えば、五星紅旗だらけになってしまったことの反発もあると同時に、リレーに反対する「フリーチベット・チーム」に対する反発も強くて、「どっちもウザい」と感じている人がもっとも多かったように思え、私自身、地元の人に怒られました。すんません。両方のチームを代表して謝ってきました。