Location via proxy:   [ UP ]  
[Report a bug]   [Manage cookies]                

佐々木剛

登録日:2011/04/02(土) 00:51:26
更新日:2024/10/02 Wed 13:06:40
所要時間:約 5 分で読めます




佐々木(ささき)(たけし)(本名福井憲雄)は1947年生まれの俳優。新潟県出身。
1968年にNHKのドラマでデビュー(但しこの時の名義は八代悠)、その後現在の芸名に改名し、翌々年の1970年には『柔道一直線』『お荷物小荷物』等様々なヒット作に出演し一躍人気者となる。

そんな佐々木に、突如仕事の依頼が舞い降りる。


「怪我をした藤岡弘、君の代わりに、仮面ライダーをやって欲しい」


当初は「スケジュールに余裕が無いし、せっかく藤岡さんが初めて掴んだ主役を奪うのは嫌だ」と断るものの、最終的に「藤岡が復帰する間まで」という条件付きでオファーを受ける事になる…が、困った事に佐々木はバイクの免許を持っていなかった。つまりバイクで走りベルトに風を受けることで変身するという仮面ライダーの変身ムーブが使えなかったのだ
そこで産み出されたのが今なお受け継がれている「変身」であり、この子供でも真似がし易い「変身」ポーズが受けたのか、2号登場以降仮面ライダーが一大ムーブメントを巻き起こす事になる。

藤岡復帰後に再登場した仮面ライダー1号にも変身ポーズが取り入れられている。
しかし変身ポーズの元祖は、一文字隼人の仮面ライダーなのだ。

明るく気さくで瀟洒な一文字隼人のキャラクターが織りなす物語は大ヒット。番組をスターダムに押し上げた立役者として歴史に語り継がれるようになる。

上記の事情から当初はバイクの撮影シーンはレッカー牽引やスタンドで誤魔化してたのだが後に免許を習得。
2号編終了間際にはシートに腹ばいになって操縦する所謂「飛行機乗り」の危険アクションを吹き替えなしで披露している。


その後藤岡の復帰に伴い、夢のダブルライダーは全国の子供達を狂喜乱舞させる。
このままダブルヒーロー制のレギュラー化を…と打診もあったが、同期の桜で親友だった藤岡の主役を奪いたくないという当初の義理を通し主役を降りる。
単純に当時は超売れっ子で過密スケジュールだったという事情もあるが…。
義理深く、自らの成した偉業を鼻にかける事もない奥ゆかしさ。
佐々木剛とはそんな俳優だったのである。



以降は俳優としての葛藤としてライダーシリーズを避けるようになっていった藤岡とは対極に「オファーを受けた仕事は断った記憶がない」という逸話を持ち、仮面ライダーV3Xストロンガースカイライダーと平山P時代の仮面ライダーでは最多客演で後輩たちをも助け(アマゾンは他のライダーとの共演は無し)した他、『GO!GOスカイヤー』『宇宙鉄人キョーダイン』を始め数多くのドラマに出演し、
ついでに1981年にはNHKの『お笑いオンステージ』にも「減点ファミリー」*1に子供達3人(二男一女)と共にゲスト登場*2
善悪問わず幅広い役柄をこなす名バイプレーヤーとして活躍した…



だが1982年、佐々木に不幸が訪れる。


とある日、子供たちが妻の実家に遊びに行っていたため、佐々木は妻を連れて外出していた。酒好きな佐々木夫妻はどうもここで大いに羽目を外すいたらしい。
しかし帰宅後、したたかに酔っていたためストーブを消し忘れたまま寝入ってしまった結果、自宅アパートを全焼させる火事となり、顔を含む全身に大火傷を負ったのだ。
何とか一命はとりとめたが、火傷は全身の70%にも及んだ上に度合いも酷く、何度も皮膚移植を行ったものの元の顔を取り戻すことはできそうもなかった。
俳優の命である顔に傷を負った彼は声の仕事を主軸に置くことで再スタートしようとするが、「ベテラン故に扱い難い」と断られ、活動の場を失って行く…

火傷を負った直後の82年8月、10号誕生を祝した深夜ラジオに出演。帽子を目深に被った状態で出演し、当時の思い出を語った。
また『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』でも声だけとはいえ再び仮面ライダー2号として後輩のピンチに駆けつけ
黄金時代の終焉を見守った。

手術費の返済、アパートの補償、家族の生活費…
それらの全てを払うため、警備員や石焼きイモ売り、ちり紙交換や竿竹売りを掛け持ちし一日16時間近く働くが、生活は楽にならず遂に離婚。
佐々木はホームレスとなり、酒を飲んで暴れたり一日中パチンコ屋に入り浸ったりするなど荒んだ生活が続いた…

が、そんな彼を見捨てなかった男がいた。
『飛び出せ!青春』『夜回り先生』(アニヲタ的には『アイアンキング』の静弦太郎)で知られる同期の俳優・石橋正次である。
行方不明だった佐々木を見つけた石橋は、再び舞台への道へと彼を誘う。
当初は舞台前に逃げ出すなどの問題行動があったものの、石橋は「それはしょうがない」と笑って許してくれたそうで、
これもあって最終的には舞台をやり遂げた。
佐々木復帰後は仮面ライダーファンがいろいろとグッズを送ってくれたそうで、火災で消失したライダー関係のグッズの代わりに
それが今は宝物になっているとのことである。

その努力が功を成し、95年には日光江戸村の師範代に就任。
また、長年に渡る皮膚移植などの治療が功を奏し、現在は往年の面影を大分取り戻している。

ゲーム・舞台・イベント等で一文字隼人/仮面ライダー2号としての活躍も増え、2011年には『オーズ・電王・オールライダー』で久々の客演を果たした。
また、仮面ライダーをモチーフにした舞台『改造人間哀歌』では一文字を意識したような主人公を演じており、2012年には映画版が公開された。

現在は居酒屋「バッタもん」の経営者としての顔も覗かせており、店では自らがカウンターに立って料理を作ってくれる。
これはファンの中でも一番多く自分を支えてくれたのが仮面ライダーのファンだったためで、それに対する恩返しを考えてのことらしい。
ちなみに得意料理は卵焼き。
プライベートでは再婚を果たし、順調な第二の人生をスタートさせている。

tokusatsuheroで被災者に宛てたメッセージ】

仮面ライダー2号・一文字隼人だ!
俺も火事で家と体全部を焼いた過去がある。
仕事も家族も全て失った。
だがそんなどん底からも俺は這い上がって来た。
だから俺の言葉を信じてくれ!
悲しみの涙は必ず、喜びの涙に代わる日が来る。
じゃあ俺からのライダーパワーを受け取ってくれ!……変身!



追記・修正は家と体を焼いてしまっても復活できる方がお願いします。


ショッカーの敵、そしてアニヲタの味方、お見せしよう!!
…編集……!!

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 俳優
  • 俳優項目
  • 仮面ライダー
  • 2号ライダー
  • 仮面ライダー2号
  • 功労者
  • 不死身
  • 地獄から蘇った男
  • 特撮
  • キョーダイン
  • 柔道一直線
  • ボイスラッガー
  • 波乱万丈
  • ライダー俳優
  • 新潟県
  • 仮面ライダー(初代)
  • ライダービッグ3
  • 佐々木剛
  • 左利き
  • 一文字隼人
  • グランゼル
  • バッタもん
  • 仮面ライダーシリーズ御用達

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年10月02日 13:06

*1 子供達の証言だけを頼りに司会の三波伸介が「親の似顔絵」を描き、答え合わせとして親である有名人が登場し顔と正体が披露されるというコーナー。特撮関連では他にも森次晃嗣もゲスト出演していた。

*2 ちなみにこの時の発言で当時は新潟在住(仕事時だけ東京に移動)だと明かしており、翌年の事故も新潟で発生したものだった。