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とは、防具の一種である。

(片手で持ったり、肩に掛けたりする個人携帯と、バリケードとして使う設置が存在するが、本記事では言及がない限り、個人携帯とする。)

概要

色んな種類の盾に手元で所持し、矢などによる攻撃・射撃から身を守るための具。
種類についても、大きさは腕に装着して用いる小の物から全身を覆う大の物まで様々存在し、盾の形も円形や三角形及び四形、木の葉や多形の形状などいろいろあったという。

基本的に相手の攻撃を積極的に受け止める為の具なので通常は頑丈な素材を用いるが、全金属製の盾はまれであり、盾が戦場に登場し銃器の発達でれるまで木製のものあるいはそれに革や金属で補強したモノが流だった。古代ローマで用いられた戦闘用の盾は「スクトゥム」が有名か。また琉球王国に伝わる武術ティンベー術」ではティンベーと呼ばれる、海亀の甲羅で作った盾が使われる。

ちなみにバイキングが用いる盾は、上記の逆を行くとでも言うでき代物で、木材で作られ補強も行われていないという代物である。ちなみにこれは、敵の武器を盾に食い込ませて武器を封じる、または動きを止める的があったという。
スクトウムを始めとして戦争の際に用いられた盾は、攻撃を防ぐ以外にも様々な戦術に利用された。一例を挙げると、集団で盾を構え防御体勢を維持しながら敵に接近し、敵と交戦時は密集した盾の隙間からや投げ矢で攻撃を行うという戦術が存在し、個人戦よりは集団戦で効力を発揮するものであった。

もちろん、中国大陸でも盾は用いられており、記録が残されている範囲内では春秋戦国時代から使われていたとされる。中国大陸では盾はと呼ばれることが多く、他の地域と同様に四形や円形などのさまざまな形のものが、用途別に存在した。ヨーロッパ地域と異なり、一族の紋章よりもや猛の顔が描かれることが多かったようである。

一方で日本では、武士が一般的な盾を用いなかったため、盾が使われなかったイメージが強い。一応、4世紀5世紀頃から日本でも木製や製の盾が使われた記録があるものの、奈良時代に、文献上の記録が減っていってことから、武士が現れる以前から盾は使用されていなかったという説がある。あまり盾が使われなくなった、不人気装備となってしまった理由は諸説あるがよくわかっていない。

とはいえ、手元で使用する盾が全にれたわけではなく、手盾とも呼ばれる簡素な盾が細々ながらも雑兵の間で使われていたし、また大袖と呼ばれる肩の防具を盾として扱うことも長らく行われてきた。個人携帯ではないが、束や掻楯と呼ばれる設置の盾が存在し、武士が台頭してからはこちらのほうが流になっていった(ただし、設置の盾は日本特有ではなく、世界各地で使用されている)。

いずれにせよ、個人携帯であれ設置であれ、銃器の発達に伴い戦場から姿を消していく(暴徒鎮圧などの治安維持を除く)。

 現在警察や軍隊などが犯罪者暴徒を止めるために用いているのはご存知の通り。ジュラルミンやポリカーボネートなどで作られており、軽くて頑丈なのが特徴の盾である。

しかし一方、盾が大きければいいかというとそんなわけでもなく、至近距離武器を使って攻撃する際に邪魔になったり、材質がといった重いものである場合は携帯困難であるという欠点もあり、また盾が大きいほど視界が塞がれやすく、盾を持っていたほうが有利かというと一概には言えないものであった。先述のスクトゥムにしても、集団で盾を構えれば隙がくなるものの個人・少数になると簡単に隙を付かれるであろう事は想像に難くないはず。軍隊・警察特殊部隊等では弾を防ぐ分厚いものも存在するが、非常に重く、持ち運べても小か、輪付きの大など、特に野外での使用には難がある。

他にも、戦争戦闘行為以外では記念品としても用いられることも多く、表盾がトロフィーと共に飾られているのを見た事が一度はおありだろう。ん?もしや方のに?

フィクション作品などでもジャンルを問わずに登場するポピュラーな防具として定着している。と対になって用いられる事も少なくなく、また巨大ロボットが登場する作品ではロボットサイズの盾(シールド)も登場する。

その他

  • 「身を守る」という用途から転じて、自分の身を守るためのもの、若しくはその上で都合のいい手段などをして言う。
    (例:人質を盾に取る証文を盾に居座る、ラー・チャターが盾になってくれています!)
    また、見えない場所より陰ながらかに協力する事を「後ろ盾」という。
  • 攻撃と防御の徴として、それぞれと盾が喩的に用いられる事がある。
  • 中国の故事を由来とした言葉に、「矛盾」という言葉がある。詳細は同記事を参照。
  • 建物屋上や周辺に人質を並べる事や、身近な人間を守るために前に立ち塞がる事を「人間盾」とも呼ばれる。前者については人的な問題を気にしなければ、爆などを防ぐ有効な策と成りうる。
  • 盾は「守る」イメージだが、攻撃を防ぐためのみならず、盾を構えながら突進したり、押さえつけたり、盾で殴ったり盾の側面を突き刺したりするなど盾を武器として用いるケースもあった。こちらについては創作作品でも度々登場する演出なので、見た事がある方も多いだろう。
  • ギリシャ神話では、ペルセウス怪物メドゥーサを倒すために用意した盾がのように磨かれた物であり、これで石化呪いを反射する事により退治できた。この盾については、「イージスの盾」の名前でご存知の方もいるだろうか。

人名

漢字として

Unicode
U+76FE
JIS X 0213
1-29-66
部首
画数
9画
音読み(常用)
ジュン
訓読み(常用)
たて
𠩮
Unicode
U+20A6E
部首
画数
10画
𥍿
Unicode
U+2537F
部首
矛部
画数
14画
意味
たて、(遁と通じて)逃げるという意味がある。
説文解字・巻四〕に「瞂なり」とある。〔方言第九〕に「盾、よりして東、ひは之れを瞂と謂ひ、ひは之れを干と謂ふ。西にて之れを盾と謂ふ」とある。
字形
身を覆う盾の形。〔説文〕に「身を扞(ふせ)ぎ、を蔽(おお)ふ所以なり」とある。
音訓
音読みシュントン音)、ジュン音)、訓読みは、たて。
規格・区分
常用漢字である。JIS X 0213第一準。1946年に当用漢字に採用され、1981年常用漢字になった。
部首
盾は〔説文〕で部首である。ほかに瞂、𡐠が属する。
盾を符とする漢字には、㡒、循、揗、遁、楯、腯などがある。
語彙

異体字

  • 𠩮は、〔字彙補〕に盾と同じとある異体字。
  • 𥍿は、矛盾ではなく〔字彙補〕に盾と同じとある異体字。

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