登録日:2025/02/02 Sun 22:22:22
更新日:2025/02/03 Mon 05:25:25NEW!
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《雪沓の 跡追うひとつ またひとつ》《夙めてはしろ 二人ではしろ》とは
遊戯王OCGのカードである。
……記事名に(遊戯王OCG)ってついてるので疑わないとは思うが、遊戯王OCGのカード名である。いや本当に。
概要
雪沓の 跡追うひとつ またひとつ
雪沓の 跡追うひとつ またひとつ
速攻魔法
(1):「雪沓の 跡追うひとつ またひとつ」以外のカードが墓地へ送られた場合に発動できる。
自分の墓地のカードを5枚まで裏側で除外する。
その後、自分の除外状態の裏側のカードが7枚以上存在する場合、
相手は自身の墓地のカードを5枚まで可能な限り選んで裏側で除外する。
初出はLEGACY OF DESTRUCTION。
イラストは雪の積もった平原の中を姉弟と思われる2人の子供が藁帽子と雪沓を纏った状態で追いかけっ子しているのを兎が見ているという、なんとも微笑ましい光景になっている。
そんな優しい雰囲気の見た目のカードだが、効果については自身の墓地のカードを5枚まで裏側除外しつつ、自身のカードが7枚以上裏側除外されているという条件時に相手の墓地のカードを5枚まで可能な限り裏側除外させると言う、なかなかにクセのある効果になっている。
なお、裏側除外する枚数は「最大5枚」、次に参照する数は「最低7枚以上」、その後の追加処理で裏側除外するカードは「5枚まで可能な限り」と、それぞれに自由度が設定されているため、枚数を厳密に守る必要はなく、カード状況が様々に分かれる事になる。
使用法だが、発動条件が付いているものの「自身以外のカードが墓地へ送られた場合」とかなり緩く、なおかつ墓地に送られるカードが自分のものか相手のものかを問わないため、発動自体はかなり容易。
その上で自分の墓地のカードを裏側除外するわけだが、上述した通り「5枚まで」なので、単に発動するだけならば最低1枚の裏側除外でも問題なく使える。
ただし遊戯王において「墓地は第2の手札」と評される程に墓地のカードの使用率は高く、それらのリソースを安易になくしてしまうと基本的には損に繋がる。
また裏側除外されたカードを再利用する手段は非常に限られている為、除外する際は適用対象にするカードを慎重に選ぶ必要がある。
その後の処理として裏側除外状態のカードが7枚以上ある場合に相手に墓地のカードを5枚まで可能な限り選んで除外させる追加効果を適用することが出来る。
自身の効果で5枚までカードを裏側除外できる為、予め裏側除外しておくカードは実質的には2枚あれば十分という事になる。
条件を満たす為の裏側除外を1枚でこなせるカードとしては、
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):自分のデッキの上からカード10枚を裏側表示で除外して発動できる。
自分はデッキから2枚ドローする。
機巧蛇-叢雲遠呂智
効果モンスター
星8/闇属性/機械族/攻2450/守2450
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):このカードが手札・墓地に存在する場合、自分のデッキの上からカード8枚を裏側表示で除外して発動できる。
このカードを特殊召喚する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
(2):EXデッキからカード3枚を裏側表示で除外し、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを破壊する。
百万喰らいのグラットン
特殊召喚・効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻 ?/守 ?
このカードは通常召喚できない。
自分の手札・フィールド・EXデッキから
カード5枚以上を裏側表示で除外した場合のみ特殊召喚できる。
(1):このカードの攻撃力・守備力は、裏側表示で除外されているカードの数×100アップする。
(2):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、
リリースできず、融合・S・X召喚の素材にもできない。
(3):1ターンに1度、このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動できる。その相手モンスターを裏側表示で除外する。
などがあり、これらを使えば即座に条件を満たせる。
他にも、
通常魔法
(1):自分メインフェイズ1開始時に、自分のEXデッキの裏側のカード3枚か6枚をランダムに裏側で除外して発動できる。
除外したカード3枚につき1枚、自分はドローする。
このカードの発動後、ターン終了時まで自分はカードの効果でドローできない。
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、
このカードを発動するターン、自分はカードの効果でドローできない。
(1):自分のEXデッキのカード3枚か6枚を裏側で除外して発動できる。
除外した数だけ自分のデッキの上からカードをめくり、その中から1枚を選んで手札に加え、残りのカードを好きな順番でデッキの下に戻す。
このカードの発動後、ターン終了時まで相手が受ける全てのダメージは半分になる。
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
(1):手札のモンスター1体を相手に見せる。
種族・属性・レベル・攻撃力・守備力の内1つのみが見せたモンスターと同じとなるモンスター1体をデッキから選んで確認し、手札から見せたモンスターを裏側表示で除外する。
さらに、種族・属性・レベル・攻撃力・守備力の内1つのみが確認したモンスターと同じとなるモンスター1体をデッキから手札に加え、デッキから確認したモンスターを裏側表示で除外する。
も単体では条件を満たせないが、「雪沓の 跡追うひとつ またひとつ」のカードの裏側除外を加算することで所定条件をクリアできる。
追加効果の墓地の除外枚数は「最大5枚を裏側除外して使用困難な状況に追い込む」という強力なものではあるのだが、対象を選ぶのは相手であるため墓地に6枚以上カードがある場合、高確率で残したいカードを残されてしまう。
「5枚まで可能な限り」なので、4枚以下であっても墓地のカード全てを除外することで処理ができて腐る事は無いため、除外枚数を妥協するのであれば相手に選択の余地がない状態で発動するのも1つの手になってくる。
この様に、クセのある裏側除外の処理が重なっているカードだが、採用を検討する場合、自身の墓地のカードを除外することで、
効果モンスター
星3/炎属性/悪魔族/攻 ?/守 ?
(1):このカードの攻撃力・守備力は、自分の除外状態のカードの数×400になる。
の打点上昇に繋げたり、相手の除外も視野に入れる場合は、何を除外するかに関わらず除外枚数を稼ぎ、
D.D.ダイナマイト
通常罠
相手が除外しているカードの数×300ポイントダメージを相手ライフに与える
のバーンダメージの足しにさせるなどの運用が可能である。
あるいは追加効果をおまけとして発動条件が緩い魔法と割り切って魔力カウンターをためるのに使用するなどの使い方をするのもありかもしれない。
ちなみにこのカード、テキストを見ると分かるが「1ターンに1度」などの制約は存在しないため、状況次第では相手の墓地を1ターンに15枚削ると言った芸当も可能。
(尤もそんな状況になっている場合、相手の盤面はほぼ完成状態になっている可能性が高いが…。)
夙めてはしろ 二人ではしろ
夙めてはしろ 二人ではしろ
速攻魔法
(1):自分のフィールド(表側表示)・墓地・除外状態のいずれにも
「夙めてはしろ 二人ではしろ」が存在しない場合、
自分のデッキの上からカード7枚を裏側で除外して発動できる。
相手は自身のデッキの上・EXデッキから合計7枚のカードを裏側で除外しなければならない。
初出はALLIANCE INSIGHT。
「雪沓の 跡追うひとつ またひとつ」からおよそ1年後に出たカードで、イラストにおいて関連性が見られ、元カード側で先行していた女の子の目線から、後を追っている男の子の姿を描いたもので、元のカードではよく分からなかった男の子の楽しそうな笑顔が描かれている。
効果も、自分のデッキを上から7枚裏側除外し、相手にデッキ・EXデッキからカード合計7枚の裏側除外する事を強要させるという、強烈なもので、「裏側除外」という点で元のカードと共通している。
ただしこちらは「雪沓の 跡追うひとつ またひとつ」と違い、それぞれの効果の適用枚数に自由度は設定されていないため、母数が大きい点も含めて融通が利きにくい側面がある。
デッキやEXデッキと言う、「これから使用する予定のあるリソース」に対して除去を強要する効果に対して問答無用で裏側除外を強要することができる為、相手に対する牽制という観点では「雪沓の 跡追うひとつ またひとつ」よりも強く、状況次第では相手にかなりの痛手を与えることができる。
その代わり、発動条件が「フィールド(表側表示)・墓地・除外状態のカードの中に同名カードがない」事が条件であるため、(カード側に発動回数の制限など縛りはないものの)同一チェーンでの複数枚発動は基本的にできず1枚発動すると自身が墓地に送られる関係で2枚目の発動は基本的には出来ない点が少し痛い。
使用法としては単純な妨害としては勿論、「雪沓の 跡追うひとつ またひとつ」と同じ様な除外の枚数を参照するカードの運用が可能で、除外の枚数が固定である分安定して使用できるという面がある。
また、このカードを使う場合自分・相手で合計14枚ものカードが除外されるため、
魂吸収
永続魔法
このカードのコントローラーはカードがゲームから除外される度に、1枚につき500ライフポイント回復する。
を使えばなんと自分のライフを7000も回復できる。
ただライフを回復するだけではあまりメリットにはならないのだが、コストにしたりするなどの別手段を活用する為の準備素材としてこれらを使用したり、自分ライフが危険な場合の延命手段としても使うことができる。
カード名と効果について
さて、ここまでそれぞれのカードの効果・実用性について触れてきた。
しかし、一目見れば感じるところであろうが、このカードの特徴と言えばやはりカード名などフレーバー面のところであろう。
まず、「雪沓の 跡追うひとつ またひとつ」は「雪沓」と言う冬の季語を含んだ俳句になっている。
更にこれは短歌の上の句の部分でもあり、「夙めてはしろ 二人ではしろ」という部分が加わる事で5・7・5・7・7の短歌が出来上がるという、なんとも風流かつ遊び心のあるカード名になっている。
そしてそれぞれのカードの持つ効果も俳句・短歌の文字数の要素にちなんだものになっており、細かく見ていくと、「雪沓の 跡追うひとつ またひとつ」は
①:自分の墓地からカードを5枚まで裏側除外する。
②:その後、裏側除外されている自分のカードが7枚以上ある場合に③の処理を行う。
③:相手は墓地からカードを5枚まで可能な限り選んで裏側除外する。
となり、5・7・5俳句の各句の文字数が現れてくる。
実際は効果それぞれのカード枚数の自由度から字余りや字足らず、極端な場合下の句無しも発生し得るが。
そして「夙めてはしろ 二人ではしろ」も文字数7・7にちなんだ裏側除外の効果になっており、
①:自分のデッキの上からカードを7枚裏側除外して発動する。
②:相手のデッキ・EXデッキからカードを合計7枚裏側除外する。
というものになっており、合計で5・7・5・7・7の短歌の構成になっている。
実際、効果についても「夙めてはしろ 二人ではしろ」で自身のカードを7枚除外する+効果処理後にこのカードが墓地へ送られることで「雪沓の 跡追うひとつ またひとつ」の発動条件+追加効果の適用条件を即座に満たすことができる。下の句の方が上の句より先に処理されるのは秘密。
そして「雪沓の 跡追うひとつ またひとつ」の効果で「夙めてはしろ 二人ではしろ」が墓地から裏側表示で除外されることで、2枚目を発動する為の条件がクリアできるようになる、と言う相互に相性がいい効果になっている。
そのため、これら2枚を使う場合、それぞれの効果を上手く駆使して相手のリソースを削ったり自身にとっての裏側除外によって得られるアドバンテージを色々考えて使用するとよりよい処理が考えられるようになるかもしれない。
余談
- 「雪沓の 跡追うひとつ またひとつ」は中国版では「初晴尋踪去 踏雪妮児復留印 来者沿跡循」となっており、漢字数が日本版と同じ5・7・5の文字数になっているのが分かる。ちなみにこの様な5・7・5の季語入りの漢字の詩を「漢訳俳句」や「漢俳」と呼ぶ。
- 上記カードのアメリカでの名前は「In Papa's Footsteps(=パパの足跡を辿って)」となっており、追いかけっこをしている子供たちが踏みしめている足跡は彼等の父親の通った足跡とされている。もしかすると今後の別のカードで父親が何らかの形で登場する……かもしれない。
修正の 跡追うひとつ またひとつ まとめて追記 二人で追記
- お疲れ様です。……てっきり『デュエル・マスターズ』の近年の水文明呪文カード辺りかと……。 -- 名無しさん (2025-02-02 22:51:16)
- ハイク力が高い -- 名無しさん (2025-02-02 23:02:32)
- MDだとクシャトリラがまだ現役だから一枚差しとくと面白いかもしれん -- 名無しさん (2025-02-03 00:35:45)
- 針虫の巣窟ですら5枚ドロー以上の価値とか言われリミ1なデッキ20枚のリンクスに来れるのか? -- 名無しさん (2025-02-03 01:14:56)
- TCG界に俳句の波が来ている…? -- 名無しさん (2025-02-03 01:47:48)
- そのうち七・五のカードが来て都都逸も完成したりして -- 名無しさん (2025-02-03 05:25:25)
最終更新:2025年02月03日 05:25