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イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

日向坂46「卒業写真だけが知ってる」、フィジカルシングル表題曲におけるトップ5未達を考える

最新2月5日公開分のビルボードジャパンソングチャートでは、日向坂46「卒業写真だけが知ってる」が6位、BEYOOOOONDS「Do-Did-Done」が7位に、それぞれ初登場を果たしています。

日向坂46「卒業写真だけが知ってる」とBEYOOOOONDS「Do-Did-Done」ではフィジカルセールスに大差が発生していますが(前者が496,191枚に対し後者が99,460枚)、フィジカルセールスは指標化の際に一定以上の売上枚数に対し係数(減算)処理が行われることから、総合ポイントでは大きな差が生まれていません(前者が7,468ポイントに対し後者が6,804ポイント)。

 

そして今回、日向坂46はフィジカルシングル表題曲で初めて、ビルボードジャパンソングチャートでのトップ5入りを逃しています。これは他の坂道グループである乃木坂46や櫻坂46(前身の欅坂46時代を含む)を含めても初となります。

(なお乃木坂46「命は美しい」は現時点において未掲載の状態ですが、2015年3月25日公開分のビルボードジャパンソングチャートで首位を獲得しています。)

最新2月5日公開分ビルボードジャパンソングチャートでは米津玄師「Plazma」が7,620ポイントを獲得し、今年度の週間5位曲における最高ポイントに。「Plazma」と僅差だった「卒業写真だけが知ってる」は割りを食ったともいえそうですが、2024年度においては5位曲の7千ポイント超えが通算11週発生しており、今後確実にトップ5入りするにはフィジカルセールス初加算時に8千ポイントを超えることが必要になると考えます。

 

注視したいのは、日向坂46「卒業写真だけが知ってる」において、最新2月5日公開分にてストリーミング指標が加点されていないということ。同曲は昨年12月12日に配信を開始し、配信日から元日までLINE MUSIC再生キャンペーンも実施していましたが(概要はこちら)、ストリーミング指標は加点されても100位以内に届かず、1月1日公開分を最後に同指標は300位未満となり加点対象から外れています。

なお他の初登場楽曲では、櫻坂46「UDAGAWA GENERATION」(14位)、Number_i「GOD_i」(16位)、星野源「Eureka」(44位)などリリースされたばかりの新曲が多く登場するなか、オーディション【No No Girls】最終審査で課題曲として使用された、ちゃんみな「SAD SONG」(25位/2019年リリース)が唯一の旧譜曲として登場している。

対照的に、2月19日にフィジカルリリースされる櫻坂46「UDAGAWA GENERATION」は、1月28日の先行配信日からLINE MUSIC再生キャンペーンを実施(概要はこちら)。最新のビルボードジャパンソングチャートではストリーミング指標14位、総合でも28位に登場しています。LINE MUSICと他のサブスクサービスとで差はあるものの(下記ストリーミング表参照)、日向坂46「卒業写真だけが知ってる」とは動きが異なります。

日向坂46「卒業写真だけが知ってる」がストリーミングで加点対象となっていれば、また(他のサブスクサービスが低ければキャンペーン終了後の急落は免れないとしても)LINE MUSIC再生キャンペーンの期間等を工夫し、キャンペーン企画がより大きく影響したならば、最新のビルボードジャパンソングチャートにおける同曲の獲得ポイントおよび順位は異なっていたはずです。

 

 

日本のアイドルやダンスボーカルグループは基本的に、男女問わずフィジカルセールス主体となる一方、接触指標群(ストリーミングや動画再生)が強くない傾向にあります。ヒット曲を輩出し接触指標群が強くなることで年間単位でのヒットにつながり、トップアーティストチャートも安定するため、まずは主にフィジカルセールス指標が初加算された曲における翌週以降の動向(総合順位や接触指標群の推移)をみることが重要です。

このジャンルにおいては以前から出場している歌手よりフィジカルセールスが強くとも、紅白では以前出場した歌手が連続して出場する傾向も強いことが入れ替わりを難しくする一因と考えます(これにはNHKへの貢献度等も影響します)。ゆえに初登場を目指すには、何よりもロングヒット曲の輩出が前提に成るはずです。

ここ数年の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)では、特にアイドルやダンスボーカルグループの選出においてビルボードジャパンソングチャートや、ソングチャートとアルバムチャートを合算したトップアーティストチャート(Artist 100)を参照しているものと捉えています。

初登場のみならず復活出場においてもロングヒット曲の輩出は欠かせないと考えますが、チャートイン期間が短くとも上位進出することもまた、(ロングヒット曲輩出ほどではないとしても)重要だというのが自分の見方です。2022年を最後に『NHK紅白歌合戦』から離れている日向坂46が復活を果たすには何が重要か、「卒業写真だけが知ってる」の最新チャート動向からみえてくるのではないでしょうか。