登録日:2010/02/05 Fri 21:10:12
更新日:2024/11/26 Tue 17:10:55
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京葉線とは、
JR東日本の鉄道路線の一つである。
ラインカラーは
■赤で、路線記号は
[JE]。
概要
東京駅~蘇我駅の本線に加え、市川塩浜駅~西船橋駅間の高谷支線、西船橋駅~南船橋間の二俣支線という2つの支線を持つ。
元々は川崎から千葉を結ぶ東京外環状の貨物線として計画され、1975年に蘇我~千葉貨物ターミナル間が開業。
その後貨物列車の需要が少なくなったことや、東京ベイエリアの開発計画が開始されたことから、
総武本線のパイパスルートとして旅客化が決定。1986年に西船橋~千葉港間が開業した。
1988年に新木場~西船橋・南船橋間及び千葉港~蘇我間が開業し
武蔵野線との直通運転を開始、1990年に東京~新木場間が開業し晴れて全通となった。
この歴史的経緯から、線路上の正式な本線は西船橋~蘇我であり、東京~南船橋の方が支線である。
沿線には
東京ディズニーリゾートや幕張メッセ、ZOZOマリンスタジアム、フクダ電子アリーナといった娯楽施設が多数あり、特にスポーツプロリーグの本拠地が揃っていることから「KEIYO TEAM6+」なるキャンペーンも行われている。
全通後は前述の通り総武線のバイパスとして、
内房線・
外房線の特急「さざなみ」「わかしお」が京葉線経由に変更された。
京葉線と風の関係
京葉線はほぼすべての区間が海に隣接しているため、風に弱い路線筆頭格。とにかく、首都圏に強風が吹き荒れると遅れ、また止まる。
これは、東京湾からの強い風を遮るものが無いからかもしれない。
特に止まりやすい原因は、新木場~舞浜間に葛西臨海公園を挟む荒川と江戸川の橋梁部分。
河川だからなおのこと遮るものが無く、しかも質悪く陸からも風が吹く時もある。
そのため、2000年代以降は防風柵の設置にが設置されて少しまともになった。
平成25年度の調査で、運転中止時間は55%減(約800分→400分弱)、速度規制時間61%減(約2,500分→約1,000分)になったという。
ちなみに、東京・
千葉県境を通る路線では、
東西線>
総武線>
京葉線≧武蔵野線>
常磐線>>【だいぶ間】>>
京成本線≧北総鉄道
の順に遅れが出やすいが、少なくとも京葉線は風の影響が大きい。
種別・運用
本項では普通列車のみについて記述する。
平日日中は蘇我行きが毎時2本と、海浜幕張行き毎時2本の運転。休日日中は海浜幕張行きのみ。
東京~蘇我間の運転。
本数は平日日中が毎時2本、休日日中が毎時4本。
ただし海浜幕張~蘇我間は各駅に停まる。
平日朝の上りと夜の下りのみ運転。線内の途中停車駅は八丁堀、新木場のみ。かなり早い。
2024年3月のダイヤ改正で廃止を表明し実際に廃止されたが、この廃止表明が後に大変な事態に…。
2013年3月のダイヤ改正以降は全列車が各駅停車となった。
日中は東京発着と南船橋発着が毎時3往復ずつ。
東京~蘇我の全線運転の他、
◇東京~西船橋
◇東京~新習志野
◇東京~海浜幕張
の区間運転や、
◇東京~府中本町の武蔵野線直通
◇海浜幕張~府中本町の武蔵野線直通
◇東京~上総一ノ宮の
外房線直通(日中は快速)
がある。
新習志野~海浜幕張、西船橋~南船橋・新習志野間という終着駅に行かない列車もあるほか、武蔵野線に乗り入れ、西浦和支線経由で
大宮に向かう
むさしの号もある。
朝夕は内房線君津まで直通運転もあり、外房線直通は日中にも登場し、一部の特急わかしおを置き換えた。
朝夕の通勤快速(土休日は快速)は1往復のみ外房線勝浦・東金線成東発着。大網ではなく誉田で増解結をするので注意。
朝の上り1本のみ上総湊始発も。
休日ダイヤにも珍な列車が存在し、武蔵野線の列車で新習志野から西船橋に出庫、そこから西船橋~東京を数往復して入庫するだけという京葉線内で完結する運用が設定されていたりもする。
列車番号が臨時列車扱いで東京駅の時刻表には記載されていないことや、時間帯が夜であることから、どう見てもTDR対策である。
直通先における快速・通勤快速の停車駅は、内房線及び東金線内各駅停車(以前は通過駅もあった)、外房線内は各駅停車(データイム時)と大網~上総一ノ宮の間で快速運転する二種類が存在する。
2024年3月改正では、快速列車に乗客が集中することから混雑緩和策として朝夜の快速廃止を表明したが、これに沿線住民や
千葉県側から猛反発を喰らい、調整の結果朝7時台上り2本の快速のみ残存することとなり、同年9月にはダイヤの修正も行われた。
車両
一般型車両は京葉車両センター(都ケヨ)、特急型車両は幕張車両センター(都マリ)に所属する。
全線で使用される車両は10両編成、
武蔵野線直通は8両編成となる。
現在の車両
京浜東北線のE233系1000番台導入に伴い転属してきた車両。
当初の計画では50両転用される予定だったが、40両に留まっている。
転属直後は京葉線用の10両編成のみだったが、E233系5000番台導入により4本の内3本が8両化の上で
武蔵野線用に転用された。
2019年と2020年に
中央・総武緩行線から8本が武蔵野線に転用され、現在は11編成が就役している。
残る1本は京葉線仕様のまま残っており、E233系に交じって運用されている。
E235系の
山手線導入→E231系500番台の中央・総武緩行線転属という玉突きで中央・総武緩行線から転属してきた。
10両固定と分割併合可能な6+4両の2タイプが導入された。
10両固定は当初公式発表では25編成導入予定だったが、なぜか1編成減らされ209系が1本残ることとなった。
特急(ry
500番台は基本は5両編成だが、2編成併結して10両でも使用される。
波動用の5500番台は臨時列車や代走で使われる場合もある。
過去の車両
かつての通勤列車の雄として全国で活躍していた車両で、京浜東北線・
横浜線から転属してきた10両編成と武蔵野線の8両編成が存在し、10両編成は分割可能だった。
2005年度中に撤退。
中央・総武緩行線のE231系導入に伴い同線から転属してきた車両で、その中には900番台の試作車が含まれていた。
塗装は関東の201系では初のスカイブルーに変更された。
また、他線の増発のために205系が転出した穴埋めに快速線から来た編成は10両貫通だった。
分割併合に対応する数少ない編成だったため長く生き延びたが、2011年6月で引退。
京葉線に当初から使われていた前面が白い「メルヘン顔」と呼ばれる車両と、一般的な205系の顔を持つ他線区から転属したものがある。
2011年7月に10両編成はすべて運転を終了し、
宇都宮線・日光線に転属、または富士急行へ譲渡されている。
武蔵野線用の8両編成は2020年10月に運用が終了し、転属時にVVVF化された5000番台も含めてインドネシアへ譲渡された。
余談だが、過去には新宿→新木場→南船橋で方向転換→西船橋→別所信号場→大宮というルートで
埼京線の205系10両が乗り入れたことがある。
先行量産車として作られた14両編成3ドアの車両。
1編成しか無いのと故障が多いため神出鬼没な車両。通称・ニートレイン
一時期量産化が検討されていたが、E233系の増備により土日の運用すらなくなってしまった。
そして2014年3月25日、長野車両センターへ配給回送が行われた…。
ご存じ房総の顔的特急電車で、正面貫通の0番台と非貫通の1000番台がある。
「わかしお」「さざなみ」が京葉線経由に変わった1991年3月改正から運行を開始した。
房総各線の特急で使用されていたが2005年に特急運用から撤退。
特急「わかしお」「さざなみ」に使用。
9両編成でグリーン車付き。
黄色・白・青の千葉支社カラーを最初に採用した車両である。
老朽化に伴い2024年3月改正で定期運用を終える予定だったが、諸事情で同年6月末まで運用が続いた。
駅一覧
【凡例】
●: 停車
◇: 一部列車のみ停車
|: 通過
駅 番 号 |
駅名 |
京葉線 |
武蔵野線 |
各 駅 停 車 |
快
速 |
通 勤 快 速 |
特
急 |
各 駅 停 車 |
し も う さ 号 |
JE 01 |
東 京 |
● |
● |
● |
● |
● |
|
JE 02 |
八丁堀 |
● |
● |
● |
| |
● |
JE 03 |
越中島 |
● |
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● |
JE 04 |
潮 見 |
● |
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| |
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● |
JE 05 |
新木場 |
● |
● |
● |
| |
● |
JE 06 |
葛西臨海公園 |
● |
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● |
JE 07 |
舞 浜 |
● |
● |
| |
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● |
JE 08 |
新浦安 |
● |
● |
| |
| |
● |
JE 09 |
市川塩浜 |
● |
| |
| |
| |
● |
JM 10 |
西船橋 |
|
● |
JE 10 |
二俣新町 |
● |
| |
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JM 10 |
西船橋 |
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● |
● |
JE 11 |
南船橋 |
● |
● |
| |
| |
● |
● |
JE 12 |
新習志野 |
● |
| |
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● |
● |
JE 13 |
幕張豊砂 |
● |
| |
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● |
● |
JE 14 |
海浜幕張 |
● |
● |
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◇ |
● |
● |
JE 15 |
検見川浜 |
● |
● |
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JE 16 |
稲毛海岸 |
● |
● |
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JE 17 |
千葉みなと |
● |
● |
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‐ |
蘇我 |
● |
● |
● |
● |
各駅解説
23区内のJRの駅の中で最も乗降客が少ない駅。貨物駅とは関係ない。
駅のすぐ近くに東京海洋大学があり、利用客はほとんどここの学生か職員。
駅の下を
都営地下鉄大江戸線が通っている。
東京からここまでは地下が深すぎてまともに
GPSが入らず、
駅メモなどのゲームプレイが困難なことでも知られている。
乗降客が少なく停車時間が短い割には、発車メロディはやたら長い曲が採用されており、ほぼ必ず途中で切られてしまう。とくにメロディが鳴り始める前にスイッチを切られてしまう通称「越中島切り」は時々話題になる。
ここから高架駅。利用者は23区のJR駅の中で5番目に少ない。
運河を挟んで北側に越中島貨物駅が見える。
りんかい線・
東京メトロ有楽町線乗り換え。
駅の蘇我寄りでりんかい線と線路が繋がっている。過去の計画の名残りで、京葉線蘇我方とりんかい線がほぼ直線で、京葉線東京方が大きくカーブする構造となっている。ただし運賃計算の都合もあってか、両線を直通する列車は無い。
コミケの日は乗り換えの人混みでカオスになる駅だが、1番線のキューラインがドアを挟んで右を蘇我方面で2列、左を西船橋方面で3列と、普段からの西船橋方面の需要の高さを物語っている。
通過列車を待避する事が出来る。
ドーム形の入口が有名な葛西臨海水族館がある。
でかい観覧車もあるよ。
ここまでが
東京都区内。
舞浜リゾートライン・ディズニーリゾートライン線乗り換え。
みんな大好き
東京ディズニーリゾートの玄関口。
日本のディズニーパークを運営するオリエンタルランド社とは、駅名(ディズニーランド前にしようとした)・駅員の制服等色々と揉めた。
駅の発車メロディーは通常であれば東京方面が『レット・イット・ゴー〜ありのままで』、蘇我方面が『輝く未来』の一節(いずれも2024年6月〜)だが、周年イベントの期間中はそのイベントのテーマソングが使用される。
ただし若干長いせいか、駅員さんが途中でメロディを止めることも少なくない他、イベント期間も結構長めなので通常メロディが聞ける機会は近年減っている。
バルドラール浦安とブリオベッカ浦安がアリーナにしている浦安市運動公園の最寄り駅でもある。
2022年2月に混雑緩和を目的としてホームが約15両分まで延伸され、上下線で位置をずらして停車するようになった。
東京メトロ東西線浦安駅が「古くからの浦安」の中心なら、こちらは「ニュータウン浦安」の中心駅。
島式ホーム2面4線で、一部列車が待避する。
強風で不通になった時にマスコミがよく来る駅。
蘇我寄りには、保線車両留置用の引き上げ線が存在する。
高谷支線が分岐。周辺は倉庫街の他に、鳥獣保護区を有する行徳近郊緑地や宮内庁新浜鴨場がある。
飲食店がほぼないため時間潰しには向かない。
本線・高谷支線・二俣支線のデルタ線の中にある。
快速も武蔵野線方面の列車も止まらないほぼ唯一の駅。ちなみに二俣支線は駅スレスレを曲がっていくため、間違えて乗った時の絶望感は計り知れない。
乗車人員は京葉線で最小。周辺は倉庫・工場しか見当たらない。市川塩浜同様飲食店もない。
中央・総武緩行線、東京メトロ東西線、
東葉高速鉄道線乗り換え。
島式ホーム2面4線で、片側が京葉線用の10両編成に対応している。
京葉線の駅ではあるが、旅客案内上の混乱を避けるためか駅番号は武蔵野線の番号のみ設定されている。
2面4線だが、内側の2番線及び3番線は蘇我方面には出られない。
日中の東京へ行かない武蔵野線方面の列車はここで折り返す。
ららぽーとTokyo-Bay最寄り駅。
3面4線の特殊な構造の駅、通過列車待ちをする事が出来る。
京葉車両センターや保線基地への分岐線がある。
オービックシーガルズがアリーナにしているオービック習志野グラウンドの最寄り駅。
2023年3月18日のダイヤ改正と同時に開業した駅で、
千葉県のJR駅としては武蔵野線東松戸以来となる新駅。
路線構造の都合から、下りホームが地上、上りホームが高架という特殊な構造となっている。
周囲にはイオンモール幕張新都心やコストコなど大型商業施設が存在し、イオンが事業費の半分を負担する形で開業した。
現在は暫定開業の扱いで、全面開業は2027年を予定している。
幕張メッセ・千葉マリンスタジアムなど、幕張新都心の最寄駅。
幕張駅や幕張本郷駅ではないので注意。
発車メロディーは全てのホームでマリンスタジアムを本拠地とする
千葉ロッテマリーンズの球団歌「We Love Marines」が流れる。
2面4線で通過列車待ちをする事が出来る。
東京~蘇我間の途中駅で唯一、特急が停車する駅でもある。
幕張メッセでイベントがあると駅が地獄と化すのは東京で就活をやったら一度は味わう風物詩となっている。
千葉市美浜区役所最寄り駅。
かつては駅前に関東では数少ないイズミヤが出店していた。
稲毛海浜公園最寄り駅。
巡視船こじま(海防艦志賀)を転用した千葉市海洋公民館や鳳号の復元機などが展示された稲毛民間航空記念館の最寄り駅でもあったが、両方とも閉館している。
貨物列車や回送列車の待避に用いられる。
千葉都市モノレール線乗り換え。
1992年までは「千葉港」という駅名だった。
京葉線における千葉駅方面への玄関口。また千葉市の行政の中心は当駅周辺である。
開業時の終着駅だった名残からか、東京の電車特定区間は当駅まで。企画乗車券の中にも当駅が境界のものもある。
2番線は通過待避と輸送異常時に蘇我駅の5番線ホーム(ピンポイントの理由は後述)が詰まった時に特急含む直通電車が使用。
外房線・
内房線乗り換え。京葉線唯一の地上駅。
フクダ電子アリーナの最寄り駅。
その為、発車メロディーは
ジェフユナイテッド市原・千葉の応援歌。
特急と直通電車は2・5番線から発車。1・6番線は配線の関係で出入り出来ない。
この為、何らかの事情で5番線が千葉からの列車で埋まってると、直通列車は
立ち往生確定なので手空き気味の千葉みなと駅2番線に待避しなければならない。
255系・E257系の幕張車両センターの出入庫時は、1番線より更に貨物駅寄りの線路で折り返す。
蘇我駅手前にある貨物線と旅客線の分岐から行き来する。
出口へ続く階段・エスカレーター・エレベーターは京葉線でいうところの9・10号車付近のみ。それより前方は乗換専用で改札はない。
駅番号が設定されていないが、これは同駅のみ電車特定区間外のため。
余談
◇京葉線のラインカラーの正式名称は赤14号といい、当初は四国の電車である121系の帯として採用された。
その後
JR四国発足に際し水色に塗り替えられ消滅したが京葉線で復活した経緯がある。
なお103系でもこの色への塗り替えが検討され、廃車体で実験も行ったがさすがに却下となった。
◇羽田空港アクセス線の臨海部ルートが開業した暁には、りんかい線経由で直通運転が実施される計画となっている。
追記・修正はディズニーとメッセ大好きな人がお願いします。
- 風対策されてからの最大の遅延原因は外・内房線のトラブルによる「わかしお」と「さざなみ」の遅れだよなあ -- 名無しさん (2016-04-10 12:17:18)
- 地震で緊急停止した場合、最悪海の真上で止まる -- 名無しさん (2016-04-30 10:04:59)
- 二又新町だけ三角の真ん中に取り残された哀れな駅。しかも武蔵野線はそこをスレスレに通過していく -- 名無しさん (2019-09-15 11:03:36)
- 新港信号場はかつて千葉貨物ターミナル駅(千葉貨物駅とは別)へと繋がる場所だった。民営化時のゴタゴタがなければそっちが千葉の貨物駅になっていたはずだったのだが…。 -- 名無しさん (2020-08-12 23:45:28)
- 現在は市川塩浜駅前に飲食店が無くはない。ホテル内の小さな食堂なので時間潰しできるかと言えば微妙。 -- 名無しさん (2022-03-24 19:34:29)
最終更新:2024年11月26日 17:10