島津勝久(しまづ・かつひさ 1503 ~ 1573)とは、薩摩の戦国大名、島津氏14代当主である。
概要
当主の急死が続いて、すっかり弱体化していた時期の島津家当主。そこで分家である伊作島津家から島津貴久を養子として迎え、家督を譲って隠居した。が、妻の実家である島津薩州家の島津実久に祭り上げられる形で貴久を追放、再び当主に復帰する。
以降、復帰を目指す島津忠良・島津貴久父子、権力の独占を狙う島津実久との争乱となるが、最終的には伊作家の勝利に終わる。豊後へと亡命し、結局二度と薩摩に戻れないまま死去した。
当時の島津家
戦国の雄というイメージの強い島津氏であるが、戦国時代初期は暗黒時代ドン底だった。
たびたび国人衆の反乱に悩まされ、しかも戦争嫌い・文学好きな当主が続き、有効な手を打てぬまま本家の影響力はどんどん落ちていった。1508年に11代当主・島津忠昌が自殺した事を初めとして、約10年で3人の当主が死去するという不幸もあった。「島津に暗君無し」じゃないんすか!? やだー!!
- 11代当主:島津忠昌(1463~1508) 西行の「願わくば~」の歌を辞世に突如自殺。
- 12代当主:島津忠治(1489~1515) 忠昌の長男。統治7年で死去。
- 13代当主:島津忠隆(1497~1519) 忠昌の次男。統治4年で死去。
そうした中で、薩州家や伊作家、豊州家といった分家筋は独自に力をつけていた。
生涯
家督継承、早々の隠居
島津忠昌の三男として生まれる。本来は頴娃氏を継ぐ予定だったのだが、兄二人が次々と若死にしてしまったため急遽島津氏の家督を継いだ。初名は島津忠兼。
こうした事情や宗家の弱体化もあって、勝久の基盤は貧弱だった。家臣たちは有力な分家から養子をとり、状況を立て直そうと考えていたが、出水を本拠とする島津薩州家を支持する派閥と、伊作を本拠とする伊作島津家を支持する派閥とに内部分裂していた。当初は伊作派が有力であり、勝久は彼らに言われるがまま、島津忠良の子・島津貴久を養子に迎え入れることに決めた。
1526年、貴久を養子として家督を譲り、24歳にして伊作に隠居する。これで終われば問題なかったのだが……。
島津実久の専横、当主を巡る戦い
これに猛反発したのが、勝久の妻の弟である薩州家当主・島津実久である。当主の義弟という立場を利用して国政に関与していたのだが、貴久の養子入りを阻止する事は出来なかった。そこで実久は実力行使に動き、1527年、鹿児島を攻撃して忠良・貴久父子を追放、勝久を再び当主に就任させてしまった。勝久に改名したのはこの復帰の頃である。
周囲に流されるがままの勝久の態度には、多くの家臣たちが不満を抱いたが、結局これが改まる事はなかった。復帰後は伊作派の家老は一掃され、薩州派のメンバーによって固められることになる。
やがて薩州派の面々は、実久を当主に据えるべく動くようになっていく。1534年、実久に襲撃されて勝久は鹿児島を追放されてしまった。これ以降は、守護となった実久、逃亡する勝久、復帰を狙う貴久の三つ巴の争いがしばらく続く。……とは言ったものの、元々求心力も権力基盤も弱い勝久は単独では抵抗出来ず、北郷氏や貴久と協力体制を取る事になった。
没落
1539年、紫原の戦いで貴久勢は実久勢に勝利して、島津貴久が島津氏当主・薩摩守護の座に返り咲いた。が、諸々の原因ともいえる勝久は鹿児島入りを認められず、結局母の実家である豊後・大友氏を頼って落ち延びていった。
そのまま二度と薩摩に戻る事は出来ず、その後の島津氏の躍進とは無縁のまま、30年以上後の1573年にひっそりと豊後で亡くなった。何気に養子の貴久(1571年没)よりも長生きした。
ちなみに島津実久と決裂した後は、彼の姉とは離縁して、禰寝氏から後妻を娶っている。後妻との間に生まれた子・島津忠康は豊後落ちには同行せず、禰寝氏に保護されて育った。忠康の子孫は藤野氏・亀山氏を名乗って薩摩藩に仕えたという。
関連動画
補足
よわい。天翔記では通称「緑島津」の当主を務めるが、伊作家(赤島津)との戦力差…というか、大名の性能差が凄まじすぎて難易度は高い。
軍事能力 | 内政能力 | |||||||||||||
戦国群雄伝 | 戦闘 | - | 政治 | - | 魅力 | - | 野望 | - | ||||||
武将風雲録 | 戦闘 | - | 政治 | - | 魅力 | - | 野望 | - | 教養 | - | ||||
覇王伝 | 采配 | 61 | 戦闘 | 55 | 智謀 | 32 | 政治 | 47 | 野望 | 49 | ||||
天翔記 | 戦才 | 110(C) | 智才 | 64(C) | 政才 | 114(C) | 魅力 | 61 | 野望 | 50 | ||||
将星録 | 戦闘 | - | 智謀 | - | 政治 | - | ||||||||
烈風伝 | 采配 | - | 戦闘 | - | 智謀 | - | 政治 | - | ||||||
嵐世記 | 采配 | - | 智謀 | - | 政治 | - | 野望 | - | ||||||
蒼天録 | 統率 | 32 | 知略 | 58 | 政治 | 26 | ||||||||
天下創世 | 統率 | - | 知略 | - | 政治 | - | 教養 | - | ||||||
革新 | 統率 | - | 武勇 | - | 知略 | - | 政治 | - | ||||||
天道 | 統率 | - | 武勇 | - | 知略 | - | 政治 | - | ||||||
創造 | 統率 | 43 | 武勇 | 42 | 知略 | 58 | 政治 | 34 |
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関連項目
- 島津忠良
- 島津貴久
- 島津実久
- 戦国時代の人物の一覧