3月のウェブマーケティング アイデア帳: 花粉症対策、ひな祭り、ホワイトデー、入園/入学、転職/転勤、卒業など
「月替わりウェブマーケティング」では、4月から3月までの1年間、月ごとのウェブマーケティングに関する取り組みを解説します。最終回の第12回は「3月のウェブマーケティング」。春を迎える3月に、どのようなウェブマーケティングが実施できるかを見ていきましょう。
3月のウェブマーケティングの方向性
3月といえば、春のはじまり。道行く人の装いも、厚手のコートからスプリングコートなどのライトなアウターに変わっていきます。入学、就職、転勤にともなう物件探しや引っ越し、大型の家具や家電の購入など、ご家庭によっては生活が大きく変わる時期。マーケティング全体として、3月は「新生活や新年度の準備」がテーマです。
3月3日は雛祭り(桃の節句)。3月14日はホワイトデー。春分の日の前後、3月19日(土)から21日(月・祝)まで3連休という方も多いでしょう。送別会、卒業・就職祝いなど、別れと旅立ちを祝うイベントもあります。西日本から関東地方にかけて、3月下旬からお花見シーズンを迎え、行楽地はにぎわいを見せます。
3月は、さまざま物事を素早く判断し、行動に移す必要がある月です。リスティング広告、ソーシャルメディア広告、メールなどのプッシュ型のマーケティングが、消費マインドにフィットしそうです。
業種別のマーケティングプラン
2016年の花粉症のピークは、3月上旬から中旬と予想されています。花粉症対策として、空気清浄機や加湿器、症状を緩和する薬やグッズ、サプリメントなどの需要が高まるでしょう。
3月は入園や入学準備のシーズンです。ランドセルやカバン、制服、衣類、靴、文房具など、いろいろと物入りになります。大学入学や就職では、スーツなどのフォーマルウェア、カバンやベルト、靴などの革製品、腕時計やアクセサリーの需要が増えるでしょう。
入園、入学、卒業、就職祝いやお返しも、この時期ならでは。ギフト商品を扱うショップは、目的別や価格帯別、売れ筋や評価のランキングで商品を見られるようにするなど、消費者のスムーズな決断をきちんとあと押ししましょう。
3月は入学、就職、転勤などで、賃貸マンションやアパートの需要がピークを迎えます。非常にたくさんの物件検索サイトがありますが、いざ本気で探そうとなると、住みたい街の不動産さんに足を運び、相談する人が多いものです。
一方で、そのような地元密着型のお店が、物件を探している人のより細かなニーズに対応したコンテンツを用意したり、来店してもらってこそできるケア(そのお店だけが扱っている物件の紹介、物件の内見や同行など)をきちんとアピールしているかというと、けっしてそうではありません。「そのお店に足を運んで、相談したくなるか」という視点で、コンテンツをテコ入れしましょう。
大型の家具や家電、ベッドや布団、生活用品の購入需要も3月がピークです。また、季節変わりということで、ファッション、インテリア、ファブリックの需要も大きく高まります。フレッシュさや春らしさを意識した特集ページを用意し、おすすめのアイテムをアピールしましょう。広告を出稿する場合は、ランディングを意識した画面設計(ファーストビューのわかりやすさ、コンバージョン動線のシンプルさなど)が必須です。
3月には、春分の日(20日)を含めた前後の3連休があります。学生は春休みがあり、3月の旅行業、宿泊業、観光業はなかなかの活況が予想されます。また、卒業旅行の駆け込み需要があるかもしれません。
3月は、送別会やお別れ会はもちろん、スポーツ観戦のできるバー、スポーツファンが集まるお店、大学の多い街であれば、サークルやゼミの「追いコン」などで、飲食店の需要が高まるでしょう。幹事向けの特典や人数特典などがあれば、リスティング広告やソーシャルメディア広告で明確にアピールすることは、他店との差別化につながるでしょう。
そのほか、学生向けでは、春休みの通学や合宿での運転免許取得、4月からのダブルスクール(資格取得やスキルアップのための専門学校への通学)などの需要が高まります。2016年3月11日で、東日本大震災から5年。防災グッズや避難用品があらためて注目されるでしょう。
1年間、全12回の連載にお付き合いいただき、ありがとうございました。
特別なテクニックに頼るのではなく、われわれの生活に密着した取り組みとして「ウェブマーケティング」を考えること、特に日本では、暦を通じた折々の季節感が消費マインドを支えていることをお伝えしてきました。
ここ数年、ウェブというメディアのダイナミズムは、特に「広告」の分野から生まれています。マーケティング担当者のスキルは、広告の経験によって支えられる部分が年々大きくなっているようです。
数あるマーケティング手法の中から、適切なものを選び、組み合わせ、実施するスキルに加えて、この連載でお伝えしてきた考え方や着眼点を身につけることが、みなさんの今後を明るいものにしてくれると信じています。
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