ヨーヨー(Yo-yo)とは、玩具(スキルトイ)または大道芸用具の一種である。
曖昧さ回避
転じて、「上下するもの」「戻ってくるもの」の例えとして以下の意味でも用いられる。
- 経済学用語で、相場の乱高下。
- ヨーヨーダイエット。減量とリバウンドを繰り返すこと。
- ヨーヨードリブル。バスケットボールで、自分の側にスピンをかけるドリブル。
- ヨーヨーラン(シャトルラン)。一定の間隔を音楽が鳴り切るまでに何往復できるかで持久力を計る。
- 戦闘機のマニューバの一つ。追跡機と速度を合わせるため、一旦上昇して減速してから下降して加速することをハイヨーヨー、その逆をローヨーヨーという。
- ヨーヨーキルト。中心から放射状にギャザーを作った、円形のモチーフ。
概要
ヨーヨーと名前がついた玩具には、以下の2種類がある。いずれも、「ひもの先の物体が上下する」という点で共通する。
ひとつは、水風船にゴムひもを取り付け、ゴムの弾力で風船を上下させるもので、「水ヨーヨー」「ヨーヨー風船」とよばれる。縁日の屋台などでは、これをこより製の釣り糸で釣る「ヨーヨー釣り」でおなじみである。
もうひとつは、木・プラスチック・金属製の合同な回転体2つを短軸で連ね、軸にひもを巻きつけたもの。
いずれも遊ぶ際はひもの一端に輪を作り、そこに指を通して上下させて遊ぶ。
競技ヨーヨー
駄菓子屋などで売っているヨーヨーは、軸にストリングが固着しており、下降しきった瞬間上昇を始める。
しかし、競技ヨーヨーはストリングの先端が輪になっており、軸に固定されていないために、下降しきると先端で空回りを始める。これをスリープと呼ぶ。
スリープするヨーヨーは、スリープしている間にストリングで形を作ったり、振り回した時の軌道を変えることができる。これを利用してさまざまなトリック(技)を行うのが、競技ヨーヨーである。
詳しくは、「ヨーヨーの構造」の記事を参照。
この仕組みを持つヨーヨーを総称して「ハイパーヨーヨー」と呼ぶ人がいるが、バンダイの商標であるため適切ではない。古くは「マジックヨーヨー」とも呼んでいた。
はじめての方・昔ハイパーヨーヨーをしていた方へ
Q1. ヨーヨーって、どこで買えますか。
A1. 専門店は、オンラインショップと物理店舗があります。
一部家電量販店などでも取り扱いがあります。
- スピンギア
- ヨーヨーストア リワインド
- ヨーヨーショップ ネスト
- ヨドバシカメラ(一部店舗)
- ビックカメラ(一部店舗)
- トイザらス(ヨメガヨーヨーのみ)
Q2. ヨーヨーに触ったことがありません。何を買えばいいですか。
A2. 各社より以下のヨーヨーが発売されています。
- ヨーヨーファクトリー・ワンスター(2019)
- スピンギア・スピンガジェット
- ダンカン・フリーハンドONE
- FRESHTHINGS・プルミエール
- C3ヨーヨーデザイン・スピーダホリックXX(引き戻し仕様)
Q3. 昔ハイパーヨーヨーやってたのですが、ステルスレイダーってまだありますか。
A3. 生産終了しましたが、半額以下になった上で在庫がまだまだ販売中です。
現在はヨーヨーの性能も向上したので、A4.のヨーヨーの方が性能がいいでしょう。
Q4. 昔ハイパーヨーヨーやってましたが、今のヨーヨーでおすすめはありますか。
A4. 今はストリング用とルーピング用が完全に分かれたので、別々に買いましょう。
以下のヨーヨーがおすすめです。
ルーピング用
Q5. おもちゃショーで見た金属のヨーヨーがかっこいいので欲しいです。
A5. 金属のヨーヨーは上級者向けで、ほとんどの機種が引いても戻ってこない「バインド仕様」になっています。しかし、現在は初心者向けの引き戻し機種もあります。以下はいきなり買っても大丈夫でしょう。
トリック
ヨーヨーの技のことを「トリック」という。
1930年代から多数のトリックが考案され、現在もなお無数のトリックが生まれ続けている。
これらのトリックは、下記のプレイスタイルに分類されている。
詳しくは「ヨーヨーのトリック一覧」の記事を参照。
プレイスタイル
ヨーヨーのプレイスタイルは、大きく分けて以下に分類される。
詳しくはリンク先を参照。
部門
上記の大分類は、現在では細分化・整理の上5つのプレイスタイルに分類されている。
公式戦ではこの5部門とその他の部門に分かれて争われ、それぞれに順位が付けられる。
詳しくはリンク先を参照。
また、世界大会で行われているその他の部門については、ワールドヨーヨーコンテストの記事を参照。
「オン/オフストリング」とは、ストリングとヨーヨーがつながっているかどうかを表す。
「オン/オフハンド」とは、ストリングと指がつながっているかどうかを表す。
使用数は、同時に手に持つことができる数(交換用のヨーヨーはいくつ置いてもよい)。
「以上」とある場合を除き、ちょうどその数でなければ採点対象外となる。
部門 | 分類 | 使用数 | ストリング | ハンド | リンク |
1A(ワンハンドストリング) | ストリング | 1 | ON | ON | 1A(ヨーヨー) |
2A(ツーハンドルーピング) | ルーピング | 2 | ON | ON | 2A(ヨーヨー) |
3A(ツーハンドストリング) | ストリング エクストリーム |
2 | ON | ON | 3A(ヨーヨー) |
4A(オフストリング) | エクストリーム | 1以上 | OFF | ON | 4A(ヨーヨー) |
5A(カウンターウェイト) | エクストリーム | 1以上 | ON | OFF | 5A(ヨーヨー) |
メーカー・ショップ
ヨーヨーの大量生産は米国から始まったが、現在は世界中にメーカーが存在する。
また、一般の玩具店だけでなく、オンラインショップや専門店の展開も盛んである。
詳しくは「ヨーヨーメーカー・ショップ一覧」の記事を参照。
機種
ヨーヨーは、目的に合わせて様々な機種がある。
90年代は、1つのヨーヨーでほとんどの技を行っていたが、現在では部門の分離もあり、プレイスタイルに合わせたヨーヨーを適宜選ぶことが推奨されている。
詳しくは「ヨーヨーの機種一覧」の記事を参照。
プレイヤー・関係者
ヨーヨープレイヤーも世界中に存在する。
趣味で行っているプレイヤーから、ショップオーナーやプロパフォーマー・大会運営関係者もいる。
詳しくは「ヨーヨープレイヤー一覧」の記事を参照。
国内におけるヨーヨーの技術水準
競技
日本では1997-2000年頃にハイパーヨーヨーが大ブームとなり、世界大会に出場するプレイヤーが増え始めた。1998年に初の日本人優勝者が出て以降、毎年日本人チャンピオンが生まれている。
現在では、発祥国のアメリカに並ぶ世界有数のヨーヨー強豪国である。世界大会では全6部門(技術5部門と芸術部門)上位入賞者の過半数を日本人が占め、優勝者が全員日本人という場合もある。
2010年代は他国のプレイヤーもレベルを上げてきているため、常勝は難しくなっているものの、それでも世界チャンピオンの過半数が日本人という状況は変わっていない。
アジアパシフィックではシンガポール・香港勢の突き上げがあり、苦戦を強いられていたが、2017年に日本人が5部門を制覇し、ヨーヨー大国日本の意地を見せた。
部門別では、特に2A部門が日本人の独走状態となっており、2002年以降の世界チャンピオンは全員日本人である。
製造
ご存知ものつくり大国であるが、競技ヨーヨーに関しては長きにわたり海外メーカーのOEM販売が続き、自社で製造する日本メーカーがほとんどなかった。
第1期ハイパーヨーヨーにおける「バンダイ・ハイパードラゴン」は、カスタマイズ性重視のために強度が競技レベルに耐えるものではなかった。
この状況が変わるのは2010年頃。ヨーヨーは総金属製が主流となり、旋盤削り出しで作れば金型を用意する必要がないということで、小さな資本金でヨーヨーブランドを立ち上げることが可能となった。
そこで、日本人プレイヤーが独自のヨーヨーブランドを立ち上げる例が増え始めた。
このような経緯から、日本メーカーの特徴は高品質・高価格となっている。
日本の工場による高い精度と信頼性は海外のプレイヤーからも高い評価を得ており、日本の製造業の特徴を遺憾なく発揮できる市場といえる。
一方、ほぼすべてのメーカーがベンチャー企業であり、大量生産ができないために高価になりやすい。
金型を用いた生産は資金繰りの目処がつかないとできないため、プラスティック機種のリリースは行わないか、ブランド立ち上げから数年経ってからのことが多い。
2015年以降は、ブランドの信頼性が高まった時点で、海外発注した廉価版をリリースする例が増えた。
このあたりの事情は海外の中小メーカーも同様であるため、欧米のメーカーとの差別化が課題である。
また、中国工場製ヨーヨーの高性能化と低価格化が進んで、かつての高級機も1万円以内で買えるようになったことや、中国メーカーが価格ではなく品質でも頭角を現してきたことにより、日本メーカーはコストパフォーマンス面で苦戦を強いられている。
一方、斬新な発想や美しい見た目などで独自性やブランド力を維持し、競技面はもとよりストリートやクラブなどの広範な分野にはたらきかけるメーカーが注目されている。
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関連項目
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脚注
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