全角とは、文字の縦と横の比がほぼ1:1であることを言う。全角文字とも。
対照的に横書きで縦横比がほぼ2:1の文字のことを半角と呼ぶ。
主に印刷やコンピュータの分野で使われるが、ここではコンピュータ上における全角について記述する。
概要
日本語を含めた東アジアの言語では基本的に全角文字が使われている。一方で英語や欧州の言語では半角文字が使われる。
日本語のひらがな、カタカナ、漢字はもとより、アルファベット、算用数字、記号を全角にしたものも存在する。
入力フォームなどで英数記号を入力する際は、項目名に全角半角の指定がないか確認するべきである。例えば、
かつては全角は2バイト、半角は1バイトの文字であるという理解が一般的だったが、文字コードが多様化した今は事情が異なる。
元々、コンピュータでは1文字を1バイトで表し、半角幅で表示させていた。この時表示できる文字は英数字と、対応していればカタカナという風に限定されたものだった。それがJIS X 0208(旧称:JIS C 6226)への対応で大きく変わる。
JIS X 0208は日本語やその他記号英数字など計6,800文字以上からなる文字集合で、1文字を2バイトで表す。
そして2バイトで表される文字を半角幅2つ分で表示するものとして実装されたために、全角文字=2バイト文字という結びつきができた。
ちなみに現在主流のUTF-8では全角文字は3バイト(ごく一部の漢字は4バイト)である。
プログラム・プログラミングの世界では、半角文字と全角文字は別物として扱われる。エラーの原因となるので、文字列を扱う場合を除いて基本的に全角文字は使われない。
プログラミング言語によっては、日本語などの全角文字を変数の名前に使うこともできる(例:Javaなど)。しかし、他者にとっての読みやすさや入力の難易度などを考慮すると、半角英数字に限るべきという考えがプログラマの中で支配的である。
インターネット上でURLを記述する際には半角を使うことが一種の常識となっているが、新聞社などのメディアのネット記事では全角の英数字で掲載されるケースが多かった。
新聞社が自らこの事を取り上げた事もあり(アーカイブ)、その新聞社では原稿をオンライン上にそのまま掲載すると全角になること、半角への変換の自動化が進んでいなかったことなどが明かされた。その後URLの半角化を表明した記事(アーカイブ)が出されている。
現在ではURL、メールアドレスについては他紙のネット記事でも半角化、リンク付与などの対応が進んでいるようだ。ただし、それ以外の英数字記号については、紙面掲載記事を中心に全角が残っていることが多い。