秋ドラマ名作ベスト5。壮大な“日曜劇場”も感動したけど、圧倒的だったNo.1傑作は
秋クールのドラマが続々と最終回を迎えています。特にプライム帯(19~23時放送)の良作が多かった今クール。毎クールの全ドラマチェックを欠かさない筆者が、プライム帯のなかから好みで選んだ“勝手にベスト5”を発表します。
※以下、各作品の核に触れるネタバレを含みます(最終回のネタバレはしていません)。
鈴鹿央士と松本穂香がダブル主演を務めた『噓解きレトリック』(フジテレビ系)は、温かな世界線が尊い作品でした。
鋭い観察眼を持つ探偵・祝左右馬(いわい・そうま/鈴鹿央士)と、人の“嘘”が聞き分けられる探偵助手の浦部鹿乃子(うらべ・かのこ/松本穂香)のコンビが、昭和初期の九十九夜町(つくもやちょう)を舞台に困りごとを解決していきます。本作には、難解なトリック解明も派手なアクションもありません。事件当事者たちの“嘘”を紐解いていくことによって、真実が明らかになっていくのです。
ハラハラする展開は少なくとも、“嘘”が解かれる度に、関係者の“閉ざされた心”も解かれていく温かさがやたらと沁みる。特に鹿乃子の母・フミ(若村麻由美)が故郷から鹿乃子を訪ね、ふたりの間にあった優しい“嘘”が解かれた第10話は涙なくしては観られませんでした。そして、飄々(ひょうひょう)としながらも器が大きく、相手をさり気なく包み込む左右馬が、本当に男前!
レトロな世界観と鈴鹿×松本をはじめとする登場人物たちが物語にマッチして、唯一無二のドラマに仕上がっていました。