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80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

小笠原へ来ています(4)

2023-05-18 03:21:24 | その他
月曜の母島で今回の仕事はひととおり終わったので、東京行の船が出る木曜までの間の2日間はオフとなりました。日課の?朝散歩で近所を歩きます。来島してから気になっていたトンネルを抜けてみることにしました。

大村隧道と清瀬隧道という2本のトンネルが大神山の下をまっすぐ貫いています。これは二見港岸壁側の大村トンネルの入口。戦前に掘られたとのことで、海沿いに都道が整備されて現在は人と自転車専用ですが、以前は車も通るメインルートだったそうです。



大村隧道は短いですが清瀬隧道はかなり長く、入口から少し入った場所に左右から衝立のようにせり出した場所があります。そして1か所だけ写真のような「扉」が畳んだ状態で固定されていました。貼り出された解説を読むと、戦時中にこのトンネルは防空壕として使われ、そのため鉄製と木製の2重の扉が両サイドに設置されたそうです。折り畳まれたこの「扉」はその名残だとか。



攻撃を受けて入口が塞がってしまった場合を考えて横穴も掘られていたそうです。確かに中央付近に1本の横穴があって、はるか彼方に外界の光が見えました。島内には数々の戦争遺構が残されている父島ですが、多くの人々が日々利用する現役のトンネルの中にも、当時の姿を留める遺構が静かに眠っているわけです。



清瀬交差点側の入口は石積みのトンネルポータルが残されていました。



漁港の方に向かって少し歩くと何やら風変わりな建物が目に入りました。



近づいてみるとネコのイラストが描かれたタイル絵が所狭しと貼られています。ここも解説が貼られていたので読んでみると、野生化した猫によって小笠原諸島にのみ生息する希少な鳥が絶滅に追い込まれたことから、こうした「野ネコ」を捕獲して本土の動物病院へ送るまでのあいだ収容しておく「待合所」なのだそうです。当初は安楽死を考えていたところ、「野生動物は島でしか生きられないが、猫ならば都会でも幸せになれる」との獣医のアドバイスを受け、東京へ移送して里親を探すためのプロジェクトが立ち上げられたとのこと。このイラストはこうして命をつなぎとめられたネコたちの顔だったんですね。



ちなみに東京までの移送は小笠原海運が無償で引き受けているそうです。「今日のねこまち」は6頭と書かれています。次の船で私たちと一緒に東京へ行くんですね。初めての都会暮らしは慣れないだろうけど新しい飼い主さんに目いっぱい可愛がってもらうんだぞ!



しかし野山を駆け巡っていたネコを都会っ子にすることは大変な努力がいるようです。
おがさわらネコプロジェクトの詳細はこちらをご覧ください。


歩き疲れたのでいったん宿へ戻ることに。青灯台と対になる赤灯台は漁港の入口にありました。



ひと休みしてから改めて出直した先は、先日休館と思って引き返してしまった「小笠原海洋センター」。しかし今日も建物の扉は閉ざされ中には誰も居ないもよう・・・。HPでは奥の水槽は見学できると書いてあったのと、脇の柵が開いていて奥からは子供たちのはしゃぐ声が聞こえていたことから、意を決して中に入ってみることにしました。



一番奥の水槽でスタッフとおぼしき女性が二人、カメのお手入れ?をしていたので声をかけてみると、どうぞ自由に見学してくださいとのこと。ちなみにお手入れ中の亀さんはタイマイだそうで20歳を超す大ガメでした。



施設は「製氷海岸」と呼ばれる湾に面して建てられていて、日当たりの良い水槽では無数と言っていいくらいの子ガメたちが泳いでいます。ほとんどが0~2歳程度アオウミガメだそうで、ある程度大きくなったら海へ放流するとのこと。



気持ちよさそうに泳ぐウミガメだち。スーパーのペットコーナーで買ってきたカメは育てたことがありますがこんなに多くのカメを観察するのは初めてです。あまりの可愛さに時間を忘れて見入ってしまいます。あと「亀は意外と速く泳ぐ」は本当でした。笑



可愛いウミガメが泳ぐ様子をおすそ分けします。ちなみにカゴに入っているのは傷を負ったり体調が芳しくないカメさんとのこと。



でっかいアカウミガメも1匹いました。実に貫禄ある堂々とした泳ぎです。



ウミガメに癒してもらったあとは有名観光スポット「ウエザーステーション展望台」へ上ってみました。



かつて気象観測施設があった場所を改装したためこの名前があるそうです。西側に大きく開け見渡す限りの大海原が広がっていました。



左手南方の奥にはうっすらと母島も見えます。前日はあそこまで2時間20分もかけて荒れる海を越えて行ってきたのがウソのように近くに見えます。



ここは夕日の鑑賞スポットとして有名なので、日没時を狙ってもう一度上ってみました。実に美しい夕暮れです。



残念ながら雲が多く奇麗な落日とはなりませんでしたが、波音と鳥のさえずりに囲まれて見る雄大なショーは素晴らしいのひと言でした。



夜のとばりが下り始めた二見港も絶景でした。



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