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トロピウス

登録日:2012/03/19 Mon 20:31:21
更新日:2024/10/27 Sun 11:29:24
所要時間:約 10 分で読めます





トロピウスとは、『ポケットモンスター』シリーズのポケモンの一種である。

《概要》


首のフサは甘くて子どもに大人気。果物が大好物で食べ続けていたら首に果物ができるようになったらしい。

全国図鑑No.357
ホウエン図鑑No.150
分類:フルーツポケモン
英語名:Tropius
身長:2.0m
体重:100.0kg

タイプ:くさ/ひこう
タマゴグループ:かいじゅう/しょくぶつ
性別比率:♂50♀50

特性:ようりょくそ(晴れの時に素早さが2倍)
  /サンパワー(晴れの時に毎ターンHPが1/8減る代わりに特攻が1.5倍)
隠れ特性:しゅうかく(ターン終了時に1/2の確率で消費したきのみ復活。晴れの時は必ず成功)

HP:99
攻撃:68
防御:83
特攻:72
特防:87
素早さ:51
合計:460

努力値:HP+2


ルビー・サファイア』で登場した、ヤシの木のような特徴をもった竜脚類のようなポケモン。

熱帯の地域に生息し甘い果実が大好物。
バナナのような実のフサが首に生えており、1年に二回実を付ける。
果実が好き過ぎる結果自分の首にも果実を付けるようになったとか。この実は非常に甘くて美味で南国では子供達のおやつとなっているらしい。
背中の葉っぱにより高い飛行能力も有している。

しょこたんのトロピウスが配信されたことがある。
ポケモン史上、初めてプレシャスボールに入ったのがこのトロピウスである。
BDSPではこれが逆輸入され、エリートトレーナーのショウコが繰り出すトロピウスがプレシャスボール入りになっている。

ちなみにスカイバトルの影響で、第6世代以降翼をピンと伸ばして浮遊すると言うとんでもないデフォルトモーションがあてがわれた。
が、第9世代ではその辺りは変更されて地上でどっしりと構える状態がデフォルトに変更された。
なお、フィールドでは空を飛ぶ姿を見る事もできる。ちゃんとあの葉っぱの翼をバタバタさせている納得のものになっている。あと妙に速い

《対戦におけるトロピウス》


恐竜っぽい見た目はかなり強そうだが、実際の種族値は耐久寄りで攻撃面の数値は控えめ。
特性は3つとも晴れの時に活きるものが揃っている。

タイプは登場当時は珍しかった草・飛行の複合なのだが(他はワタッコ系統のみ)、弱点が5つと多く、特に4倍が痛い。
対戦環境で比較的メジャーなタイプのドラゴンと言ったタイプのポケモン達は、サブウェポンと言った技を入れている事が多い。
特に第三~第五世代の水ポケモンは、相性補完に優れ威力がそこそこ高く1割の確率で相手をこおり状態にできる「れいとうビーム」を猫も杓子も入れていた時代。しかも「めざめるパワー」の全盛期で、ゴウカザルドレディアサンダースといったポケモンからも挨拶のようにこおりタイプの技が飛んでくる。
ボーマンダガブリアスグライオンなどへの対策のついでで処理される上、種族値も突出した部分がないため、この時期のトロピウスははっきり言ってめちゃ不遇

同タイプのワタッコはというと、エルフーンが登場する以前はエルフーン系のいやらしいポケモンとして認知されていた。
ワタッコの運用は「れいとうビームを打たれるのなら、その前にねむりごなやみがわりで動きを止めてしまえばいい」「サポート特化にしておくことで役割を確実に遂行させる」という形になる。
しかしトロピウスは素早さが低く、粉技も優秀なサポート技もない。そのためれいとうビームに弱いという点がワタッコ以上に致命的になってしまうのだ。しかもステルスロックにも弱いので微妙にサイクルを回しにくい。
かと言って防御を捨てて自身のスピードの遅さを逆手にとって晴れトリパサンパワー型にしようにも、今度は素の攻撃性能の低さが足を引っ張る。
その用途であれば特攻の高いキマワリの方にまずお呼びがかかるため、サポート型としてもアタッカーとしてもトロピウスの立場は厳しかった。

ユキノオーの様にタイプ自体が不遇でもメジャーな特定のタイプに圧倒的に有利が付くなら話は別だろうが、草・飛行のトロピウスはなかなかそうはいかない。
一応、相手が草タイプであれば飛行技で弱点を付けるため、「同タイプの対決に強い」という個性はあるにはあるが、
肝心の飛行技が「そらをとぶ」や「エアスラッシュ」どまりであるため、明確な強みにはなりにくかった。
比較的高めの耐久値を活かして耐久型に仕上げようにも、耐久寄りの草としてはジャローダナットレイフシギバナなどのライバルに数値でも技でも見劣りしてしまう。

要するに、攻撃・防御・スピード全てにおいて中途半端と言わざるを得なかった。
このような状態を指す言葉に「器用貧乏」という言葉があるが、トロピウスの場合は対戦面では器用とも言い切れず、
さながら超大国の駆け引きで煽りを食う小国のような、なんとも微妙なポケモンだったのである。
似たようなポジションのポケモンには他にもドダイトスなどがおり、当時はサブウェポンの氷で詰むことが重く見られてしまい、プレイヤーの間での評価は低かった。

一応「ギフトパス」や「グラスミキサー」等珍しい技を筆頭に技は沢山覚えられる長所はあるのだが、タイプや種族値が不遇な為に結局選択肢はある程度普通の晴れパな草タイプに落ち着いてしまうのがトロピウスの悲しいところである。


しかし、世代が進むごとに強化もされている。

プラチナで「げきりん」、HGSSで「おいかぜ」と遺伝で「りゅうのまい」を習得した。
第五世代では、「タネマシンガン」「せいちょう」「ギガドレイン」の強化、「タネばくだん」の習得、さらに隠れ特性として「しゅうかく」を手に入れた。
特に「しゅうかく」を使った型は優秀で、ひでり・マヒなどのサポートから交代すれば「みがわり」→「しゅうかく」によって常時復活する「オボンのみ」と中々便利な受けループが可能になり、実戦レベルの強化を受けた。
また、サブウェポンとして「しぜんのめぐみ」を使う際の補助にもなる。
第六世代では、「エナジーボール」の強化に加え、遺伝の仕様変更によって、「りゅうのまい」と「リーフブレード」の同時遺伝が可能になり、収穫に頼らなくてもある程度は戦えるようになった。めざパの弱体化もおいしい。
第七世代では、ナッシー(アローラのすがた)の専用技だった「ドラゴンハンマー」をUSUMで獲得した。

そして第九世代では、「とんぼがえり」や「ボディプレス」といった新技を引っ提げて復活。
テラスタル環境にがっちりとハマり、好事家の間で「そこそこのやり手」として認知されるようになる。
第六世代以降はフェアリータイプの登場などにより、「サブウェポンにとりあえずれいとうビーム」という風潮が次第に落ち着いてきた。
トロピウスが登場できなかった第八世代では、めざめるパワーが事実上廃止され、第九世代のテラスタル環境では環境上位に存在するドラゴンタイプがタイプを変更して戦うようになるため、氷タイプの技の通りが悪いことが増えてきたのだ。
つまり天敵だったれいとうビームとの遭遇頻度が激減した。しかもトロピウス自身がテラスタルを使えるため、この絶望的なタイプ耐性を変更することで相手の弱点技をすかすことができる。
そしてそもそも努力値の振り方を工夫すると、役割破壊の「だいもんじ」程度ならあっさり耐える。
こうなれば草タイプ特有のいやらしい技の数々でそれなりの耐久面を補えるようになるため、あとは仮想敵をしっかり見据えて育成すれば、往時の耐久型ポケモンみたくいやらしい戦い方ができるようになる。

環境の流れがようやく追い風になり、本項目の序盤に書かれているような不遇ポケモンというイメージを逆手にとって、動画配信者が「トロピウスを使いこなす!」という動画を作ることも。
主戦場はダブルバトルだが、シングルでもうまく工夫すると環境上位のポケモンを詰ませるくらいのことはできる。初登場から約20年、本作でようやく活躍できるようになった、本当に遅咲きのポケモンだった。


《ストーリーでは》


不遇な時期の多い対戦環境とはうって変わり、ストーリー中では秘伝要員・移動要員として活躍できる。
特に第三世代は外見とは裏腹に「そらをとぶ」を覚えることが認知されると、秘伝要員として抜擢するプレイヤーが増え、特にヒワマキシティ左右の入り組んだ地形の先にある秘密基地探しの際に役に立ったものである。

覚える技は「そらをとぶ」を筆頭に飛行タイプらしさを全面に押し出した形で、「きりばらい」や「ロッククライム」と言ったやや限定的な秘伝技から「かいりき」の様なシリーズの伝統的な秘伝技まで、なかなか器用に覚えてくれる。
「あまいかおり」の様な秘伝技以外のフィールド技も使えるので、秘伝技以外もなかなか面白い。

第五世代では秘伝要員の重要性が下がった煽りか、だいぶ秘伝技を没収されてしまい、「かいりき」「いあいぎり」「そらをとぶ」の3つしか覚えられなくなってしまった。(「いわくだき」は覚えるものの秘伝技から除外)
……とはいえ、この3つを同時に覚えるポケモンは少なく、そこに「フラッシュ」を加えれば、技スペは4つともフィールドで使える技で埋まる。
なんだかんだで移動要員として優秀である。

XYでは、
と群れバトルに有用なこれらの技を同時に覚える。
つまりこいつ一匹が居れば群れバトルで努力値を効率的に稼ぐことが出来るのだ(地震が効かない相手用には技を調整する必要はあるが)。
「あまいミツ」や「シルバースプレー」等のアイテムで「あまいかおり」の代用は出来るが、XYは洋服代等やたらと浪費してしまいやすいので、節約できるトロピウスは育成要員としても有能である。

見た目と上記の図鑑設定の割に、アローラ地方には生息していなかった。
USUMでは、ピッタリのナッシーアイランドに野生で出現するようになった。

第八世代では不参戦であるが、ガラル地方ではカレーの食材として彼らのフサのと思わしき「フサパック」が登場している。
また、パルデア地方ではサンドウィッチの素材として引き続き輪切りのバナナが登場しているが、これは彼のものかは不明である。

ポケスペでは》


サファイアの手持ちの1体。名前はとろろ。
ホエルオーのえるると同じくオダマキ博士のポケモンで放し飼いにされていた。何故フエンタウン近辺にいたかは謎。マジカルリーフが使える。
また、首のバナナはサファイアとアスナ温泉に入る際にもぎ取られた。まあ、再生するのだろうが。

ルビーとサファイアの二人分の手持ちを合わせて唯一の飛行要因なので、最終決戦ではサファイアの手持ちの中でもかなり活躍した。


《挑戦!!バトルフロンティアでは》


知る人とぞ知る伊原しげかつ原作の漫画。その主人公・エンタの手持ちの一体でやはり首のバナナをもがれた。しかも、何度も焼きバナナとして食われている。


《アニメでは》


サトシジュプトルメガニウムを巡って恋のバトルを展開。
一度はジュプトルを倒すもリベンジを果たされ負けてしまうのだが、彼女を射止めることには成功(というか元から相思相愛だった)。
ジュプトルはロケット団から二匹を守るため失恋をバネにジュカインに進化。兄貴漢前過ぎる。
…と思いきや、ジュカインは失恋のショックで技が出せなくなってしまうという予想外の事態に。
結局トロピウスとメガニウムの合体攻撃でロケット団は撃退され、2匹はますます仲を深めることとなった。
その後ジュカインはスランプを克服するため大きな試練に立ち向かうことになるのだが、それはまた別のお話。

映画でも登場しており、AGの『ミュウと波導の勇者ルカリオ』の序盤の大会でゲストキャラの手持ちのマニューラの大戦相手として登場。
ソーラービームをぶっ放したが難なく避けられ叩き伏せられた。

《ポケダンでは》


探検隊』では毎度お馴染みの救済組。

普段は地味な存在だが、日差しが強い状況下では状況が一変。
葉緑素&サンパワーのW特性発動によりおぞましいパワーアップを遂げて襲いかかってくる。

自らにほんばれを発動してセルフ太陽神と化すキマワリと違い、こいつ自身はにほんばれを使えない。
…使えないのだが






ドータクン「やぁ。」

↑大抵の場合、時闇最悪の疫病神と名高いコイツが一緒に出てきて日差しを強くするため、結局は同じことである。


《Pokemon GOでは》


アフリカ限定出現なので、通常日本では入手できない。
過去のイベントで横須賀に出現したことはあるのだが、一部地域限定の抽選イベントだったのでやはり日本での所有者はごく限られる。

本編シリーズでは先述のように不遇なポケモンだが、こちらではスーパーリーグにおける強ポケの一角として知られる。

攻守ともにバランスのいい恵まれた種族値もさることながら、
「はっぱカッター」と「リーフブレード」のコンボによりくさタイプ最高峰クラスの攻撃性能を持ち、
スーパーリーグで猛威を振るうマリルリナマズンあたりも比較的安定して狩れる(とはいえ「れいとうビーム」や「ふぶき」には要注意だが)。
また、「つばめがえし」もあるため同属のくさタイプにも強く出られる。

ただしCPは最大でも2000前後にしかならないので、スーパーリーグ以外での活躍はあまり見込めない。見た目の割に控えめなのは相変わらず。



追記・修正はトロピウスのバナナを食べてからお願いします

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最終更新:2024年10月27日 11:29