我が家のおじさんは、フランス語が堪能です。
フランス料理のコックだったからです(今は別分野の調理師)。
「ネコってフランス語でなんてーの?」と聞くと、「シャ」と教えてくれます。
「犬は?」と聞くと、「ルチアン」。「羊は?」、すかさず「ムトン」。
発音がフランス人っぽい、小声で囁く、時に鼻息交じり、
これがじわじわ面白くなってきてしまう訳です。
しばらく続けていると、だんだん答えなどどうでもいい、
おじさんが知らない事を聞いてやると意地になってきます。
「羊の睾丸は?」、「サバダバサバダバ」(聞き取れない)。
「ヤギの睾丸はどうだ?」、「サバダバサバダ」(覚えてない)。
「ネコは?ネコの睾丸は?」、
「ネコのかは解りませんが、一般的にサバダバ」(どうでもいい)。
こうなると、お主出来るなと一旦息を整えながら辺りを見渡します。
そして気づいた事を本能のままに、やつぎばやに質問をぶつけます。
「薄毛は?くさい臭いは?水虫は?カツラ、部分カツラはー?」と
自分の質問に爆笑を堪えられず泣きながら質問する私に、
おじさんはすべてを悟った高僧のような穏やかな顔で
「調べておきますね」と言うのでした。
おじさんが、プロの技で小魚(きびなご)を50匹、さばく
あや「おじさん、さいきん けが ぬけない しゃんぷー つかってる みたい」
おたま「けって ぬけちゃ いけないの?」
あや「おじさん よなかに こっそり あしのゆびに くすり ぬってんのよ」
おたま「おじさん びょうき なの?」
大人の男のたしなみなのだよ、ダンデズムなのだよ。
出来上がり。お見事!
おじさんは、今日から仕事の担当地が変わります。
いろいろ頑張れ、おじさん!いろいろ負けるな、おじさん!
以前、おじさんのことを占い師さんに占ってもらったとき、
「ひたすら働いて、右手にお金を掲げて笑顔で帰る男のカード出ました。」と
言われました。