※本記事は、2024年12月刊行の『MarkeZine』(雑誌)108号に掲載したものです
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2024年は「縦型ショート動画」「AI活用」が2大トレンド
2024年のソーシャルメディア領域では、「縦型ショート動画」と「AI活用」が大きなトレンドとなりました。
1つ目の「縦型ショート動画」は、スマホに合う広告クリエイティブとして横長よりも縦長で、かつ片手でスクロールしながら見られる形がユーザーに好まれるようになっています。また若い世代を中心にタイパ(タイムパフォーマンス)を重視する意識が高まっており、短時間でわかりやすく情報を得られるショート動画は引き続き人気のフォーマットです。こうしたユーザーのニーズに合わせて、InstagramのリールやTikTok、YouTubeショートなど、各媒体で広告メニューとしても縦型×ショート動画のフォーマットへ注力している様子がうかがえました。2024年は縦型動画の配信比率も大きく伸長しています。
2つ目の「AI活用」については、いよいよ実用フェーズに入ったのが2024年となります。過去の配信データを学習させることで、どのユーザーにどういった広告を出せばユーザーの目に留まり、広告効果も高くなるかというターゲティングから、動画・画像といった実際の広告クリエイティブの生成、配信に至るまで自動で行える部分が増えてきています。またAIを活用したほうが、広告効果が高くなる事例も出てきており、各媒体においてAIを活用した広告メニューや配信実績がどんどん増えている状況です。この流れは2025年、ますます加速していくでしょう。
主要ソーシャルメディアの顔ぶれは変わらず
一方、主要ソーシャルメディアの顔ぶれは大きくは変わらず、Meta・X・LINE・TikTokが引き続きソーシャルメディア活用の中心となっている状況です。
MetaはInstagramを中心に成長を続けており、最近ではコマース機能の強化に力を入れています。Xはグローバルで様々な動きがありましたが、引き続き日本の中でのプレゼンスは高い状況と言えます。LINEは圧倒的なアクティブユーザー数を誇り、ヤフーとの統合により今後の動きにますます注目が集まっています。TikTokは数年前までZ世代を中心とした新興媒体として注目されていましたが、今では利用者の平均年齢は35、36歳になり、主要メディアとしての地位を確立しました。金融・不動産といった高価格帯商材を扱う企業による利用も増えてきており、成長率では最も高い媒体と言えるでしょう。