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日本一リッチな「飛島村」とは?住民は支援金をたっぷりもらえるのに、人口が増えないワケ

増税・物価高――。我が国では相変わらず先行き不透明な状況が続いている。そこで“支援金”が多い自治体に着目。働かずしてもらえるお金を増やし、死ぬまで過ごせる自治体はどこか。ランキング化した!

若者からお年寄りまで支援が充実

[お金をもらえる自治体]ランキング

村立飛島学園。私立校のような立派な門構えと広々とした校庭に目を奪われる

第3位 愛知県飛島村 573万円5000円 ・長寿奉祝金(340万) ・児童等養育奨励金支給事業(70万)など 支援金の手厚さは、自治体の財政力と関係する ――。そう考え本企画は「財政力指数」上位自治体250に対象を絞り、とある夫婦が生涯受けられる支援総額を独自で集計し、ランキングを制定!(※ベースの支援金額が高い福島県の12市町村は除外、特集内の別記事にて紹介) 総支給額573万5000円で、ランキングで3位になったのは、愛知県西部にある「飛島村」。同村の財政力指数は2.02(令和4年度)と、数々の大都市を抑えて最上位。住民支援制度は、子どもから老人まで手厚く、給付以外の支援も充実している。 例えば村内にある小中一貫校「飛島学園」は中学2年生になると、「海外派遣事業」と題し、オーストラリアに約1週間、ホームステイ体験に出る。「長寿奉祝金」90歳以上のお年寄りを対象とした助成金で、90歳で20万円、95歳で50万円、100歳では100万円が受け取れるというから驚きだ。

大企業の工場は集中するも…

これだけ支援が充実しているが、人口は4700人前後を推移……。移住希望者も多そうだが、なぜ伸びていないのか、現地に向かった。近鉄名古屋駅から急行で8分、近鉄蟹江駅から下車し、公共バスに乗り換え約20分。村内のバス停で下車した記者の目に飛び込んできたのは、のどかな田園風景。人影もまばらで、飲食店もそれほど多くはない。 名古屋港の一角を占める村の南部に移動すると、風景が一変、トヨタ自動車、三菱重工業、川崎重工業といった大企業の工場や配送センターが並ぶ。イメージはまさに「臨海工業地帯」。これら大企業の固定資産税が、村の自主財源を支えているのだ。
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「日本一裕福な自治体」の実情とは?
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