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ナットレイ

登録日:2010/10/02 Sat 21:07:41
更新日:2024/11/16 Sat 18:17:01
所要時間:約 10 分で読めます





3本のトゲつき触手を振り回して戦う。鋼のトゲはたたきつけると大岩を粉砕する破壊力だ。


ナットレイとはポケットモンスターシリーズに『ブラック・ホワイト』から登場するポケモン


■データ


全国図鑑No.598
分類:とげだまポケモン
英語名:Ferrothorn
高さ:1.0m
重さ:110.0kg
タマゴグループ:植物/鉱物
性別比率:♂50♀50

タイプ:くさはがね
特性:てつのとげ(接触技を受けると相手にHP1/8のダメージ)
隠れ特性: きけんよち(相手が一撃必殺技や自分の弱点となる技を覚えているかどうか分かる)

HP:74
攻撃:94
防御:131
特攻:54
特防:116
素早さ:20
合計:489

努力値:防御+2

4倍:ほのお
2倍:かくとう
1/2:ノーマルみずでんきエスパーいわドラゴン/はがね/フェアリー
1/4:くさ
無効:どく

テッシードがレベル40で進化する。

■テッシード


全国図鑑No.597
分類:とげのみポケモン
英語名:Ferroseed
高さ:0.6m
重さ:18.8kg

タイプ:くさ/はがね

■概要


無数のトゲが付いた円盤状の体を持ったポケモンで、上部に先端が鉄の爪になった触手が三本生えている。

その触手は強力な武器となっており、巨大な岩を軽々と砕くほどの威力を持つほか、鉱物から鉄分などの栄養を吸収する性質も持っており捕食器官としての役割を持つ。
また天井に捕まり、獲物を待ち伏せする時にも使用される。


■ゲームでのナットレイ


進化前のテッシードは「電気石の洞穴」に登場。
ここでしか出現しないが、初見でタイプが分かりにくいうえなかなか堅く、クルクル高速で回るアニメーションもあり印象に残っている人は多いだろう。
一応植物のポケモンなのだが、『剣盾』まで薄暗い洞窟に生息しており屋外には出現していなかった。前述通り栄養を鉱物から摂っているため光合成をしなくとも十分に活動できるのだろうか?

一方でナットレイそのものは野生で一切登場せず、使用するトレーナーもいないためシナリオ的にはかなり地味な存在。
進化レベルも高めのため、しばらくしてからコイツの存在に気付くことが多い。
BW2では使うトレーナーが登場した。

XYではテッシードが「かがやきのどうくつ」に出現。
後半エリアにランダムで登場する「黒い影」に乗ると天井から降ってくる形で襲ってくるシンボルエンカウント。
ちなみに大部分はコロモリであり、テッシードはややレアポケ。

オメガルビー・アルファサファイア』ではバトルリゾートの浜辺にいる女性が日替わりながらも使用。
初めてまともな使用トレーナーに恵まれた。

そして第八世代の『ソード・シールド』ではストーリー最終盤ではがねタイプ使いであるローズが使用。
技構成は、ジャイロボール/パワーウィップ/ボディプレスのろい 
という普通に対人戦でも通用するガチ構成となっている。


色違いは緑色の部分が青色に。より植物感が薄れたような…


■対戦でのナットレイ


高い防御・特防を誇り、攻撃もそこそこな耐久型の能力を持つ。
一方で不要な特攻は最小限、素早さに至っては無いに等しいレベルの超鈍足。

くさ/はがねという初めてのタイプの組み合わせを持ち、ルンパッパユキノオーに続くこおりが等倍のくさタイプである。
こおりが等倍であるくさタイプの耐性の優秀さは既にユキノオーが証明しており、同様に特殊のみずタイプやでんきタイプに役割を持ちやすい。
またはがねタイプ複合なためそれ以外の耐性面もかなり優秀で、なんと10個もの半減タイプを持ち止められるポケモンはかなり多い。
どくどく」や「やどりぎのタネ」無効と対エルフーンに強いのも評価出来る。
ちなみに、この複合タイプは第7世代でカミツルギが参戦するまでは唯一無二だった。

技も割と優秀で高威力くさ技の「パワーウィップ」や鈍足な素早さを逆手に取った「ジャイロボール」
一致技との相性補完になり、相手の素早さを下げる「じならし」
くさタイプ定番の「やどりぎのタネ」
優秀な状態異常技や一致技の存在からじめんタイプを呼びにくいため使いやすい「でんじは」
ジャイロと相性が良い積み技「のろい」
優秀な撒き技「ステルスロック」等々。

サポートからアタッカーまで割と何でもそれなりにこなしてくれる。
特性『てつのとげ』も地味に痛い。
新アイテム『ゴツゴツメット』を持った状態で接触技を受ければHPを1/4も削ることができ、連続技殺しにもなる。
特にチラチーノにとっては天敵と言える存在。
弱点が少なく耐性が多いことから相手が引かざるを得ないことも多く、その隙を狙って上述の補助技も撒ける。
耐久ポケモンのお供『食べ残し』ももちろん好相性で、宿り木食べ残しの耐久回復スタイルの前には半端な火力の相手ポケモンは簡単に止まってしまう。
相手の構成によっては3タテもあり得る。


まさに要注意耐久ポケの代表格である。


しかし耐性はメジャーだが弱点もほのお・かくとうと割とメジャーなタイプであるため過信は禁物。
特にほのおは4倍なため繰り出す相手を間違えると消し炭にされる。
第五世代以降ほのおタイプに強力な者が多いうえ、対ほのおタイプ用の「じしん」や「ストーンエッジ」を覚えてくれないのも厳しいところ。
一応じならしはあるが、トリックルームか交換読みでなければとてもではないが先制できないため、焼かれて終わりである。

第五世代当時は増えたむし・はがねタイプ、無論コイツも含めた対策として、役割破壊に「だいもんじ」を入れる傾向が強まった。
火を吹くギャラドスや「めざめるパワー(炎)」を覚えたスターミー等も確認されておりメタゲーム次第ではかなり動き辛いポケモンになってしまったり…。


事実ナットレイの登場以後多くのポケモンがメタとして「めざパ炎」を搭載し始めたおかげで、第五世代終盤のナットレイの使用率は初期と比べるとかなり落ち着いた。
というか通常のPTではほとんど見なくなった。

しかし今度は、最大の弱点であるほのおを半減してくれる雨パでの活躍が見込まれるようになった。
雨パのナットレイの要塞っぷりは酷いの一言。
また、耐性のおかげでナットレイ自身も雨パキラーだったりする。
ナットレイメタのために今度は「めざパ炎」ではなく「ばかぢから」が流行ったとかなんとか。




第六世代(XY)では環境が大きく変化。

まずはがねタイプの耐性が見直され、ゴーストタイプあくタイプが等倍に。
さらに特性による天候変化が5ターン固定となり、天候パーティ全体が弱体化。
雨パもめっきり数を減らし、雨パメンバーとしても雨パキラーとしてもお呼びがかかりづらくなってしまった。


しかしその一方で追い風となる仕様変更も。
  • くさタイプに「キノコのほうし」「ねむりごな」などの粉技、胞子技への耐性が追加。
  • 一部の特殊技の威力が下方修正され、役割破壊としての「だいもんじ」の採用率が低下。
  • 「めざめるパワー」の威力が60に固定。
  • はがねタイプが新タイプ・フェアリータイプに耐性を獲得、さらにはがねがフェアリーの弱点に。
…等々。特にめざパや特殊の大技の下方修正は耐久力に優れるナットレイとしては大きいところである。
役割破壊程度の「だいもんじ」では落ちないケースが増えた。
単独で活躍しやすくなったと言えるかもしれない。

さすがに物理型だと思って受けに行ったら特殊型だった相手が「だいもんじ」を打ってきたというパターンまでは対応できない。
素の種族値でCよりAが高いとしても、ガッツリCに努力値を振った相手の4倍弱点をH振りだけで絶えるのは無理ゲー。
決して万能ではないところが絶妙なバランス調整であり、そこをどうカバーするかがトレーナーの腕の見せ所と言える。

また、サブウェポンの一つ「はたきおとす」が強化された。
特にタイプ一致技や「じならし」に耐性を持つファイアローボルトロスエアームド等への有効打となる。
上述の通り交代読みで撃てる補助技には不自由しないが、こちらは「ちょうはつ」で縛られないのも嬉しい。

さらに第六世代では隠れ特性で「きけんよち」追加。
弱点が少ないことに加え、第六世代から「めざパ炎」などにも反応するため、奇襲による一撃死を避けやすくなった。
接触技をけん制しにくくなるが、相手に引くか引かないかの読み合いを迫れる上、特性が発動しなければ相手は接触技を躊躇うので、決して死に特性ではないだろう。

ただ、テッシードの時点では隠れ特性個体も通常特性と同じ「てつのトゲ」である上、
進化レベルが40と高いため厳選難易度が高く、面倒なので使わない人が圧倒的多数。
通常特性でも十分使えるので、わざわざ隠れ特性を選ぶ意味がないのだ。
進化しないと隠れ特性かどうか判別できないため、フレンドサファリやGTS産のテッシードを親にして厳選するのは結構危ないことだったりする。
そこらへんの洞窟で捕まえた低個体値の個体から厳選するのが無難。
サファリ産やGTS産の高個体値を使いたい場合、特性の遺伝が関係しない♂個体のみ使い、♀は自分で通常特性確定の個体を用意しよう。

メガガルーラ対策にゴツメナットレイが使われることも多い。
「ねこだまし」を仕掛けてきたタイミングで交代できれば、こちらは殆どノーダメージで相手のHPを半分以上削れる。
無論、非接触技「ひみつのちから」「じしん」で削られたり、役割破壊の「だいもんじ」に焼かれるリスクはあるが。


第七世代(SM)ではカプ・テテフなどの強力な特殊アタッカーの存在もあり、特殊受けも増えている。
まひの素早さダウン効果が大幅弱体化、「でんじは」の命中率が90にダウンとなった為、S調整しても抜ける相手が少なくなり、「でんじは」も外す可能性が増えたのでS調整する意味がなくなった。
先制技の無効化特性、『はやてのつばさ』等の先制できる特性が弱体化などで対戦環境は純粋な素早さ勝負になっており、『こだわりスカーフ』所持が多くなったので「ジャイロボール」の最高威力が出しやすくなった。
実際に対戦で採用されている性格はS下降のが上位を占めている。
そして特殊受けになったので「めざパ炎」を察知できる『きけんよち』が使いやすく…なったとは言えず、厳選の煩わしさもあって相変わらずマイナー。
仕方ないね。


第八世代(剣盾)では新たに防御ステータスを参照して攻撃を行う技、「ボディプレス」を習得。
厄介な「めざめるパワー」がなくなり、「どくどく」のわざマシン廃止と引き換えにタマゴ技で覚えられるようになったため、追い風が吹いている。

新要素であるダイマックスとの相性はそれなり。
Zワザと違って補助技が全て防御技の「ダイウォール」になるため、補助や受けがメインのナットレイには使いにくい。
一方でアタッカー型であれば確定数をずらせるグラスフィールドを張れる「ダイソウゲン」、防御を上げてさらに居座りやすくする「ダイスチル」とダイマックス技が噛み合っており相性はかなり良かったりする。

お得意様のフェアリータイプの多くが「めざ炎」よりも威力の高い「マジカルフレイム」を覚えられるようになったことや、
ダイマックス技として打たれればまず耐えられないことから相手もそれなりに強化されている。
ナットレイ有利な状況ではあるが、油断はできない。

これにより『きけんよち』の需要は上がるどころか下がり、厳選の煩わしさもあってやはり誰も使わない。
きけんよちという特性自体は決して悪いものではないが、通常特性の使い勝手が良すぎた。


隠れ特性の「きけんよち」は死に特性ではないにもかかわらず世代を超えてなお使用率が極めて低いが、これは補助技を多用して粘りながらダメージソースを稼ぐ耐久型との相性が悪いためである。
相手が無理矢理殴って突破しに来る場合、「てつのトゲ」でダメージを与えられたほうが有利であり、相手が弱点となる技を持っているかどうかはあまり関係がない。
例え弱点を突かれてもスリップダメージを与えられれば儲け物なのだ。
補助技を使わず初手から全力でブン殴るアタッカー型であれば有利な相手を一方的に判断できるため「きけんよち」を活かしやすくなる。


ちなみに、旧GSルールのような禁止伝説級解禁の環境には非常によく刺さる。
禁止伝説級ではカイオーガを初め、各種伝説龍やミュウツーに有利であり、苦手な相手はホウオウレシラムゲンシグラードンくらいである。
また、他の伝説メタで使われるであろうバンギラスウォッシュロトム、ルンパッパ、ユキノオーに強いのもポイント。
大抵の伝説はほのおに強いのでほのお弱点はパーティーでカバーしやすい。

今までは大会限定に近かった禁止伝説解禁戦だが、剣盾ではシーズンによってはランクバトルでも禁止伝説が解禁された
第八世代で追加された禁止伝説級はどれもナットレイでは相手にしにくいが、トップメタのザシアンを受けられるヌオーに対して強く出れる上に一般ポケモンの中でカイオーガを見れる数少ないポケモンというアイデンティティは健在なので相変わらずよく見かけるポケモンである。


余談だが、何故か第八世代になるまで「メロメロ」を覚えられなかったポケモンだったりする。性別不明なのに「メロメロ」を覚えるポケモンもいたため、当初は性別不明にするつもりだったのだろうか。




追記・修正はナットレイを殴りつけてからお願いします。
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最終更新:2024年11月16日 18:17

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