登録日:2014/09/10 Wed 11:05:05
更新日:2024/11/16 Sat 20:33:41
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人にとって…死は最大の“恐怖”!!!
だから人は地に顔をうずめ神に慈悲を乞う!!
仕方のない事さ 生物は恐怖の前にひれ伏すようにできている 本能というものだ
───人は…"神"を恐れるのではない…
"恐怖"こそが"神"なのだ
【プロフィール】
本名:エネル
異名:
神・エネル
所属:
スカイピア→エネル軍団
所属船:方舟マクシム
年齢:37歳→39歳
身長:266cm
役職:スカイピア唯一神
懸賞金:無し
覇気:
見聞色
悪魔の実:ゴロゴロの実(
自然系)
出身:ビルカ(
空島)
初登場:単行本27巻・第254話・『夜明曲』
誕生日:5月6日
星座:牡牛座
血液型:S型(現実だとO型)
好物:
リンゴ、
バナナ
CV:
森川智之
【概要】
麦わらの一味が訪れた
空島の一つ「
スカイピア」の支配者。
本来スカイピアの統治者の称号である「神」を「全能なる神」という意味で名乗っている傲岸不遜な男。
通称「神・エネル」。
笑い方は「ヤハハハ」。
- やたらと長い耳たぶ
- 背中から生える雷神のような4つの太鼓
が特徴。
主な部下には
オーム・
ゲダツ・
サトリ・
シュラら4人の神官と神兵長ヤマ率いる神兵たちがいる。
エネルが住む「神の社」には、他に賢者ゴーデや女性達がいたが、スカイピアでのサバイバルの際、彼らは戦闘力もないためエネルの手で粛正されている。
名前の由来はおそらくエネルギーから。
デザインモチーフは仏像美術関係。
【人物】
自らを
「全能なる神」と呼んで憚らない傲岸不遜な男で、部下であろうと自分以外の人間を殺害するのに何の躊躇もしない残忍な性格。
彼の故郷ビルカは屈強な戦士たちがいたことで轟いていた他、
オームや
シュラらの言からするに
平和とは言い難かった様子。
エネルの広範囲な「見聞色の覇気」など、エネルの
死生観はなにかしら故郷の影響もあるのかもしれない。
また、
ニコ・ロビンの行動だけで黄金の鐘の場所を看破したり、追い詰められても相手を分析して有効な対抗手段を考え出したりなど頭も非常に切れる。
「罪悪感で最も人は弱くなる」ことを理解し、スカイピアの人々に青海人を無理矢理「罪人」扱いにして死の地アッパーヤードに導かせることで、スカイピアの人々に「罪の意識」を植え付けて心を縛っていた。
その目的は故郷ビルカに伝わる伝説の聖地「限りない大地」に到達し、「神の国を建設する」こと。
そのためにガン・フォールの部下だった神隊を幽閉し、空飛ぶ箱舟「マクシム」を建造させていた。
また、「空に人間が住むのは不自然」と考えており、自身の故郷ビルカを滅ぼしたとされ、マクシムを完成させた後はスカイピアを消滅させようと企んでいた。
なお、空島はビルカやスカイピア以外にも多数存在しているが、世界中の空島を全て滅ぼすつもりだったかどうかは触れられていない。
そしてエンジニアや発明家、船大工としても一流。
後述の方舟マクシムの設計を恐らく単独で成し遂げただけでなく、「マクシム」の複雑な回路が破壊された際にも慌てず自ら修理を行い短時間で機能を完全に復旧させるシーンもあった。
【戦闘能力】
◆悪魔の実
人は古来より理解できぬ恐怖を全て"神"とおきかえ恐さから逃げてきた
もはや勝てぬと全人類が諦めた"天災"そのものが私なのだ
自然系悪魔の実「ゴロゴロの実」の能力者で、体を
雷そのものに変化させ、自身から発生する電撃を自在に操ることができる
雷人間。
「数ある悪魔の実の中でも確かに“無敵”と言われる能力の一つ」とはロビンの言。
扱える最大電圧は2億ボルトと絶大で、その絶大な出力は青白い電気エネルギーが常時発生するほど。
電撃はもちろん自らを雷とすることで黄金の中を伝ったり、雷の速度で移動したりすることも可能。
おまけに能力の行使に伴う疲労はないも同然。
ちなみに雷が空中を伝う速度は秒速150km~200km。
光(秒速300000km)と比べれば格段に遅いものの、当然ながら生物に捉えられる速度ではない。
また
自然系なので当然ながら単純な物理攻撃は効かず、逆に触れた方が電気でダメージを負う。
仮に覇気などで実体を捉えたとしても、電撃を防ぐ手段は別に必要になるのが厄介極まりない。
格闘戦の使い手だけでなく刀などの金属製近接武器を使う者なら尚更、天敵とも言える。
単純に扱うエネルギーが膨大であるため、地形を電熱で焦がすのみならず天災レベルで変形させることができるなど、物理的な破壊力も凄まじい。
電熱によって空気が音速で膨張したことを意味する雷鳴が轟くほどで、
ナミは彼の能力を見て
「エネルギーのスケールが違いすぎる」と戦慄していた。
◆基礎戦闘力
生身の肉体もしっかりと鍛錬しており、
ロロノア・ゾロですら顔を踏みつけられたまま振り払えないほどの怪力の持ち主である。
これらに加え
「心綱」すなわち「見聞色の覇気」の達人で、「ゴロゴロの実」の能力を応用することで
なんとスカイピア全域を感知することができる。
平時には能力で電波を飛ばしてスカイピア中の会話を聞き、自分に反抗的な言動を取った人物には「見聞色の覇気」で正確無比な場所を探知して「神の裁き」として処刑の雷撃を降す。
無論戦闘時においては「心綱」で相手の行動を先読みできるため、彼に攻撃を当てるのは非常に困難である。
「見聞色の覇気」は
- 相手の気配を読み、行動を先読みする(エネル配下の四神官等)
- 人物の大まかな感情を感知する(シャンディアのアイサ、コビー、ルフィ等)
- 遠くにいる人物の位置を把握する(ウソップ等)
などが様々なことができるが、エネルは位置把握と先読みを得意とする。
感情の察知もそれなりに高い水準にあり、遠くで誰かが気絶して倒れるのを察知している。
モンキー・D・ルフィとの戦闘では「のの様棒」の打撃では喉笛を抑えることぐらいでしか出来ないなど「武装色の覇気」は習得していないようだが、
「大半の超人系の肉体は原型をとどめる」点から斬撃が弱点と見抜き、能力で「のの様棒」を電熱を蓄えた槍に変形させて対応する機転を見せた。
◆総合戦闘力
基本戦術は
悪魔の実の力による雷撃。
接近戦では「のの様棒」による杖術や槍術を行う。
厄介なことに「能力にかまけた愚か者」ではなく、前述のような「雷」としての様々な活用は勿論、
- 電熱を利用して金属を加工
- 電熱を武器に蓄えて高熱を発する
- 心網と能力の併用による超広域盗聴
- 自身の能力を強化し目的達成の手段になる「方舟マクシム」の開発
- 大ダメージを負って心停止に追い込まれても、電気ショックで自分の心臓をマッサージして復活
など、能力の応用と研鑽に余念がない。
戦闘においても、未知の敵への対処を即座に考え出すなどその地頭の良さが遺憾なく発揮されている。
このように、肉体・知性・能力のどれをとっても本来なら弱点など無い、「神」を僭称するのも伊達ではない圧倒的強者である。
実際ルフィも能力の相性でメインの攻撃手段である電撃こそ無効化できたものの、終わってみれば相性が良かったから勝てたのではなく、相性が良かったから同じ土俵に上がれたというレベルの強敵と言って過言ではなかろう。
思考面での欠点があるとすれば「自然系こそ最強」という思い込み。
ペコムズが言っていた「
自分が無敵と勘違いした自然系」の典型であり、結局のところ敗因の大半がここに集約されている。
◆装備
エネルが常に携帯している愛用の武器で、黄金の棒。
身の丈ほどの長さであり、戦闘時には背中の太鼓を叩いたり、棒に電撃や電熱を付与した上で用いる。
棒術による打撃のみならず、自身の能力によって形状を変形させることが可能であり、劇中では三叉槍の形をした高電熱スピアに変形。
「形ある雷」と豪語する三叉槍の威力は、容易く肉を抉り、触れただけで電熱による火傷を負わせ、槍で貫けば木材程度なら電熱だけで炭化・崩壊させる。
「のの様」とは「仏様」の幼児語である。
なお、軽々ぶん回しているが、エネルの身長とほぼ同じぐらいの長さなので長さ250センチ、直径30センチほどの純金でできているとすると重量は1.3tほどになる。
値段も日本円で130億円以上となります。
◆使用技
肘から先を雷に変え、極大化させてレーザーのように放ち物体を高エネルギーにより粉砕する雷撃。
スカイピアを恐怖に叩き込んだ「裁き」も多分これ。
「パンチの要領で射出する」「上から叩き落す」などの使い方がメイン。
名前の由来は北欧神話の雷神トール。
指先や身体から電撃を放つシンプルな基本技。
MAX電圧は2億V。
なお由来は「電撃がヴァリヴァリいうから」という安直なものつまり造語。
「まだわからんのか 貴様らの扱えるエネルギーなど……私にとっては無に等しいのだ!」
全身から電熱を発するエネルの基本技その2。
瞬間的に発するエネルギー量が莫大なため、雷鳴が轟く。
ワイパーの
燃焼砲による熱線を周囲の大気を超高熱化して相殺した。
名前の由来は、マライ半島小人族の伝承に登場する雷神。
「シビレさせるだけが雷ではない……効かんと分かればそれなりの戦いようがある」
電熱で金を瞬時に融解させ、溶けた金を器用に操り形状を変える。
持っているのの様棒を瞬時に三叉槍へと精鍛したほか、
ルフィの右腕にマクシムの部品を溶かした
金を
玉状に纏わせた。
名前の由来は、ロシア語で「雷」を意味する「Гром(グローム・グロム)」と思われる。
「ヤハハハハハハハ! フィナーレと行こうじゃあないか!」
腕を雷に変えて攻撃する。
技名の由来は稲妻の形が珊瑚に見えることから。
背負っている太鼓の一つを叩いて太鼓を雷の鳥に変え発射、飛ぶ雷撃で敵を貫く。
名前の由来は、インディアンイコロイ族の伝承に登場する鳥。
背負っている太鼓の一つを叩いて雷の獣に変え、至近の敵を噛み砕く。
名前の由来は、
日本の伝承に登場する雷獣「木貂」。
マクシムとの
合体技。
デスピアから発生させた雷雲から落雷の雨を降らせ広範囲を爆撃する。
加えて時間が経てば経つほど降り注ぐ落雷の破壊力が上がっていき、指向性を与えることで特定箇所へと集中的に爆撃を行うこともできる。
デスピアの雷雲で覆われた領域全てが攻撃範囲となり、これによりスカイピア全土を攻撃した。
名前の由来は、アボリジニの伝承に登場する雷神。
「ヤハハハハ……天は我が物 箱舟マクシムと私の能力が合わさればこれだけの神業を為せる!」
マクシムとの合体技。
マクシムが生み出した分厚い雷雲を巨大な球状に固めて目標地点に「落下」「起爆」する超巨大放電爆弾というべき代物。
その威力はエンジェル島を土台の雲ごと消し去る戦略兵器と呼ぶべき攻撃となる。
名前の由来は、神仏の降臨を意味する仏教用語の一つ「来迎」。
全身を2億Vの電気エネルギーの塊へと化して巨大な雷神のような巨人の姿に変身し攻撃を仕掛ける奥の手。
形のある雷撃ではなく強大なエネルギーを実体化させた姿であり、この姿でも物理的な干渉を行うことができる。
逆にエネルに対して物理的な干渉ができる相手なら、この姿のエネルも殴ることができる。
……普通に考えたら攻防一体の奥義に相応しい凶悪な技だが、相手が電気の効かないルフィだったので、「単に当たり判定デカくなっただけでは?」という疑惑も、…
追い詰められて流石に焦ってしまったのか。
名前の由来は、
日本語で落雷を意味する「
天降る」。
【方舟マクシム】
この舟で我々は"限りない大地"へ到達する!!!
ヤハハハハハハ!!!
「限りない大地」への到達を悲願としたエネルが独自に設計し、空島の神隊を幽閉し強制労働させる事で建造したエネル専用の巨大飛行船。
- 動力を表す電球
- 至るところに取り付けられた飛行に用いるための大量のオールやプロペラ
- 巨大な仏像の顔を象った黄金の艦橋部
- 船体の両サイドに赤色でデカデカと描かれた「神」の一文字
など、海賊船とは根本から異なる造形のインパクトあるデザインが特徴。
ただしあくまで「限りない大地」到達のために造られたに過ぎないため、武装は後述するデスピア以外存在しない。
建造には黄金郷シャンドラの遺跡から持ってきた黄金を大量に使用。内部には黄金で出来た歯車や動力機構が所狭しと存在する。
エネルがスカイピアに侵攻し6年もの間支配したのも、黄金があるアッパーヤードにてこのマクシムを完成させるためのみ。
エネル自身が生み出す電気エネルギーを動力源としており、その推力は洞窟程度の岩盤ならば強引に突き破って浮上可能な程強力。
また船体の底部にはエネルがビルカから集めた200個の「噴風貝」が取り付けられており、仮に機能停止しても一時的に浮遊させることができる。
また、実はワンピース世界では結構貴重な「空を飛ぶ乗り物」。
一応気球などは存在しているようだが、マクシムは完全な飛行船であり(エネル依存とはいえ攻撃方法があるので「飛行戦艦」とも言える)、作中の技術レベルを考えるとかなりトンデモな代物と言える。
元ネタは
キリスト教における「戒め」を意味する用語の1つ「
箴言」、これはフランス語で「マクシム」という。
デスピア
名を「デスピア」
“絶望”という名のこの世の救済者だ!!!
「この方舟の究極の機能」と豪語する、エネルが開発したマクシム唯一の武装。
エネルの放つ莫大な電力を基に、マクシム上部の黄金の煙突から極めて激しい気流を含む黒い雷雲を絶え間なく放出し続ける大規模気象コントロール兵器。
生成された雷雲はスカイピア全土の空を短時間で覆い尽くすほどであり、この雷雲で覆われた領域は全てエネルの意思で任意で雷撃が降り注ぐエネルのテリトリーのような状況と化す。
また電撃で刺激する事で「万雷」や「雷迎」に繋げられる。
恐ろしい兵器ではあるが「限りない大地」へ到達するには不要なこの機構をわざわざ組み込んだあたり、エネルの「『人が空に住む』という不自然を解消する(=スカイピアを滅ぼす)」ことへのこだわりが見られる。
自身の力の誇示、あるいはマクシムを破壊しようとする者がいた場合の備えという目的もあるだろうが。
元ネタは「
絶望」の英訳。
【来歴】
◆過去
出生については不明だが、故郷の空島ビルカを自らの手で消し去ったとされる。
そしてルフィ達が空島に来る6年前に、「方舟マクシム」建造の計画を進めるべく自分を信奉する神官や兵を率いてスカイピアとアッパーヤードへ侵攻。
当時の神(スカイピアの長のこと)ガン・フォール率いる神隊と
先住民族シャンディアに大打撃を与えて
神の島に君臨した。
それ以来、入国者を犯罪者に仕立てて裁きの地に誘導するよう義務付け、国民の罪の意識を煽り、さらに前述の能力を使って不穏分子に「裁き」を与えるなど、恐怖によって国民を支配。
そしてガン・フォールの部下だった神隊650名に強制労働を課し、黄金を使ってマクシム建造を開始する。
なお、ビルカを滅ぼす以前からマクシムを構想し、スカイピアの民にとって未知なる物質だった黄金の存在に辿り着いており、空島編での彼の計画は以前から周到に考えられていた事が窺える。
◆空島編
部下である神官
サトリがルフィ一行に倒されたことに加え、ちょうど方舟マクシムが完成したこともあり、
「生き残り5名を自分と共に限りない大地に連れて行く」という余興のサバイバルゲームを考案。
シャンディアが侵攻してきたことで発生した
麦わらの一味&シャンディアとのサバイバルに3神官と神兵を投入し、自らも参戦して
サンジと
ウソップ、シャンディアのカマキリとラキを瞬殺。
最後の部下である
オームもゾロに敗れた後のサバイバル終盤にはガン・フォールとロビンを撃破する。
一度は
ワイパーに不意を突かれ、エネル自身の油断もあって海楼石で動きを封じられ、「
排撃貝」を受けて倒れるものの、雷の力による心臓マッサージで復活し、ワイパーとゾロをも圧倒的な力でねじ伏せた。
その後、箱舟の上で彼を追ってきた
ルフィと交戦するが、ルフィが自身の能力の最大の弱点である「
電気を通さない絶縁体であるゴム」であったために大苦戦。
ゴム人間であるルフィには電撃が全く効かず、しかも電気を通さないルフィに触れられた状態だと物理的な攻撃を一切受け流せなくなってしまう。
このことを知った時にはあまりの衝撃と混乱に1ページまるごと使ってとんでもない顔芸を披露した。
_,. --─--- 、_
,. '´ _ --ニ二二`ヽ、
/ / _,.-'⌒ヽ,ノ``'ミ,、
,.' / / ,,イ゙\ /入、ヾ,
. / / // -‐''"_ ヽ l l′/`_''l}
' / ,.イii/ /∠´ `ヾ' l lレ''´ ヾ
/ ,.' ii/u i{,_,, ゚ }! l li{,_,. ゚ }
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,' /-、 i| u ' ' ` ,__〉〉 |
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/ | ー}.l| /,r 'T"丁 ̄| ̄ | l|'|
}i iト、}( l! ,イ |__,∟ ⊥ _|__,l|.ト、
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゙l! | l|. 仁 _,__ || \ \
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↑「驚愕」「焦り」「混乱」。
それら全てを内包したのがこれである。
いままで何事にも取り乱さず圧倒的な「強さ」「凶悪さ」をこれでもかと誇ってきた彼の見せた顔芸はまさに
シリアスな笑い。
「エネル顔」と名付けられ広まった。
もっともその後はすぐに落ち着きを取り戻し、「
心綱」を駆使してルフィの猛攻撃を悉く躱す。
さらに「
超人系は原型を留める事が多い」という特性を思い出し、斬撃が弱点であると看破して鉾を創って応戦するなど、能力に頼らずとも高い基礎戦闘能力でルフィを翻弄する。
しかし、これまでエネルにとって近接戦闘など戯れでしかなかった事もあり、接近した隙を突かれたり、ルフィの突飛な発想による攻撃を喰らってしまい徐々にダメージが蓄積。
ルフィも
先の心綱使いとの戦闘で「いくら動きが読めても避けられなければ意味がない」という事を熟知していた為、攻撃を喰らって怯んだところに畳みかけるような連続攻撃を仕掛けられ、エネルもついには無視できぬ大ダメージを負ってしまう。
………ハァ…
貴様さえいなくなれば…私の天下なのだ
再び……!!誰もが私に怯え…崇め!! 奉る……!!! …私の…世界
貴様などが…この私に敵うものか!!!
不可能などありはしない
我は全能なる 神である!!!!
この状況への現実逃避じみた言葉を呟きながら、エネルはとうとうルフィとの戦闘による勝利を放棄。
隙を突いて黄金の巨大球をルフィの腕にくっつけることで身動きを封じ、そのまま箱舟から突き落として追放する事に成功する。
その後は箱舟マクシムでさらに上空へと上昇し、「万雷」でスカイピア全土を無差別攻撃した挙句、自身最強の攻撃「雷迎」でエンジェル島を破壊した後ルフィより先に黄金の鐘を発見してしまう。
欲するものをすべて手に入れた彼は最後にスカイピアを消滅させようと企むが、なおも麦わらの一味全員の助けを借りて追ってきたルフィと、自分が先ほどくっつけた黄金球が災いして雷迎を砕かれ、還幸は阻止されてしまう。
我は神なり!!!
たかだか"超人系"の能力者一匹!!この最強種"自然系"の能力をもってひねり潰せんわけがない!!!
効かねェって言ってんだろ!! 神だ神だとうるせェな!!!
何一つ…!!!救わねェ神が
どこにいるんだァ!!!!
このことに怒り、2億Vの巨大な雷神・アマルに変身してルフィと戦い、彼の死角である背後から槍で突き刺すが、それでもなお鐘を鳴らそうとするルフィの執念もあり、最後は「ゴムゴムの黄金回転弾」を受け、黄金の鐘に叩きつけられ敗北。
その一撃で変身も解けてしまい、マクシムと共に海雲へと沈んでいった。
……と思いきや、何とかマクシムの体勢を立て直すことに成功。
「自分一人だけでいい、他人など不要だった」と負け惜しみのような言葉を吐いて、再び上昇を開始する。
彼が見上げる「限りない大地」、その正体は月であった。
マクシムの推進力はプロペラであり、常識的に考えれば月はおろか、大気圏突破すらできるわけがない。
たまたま手に入れた強大な力に溺れて、自らを神と慢心し
本当に神の能力を持ったルフィに喧嘩を売り負けた男。届くはずのない場所へ行かんとする姿、
だが「そんな常識論など知らん」とばかりに限りない大地への夢に焦がれ果てた目は、皮肉たっぷりの筆致で描かれていた…。
還るんだ“神”の……在るべき場所へ…ゲホ
私の視界を妨げるものなど…この世にあってはならん 邪魔だったんだ…お前ら
ヤハハハ…誰にも渡さん 私にこそ…ふさわしい
ハァ…夢のような果てしない大地…!!!
さァ 行こう“マクシム”
夜に目映く浮かぶ あの神の世界へ…
"限りない大地"へ!!!!
積み重ねた所業は最悪であったが、彼もまたモンブラン・クリケットやルフィと同様未知への夢とロマンを抱き続けて叶えようとした男の1人だったのかもしれない。
……と思いきや、表紙連載「エネルのスペース大作戦」にてなんと本当にたどり着いたことが判明した。
『空島の人々を苦しめ、滅ぼそうとした傲慢な神であるエネル』は完全否定されても、『限りない大地を目指し続ける一人の夢を追う男であるエネル』は作品としても肯定された、とも言えるだろう。
◆エネルのスペース大作戦
宇宙にも空気があったようで普通に「限りない大地」こと月面に到達したエネルだが、早速騒ぎに遭遇。
別の場所に月の遺跡発掘のために
宇宙海賊がきており、「宇宙海賊による月面の爆発に驚いた地上の科学者・ツキミ博士が食べていた餅で窒息死」→「かたき討ちのためスペーシー中尉率いるからくり人形の部隊が出撃」→「宇宙海賊とからくり人形が戦闘するも人形達は敗北」、という状況に乱入。
とりあえず倒れていたスペーシー中尉に電気を浴びせたが、電気のおかげでからくり人形のスペーシー中尉が蘇る。
発掘のために爆発を起こした宇宙海賊に「私のヴァースを傷つけた」とぶち切れて撃破した後、お礼を言ってきたスペーシー中尉と倒れていたからくり人形達に
なんとなく電撃をあびせた。
そして彼らに電撃を浴びせた後、宇宙海賊が掘り当てようとしていた地面の中の遺跡への入り口を見つける。
早速中に入ってみたエネルだが、構造がわからずとりあえず放電攻撃をかましたところ、その電撃がエネルギーとなって都市のシステムが再起動。
これにより、遺跡の都市に眠っていたからくり人形部隊やスペーシー中尉達も充電完了で蘇り、破壊行為で恩人と崇め奉られることになった。
人形たちを連れて遺跡を探索していると、壁画を発見。
それによれば「どうやらエネルの故郷たる空島・ビルカはもともとこの遺跡で栄えた文明であり、資源不足で地球に移住したらしい」という何気にストーリー上重要な事実が判明。
が、元々「還幸」を目指していたエネルは、過去の話には全く興味がなかった。
「限りない大地」と、エネルに忠誠を誓うスペーシーを筆頭とするからくり人形達を従え、古代都市ビルカを拠点にエネル軍団を結成した。
これ以後の動向は不明だが、扉絵連載は後々のストーリーの伏線である場合もあるため、今後の出番を期待する声も。
【余談】
現在は閉鎖されたサイト『ランキングBOX』「名シーンをライヴでモノマネ!?流れ星☆・ちゅうえいがオススメする『ONE PIECE』の“島”BEST3」でインタビューを受けたお笑い芸人のちゅうえいによると、「
尾田栄一郎先生に聞いたところ、エネルの「我はカミナリ(“神なり=雷”)」を描きたいがために空島編を始めたそうで。」とのこと。
最終目標はフェアリーヴァースへの到達であり、実はマクシム完成時点でこの目標には普通に到達できていた。
そもそも空島を滅ぼそうとしているのは「人がいるのは不自然」という完全なるエネルの個人的な好みの話で、そうすることに何かしら発展的な意味合いがあったわけではない。
そのため、「マクシムが完成した時点で素直にフェアリーヴァースに旅立っていれば、(労働者などの犠牲者はいたとはいえ)ルフィ達にも止める理由もなかったのでは?」ともしばしば言われる。
ちなみに、「プロペラ船で月に行けるわけないだろ」と彼の所業を嘲笑った読者は、実はこれは青海で「空島なんてあるわけないだろ」とルフィたちの目標を嘲笑った海賊と全く同じ考えである。
「その言動」「強さ」「顔芸」などの
ネタキャラ感から割と人気があり、第3回、第4回の
人気投票では共に22位にランクインしている。
ゲーム作品にもよく登場するが、格ゲーなどでは割と強キャラ気味で優遇されている反面、空島の立地の関係上RPG作品ではスルーされがち(『ROMANCE DAWN 冒険の夜明け』では、直後のデービーバックファイト編と合わせて
まさかのオールカットというすさまじい冷遇であった)。
過去に
フジテレビのイベントで上映されていた「両さん・悟空・ルフィの球体パニックアドベンチャーリターンズ」では、オリジナル&強化形態の
ハイパーエネルが登場し、ルフィ&悟空と熾烈な戦いを繰り広げた。
SBSによると、長い耳たぶは本当はもち。
またいつもかぶっている水泳キャップのような帽子の下は実は
オバハンのようなパンチパーマである。
スペース大作戦で提示された伏線
月面に到着し新たな軍団を築き上げたエネルだが、この扉絵連載は何気にストーリー上かなり重大な意味を持っている。
と言うのは、「エネルのスペース大作戦」は現状で唯一「惑星外部」を描いた話であり、同時に多くの伏線らしき情報が仕込まれているからである。
ざっと上げても、
- 月面に存在する遺跡と、そこに眠っていたからくり人形たち(月面に文明が存在した=先住民がいた)
- 遺跡があった都市は「ビルカ」であり、資源不足で青の星へ移住したという壁画(空島の人々の先祖は月の先住民)
- からくり人形と同型のスペーシー中尉とその部下たち、彼らを作ったツキミ博士(月の先住民の持つ技術が地上に存在し、ツキミ博士はそれを扱えた)
- スペーシー中尉は走馬灯を見ていた(純然たる機械でありながら魂と意思を宿している)
- 宇宙海賊が月の遺跡を発掘に来ていた(異星人=外星文明が存在する。ちなみにこの宇宙海賊たちはミンク族にそっくり)
- スペーシー中尉達は風船に乗って月に来た。また壁画の「月の人」も風船を持っている(この世界の宇宙は真空ではなく、空が飛べれば到達できる)
- 壁画に描かれたからくり人形たちは別れに涙している。またからくり人形たちは途方もない時間を放置されていたにもかかわらず電力の補給だけで再起動し、自らの意思でエネルに従うことを決めている(スペーシー中尉と同様に魂と自我を持つ)
- 月の先史文明には空飛ぶ船があった=世界政府すらまだ持ち合わせていない「飛行技術」が実用化されていた
など、結構重要な要素がちりばめられている。
空島の人間なので世界政府による懸賞金はついていないが、
- 自分を「神」とし、従わない他人を例え島ごとであろうと容赦なく消し去る危険な思想
- 「ゴロゴロの実」を使いこなす頭脳と戦闘能力
- 空島時点でのゾロ・ルフィとも生身で渡り合える基礎戦闘能力
- 極めて優れた「見聞色の覇気」の使い手
などの要素から、作者
尾田栄一郎曰く「仮に政府への脅威度を示す
懸賞金を付けるとすると最低でも5億ベリー以上はかたいだろう」とのこと(43巻SBS)。
43巻時点で明らかになっている懸賞金額の中では
ドンキホーテ・ドフラミンゴの元3億4000万ベリーが最高。
新世界においても5億ベリークラスは
王下七武海以上かつ
四皇大幹部レベルの海賊にかけられる額であり、いくら危険とは言え「武装色の覇気」を習得していない者としては破格の評価額である。
ルフィでも5億というのはドレスローザ編終了後に政府に判断された金額であるため、その点でもエネルの「危険思想」「それに噛みあった能力の性質」が危険かよく分かるともいえ、彼の脅威度が窺える。
ただし、空島編でのルフィの台詞及び、43巻SBSにて改めて作者から
「青海には彼よりもケタ違いに強い人物がいるため、彼では天下は取れない」
と同時に断言されており、この時点で「
武装色の覇気」の構想があったこともうかがえる。
新世界では、彼より身体能力に優れ、「武装色の覇気」も使える者は勿論、
なども次々と登場しており、空島時点でのエネルではマクシムを使っても天下を取れそうにない。
それでも、その並外れた「射程」「破壊力」「機動力」の全てに対処して正面からエネルに勝てるのは少数であることは間違いないだろう。
また、ろくな外敵もいない空島で暮らしながらこれだけ研鑽し、高精度の「見聞色の覇気」を身に着けているのだから、もし地上に降りたとしたら相応の順応・成長をする余地も少なくないと思われる。
そのことからも作者評価の「5億以上は固い」というのは高すぎず低すぎずの絶妙な評価ともいえる。
このように逆に言えば新世界以降の猛者にも引けを取らない、まさに「出る時期を間違えた」強敵といえ、「天敵」でさえなければ当時のルフィに勝ち目はなかっただろう。
なお、作中では「ゴムゴムの実はエネルの唯一の天敵」とされているが、実際のところ覇気抜きでも絶縁体を操ることができる能力者は何人かいるので、その辺りとかち合っても相性面では分が悪いと思われる。
この時点までに登場した能力者だけで見ても、意外なところではロウは一般的に電気を通さないため、
Mr.3などは単純な能力の相性としては有利だったりする。
大質量の石の塊を操る
ピーカなども間違いなく有利…かと思いきや、空島にはアッパーヤード以外にほとんど土も石もないため、環境的に能力を発揮できないという罠。
一方で自身が砂になる
スナスナであれば
じめんタイプだから完全無効なのかはファンの間で意見が分かれるところ。
何にせよ彼にとって何よりの不幸だったのは、「青海からやってきたグループのリーダーが実力者かつ天敵だったこと」だろう。
漫画『ONE PIECE学園』では、
ペローナの本体を知らないがために、彼女に攻撃が通じないどころかネガティブにされ無力化してしまう一幕がある。
顔芸
10周年記念誌『10th Treasures』での作者
尾田栄一郎と
田中真弓の対談では、真弓氏が悪役についてエネルのずっと強くてカッコよかったこととそれを踏まえた上での顔芸に触れ、作者「あのシーンだけを目指して、クールなエネルを描き続けましたからね」と、エネルのクールな姿は
あの驚き顔を描くためだけの前振りだったと明かしている。
「ああいうのを描いた週は、反応が楽しみでしょうがない」とのこと。
後の
シャーロット・カタクリ登場の際も、尾田氏はSBSにて「完璧なものはつまらないと思っている」と考えを明かした。
作者のこのエネル顔がツボにも入ったのか、その後もしばしばこの顔をするキャラクターが登場している。
特に二人目となった
ペローナは、「無敵だと思っていた能力を思わぬ方法で攻略されて愕然とする」という点で似ている。
追記・修正おね…
(裁きを受け消された立て主に代わって追記・修正お願いします)
最終更新:2024年11月16日 20:33