萌えソング
萌えソング(アキバ系)
Moe Song(AKIBA-Kei) | |
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様式的起源 |
アニメソング ゲームソング チップチューン テクノポップ J-POP アキバ系等 |
文化的起源 |
1990年代 日本 |
サブジャンル | |
アキシブ系 | |
関連項目 | |
アニメ音楽 ゲームミュージック サウンドトラック J-POP アキバ系 |
電波ソング(アキバ系)
Denpa Song | |
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様式的起源 |
アニメソング ゲームソング チップチューン テクノポップ J-POP アキバ系等 |
サブジャンル | |
アキシブ系 | |
関連項目 | |
アニメ音楽 ゲームミュージック サウンドトラック J-POP アキバ系 |
萌えソング(もえソング、萌え歌、萌える曲[注 1])は、歌に要素として萌えが含まれ、かつ歌手や作曲者・演奏者などでなく「萌えるか否か」のみが主題となる曲のことである[1]。多くが電波ソングと同じ特徴を備え、共に言及されることが多く、両者の間に明確な境はない[2][3]。
本項では、電波ソング(でんぱソング)についても記述する。
概要
[編集]萌えソングの歌手はほぼ全て女性で[5]、一般に「アニメ声」と形容される声で女性声優が歌っていることが多い[7]。多くはアップテンポの長調、伴奏にはテクノ系の音が好まれる[8]。掛け声や合いの手が多用されるのも特徴で、それらは意味不明なオノマトペであることもある[10]。歌詞は歌い手から聴き手への恋愛感情が示される場合が多い[注 4][11]。成人向けPCゲームの主題歌として広がったが、単なる宣伝用の楽曲を超えて、萌える記号を反復強化し、製品から独立した存在として流通した[12]。
アニメやゲームの主題歌として用いられることが多く、その発生から消費までインターネットが重要な舞台となっている。代表的な歌手はKOTOKO、桃井はるこ、大野まりな、新堂真弓、代表的なユニットはUNDER17、MOSAIC.WAV、IOSYS。特にUNDER17は「萌えソングをきわめるゾ!」を旗印に語を生成拡散しながら活動した。しかし、歌手やユニットやバンドといった通常音楽を消費する上で軸になる存在は重要でなく、萌えソングにおいてはその曲が「萌えるか否か」が最大の焦点となる[13]。
萌えや電波の要素は次第にアニメとは無関係な女性アイドルグループの一部にも取り入れられて行った。
- PCゲームとインターネット
- 萌えソングの多くはPC用美少女ゲームの主題歌として登場したが、その背景には作り手と遊び手の間に明確な壁のないPCゲームの特性と同人文化があり、既存の大衆歌謡と違って極めて内部発生的である[14]。その広がりにおいては、萌えを欲する共同体の側の主導性が強く働き、地理的制約を越えて趣味嗜好に特化した交流をもたらすインターネットの特性があった[15]。
- アイドル歌謡、ノベルティソングとの違い
- 萌えソングの前提はその曲に萌える要素が包含されていることだが、同じ萌え要素を含むアイドル歌謡曲や似た要素を含むノベルティソング(滑稽歌)とは異なっている。特に同じ萌えの対象となるアイドル歌謡曲との最大の違いは、提供側の主体性が後退している点にあり、アイドル歌謡曲の様に偶像の副産物として曲が消費されるのではなく、萌えソングにおいては曲そのものが主役となる[16]。
- 学生歌・応援歌との類似
- 萌えソングは提供側の恣意によってではなく、予め存在する共同体の内発的欲望に沿って生み出されるものであり、作曲者や演奏者の個性に依存しないこと、合いの手や掛け声の多用、共同体が欲する対象となる単語の繰り返しなどから学生歌・応援歌との高い共通性が指摘されている[17]。
電波ソング
[編集]電波ソング(でんぱソング、電波歌、電波曲)は、「過度に誇張された声色」(アニメ声に通じる。ほとんどの女性声優は演技でこのような声を出している)、「意味不明、支離滅裂だが印象的な歌詞」、「一般常識からの乖離」、「奇異ではあるが耳に残る効果音や合いの手、掛け声」、「一度聞いたらなかなか頭から離れない」などを特徴に持つ音楽を指す[18][19][20]。滑稽で笑える歌とされることも多い[22]。
「電波ソング」という名称は、荒唐無稽な妄想や主張を公言する者を俗に電波系と呼ぶことに由来する。しかし、前述のような特徴を一部備える替え歌[注 5]や前衛芸術的な曲[注 6]は 通常電波ソングとしては言及されない。電波ソングは萌えソングとともに言い及ばれてきたものであり[23]、前者が電波系的な特徴の強さ、後者が萌えの特徴の強さに結び付けられるもののその境界ははっきりせず、ある楽曲が電波ソングであるか萌えソングであるかは最終的には個々人によって恣意的に決定される[24]。
また、電波ソングは主に受け手や評論家が用いてきたもので、萌えソングを作っている側が自らの楽曲を電波ソングと呼ぶことは稀であったが、年を経るとともに提供側も用いるようになってきている[25][26][27]。例えば、でんぱ組.incは一時期「電波ソングで世界に元気を発信♪」をキャッチフレーズとし[28][注 7]、楽曲提供者も電波ソングとしてそれを認識していた[29]。
音楽家のサエキけんぞうは、ロックと波形を比較し、その甚だしく速いテンポ感が感じられる特性から、ロックや黒人音楽的なものをまったく感じない「日本人による新しい音楽文化といえる」としている[30][31]。
歴史
[編集]1989年9月14日、この分野の始祖として言及される[32]『君はホエホエ娘』を劇中歌に持つファミコンアドベンチャーゲーム『アイドル八犬伝』発売[33]。
1991年5月、宍戸留美が後にこの分野の曲として度々言及される『地球の危機』を発表[34]。
1993年、葉山宏治による『超兄貴』の関連CD『超兄貴-兄貴のすべて-』が発売される。男性性を押し出した珍しい作品だが、同作家以外の後続出ず。
1998年12月18日、この分野の走りとなる[35]『メイドさんRock'n Roll』(歌:南ピル子)を主題歌とする『MAID iN HEAVEN 〜愛という名の欲望〜』発売[36]。
1999年4月6日、『ドリルでルンルン クルルンルン』を主題歌とする、D4プリンセス放映開始[37]。
2000年末、Comike.com(現げっちゅ屋)がその主題歌として『まじかるぶっくまーく』(歌:長崎みなみ)を作成し、「ハートフルな歌詞をラブリーに歌い上げた萌えソング」として紹介[38][39]。翌年4月29日、キャラフェス2001春にてライブを行う[40]。
2001年3月23日、後に代表的な萌えソングとして度々言及される[1]『恋愛CHU!』を主題歌とする『恋愛CHU! -彼女のヒミツはオトコのコ?-』発売[注 8]。
2001年7月、宗左近作詞の福島県立清陵情報高等学校の校歌『宇宙の奥の宇宙まで』が「発信 ゆんゆん」「受信 よんよん」「交信 やんやん」など電波な歌詞を持つ曲としてインターネット上で話題になる[41]。
2001年9月14日、『いちごGO!GO!』を主題歌とする『いちご打』発売。秋葉原などで話題になる[注 9]。
2001年9月15日、当時代表的な個人ニュースサイトの一つであったちゆ12歳にて、『ぶるま〜ずへようこそ☆』[42]、『見つめて☆新選組』[43]、『恋愛CHU!』、『まじかるぶっくまーく』などが電波ソングとして取り上げられる[44]。
2002年2月、『いちごGO!GO!』を作曲した桃井はること小池雅也によるUNDER17が「萌えソングをきわめる」ために活動を開始。4月29日、キャラフェスにおいて初公演を行う[45]。
2003年1月、UNDER17の曲が地上波TVアニメ主題歌に採用され、萌えソングという語が広く知られるようになっていく[48]。
2003年3月14日、『さくらんぼキッス 〜爆発だも〜ん〜』を主題歌とする『カラフルキッス 〜12コの胸キュン!〜』発売。
2003年3月21日、『天罰!エンジェルラビィ』を主題歌とする『まじかるトワラー・エンジェルラビィ☆傑作選』発売[49]。
2003年5月23日、『巫女みこナース・愛のテーマ』[50]を主題歌とする『巫女みこナース』発売。この主題歌と作品CGを組み合わせたFlashが出回り、電波ソングとして広く認知される。
- 『さくらんぼキッス 〜爆発だも〜ん〜』と『巫女みこナース・愛のテーマ』により萌えソング・電波ソングおよびそれらの類語への言及が爆発的に増加。後者の発売日である5月23日、2chに関連スレッドが立てられ[51]、また楽曲を紹介するウェブサイトなどが登場し、そのような言葉がなかった時代の同様の曲にまで遡及するようになる[1]。
2003年度電波ソング大賞[注 10]一位『さくらんぼキッス 〜爆発だも〜ん〜』、二位『巫女みこナース・愛のテーマ』、三位『天罰!エンジェルラビィ』
2004年10月より前年ルーマニアで発表されたO-Zoneの『Dragostea Din Tei』(恋のマイアヒ)がインターネットだけでなく、地上波媒体でも多用され日本でも流行。
2004年10月21日、Dimitri from Parisが日本の女子高生を用いて作曲した『Love Love Mode』の歌を声優(斎藤千和)を用いて作り変えた『Neko Mimi Mode』発売(アニメ『月詠 -MOON PHASE-』主題歌)。日本人以外による萌えソング作曲の初例。
2004年11月20日、UNDER17が人気絶頂を迎えるも解散[注 11]。
2004年度電波ソング大賞一位『Neko Mimi Mode』、二位『We Love “AKIBA-POP”!!』[52]、三位『nowhere』[53]
2005年度電波ソング大賞一位『Mighty Heart〜ある日のケンカ、いつもの恋心〜』[54]、二位『Love Cheat!』[55]、三位『癒し系魔法少女ベホイミ』[56]
2006年、MOSAIC.WAVの『キュン・キュン・パニック』が『まもって!ロリポップ』主題歌に、『最強○×計画』が『すもももももも 地上最強のヨメ』主題歌にそれぞれ採用される。翌2007年には『切情!佰火繚乱』『片道きゃっちぼーる』が、さらに2008年にも『超妻賢母宣言』が採用されている。
2006年度電波ソング大賞一位『ガチャガチャきゅ〜と・ふぃぎゅ@メイト』[57]、二位『魔理沙は大変なものを盗んでいきました』[58]、三位『↑青春ロケット↑』[59]
2007年、太秦戦国祭りの公式キャラクターとしてからす天狗うじゅが、宣伝曲としてMOSAIC.WAVによる『電脳合戦×うじゅの陣!』が採用される[60]。アニメに登場した場所を"聖地"として巡礼する動きは萌えおこしに繋がっていたが、萌えソングも活用されるようになる。
2007年度電波ソング大賞[注 12]一位『もってけ!セーラーふく』[61]、二位『洗脳・搾取・虎の巻』[62]、三位『つるぺったん』[63]
2008年度電波ソング大賞一位『愛のフルボッコ体操』[64]、二位『?でわっしょい』[65]、三位『急降下爆撃〜STUKA Lied2008〜』[66]・『Crash Course〜恋の特別レッスン〜』[67]
2009年度電波ソング大賞一位『Princess Party〜青春禁止令〜』[68]、二位『だっこしてぎゅっ!〜汝、隣の枕(よめ)を愛せ』[69]、三位『ネガティブゼロ・パラダイス』[70]
2010年8月、先年建立した萌え看板により参拝客を増やしていた[71]仏教寺院了法寺の宣伝曲「寺ズッキュン!愛の了法寺!」が完成。
2010年10月、小池雅也が月宮うさぎと組んだULTRA-PRISMが『侵略ノススメ☆』をTVアニメ『侵略!イカ娘』に提供。翌年の第16回アニメーション神戸賞主題歌賞(ラジオ関西賞)を受賞[72]。
2010年度電波ソング大賞一位『寺ズッキュン!愛の了法寺!』[73]、二位『妹プリ〜ズ!』[74]、三位『イチャイチャ☆りちゅある!!』[75]。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ おたく用語の萌えとsongのカタカナ英語を組み合わせた複合語。「萌え歌」と同義。桃井[2007]では初期は「萌える曲」と表記。
- ^ そもそも、共同体活動の発起となった『煮込み味噌ナスに激しくワラタ奴等のガイドライン』は 笑える曲を併記したもので、回を重ねる内に萌えソング・電波ソングに特化していくようになった経緯があり(表題の変化や笑える電波ソングを集めるガイドライン 10曲目64-90,120-125など)、それを反映して電波ソング大賞は初年の2003年のみ"萌え電波系"と"リアル電波系"として分けているものの、後者は萌えから特撮物、滑稽歌まで何でもありで、その区別も翌年からなくなっている。笑える電波ソングを集めるガイドラインも一見同様の区別があるものの、明確に萌えの特徴の方が強くないものをすべて後者に配したに過ぎず、中身は萌え・燃えなど何でもありになっている。
- ^ 桃井がヴァーチャルアイドルもあいはることして自身をプロデュースし秋葉原の路上でライブを行った際の楽曲。
- ^ ただし、性的表現が含まれるものは少数。『笑える電波ソングを集めるガイドライン』を解析した井手口[2006] 図1では約15%。
- ^ 電波ソングと文字上は同義の電波歌には、1996年12月放送の『伊集院光のUP'S 深夜の馬鹿力』内の『紅白電波歌合戦』において使用された例があるが、既存の歌謡曲の歌詞のみを差し替えた替え歌で、萌えソングおよび電波ソングとはまったく関係がない。
- ^ 前衛芸術家も同様な手法を用いて作曲をする場合があるが、それらは電波ソングとはみなされていない。たとえば、アニメ惡の華のEDに採用されたASA-CHANG&巡礼の『花』は、意味不明な歌詞かつ機械的な歌声で、全体の音がひずませられているが、これを電波ソングとは呼ばない。
- ^ 後に「萌えきゅんソングを世界にお届け」に変更。
- ^ 通常、主題歌そのものの露出は販促用の映像などにより発売より数か月先行することに注意。以下同様。
- ^ 当時の秋葉原は音量規制が厳しくなく、目抜き通りである中央通りに大音量で宣伝音楽が流されていた。桃井はるこ緊急インタビュー!ヲタなら見逃せない大晦日開催 「アニソンキング」の魅力を熱弁!!(5/5)|おたぽる
- ^ 電波ソング大賞は同一IPでの連続投稿禁止や連続投稿疑いの削除など管理されてはいるものの、一日一回の制限で何度でも投票できる規則であることに注意。よって公平な集計ではないが、共同体の熱気を反映し、それを集計したものとして、『笑える電波ソングを集めるガイドライン』同様に重要。井手口[2006]を参考。
- ^ 桃井の肉体的限界と双方が求める音楽的方向性の違いから。桃井・小池ともに以後も広義の同分野、いわゆるA-POPで活動を継続。
- ^ 同年は分野が細分化され、42票で総合三位の『つるぺったん』は他分野すべての1,2位に票数で劣る。全分野横断での三位は『あわだっちゃ☆パニクリバニラ』製作:IOSYS
出典
[編集]- ^ a b c 井手口彰典『欲望するコミュニティ──萌えソング試論』比較日本文化研究10 (2006)
- ^ 萌えソングによる電波ソングの包括関係については、「今日ならば「萌えソング」と呼ばれる一連の楽曲は「電波ソング」の名で呼ばれることも多かった。」井手口[2006] 115頁。また共同体の意見を集計したものにおいても明確に区別されておらず[注 2]、個々人が特徴をもとに恣意的に呼ぶという点で共通している。それに対して桃井はるこは「本気で作っているのにくくられたくない」(『「Momo-i Live DVD」momo-i quality LIVE IN Stellar Ball 2006 編』- disc1 90:00より)と語り、「あまりそう呼ばれるのは好きでなかったが、今は特に感想はない」(『アキハバLOVE』134頁)と記述している。
- ^ 冨田明宏は「音楽そのものに"萌え要素"がなかったとしても、その曲を好きだと表明することがオタク属性を表明することに繋がり、本人がそれに自覚的であるのなら、それも「萌える音楽」と呼べる」〜略〜「たとえば、楽曲自体には萌え要素を含まない、美少女ゲームの主題歌など」と最も広汎な「萌える音楽」という定義を示した後、先鋭化した「萌える音楽」の中に現れた極端な音楽表現として電波ソングを用いている。ただし、冨田も萌えソングと電波ソングを明瞭に区別している訳ではなく同書中で両方用いている。『アニソンマガジン 00年代「萌える音楽」総決算!』 008頁
- ^ これらの曲が混入したのは、最初期の共同体活動『煮込み味噌ナスに激しくワラタ奴等のガイドライン』が萌え・電波に関わらず単に笑える曲としてそれらを併記した流れ。
- ^ 『笑える電波ソングを集めるガイドライン』を解析した井手口[2006] 図1では100%。数少ない例外としては葉山宏治が音楽を担当した『超兄貴』の楽曲『兄貴と私 (THE NEWS)』がある。多くがこの分野の特徴に合致する葉山の曲に対し、他の男性歌手のそれは特撮物や滑稽歌を電波系とみなした[4]ものが大半で萌え・電波系どちらの特徴にも当て嵌まらない。
- ^ 冨田明宏『アニソンマガジン 00年代「萌える音楽」総決算!』[2009] 12頁
- ^ 小池雅也は当時ライブアイドルであった桃井はるこに聞かされたアイドル歌謡曲を「もっとアーティストっぽいアレンジにできる」と発想し、「かわいい声に汚れた音を乗せると、ギャップで萌えが引き立つはずだ」との思いで最初に作ったのが1997年の『GURA GURA』[注 3]で、「萌えソングのルーツ」だと語っている。[6]
- ^ 井手口[2006] 117頁
- ^ a b 冨田明宏『アニソンマガジン 00年代「萌える音楽」総決算!』[2009] 16頁
- ^ 桃井はるこ「アイドル・イベントでお客さんが入れる合いの手と、アニソンだと『ラムネ&40』に入っているような歌手のバックに入る合いの手」〜略〜「そういうのを組み合わせて、発散できる音楽が「萌えソング」」[9]
- ^ 桃井はるこは、当時既に萌えが商業化して安直な記号と化していたのに対し、「そこに女の子としての本物の感情をエッセンスとして入れられたら、本当の「萌えソング」ができると思った」と語っている。[9]
- ^ 「萌えソングはこの「萌え」る記号=「萌え要素」を反復強化している」「ゲームに興味を持たず楽曲を独立に愛好しているより多くのリスナーにとって、それはノベルティソング以上の何かとして受け止められているのではないか」(※井手口は"ノベルティソング"を滑稽な歌でなく宣伝楽曲の意で用いている)井手口[2006] 120頁
- ^ 「萌えソングにおいては、そのような差異を生む求心点としてのタレントがそもそも不在であるか、あったとしてもほとんど意識されていない。関心の焦点はそれが「萌えられるのか否か」であって、誰が歌っているのか、それが他の萌えソングとどう違うのか、といった問題はさほど重要ではない」井手口[2006] 122頁
- ^ 井手口[2006] 124頁
- ^ 井手口[2006] 130頁
- ^ 通常単なる滑稽歌に萌えはなく、宣伝曲であれば主体として商品が前面に出る。ただし、それらも萌えソングには成り得る。それを決めるのは萌える受け手の側である。
- ^ 井手口[2006] 129頁
- ^ 井手口[2006]の定義では、「過剰に誇張された声色、非常識であったり時には意味不明であったりする歌詞、意図的に外された音程、珍奇なサウンドイフェクトなどによって、一度聞くと頭からなかなか離れなくなってしまうような、いわゆる「ヘンな歌」」
- ^ 桃井[2007]の定義では「一度聞いたら頭から離れない、電波を受けて書いているような曲」『アキハバLOVE』134頁
- ^ 冨田明宏は、既存の作曲における技術や規則を無視し「快感をもたらす音を徹底的に詰め込むことによって、尋常ならざる破壊的音楽性を獲得している」「高速のリズム、メロディを崩壊させる痙攣的な反復、そして甘い声とゲーム的な電子音」とその特徴を挙げる。『同人音楽を聴こう!』 37頁
- ^ a b c d 『同人音楽を聴こう!』 173-174頁
- ^ 「歌詞にメッセージ性でなくネタ」[21]
- ^ 「電波ソングとは「萌えるダメな歌でノリが命の」曲を指す。」[21]
- ^ 井手口[2006] 115頁
- ^ 初期の萌えソングの代表作を多く作り出したI'veはそれらを収録したアルバム『SHORT CIRCUIT』の売り文句として「革命音戦士参上!またしてもI'veが革命を起こす!チュッチュでアチチでヒャッホウなミラクルキュートソングを全13曲収録!さぁ、このサウンドに電波(デジ)れ!」と電波という字を使用しているものの、読みは"デジ"で動詞であり、『SHORT CIRCUIT II』の売り文句でも"電波(デジ)革命音戦士 第II章!"と同様である。また、2003年末の言及では「今でこそ、ファンの皆さまからご好評いただいているI'veの「ソレ系」ソングですが、『恋愛CHU!』が最初の電波系なんですよね。」と受け手から呼ばれることを臭わせ、一旦迂遠な言い方で濁している。美少女ゲームの音楽事情:第4回キュンキュンの発信源を北の大地に探れ! 人気音楽集団・I've
- ^ 桃井はるこ「あまりそう呼ばれるのは好きでなかったが、今は特に感想はない」『アキハバLOVE』134頁。【不定期連載コラム】『おたっきぃ佐々木の草生やしていこうwwwwwwwww』第2回(ゲスト:桃井はるこ) - 声優ニュース|こえぽたでは「電波ソング」と言われたのを「萌えソング」に言い直している。桃井が電波ソングと呼ばれることに対して肯定に転じ始めたのは2013年からで、「聴いている人には脊髄反射的にすんなり入ってきてほしい」「自分の頭で考えていたものが、頭じゃなく身体でちゃんと聴いてくれている」といったことを評価するようになってから。『Cloud_G Vol.3』(2013年) - 「上坂すみれ x 桃井はるこ 対談『げんし、女子は、たいようだった。』」39頁
- ^ MOSAIC.WAVはAKIBA-POPで統一。
- ^ でんぱ組.inc公式ブログ 2012年3月時点
- ^ トーテムロック(TOTEMROCK)かせきさいだぁ×木暮晋也 インタビュー特設サイト
- ^ ももクロでメジャー化した「電波系」音楽はIT時代が生んだ日本発のパンクだった!? - サイゾーpremium
- ^ 他にも「激しい労働に従事する黒人たちの間から生まれた魂の音楽ブルースの様に、美少女アニメ国家日本でそれは突如として発生した。海外にはないと胸を張って言える新ジャンルの曲だ。」[21]
- ^ 【桃井はるこ】2012/5/26 「SUPER GAMESONG LIVE 2012」桃井はるこステージレポート – OH
- ^ 機種の性能上、歌詞が字幕表示されるのみで音声はなかったが、『ファミソン8bit』にて桃井はるこが実際に歌唱し、さらに2011年末に原作者達により桃井および他の歌手を起用した上で再び制作された。
- ^ 翌1992年、宍戸は事務所から独立しインディーズアイドルとなるが、それ故に地上波TVを核とする芸能界から干され、声優などに転身。後にこの分野の曲『ふたりのぜのぴったん』などを歌っている。
- ^ 「電波ソングのはしり メイドさんロックンロールなどを収録した伝説の1枚が限定再生産」 - アキバBlog
- ^ 特典CDにのみ封入された。2001(平成13)年10月19日に関連作品の楽曲を加えた『メイドさんベスト』として限定生産、さらに復刻されている。
- ^ 同曲は瓶詰妖精の『教えてせんせいさん』、「いちご、GO!GO!」『Short Circuit』『We Love "AKIBA-POP"!!』などと並び分野形成に寄与したとされる[21]。
- ^ コムちゃんねる**テーマソング** - まじかるぶっくまーく~Comike.comのテーマソング~ (コムちゃんねる) - Getchu.com 発売日2000/12/10。店舗での再生演奏はそれに先行。
- ^ Comike.com Comike.comテーマソングダウンロード
- ^ Getchu.com : 「キャラフェス2001春」イベントレポート
- ^ 発信 ゆんゆん……宗左近の電波校歌 - ちゆ12歳
- ^ ライアーソフトの『ぶるまー2000 〜BLOOMERS MILLENNIUM〜』主題歌
- ^ ライアーソフトの『行殺・新選組』主題歌
- ^ エロゲー電波ソング - ちゆ12歳
- ^ ラジオ・TV他で萌えを広めてきた桃井はるこによる宣言が『萌えソング』の信頼できる文献上での初出。初期の桃井の記述では「萌える曲」(公開日記であるモモイハルコの秘密2002年2月4日分)。同2月27日には「萌えソングの追求」の記述。『アキハバLOVE』105-123頁
- ^ 現代用語の基礎知識選 新語・流行語大賞 2004年月間ランキング
- ^ 現代用語の基礎知識選 新語・流行語大賞 第22回 2005年
- ^ 翌2004年には「萌え!」が度々流行語大賞の月間上位に入り[46]、2005年には「萌え〜」が流行語大賞に選ばれ、萌えや萌えで修飾された言葉が日本社会で一般化する。[47]
- ^ ライブでは常に演奏されるUNDER17の代表曲の一つ。同作はほぼ同じ主題歌(『天罰!エンジェルラビィ〜ですver〜』)で翌2004年1月23日、『天罰エンジェルラビィ☆』としてOVA化され地上波TV放映。
- ^ 作詞・作曲:柏木るざりん
- ^ 『煮込み味噌ナスに激しくワラタ奴等のガイドライン』が3スレッドから『笑える電波ソングを集めるガイドライン n曲目』に変化。初期は電波歌、電波曲など表記に揺れ。
- ^ 製作:MOSAIC.WAV
- ^ 『MADLAX』挿入歌。製作:梶浦由記。"ヤンマーニ"と聞こえる造語を連呼。
- ^ 『つよきす』主題歌。製作:I've。
- ^ 『いただきじゃんがりあんR』主題歌。製作:MOSAIC.WAV
- ^ 『ぱにぽにだっしゅ!』第8話のED。作詞:佐藤こづえ 作曲/編曲:渡邊美佳 歌:ベホイミ(門脇舞以)
- ^ 『ふぃぎゅ@メイト』主題歌。製作:MOSAIC.WAV
- ^ 製作IOSYS。東方Projectの同人作品で、Youtubeなど動画サイトで合計数百万を超える再生数を得ている。
- ^ 『すぺーす☆とらぶる』主題歌。製作:I've
- ^ 「からす天狗うじゅ」公式サイト
- ^ TVアニメ『らき☆すた』冒頭主題歌。作詞:畑亜貴、作曲・編曲:神前暁
- ^ 『VAZIAL SAGA(ヴァジアルサーガ)〜愚民化戦略〜』宣伝曲。製作:MOSAIC.WAV
- ^ 東方Projectの同人作品。製作:SilverForest。『レッツゴー!陰陽師』・『巫女みこナース・愛のテーマ』を取り込んでいる。
- ^ 『いつか、届く、あの空に。』のキャラクターソング。歌手はなかせひな。
- ^ 『ひだまりスケッチ×365』主題歌。作詞:畑亜貴 作曲:Tatsh 編曲:安藤高弘
- ^ 製作:ねじぴこ(わたなべあきを)君。ぷねうまレコード『しん・ぽっぷ! Vol:1 - We Love Fruity -』所収。歌:とろ美
- ^ 『メアメアメア』主題歌。製作:I've。
- ^ 『Princess Party 〜プリンセスパーティー〜』主題歌。製作:IOSYS
- ^ 『だっこしてぎゅっ! 〜オレの嫁は抱き枕〜』主題歌。作詞・作曲:柏木るざりん 歌:民安ともえ
- ^ 『Nega0』主題歌。歌:有栖川みや美 作詞:砂守岳央 作曲:四十万行道
- ^ ASCII.jp:「大吉出たから始めた」萌えるお寺、了法寺ができたワケ
- ^ アニメーション神戸-第16回アニメーション神戸賞
- ^ 萌えを売りにする実在する仏教寺院了法寺の主題歌。製作:とろ美・あゆ(IOSYS)
- ^ 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 第1話 ED。製作:TRI-ReQ。歌手は同作で主役を演じた竹達彩奈。
- ^ 製作:ave;new feat.佐倉紗織&白沢理恵 『巫女さんといっしょ!〜イケナイご奉仕奮戦記〜』OP
参考文献
[編集]- 井手口彰典 「欲望するコミュニティ──萌えソング試論」 『比較日本文化研究10』 風響社 2006年9月30日 ISBN 978-4894899100
- 桃井はるこ 『アキハバLOVE〜秋葉原と一緒に大人になった〜』 扶桑社 2007年01月25日 ISBN 978-4594053109
- 冨田明宏 他『アニソンマガジン 00年代「萌える音楽」総決算!』 2009年5月9日 ISBN 978-4862483935
- 『同人音楽を聴こう!』三才ブックス、2007年。ISBN 978-4861991004。 - 同人音楽が多数紹介されており、一部、この分野のものも記載されている。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 笑える電波ソングを集めるガイドライン
- 電波ソング大賞
- 電波ソングデータベース
- 井手口彰典のウェブページ - 「同人音楽」関連重要文献レビュー 多数の関連文献が紹介されている。