文吾(五右衞門の幼名)は、唯一人畦の小徑を急いでゐた。山國の秋の風は、冬のやうに冷たくて、崖の下の水車に通ふ筧には、槍の身のやうな氷柱が出來さうであつた。布子一枚で其の冷たい風に慄へもしない文吾は、實つた稻がお辭儀してゐる田圃の間を、白い煙 …
著者 | 上司小剣 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
文字種別 | 旧字旧仮名 |
読書目安時間 | 約1時間3分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約1時間45分(300文字/分) |
著者 | 上司小剣 |
ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
文字種別 | 旧字旧仮名 |
読書目安時間 | 約1時間3分(500文字/分) |
朗読目安時間 | 約1時間45分(300文字/分) |