【米中間選挙】 トランプ氏、共和党の新星を「口撃」 知事選で大勝のデサンティス氏

Donald Trump and Ron DeSantis (composite image)

画像提供, Reuters

画像説明, トランプ氏(左)とデサンティス氏

米中間選挙で大差をつけて再選を果たしたフロリダ州のロン・デサンティス知事(44、共和党)を、ドナルド・トランプ前大統領(76、同)が10日夜、強く批判した。デサンティス氏は、2024年大統領選の共和党候補として名前が挙がっている。

デサンティス氏はかつてトランプ氏の信奉者とされたが、両者のライバル関係があらわになった。

デサンティス氏は知事選で大勝し、共和党の最大の新星として、トランプ氏に挑戦する存在となっている。トランプ氏は大統領への復帰を狙っているとされる。

立候補しないよう警告

トランプ氏は10日夜、デサンティス氏を「平均的な」政治家だと論評。成功したのはトランプ氏の支援に負うところが大きいとした。

トランプ氏はまた、デサンティス氏を政界の軽量級と断じ、2017年に初めて知事選に立候補した時には「絶望的な状態で」トランプ氏のところにやって来たとした。

「ロンは支持率が低く、世論調査の結果も悪く、金もなかった。だが私が支持すれば勝てると言っていた」

「私は彼の選挙運動を直してやった。完全な崩壊状態だった」

トランプ氏はさらに、デサンティス氏が2024年大統領選への立候補の可能性を否定せず、「ゲームをしている」と不満を表明。もし立候補すれば、打ちのめされることになると警告した。

トランプ氏はデサンティス氏を、名字のDeSantisをもじって「Ron DeSanctimonious」(ロン・デサンクトモニアス、Sanctimoniousは聖人ぶったの意味)と呼ぶこともある。

デサンティス氏は10日、トランプ氏の発言に反応を示さなかった。

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Presentational white space

トランプ氏は近く、大統領選に再び立候補する意向を発表するとみられている。共和党内で対立候補が出ないことを期待しているとされる。

しかし、中間選挙で共和党は、予想されていたような下院での大勝を実現できず、上院でも過半数を確保できるか分からない状況となっている。党内では、トランプ氏の責任を問う声も多く出ている。

有権者は全般的に、トランプ氏の根拠のない選挙不正の主張を支持する候補者たちを、拒絶したとみられている

トランプ氏は15日に「重大発表」をすると予告しているが、同氏に近い仲間でさえ、再考を促している。

トランプ政権で大統領報道官を務めたケイリー・マケナニー氏は、「彼はそれ(立候補表明)をいったん止める必要があると思う」と米FOXニュースで語った。

動画説明, 【米中間選挙】 フロリダ州知事選は共和党現職が圧勝 トランプ氏の対抗馬と目され

デサンティス氏は知事選で、民主党候補のチャーリー・クリスト氏を20ポイント差で下した。伝統的に民主党の牙城となってきた大票田のマイアミ・デイド郡では、共和党候補として過去40年で最大の差をつけて勝利する強さを見せた。

10月の世論調査では、共和党の党員登録をしている人の72%が、デサンティス氏は党の将来に関して大きな影響力を持つべきだとした。トランプ氏について同じように答えたのは64%だった。