音とは、
- 気体・液体・固体を振動させて伝わる波動(音波)によって、聴覚を刺激する現象
空気中においては「空気の振動が音」と呼ばれるが、水中(液体中)でも聞こえるのが良い例。 - 1によって引き起こされる感覚のこと。
物理学、音楽、心理学など学問の分野によって音の意味は微妙に変わる。声も音のひとつ。
音の性質
音には音程、大きさ、音色、という性質がある。
音を発している場所や物は音源とも呼ばれる。
音程とノイズ
周期的な波形を持つ音は、音の高低を聴きとることができる。音の高低は音程やピッチと呼ばれる。ピッチの変更はニコニコ動画でもよく見られるネタである。
一方、さまざま音波が混ざり合って、高低が聴き取れない音はノイズ、噪音と呼ばれる。ノイズの中でも不快なものは騒音という。一方、必ずしも不快ではないノイズを雑音という。ニコニコ動画でも雑音をフィーチャーした動画がある。 例:走行音。
音の強さ・音圧
聴覚が知覚する音の強さは、音波の振幅の大きさによって変わる。気体・液体を伝播するとき音波の振幅とは、分子の運動の強さである。音による圧力の強さを音圧という。音圧の単位にdB(デシベル)がある。ほかに耳が感じる音の大きさを表す単位にホンがある。
音色
たとえばピアノとフルートについて、同じ音程、音の強さであっても、聴覚で異なった音として知覚される。この違いは音色、トーンと呼ばれる。これは、音波の波形によって変わる。
音の速度
数値的にはマッハ1=音速。 音速にほぼ近いものは亜音速とも呼ばれる。
およそ秒速340km(時速1225km)、ただし環境条件によって微妙に異なる。
音速を超えると銃弾程度の大きさでも衝撃波を伴う大音響が発生するため侮れない。
水中においては空気中の約4倍[1]の速度になる。(秒速約1400m)
聴覚
音を知覚する感覚は聴覚である。ヒトの聴覚は、おおよそ20Hzから20,000Hzの間の周波数で、ある程度の強さ(20μPa以上)を持った音を聴きとることができる。これは個人差がありまた年代によっても変わる。一般には加齢によって聴覚は衰える。
聴覚の利点
人間は情報の80%以上を目からの視覚に頼っているものの、視覚にはない利点もある。
- 死角となる真後ろや障害物の向こうの音も聞くことができる。
- 濃霧や暗闇といった視界不良時でも音は聞こえる。
- わずかな音を頼りに異変や異常、侵入者、敵兵の存在や兆候を感じ取る事ができる。
- 声から(ある程度であれば)性別・年齢等を識別できる。見知った声ならば個人もだいたい識別できる。
- 機械やセキュリティであれば警告と連動したアラームなどで早期警戒の有効な補助となる。
- 閉じ込められたり遭難した際においても、有効なSOSの発信手段となる。
欠点
乾燥した落ち葉・生い茂ったジャングル・草むらといった環境によっては音を立てずに行動する事が難しいため、接近してくる敵の感知には良いが逃走時には音を立ててしまうため身動きが取れず不利となる。
動画と音
動画に含まれる音は一般に音声と呼ばれる。音声がどのようにデジタルデータとして記録再生されるかについはエンコードなどを参照。
音楽ではなく、サンプリングした声、効果音をフィーチャーしたMADを音MADという。
音に関する道具
- 音を発する、再生する道具
- 楽器、アンプ、スピーカー、ヘッドフォン、イヤフォン、…
特定方向のみ音を発する指向性スピーカーなどもある。 - 音を録音する道具
- マイクロフォン、…
- 音を編集する道具
- オーディオミキサー
捜査・特定
録音によって犯罪の記録証拠としたり、盗聴器のような違法に情報収集するものもある。
指紋のように音の波長を音紋・声紋とし、音や声の発生源を細かく特定することもできる。
(人間はもちろん、エンジン音・スクリュー音など)生体認証(音声認証)にも用いられる。
指向性マイクのように、遠距離のピンポイントからの音声のみを拾う道具もある。
その他の「音」
人名
苗字
日本の苗字に音(おと)姓がある。石川県に集中する苗字で、金沢市付近で見られる。
漢字として
- Unicode
- U+2FB3
- 意味
- おと、音色、響き、歌、節、便り、消息、漢字の中国から伝わった発音、意味、(蔭と通じて)かげ。
- 〔説文解字・巻三〕には「聲なり。心に生じ、外に節有る、之れを音と謂ふ。宮・商・角・徵・羽、聲なり。絲・竹・金・石・匏・土・革・木、音なり」とある。宮・商・角・徵・羽は五声、糸・竹・金・石・匏・土・革・木は八音のこと。
- 字形
- 言+一の会意。もともと言と同じ字でり、西周のころに言から派生した。〔説文〕には「言に從ひ一を含む」とある。
- 会意の解釈について諸説あって、一を加えて節のあることを示しているとする説(〔段注本〕)、音は言の中にあることを示すという説(〔文源〕など)、言は神への祈りで一はその応答の印とする説(白川静)、言に一を加えて五声八音が和する意とする説(〔繋伝通論〕)、などがある。
- 音訓
- 音読みは、イン(漢音)、オン(呉音)。訓読みは、おと、ね。名のりに、なり、がある。
- 規格・区分
- 常用漢字であり、小学校1年で習う教育漢字である。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。JIS X 0213第一水準。
- 部首
- 音は部首である。音に関する字が属する。
- 声符
- 音を声符とする漢字に、喑、湆、𤟟、暗、歆、瘖、窨、罯、闇、諳、黯などがある。
- 語彙
- 音圧・音韻・音価・音階・音楽・音感・音義・音響・音訓・音叉・音信・音信不通・音声・音節・音頭・音読・音便・音符・音譜・音名・音訳・音律・音量