一度でも消費者金融で借りたら終わりだと思い込んでいる人は多いもの。必要なときにローンを組めず金銭的に困るのではないか、暴力的な取り立てに遭うのではないかと、ドラマの影響などでネガティブなイメージがついている人は少なくありません。
そこで今回は、消費者金融は一度でも借りたら終わりなのか解説します。メリット・デメリットや滞納時の対処法も解説するので、お金に困って借入れを検討している人はぜひ参考にしてくださいね。
大学卒業後に銀行員として勤務、法人顧客の経営支援・融資商品の提案や、個人向け資産運用相談を担当。 2020年にマイベストに入社、自身の銀行員時代の経験を活かし、カードローン・クレジットカード・生命保険・損害保険・株式投資などの金融サービスやキャッシュレス決済を専門に解説コンテンツの制作を統括する。 また、Yahoo!ファイナンスで借入や投資への疑問や基礎知識に関する連載も担当している。
消費者金融で借りても、きちんと返済すれば終わりではありません。毎月返済が遅れなければ信用情報に影響が生じないので、今後も借入れやローンを問題なく利用できるでしょう。
なお、現在の消費者金融では、多額の借金を防ぐ仕組みが整っています。返済しきれないほどの借金を抱えてしまう多重債務者の増加が深刻な社会となり、問題解決に向けて貸金業法や出資法などの法整備が行われたためです。
改正前は、上限金利は29.2%まで引き上げが可能でした。しかし現在は、上限金利は貸付金額に応じて15~20%までに制限されています。さらに総量規制により申込者の年収の3分の1を超える貸付が禁止されたため、多額の借金を背負うリスクが低くなったといえるでしょう。
状況によっては追加借入れができない、金利が高いなどの理由により、消費者金融で借りたら終わりといわれるケースも。消費者金融のデメリットを把握したうえで、利用を検討しましょう。
消費者金融の利用状況次第では、他社で借りられなくなる場合があります。借入件数・借入金額・滞納情報などが多いと、返済能力が低いと判断されるからです。
借入れできる金額は年収の3分の1までと、総量規制で決められています。年収300万円ですでに100万円の借金がある人は、追加借入れできる可能性は低いでしょう。総量規制の対象外とされるローン商品であっても、借入状況によっては貸し倒れのリスクが高いと判断されて審査に落ちてしまうことも。
また、借入れできなくなるだけでなく、滞納している状況が続くと差押えのリスクもあります。遅延損害金が発生してもなお返済しないと、信用情報に金融事故情報が登録され、他社での借入れも難しくなるでしょう。さらには、一括返済を求められ給料や財産が差押さえられてしまいます。
なお、消費者金融に限らず、銀行やクレジットカードのキャッシングの返済を延滞した場合も、追加借入れができなくなるので要注意。借入状況はすべて信用情報機関に登録されるので、無理のない範囲で計画的に利用しましょう。
消費者金融は、銀行カードローンより金利が高い場合が多いもの。手軽に借りられるぶん利子が膨らみやすく、借りたら返済できなくなると誤解されやすいでしょう。
銀行カードローンの金利は年1.5~14.5%ほどと低めですが、審査結果が出るまで2日ほどかかるケースがあります。一方で、消費者金融は最短20分ほどで借入れできることが多く便利ですが、金利は年3.0~18.0%と高めです。
銀行よりも手軽に利用しやすいことから、借りすぎる人もいるでしょう。必要以上に借りたお金に利息がついて、返済困難に陥るケースは少なくありません。
状況に応じて計画的に消費者金融を利用すれば、力強い味方になることも。ここでは、消費者金融のメリットを解説します。
消費者金融は、すぐお金を用意できて便利な一面があります。即日借入れに対応しているケースが多いので、緊急でお金が必要なときに役立つでしょう。
たとえば、銀行での借入れは1〜2週間ほどかかるケースがあり、今すぐお金が必要なときに対応できない可能性があります。一方で、消費者金融は借入れまで最短20〜30分ほどのケースが多いもの。金融会社にもよりますが、スマホやPCで申込・契約手続き・借入れまで完結できる点も魅力です。
なお、即日借入れを希望するなら、クレジットカードのキャッシングも活用できます。便利な借入手段のひとつとしてクレジットカードを作成するなら、キャッシング機能付きクレジットカードの選び方を解説している以下のコンテンツも参考にしてくださいね。
消費者金融は、担保や保証人が不要です。自分自身の信用情報が担保になるので、高価な持ち物や保証人がいなくても融資を受けられるでしょう。
担保とは借入後に返済が困難になったときに備えて、あらかじめ価値のあるものを差し出したり返済を保証する人を立てたりすること。信用情報を担保に貸付を行う場合は、信用情報機関に記録されている申込者本人の取引履歴や返済能力をもとに審査を行います。
一方で、信用性が低いと判断されれば、審査に落ちる可能性が高いでしょう。過去に滞納歴や自己破産などの金融事故を起こしていたり、借入先や借入残高が多かったりする場合は、消費者金融を利用できないと判断されることがあります。
消費者金融は利用用途を問わないので、書類提出の手間を軽減できます。目的別ローンのように、納品書や見積書などを都度提出する必要はありません。
目的別ローンとは、マイホームの購入や結婚式や新婚生活準備など、人生で起きるイベントに応じて低金利で利用できるローンのこと。貸金業者に該当しない銀行が提供しているローンなら、年収の3分の1以上の借入れも可能です。
目的別ローンは原則として、申告した用途以外に利用はできません。一方で、消費者金融は借入限度額の範囲内であれば目的を問わず自由に借りられるので、旅行費・交際費・生活費などに利用しやすいでしょう。
なお、資金の使い道が定められていないフリーローンもありますが、用途の申告や証明が必要です。準備の手間がかかるので、気軽に借りたい人は消費者金融での借入れを検討しましょう。
消費者金融の利用を検討しているなら、借入先を慎重に選んだり申込で嘘をついたりしないことが大切です。消費者金融を利用するときのポイントを解説するので、申込前にぜひチェックしてくださいね。
消費者金融と間違えて、闇金で借りないように十分注意しましょう。闇金で借りると暴力的な取り立てや犯罪に巻き込まれ、人生を棒に振ってしまう可能性があります。
闇金とは、法律の上限金利を超えた高金利で貸付を行う金融業者のことです。一度でも借りると利息が膨らみ返済困難に陥るほか、家族や職場にまで取り立てがおよび追い詰められてしまうでしょう。
消費者金融と闇金を見分けるには、金利をチェックしてください。上限金利が年20%以内なら消費者金融ですが、10日で5割すなわち年1,825%などの高金利で運営しているなら闇金に該当します。あわせて、金融庁の登録貸金業者情報検索サービスに登録がある正規の業者かどうかも確認してくださいね。
お金が不足し切羽詰まっていると、闇金の誘惑に乗ってしまう人が多いもの。しかし、今後の人生に影響を及ぼす恐れがあるので、誘いに乗らないよう注意しましょう。
消費者金融で借りる際は、金利が低い借入先を選ぶことが大切です。金利が低いぶん、負担する利息を抑えやすくなるでしょう。
たとえば30万円を借りて2年以内に返済する場合に、金利が年18%だと約58,000円の利息が発生します。一方で、金利が年15%なら利息は約46,000円です。借入金額が大きく返済期間が長くなるほど、利息の差は開きます。
無利息期間がある消費者金融を選ぶのもおすすめです。無利息期間とは、定められた期間内は利息が発生しないサービスのこと。期間内に多く返済できれば、長期的な返済になっても負担を軽減できるでしょう。
低金利で無利息期間がある借入先を探すなら、消費者金融の選び方のポイントを解説している以下のコンテンツも参考にしてくださいね。
消費者金融で確実に借りたいからといって、虚偽の情報で申込まないよう注意しましょう。嘘をついた履歴が信用情報に残ると信用性が失われ、今後の借入れに影響する可能性があります。
審査通過率や借入限度額を上げたい一心で、年収・勤続年数・雇用形態・他社での借入状況などを偽って申告する人もいるかもしれません。しかし、審査の過程で行われる信用情報の照会や在籍確認によって、借入状況や個人情報は明らかになります。
嘘をついて借入れできたとしても、強制退会や一括返済を要求されてしまうでしょう。詐欺罪などで告訴されるリスクもあるので、正確な情報で申込むよう心がけてくださいね。
消費者金融で借りる際は、現実的な返済計画を立てましょう。無計画に借りて返済に遅れると、信用情報に滞納の履歴を登録されて今後の借入れに影響します。
返済計画を立てる際は、借りたい金額を考えたうえで毎月いくらまで返済に充てられるか算出しましょう。基本的には毎月の収入から出費を引けば、現実的な返済額を割り出せます。借入先の公式サイトなどに掲載されている返済シミュレーションを活用すると、計画を立てやすくなるでしょう。
返済計画を立てないと、過度な借入れや終わらない返済に苦しむことになるので要注意。借りたい金額に対して返済額が少なすぎないか、利息はどのくらい大きくなりそうかなども考慮してくださいね。
滞納すると信用情報に傷がつくとわかっていても、消費者金融で借りたお金を返せない人もいるかもしれません。ここでは、返済できず困ったときの対処法を解説します。
返済が困難なときは、金利が安い金融機関に借り換えを検討しましょう。金利が下がることで利息を軽減でき、結果的に総返済額を抑えられる可能性があります。
たとえば、金利が低い銀行が提供する、借り換えローンの利用ができるかもしれません。消費者金融の金利が年3.0~18.0%であるのに対し銀行は年1.5~14.5%ほどと低めなので、利息を抑えられる可能性があります。
複数社で借りているなら、おまとめローンを利用するのも手です。他社での借入れを一本化すれば、1社での借入金額は多くなります。借入金額が高いほど上限金利は低くなるよう法律で定められているので、金利が引き下がる可能性があるでしょう。
消費者金融で借りたお金を返せないときは、相談窓口を利用しましょう。借金の悩みに対して、解決法を提示してもらえる可能性があります。
多重債務の相談窓口は、借金に関する全面的な相談を受けている金融庁の多重債務相談窓口や、内閣府の認定を受けた公益財団法人である日本クレジットカウンセリング協会、弁護士や司法書士との無料の法律相談ができる法テラスなどがあります。
いずれも無料で相談できるため、借金問題があるけれど何から手をつければいいのかわからない人は、まずは一度利用しましょう。
消費者金融で借りたお金を返せない状況に陥ったら、債務整理を検討しましょう。借金の減額や返済の負担を軽減できる可能性があります。おもな債務整理の方法は、任意整理・個人再生・自己破産の3種類です。
任意整理は自分が整理したい債務のみ選び、将来の利息をカットしたうえで元金のみ分割払いにする手続き。個人再生は借金を5〜10分の1程度まで減額したうえで、分割払いができます。自己破産は借金が免除されるものの、大半の財産を支払いに充てなければいけません。
状況に応じた手続きを選ばないと、抱えている借金を返済する以上に負担がかかる可能性があります。弁護士や司法書士に相談したうえで、適切な対処を検討してくださいね。
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