Notionは、社内Wikiを構築するのに適したツールです。専用機能を使えば、Notionに蓄積したナレッジやノウハウを効率的にWiki化し、容易に検索できるようになります。
ただし、Notionの社内Wikiではできないこともあるため、何ができないのかを知ったうえで、ほかの選択肢も含めて社内Wikiの構築方法を検討することが大切です。
本記事では、Notionで社内Wikiを構築する2つの方法と専用機能、できないことを解説します。Notionの社内Wikiで自社が思い描く運用が可能かどうかを見極めたうえで、社内Wikiの構築を進めましょう。
>関連記事:【2025年版】社内wikiツール おすすめ15選(有料・無料)
社内Wikiを簡単に構築できるツール「NotePM」
目次
Notionで社内Wikiを構築する2つの方法
Notionで社内Wikiを構築する方法は、大きく分けて2つあります。
- 社内Wiki専用機能でWiki化する
- 基本機能で社内Wikiを構築する
両者の違いを表にまとめたので、参考にしてみてください。
項目 | 社内Wiki専用機能でWiki化する場合 | 基本機能で社内Wikiを構築する場合 |
---|---|---|
構築方法 | 既存ページをワンクリックでWiki化する | ベースページを作成して子ページに情報を蓄積する |
検索性 | 子ページ内まで検索できる | データベース検索では親ページのみ検索できる |
更新管理 | 有効期限・オーナー設定ができる | 手動で更新管理が必要となる |
メリット | 簡単に整理・検索しやすい | レイアウトを自由にカスタマイズできる |
デメリット | レイアウトはやや制限される | 更新や整理に手間がかかる |
おすすめの人 | 情報を後から整理したい人 | 事前に構成を考えたい人 |
違いを踏まえて、自社に合っているほうを選びましょう。
1.社内Wiki専用機能でWiki化する
Notionには、社内Wiki専用の「Wiki機能」が搭載されており、既存のページをWikiページに変換できます。そのため、「社内Wikiを作るぞ」と意気込まなくても、普段通り情報を放り込んでおけば、あとからワンクリックで整理できる点が魅力です。
たとえば、Notionが提供する「Operations Team in-a-Box 運用チーム向けテンプレート集」は、導入時以下のような見え方で表示されます。
これをWiki化すると、以下のようにページの見え方が変わり、子ページをデータベースのように整理することが可能です。
社内Wikiは、Web上でページを共同で編集できる「Wikipedia」をもじっており、社内版のWikipediaという意味合いです。社内メンバーが簡単にコンテンツを作成したり、編集したりできるプラットフォームとして機能します。
Notionの社内Wiki機能も同様に、社内メンバーが簡単にページの作成・追加・編集が可能です。加えて、子ページが数多くあるページの情報をデータベースのように整理し、「何が記載されているページなのか」を可視化します。
百科事典のようにナレッジやノウハウを含む社内情報をまとめられるため、Wikiページにアクセスしたとき、どの子ページを見れば欲しい情報が書かれているかを簡単に見つけられます。
>関連記事:社内wikiとは?導入メリットや失敗例、適切なツールの選び方を解説
データベース機能との違い
Wiki機能の見た目は、データベース機能のリストビューと同じに見えますが、利用できる機能に違いがあります。
詳しい内容は後述しますが、社内Wikiには、以下の機能が備わっています。
- 有効期限プロパティ
- ページオーナープロパティ
- 全ページのデータベース表示
- 下層ページまで一貫した検索
これらは、ナレッジ共有に特化した機能であり、データベース機能では利用できません。
2.基本機能で社内Wikiを構築する
Notionでは、社内Wiki専用機能を使わず、標準機能を使って社内Wikiを自作することが可能です。
Notionのページ内に子ページを作り、視覚的に整理することで、社内Wikiとして活用できます。
あらかじめ、どのような情報をこのページに盛り込むかを決めたうえで、Wikiとして活用する際に適した方法です。
ただし、社内Wiki専用機能のように、日頃蓄積した情報をあとから整理するとなると、やや手間がかかるでしょう。
社内Wikiを簡単に構築できるツール「NotePM」
Notionの社内Wiki専用機能とできること
Notionの社内Wiki専用機能のなかで、特化した機能は次の4つです。
- 有効期限プロパティ
- ページオーナープロパティ
- 全ページのデータベース表示
- 下層ページまで一貫した検索
ここでは、機能の詳細とできることを解説します。
有効期限プロパティ
NotionのWiki機能には、情報の更新時期を管理する「有効期限プロパティ」があります。
有効期限プロパティは、設定した有効期限が近づくとページオーナーに通知が飛ぶ機能で、ページをWiki化すると自動作成されます。
一定期間が経ち、情報が古くなったら通知が飛ぶように設定しておけば、情報を点検したうえで鮮度の維持が可能です。
たとえば、運用Wikiのページの有効期限を「90日間」に設定すると、該当ページの上部に有効期限が表示されます。
これにより、管理者だけではなく利用者も一目で情報の鮮度を確認することが可能です。
ページオーナープロパティ
NotionのWiki機能には、各ページにオーナー(責任者)を設定する「ページオーナープロパティ」が自動で作成されます。
ページオーナーを設定しておけば、情報の管理責任が明確化され、更新や修正が必要なときに連絡すべき相手がわかります。そのため、情報管理の対応速度を向上させられるでしょう。
有効期限と同様、オーナーも子ページの上部に表示されるため、子ページを開いたあともオーナーを一目で確認可能です。
全ページのデータベース表示
NotionのWiki機能では、全ページをデータベース形式で一覧表示できます。
以下は、すべてのページを一覧表示した状態です。
子ページが整理されるため、情報の全体像を把握しやすく、検索やフィルタリングが容易になります。 表のプロパティは任意で追加可能で、たとえば「カテゴリ」や「重要度」などを入れておけば、より社内Wikiを管理しやすいでしょう。
下層ページまで一貫した検索
NotionのWiki機能では、Wiki化したページを対象に、子ページ内検索が可能です。
たとえば「オンボーディング」で検索すると、同キーワードが記載されているページと、該当の文章が表示される仕組みです。
これなら、知りたい情報を自分で容易に探し出せるでしょう。
Notionの社内Wiki専用機能の使い方
ここでは、Notionの社内Wiki専用機能の使い方を3ステップで紹介します。
- ページをWikiに変換する
- 一覧画面を変更する
- 情報を検索する
既存ページを簡単にWiki化できるので、Notionユーザーの方は試してみてください。
ページをWikiに変換する
まずは、Wiki化したいページを画面左側のバーから選んでください。
今回は「Operations Team in-a-Box 運用チーム向けテンプレート集」をWiki化してみます。
ページ名の上で右クリックしたら、以下のような画面になるので「Wikiに変換」をクリックしましょう。
これだけで、ページのWiki化は完了です。
Wiki化したいページを開いたあと、右上の「…」マークをクリックすると、同様に「Wikiに変換」のボタンがあらわれるので、こちらからもWiki化できます。
なお、データベース機能を使って作成したページには「Wikiに変換」というボタンが表示されません。データベース機能で作成したページは、Wikiページに変換できない仕組みです。
また、Wiki化したページの子ページも同じ仕組みでWiki化できません。
一覧画面を変更する
Wiki化したページは、ページタイトルの直下にビューの選択欄が追加されます。
ホームビューは、利用者が情報を視覚的にキャッチしやすいように整理しておくと、社内Wikiの活用を促進できます。
「すべてのページ」を選ぶと、子ページを含むデータベースが表示される仕組みです。
「自分がオーナーのページ」は、オーナーに設定されているページのみがデータベース形式で表示されるビューです。管理者が情報を更新・削除するときに使うと、効率的に作業できるでしょう。
情報を検索する
ページをWiki化すると、子ページや孫ページもWikiに取り込まれます。ホームビューのキーワードを使って検索すれば、全階層のページから情報を探せる仕組みです。
この検索方法さえ覚えておけば、従業員は簡単にノウハウやナレッジを含む社内情報を見つけられます。
なお、ビュー選択欄の右端にある検索欄を使うときは、ホームビューに戻さないと全階層検索ができません。
左側のバーにある検索窓を使えば、すべてのビューで全階層検索ができるので、活用してみてください。
社内Wikiを簡単に構築できるツール「NotePM」
Notionの基本機能を使った社内Wikiの作り方
ここでは、社内Wiki専用機能を使わずに、Notionの基本機能だけで社内Wikiを構築する方法を紹介します。
- ワークスペースページを作成する
- 社内Wiki内にサブページを設定する
- 社内Wikiを構築する
- 権限を設定する
Notionをはじめて利用する企業さまで、ノウハウやナレッジを体系的にまとめていきたいという場合は、この方法で社内百科事典のようなWikiを構築できます。
>関連記事:社内wikiの作り方ガイド|作成ツールの選定ポイントや含める内容も紹介
1.ワークスペースページを作成する
まずは、Notionで社内Wiki用の新しいページを作成します。
「+新規ページを追加」で新しいページを追加できます。
「社内Wiki」や「ナレッジベース」など、目的に合った名称を設定するとわかりやすいはずです。
2.社内Wiki内にサブページを設定する
社内Wikiのページを作成したら、サブページを設定して、情報を体系的にまとめられるようにします。左側のバーで、作成した社内Wikiページの「+」ボタンをクリックすると、サブページを作成できます。
たとえば、部門ごとにページを作成すると、以下のようになります。
作成した部門のページにサブページを作ると、情報をより体系的に整理できるでしょう。
3.社内Wikiを構築する
あとは、ページごとに必要な情報を盛り込み、社内Wikiを構築していきましょう。
このページは福利厚生の情報を目次としてまとめています。詳細は、サブページを作成して解説する形にすれば、管理・更新がしやすくなるでしょう。
なお、Notionではさまざまなテンプレートが提供されています。
既存の社内Wikiテンプレートを活用すれば、よりスムーズにページを整理できます。
テンプレートやスタイルを活用して、全体のデザインやレイアウトを統一しておけば、どのページからも情報をキャッチしやすくなるので、運用ルールとして整備してみてください。
4. 権限を設定する
最後に、ページごとに閲覧権限を設定して、セキュリティを向上しましょう。
たとえば、営業部門のWikiは、部門外のメンバーが見る必要はないため、営業部門のみに権限を与えます。
営業部門のページを開き、右上にある「共有」ボタンをクリックしてください。
入力欄に営業メンバーのアドレスか、あらかじめ作成したグループを入力して「招待」をクリックすれば、設定完了です。招待したチームのうち、管理者以外は「閲覧者」や「コメントのみ」に設定しておけば、誤編集を防ぐこともできます。
なお、Notionではページごとの閲覧権限の設定も可能ですが、ワークスペースごとにも設定できます。
自社の運用に合わせて、社内Wikiの構成を検討してみてください。
Notionの社内Wikiでできないこと
Notionで社内Wikiを構築する前に、できないことを知っておく必要があります。
- データベースは社内Wikiに変換できない
- ページテンプレートの一括更新ができない
- インポートしたファイルを元の形式のまま活用できない
これらができないことで自社の運用に支障が出る場合は、Notion以外の社内Wikiツールの検討が求められます。そのため、Notionの社内Wikiでできないことについて、理解を深めておきましょう。
データベースは社内Wikiに変換できない
Notionでは、データベースをWik化できません。 そのため、既存のデータベース内の情報をWikiとして再構築するときは、手動でページを作成し直す必要があります。
たとえば、データベースで管理していたFAQやナレッジリストをWikiに統合するのであれば、各項目を個別のページとして作り直す手間が生じるため注意が必要です。
また、Notionのデータベースは一覧表示に適していますが、ページ間の階層構造を構築するのが難しく、ページごとの関連性を整理しにくいデメリットがあります。
以上のように、データベースの情報をWiki化したいときは、綿密な構成計画と手動による再構築が必要です。
ページテンプレートの一括更新ができない
Notionのテンプレート機能は、新規ページ作成時に適用されますが、既存のページに一括で適用することはできません。
たとえば、Wikiページを作ったあとに「すべてのWikiページのヘッダーやフォーマットを統一する」といった変更を一括で行うことができないのです。そのため、各ページを手動で修正する必要があり、手間がかかります。
とくに、マニュアルやナレッジベースのように統一感が求められるケースでは、ページ数が増えるとフォーマット調整が難しくなり、メンテナンスの負担が増大するおそれがあります。
インポートしたファイルを元の形式のまま活用できない
Notionでは、Googleドキュメントやワードなどのファイルをインポートできますが、Notionページのフォーマットに変換されるため、元の形式のまま活用できません。
たとえば、ワードで作成したマニュアルをNotionに移行すると、表や段落スタイルが崩れるおそれがあります。また、箇条書きやリスト形式がNotionのフォーマットに変換されるため、人によっては見にくいといった不具合が生じるのです。
ほかにも、ファイルを添付ファイルとしてアップロードすると、Notion内で直接表示・編集できないことから、ダウンロードして内容を確認する手間が生じます。
以上から、ファイルベースで情報を管理していた場合、Notionで一元化したうえで社内Wikiを構築するとき手間がかかるうえ、情報管理が煩雑化するおそれがあります。
社内Wikiを簡単に構築できるツール「NotePM」
Notion以外の社内Wikiツール「NotePM」
Notionが自社の運用に適していない場合は、社内Wikiツールである「NotePM」を検討してみてください。
「NotePM」は、豊富なテンプレートを使ってマニュアルから報告書などさまざまな社内文書を作成・保存・共有できる社内Wikiツールです。マークダウン対応のエディタにより、ブログ感覚で簡単にページを作成できます。
すでに作成した手順書やマニュアルなどのファイルも一元化できるため、あらためてナレッジやノウハウをまとめ直す必要がありません。
何よりも、検索性に優れている点が大きな特徴です。キーワードを入力すれば、保存したファイルのテキストからも情報を探し出せるため、必要な情報を自分のタイミングで調べられます。
Notionにはない・できないことで、「NotePM」にある・できることは次のとおりです。
- わかりやすいガイダンス
- タグ検索
- 添付ファイルの全文検索
- 検索時のキーワードのハイライト
- ページ閲覧者の分析機能
- ページへのリアクション機能
- チームのタイムライン表示
もし、Notionを使ってみて社内Wikiとして物足りなさを感じたら、無料トライアルを使って「NotePM」を試してみてください。
社内Wikiを簡単に構築できるツール「NotePM」
>関連記事:社内wikiツールのNotePM・Notion・Confluenceを比較!機能や独自性をわかりやすく解説
Notionや社内Wikiツールで社内情報を一元化し業務を効率化しよう
Notionに社内情報を蓄積し、社内Wiki専用機能を使ってWiki化すれば、簡単に社内Wikiを構築できます。あらかじめ社内Wikiの構成が定まっているのであれば、基本機能を使ってノウハウやナレッジを体系的にまとめることも可能です。
ただし、添付ファイルの内容を編集・検索できなかったり、ページテンプレートを一括で更新できなかったりと、使いにくい部分もあります。
とくに、ファイルベースで情報を蓄積してきた企業さまが、Notionにすべての情報を一元化して社内Wiki化するのは、手間と時間がかかるおそれがあります。
社内情報の一元化から社内Wikiの構築を手早く行いたい場合は、社内Wikiツールがおすすめです。
「NotePM」は、検索性が非常に高い社内Wikiツールです。キーワードを入力すれば、添付したファイルや「NotePM」内で作成したドキュメントなど、すべての情報から必要なナレッジ・ノウハウを探し出せます。
「NotePM」は30日間無料でお使いいただけますので、ぜひお試しください。