銑とは、銑鉄の意味で使われる漢字である。銑鉄は、鉄と炭素の合金で、炭素を多く含むものをいう。
また以下のことを表す。
人名
銑は、中国語圏の人名である。
- 蕭銑(583年 - 621年) - 隋末唐初の群雄の一人
漢字として
- 意味
- 銑鉄、金属の光沢のあるもの、小さな鑿、鐘の口縁の部分、弓の両端の金飾りという意味がある。
- 〔説文解字・巻十四〕には「金の澤ある者なり。一に曰く小鑿。一に曰く鐘の兩角を之れ銑と謂ふ」とある。〔爾雅・釈器〕にも「絕えて澤なるを之れ銑と謂ふ」とあり、その〔疏〕に「金の最も光澤有るは、名銑なり」とある。
- 金属の光沢のあるもの、金属を精錬したもの、となってとくに鉄鉱石を精錬したものである銑鉄の意味での用法が残ったらしい。〔爾雅・釈器〕に「弓に金を以ってする者を之れ銑と謂ふ」ともある。
- 字形
- 形声で声符は先。
- 音訓
- 音読みはセン、訓読みは、ずく。名のりに、さね、がある。
- 規格・区分
- 人名用漢字である。JIS X 0213第一水準。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。2010年に常用漢字表から削除され、人名用漢字となった。
- 語彙
- 銑工・銑削・銑床・銑鉄・銑刀