スポーツ(英:Sport 複数形Sports)は、英単語のひとつ。
当記事では、ニコニコ動画のカテゴリタグとしての「スポーツ」についても追記する。
jp | スポーツ |
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de | Sport |
es | deportes |
tw | 運動 |
言語学上の意味
ラテン語で「運び去る、運搬する」から転じて「憂いを取り除く」を意味するようになったdeportareが英単語disportに変化し、さらにsportと短縮されたもの。
そして現代英語のdisportは「遊び興じる」という意味である。
そこから、sportには「趣味、娯楽、気晴らし、悪ふざけ」など、(その動き自体は)「仕事ではない」「生活の役に立たない」という意味合いが含まれる。
例えば、副詞句in sportや形容詞形sportiveは「ふざけ半分に」、for sportで「(生業ではなく)趣味で」という意味である。また、sport単体で「もてあそばれるもの」「物笑いの種」などの意味にもなる。
いずれにせよ、「体を動かす」という要素は英単語sportの意味としては派生的なものである。
日本での意味
日本では「体を動かす行為」というイメージが定着している。いわば「体育」と同等とみなす人が多い。
そのため、スポーツとは教育的で、心や体を鍛えられて、努力が必要で、苦労するものであり、またそうでなければならないという「体育」のイメージがある。下記の「スポ根」の隆盛も、そのような背景によるものである。
スポーツ庁の管轄は文部科学省であり、スポーツ基本法前文において以下のように定義されていることもあり、「スポーツ」は「体育」と混同されがちである。また、スポーツと呼ばれることが、その行為に何らかのステータスをつけるものであると世間的には考えられている。
スポーツは、心身の健全な発達、健康及び体力の保持増進、精神的な充足感の獲得、自律心その他の精神の涵(かん)養等のために個人又は集団で行われる運動競技その他の身体活動であり、(略)
スポーツ基本法 前文 文部科学省公式サイトより
そのため、日本では体を動かさない、または疲れたり体を鍛えられたりしないものを「スポーツ」と呼ぶことに強い抵抗がある人が多い。また、教育上好ましくない表現や服装などが含まれるもの、遊びやおもちゃであるものも「スポーツ」というと反発が起こるし、「スポーツ」というステータスが欲しいために無理矢理そう呼ぼうとしている、という批判が起こることもある。
例えば、「カーリングはスポーツではない」という論争が巻き起こったり、ヨーヨーやけん玉などのスキルトイ類をスポーツ扱いしなかったり、e-sportsという名称に嫌悪感を持つ人がいたり、チェスや将棋が「スポーツである」というと驚かれたりするのは、スポーツのこうしたイメージによるものである。
運動的なスポーツで根性を出すが如く奮闘するジャンルを「スポ根」という。
競技という意味を加えるとそれらを含み熱い情熱物を内包する。
いずれにしても、日本人は後述する国際的な意味を認識すべきかも知れない。
国際的な意味
An activity involving physical exertion and skill in which an individual or team competes against another or others for entertainment.
Success or pleasure derived from an activity such as hunting or fishing.
Entertainment; fun.
A source of amusement or entertainment.
Oxford Dictionariesより一部抜粋
英単語sportの意味は「その動き自体は生活の役に立たないもの」である。「広義」というと「意味を拡大解釈した」というニュアンスを含む場合もあるが、上述の通りsportの本来の意味はこちらである。
また、もとは生活的行動であったが、目的を失ったか形式化し、行動のみが意味を持つようになったものもsportである。例えば、弓矢は敵や獲物を倒す目的のものだが、「矢を飛ばし、何らかの物体に命中させる」という行動のみを取り出すと「弓道」「アーチェリー」などのスポーツとなる。
現代では少し意味を狭めて「一定のルールに沿って勝敗を競う」という意味を加える場合もあるが、そうでなくともsportと呼ばれる例も多い。
以下に、狭義からは外れるがいずれもsportである(または、歴史的にsportと扱われたことがある)ものを示す。見れば分かるとおり現在ではgameやartを充てることが多いものも含まれる。
- 体を動かすことよりも思考力が重要視される非生活的行動(マインドスポーツ)
- 体を動かす非生活的行動で、競技性を伴わないもの
- 人間でないものの方が激しく運動するもの
- 他人や他の生き物が運動し、それを観戦するもの(見るスポーツ[1][2])
- 非生活的創造活動(アート)
スポーツの定義でないもの
これに対し、体を動かす行為であっても動かした結果が生活のためであるものはsportに含まない。
例えば、廊下を雑巾がけするのはsportではない。これは「清掃」という生活的行動が目的のため。しかし、100mの廊下を雑巾がけしてタイムを競うが、その結果床が綺麗になるかどうかは関係ないのであればこれはsportである。前項の弓道の例と同じく、目的から生活性が失われたからである。
この「生活のため」は。「金銭を得る」だけの場合は含まない。なぜなら、金銭は価値の仲立ちをするものであり、生活の役に立たないものであっても価値化してしまうからである。
すなわち、「プロスポーツ」はsportである。プロ野球選手は野球で金銭を得て生活しているが、「ボールを投げる」「バットで打つ」などの行為は非生活的なものであるためsportである。
日本人が「スポーツ=体育」という認識で海外に行くと、会話が成り立たなくなる恐れがあるため、上記の認識を理解すべきだろう。
カテゴリタグ
生活・一般・スポカテゴリグループに属する。スポーツそのもののほか、スポーツ選手、スポーツクラブのマスコットを題材とした動画に付けられる。
なお、上述の「広義のスポーツ」にはよりふさわしいタグが充てられていることがほとんどのため、こちらのタグは基本的に使わない。例えば「e-sports」には「ゲーム」タグがつけられる。
扱われる主なスポーツ
- 球技
- 野球、サッカー、バスケットボール、テニス、卓球、ハンドボール、バレーボール、バドミントン、ラグビー…
- 格闘技
- K-1、総合格闘技、ボクシング、キックボクシング、プロレス、レスリング、テコンドー、フェンシング…
- モータースポーツ
- レース、ラリー、公道レース、自動車、バイク、F1世界選手権、MotoGP、競艇…
- 競馬
- トライアスロン
- サイクリング
- ロードレース、競輪、ツール・ド・フランス…
- スケート
- スピードスケート、フィギュアスケート、アイスダンス
- 水泳
- 自由形、リレー、シンクロナイズドスイミング、平泳ぎ、クロール…
- 陸上
- 100mトラック、中距離走、マラソン、駅伝、リレー、ハードル走、障害物走、やり投げ、砲丸投げ、ハンマー投げ、円盤投げ、走り幅跳び、走り高跳び、棒高跳び…
- ウィンタースポーツ(スケート以外)
- スキー、ノービル、クロスカントリー、スノーボード、モーグル、バイアスロン…
- 古武術・日本国技
- 相撲、柔道、空手、少林寺拳法、合気道、剣道、弓道…
扱われる主なスポーツ選手、マスコット
イチロー、ドアラ、松岡修造、プルシェンコ、レミ・ガイヤール、…
問題・トラブル
公式試合であっても、不正行為などが行われる事例もある。
部活動においても過剰で効率の悪い方法が取られたり、心身ともに過剰に疲弊させる場合もある。
制裁措置 |
- 十分な広さが必要なスポーツを、広さのない空き地や公園・他人の私有地などで無許可で行う。
- 近隣住民の理解を得られないどころか反対され、他のプレイヤーまで一緒くたに悪評を被る。
- スポーツを行う場所自体が無い、限られている。
- 身体の酷使、試合中の怪我によって選手生命を絶たれてしまう場合もある。
- マイナーなスポーツにおいては選手人口が少なく、集まらない場合もある。
選手・プレイヤー以外
- 選手・部員を取り巻く指導者によるセクハラや効率の悪すぎる根性論といった問題もある。
- 観客のマナーの悪さで会場・近隣で騒ぐ・汚損されることもある。
- その他、五輪開催地や関係者における不正なお金の動きがトラブルとなることも。
- 試合のチケットやグッズの買い占め・高額な転売(転売ヤー)等が発生する場合もある。
漫画・アニメ等で特定のスポーツが注目されることで人数が増える場合もある…のだが
同時にマナーや順法精神が無い、態度の悪い人間が参入し雰囲気が悪くなることもある。
特定の国や団体に有利/不利になるよう一方的にルール・規定が変わる場合もある。
関連動画
関連商品
関連項目
ニコニコ動画のカテゴリタグ(サブカテゴリ)一覧(2018.11~) ※2018年の新規追加カテゴリは太字 |
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その他 | 例のアレ - 日記 - その他 |
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脚注
- *Ⅰ「する」スポーツと「見る」スポーツ
- *第3章 I-4-2 「するスポーツ」、「みるスポーツ」、「ささえるスポーツ」の推進
- *リンク先にあるとおり、「血統がものを言うスポーツ」の意味で使うのは和製英語