2024年末にリリースされたアディダス「Adizero Evo SL(アディゼロ エヴォ SL)」は、世界のトップアスリートも着用するアディダス最高峰のパフォーマンスシューズ「Adizero Adios Pro Evo 1(アディゼロ アディオス プロ エヴォ1)」から着想を得て開発されたプロダクトだ。“速さ”の感覚を日常シーンへもたらし、日本全国の取り扱いショップでリリース以来、良好なセールスを記録。人気のあまり入荷・即完売を繰り返している。
アディダス「アディゼロ エヴォ SL」。公式サイト価格は19,800円(税込)
「アディゼロ」シリーズのランニングテクノロジーと、レースにかける美意識を融合した「アディゼロ エヴォ SL」は、日常において速さを感じられるよう導いてくれるプロダクトだ。
バネのように推進力をもたらし、これまでにない走りを生み出すミッドソールフォーム「ライトストライク プロ」を採用。このマテリアルは、レーシングシューズのフラッグシップモデルである「アディゼロ アディオス プロ4」にも採用されているものだが、レースシーンだけでなく日々のランニングにも対応すべく今回チューニングが施されている。アッパーのフィットは高レベルで、ランナーの脚力を効率よく路面へと伝達。また、アウトソールはアスファルトやコンクリートといった舗装路で最高のグリップ性を発揮してくれる。まさに、日常のどんなシーンでも速さを楽しみたい人のためのシューズが完成したと言えるだろう。
必要な部分に的を絞ったサポートを提供し、通気性を高めるように設計されたエンジニアードメッシュをアッパーに採用
ミッドソールにはアディダスが誇る低密度高反発素材「ライトストライク プロ」をフルレングスで搭載。高い軽量性を実現しながら、滑らかでダイナミックな履き心地を提供してくれる
アウトソールはグリップ性と耐久性にすぐれた「コンチネンタルラバー」を適所に採用。刻みのほとんどない接地面積の広いソールパターンは、アスファルトやコンクリートといった舗装路で抜群のグリップ性を発揮する
筆者は、新たな「アディゼロ」ファミリーとして「アディゼロ エヴォ SL」がリリースされるという情報を知ったときから、履いて走ることを楽しみにしていた。なぜなら、特徴的なビッグサイズのスリーストライプ、ホワイト/ブラックのカラーコンビネーションなど、アディダスが誇る最上級のレーシングシューズである「アディゼロ アディオス プロ エヴォ1」とそっくりなデザイン&フォルムだったからだ。
「アディゼロ エヴォ SL」のリリースを心待ちにしていた筆者が試走レビュー
まず手に取ると、その軽さに驚く。一般的なランニングシューズよりも軽い224g(サイズ27.0cmの場合)が公表された数値だが、足を入れてみると、そのデータよりももっと軽く感じる。それは本作のフィット感が高いことが貢献しているのだろう。
いざ走り始めると、ミッドソールの「ライトストライク プロ」が着地時に適度に沈み、そのあとに力強く足裏を押し返してくれ、自然とペースアップできる。また、着地安定性も悪くない。速く走ることが楽しくなり、日課の6kmよりも2kmプラスして最初のランを終了したが、走り始めのラップはkm/5分40秒ほどだったものの、最終的にkm/5分00秒まで無理なくペースを上げられ、「プレートを内蔵していなくてもここまで反発性や推進力を高められるのか!」と感動した。この推進力の高さなら、サブ4レベルの筆者であれば、日々のランニングだけでなく、レース本番でも活躍してくれそうだ。2回、3回と走ると、さらにこのシューズの走行感が好きになり、年末から年明けにかけてのヘビーローテーションシューズとなった。
アディダス「アディゼロ エヴォ SL」は、スタイリッシュなアッパーデザインと秀逸な走行性能で、筆者を含めた多くのランナーを魅力することに成功した。このシューズを履くことで速めのペースで走ることが楽しくなるのだ。唯一の欠点は、あまりにも人気となり、ホワイト/ブラックもブラック/ホワイトも、多くのショップや公式通販では売り切れていること。この先、ニューカラーがリリースされるという情報もあるので、興味のあるランナーは早めにチェックしてほしい。
正直、これから走り始めようというまったくの初心者には推奨しないが、ファンランナーからシリアスランナーまで幅広いレベル、さまざまなタイプのランナーに対応してくれる一足である。価格に関しても、この高い走行性能を2万円アンダーで提供してくれるのはうれしいところだ。