![大統領就任演説で「世界最強の軍隊を再び築く」と宣言したトランプ氏(2025年1月20日)](https://jbpress.ismcdn.jp/mwimgs/2/1/600mw/img_214a1153984429b78cf478190db8b8ec72461.jpg)
軍拡への意気込みを新たにするトランプ氏の思惑
米大統領2期目のトランプ氏による同盟国・友好国軽視や“いじめ”が加速している。
以前から「加盟国の国防費が少な過ぎる」との不満を口にし、盟主を自負するNATO(北大西洋条約機構)からの脱退さえにおわせていたが、同じNATO加盟の同盟国であるカナダやデンマーク(グリーンランドを領有)、中南米の友好国メキシコ、パナマ、コロンビアなどにも難癖をつけ、「領土」「難民」に絡む無理難題を吹っかけている。
これもモットーに掲げる「MAGA(Make America Great Again/アメリカを再び偉大な国に)」「アメリカ・ファースト」の、トランプ流の具現化なのだろうか。
2つのモットーの達成には、国力の象徴である軍事力増強が不可欠だと考えているようだ。事実トランプ氏は1期目就任の2017年から、米軍、特に海軍の増強を強調してきた。米軍は冷戦終結のあおりで、戦車や戦闘機、軍艦など主力通常兵器の充実がおろそかにされ、戦力の弱体化・老朽化が目立っていた。
いま最大の敵をロシアから中国へと変えたトランプ氏は、“主戦場”をインド太平洋と定め、米軍もこの地域に重点配備する構えである。
![米海軍が誇る最新鋭の原子力空母「ジェラルド・R・フォード」](https://jbpress.ismcdn.jp/mwimgs/e/2/600mw/img_e21ba86ea16701683d90d2a0caa51d5c191606.jpg)
逆に欧州に展開する米軍を極力撤収し、「欧州は欧州が守れ」と、他のNATO諸国に国防費の大幅増を強く求めている。それと同時に、ウクライナ侵略戦争も早期に停戦させ、アメリカの軍事的負担をできるだけ軽くする目算だ。
「軍最高司令官として、脅威や侵略から国を守る以上に重要な責務はない」
「2017年(トランプ政権1期目発足時)のように、世界がこれまで見たこともない最強の軍隊を再び築く。勝った戦争だけでなく、終わらせた戦争や、恐らく最も大事なのが『一切参加しなかった戦争』という点で、この成功が評価されるだろう」
1月20日に行われた大統領就任演説でもこう宣言し、軍拡への意気込みを新たにした。