デジカメレビューオリンパスSTYLUS TG-3 Tough
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腰を壊してしまい、
虫マクロセットを使うのがなかなか厳しい状況になってしまったので、
とにかく機材を軽量化出来ないかということで購入した機種でございます。
防水デジカメとしてはかなりハイエンドな部類に入るこの機種でございますが、
とんでもない機能を備えているのです。
それにしても、
未だにスタイラスという名称に違和感があります。
2014年06月に発売された1600万画素のデジタルカメラです。
発売当時の実勢価格は4万9千円前後です。
購入価格は4万5千円です。
スペック
■センサー・仕様/TCP1.02 | |
センサーサイズ/センサー | 1/2.3型裏面照射型CMOSセンサー |
画素数 | 1676万画素 |
映像エンジン | TruePic VII |
液晶 | 3インチ/TFT液晶搭載(46万画素) |
オートフォーカス | コントラスト検出方式 |
ISO感度 | 100-6400 |
■レンズ性能 | |
焦点距離(35mm換算) | 25-100mm |
F値 | F2-4.9 |
ズーム倍率 | 4倍ズームレンズ |
レンズブランド | OLYMPUS LENS |
最短撮影距離 | 1cm |
手ぶれ補正 | センサーシフト式 |
■基本仕様 | |
仕様メディア | SD/SDHC/SDXC |
使用電源 | LI-90B/LI-92B |
動画撮影機能 | 1920×1080/60fps |
記録形式 | MOV(H.264)/AVI(Motion Jpeg) |
音声記録 | ◯ |
録画時間 | 29分59秒まで |
顔認識 | ◯ |
Wi-Fi | ◯ |
GPS | ◯ |
防水 | ◯ |
防塵 | ◯ |
センサーサイズが小さめという事、
今のデジカメにしては液晶やズーム倍率が物足りないということもありますが、
とにかく強力なレンズ性能と、レンズ周りの拡張性が光ります。
・デザイン・メカ・インターフェイス
デザインは好き嫌い別れる感じでございますね。
TG-2とあまり変わらないといったらそこまでなのですが、
個人的にはなかなか好きでございます。
リコーのWG-4と比べたらまだシンプルですからね。
重量はそんなに重くはなく、
最近の若干大型化したコンデジの中では標準的な大きさ。
レンズキャップがついていないのは残念ではありますが、
つけようと思えばコンバーターアダプタを使うことより付けられます。
レンズは今となっては珍しくなった屈折光学系。
開放F値の明るさはいいですね。
15m防水なので蓋系はしっかりしており、
若干開けづらい事もあります。
そして最近のトレンドであるチルト液晶やタッチパネル液晶は流石に採用していないのがちょっと残念でもあります。
まぁ、そういうカメラじゃないといえばないですからね。
背面、
モードダイヤルが付いている以外は非常にシンプルでございます。
パッキンされた蓋類
GPS/Wi-Fiユニットが出っ張ってます。
ステレオ録音が出来ることがわかりますが、
アクセサリーシュー系は付けられません。
中国製
パカッ
レンズ周りのリングは外せます。
フラッシュは当然ついていますが、
LEDライトも搭載しています。
別売りのLG-1を使用するとリングライトとして利用できます。
顕微鏡モードという使える機能が・・・
・機能・仕様
起動は2-3秒と今の水準では若干遅目ですが、
起動してからは流石にサクサクです。
なお、操作音をOFFにしていると、
電源が入ったタイミングが分からないという欠点もあります。
間違えて2回押して起動しなかったりとか・・・
操作性に関しては最新機種ですし、
そつなくまとまっています。
特に、最近のオリンパスのでUIなので、
基本的にメニューに行かないまでもOKボタンをおしてどうにかするタイプです。
なお、使っていてかなり不便に感じたのは、
フォーカスポイント選択が出来ないこと。
上位機種には付いているのですが、
SP-100EE辺りになるとついていないんですよね。
左ボタンにプリントされてない機種はどれも出来ないです。
レンズが割りといい機種なのにそれが出来ないのはちょっと痛いです。
なお、プログラムモードなどの時には自動追尾AFを利用することにより、
一応代用する事が可能になります。
中央で被写体にピントを合わせてフォーカスロックをしてずらすということですが。
オートでは自動のみ、顕微鏡モードでは中央固定になります。
ちょっと痛いです。
そして、RAW撮りが出来ないのは仕方がないながらも不満点です。
この機種の目玉として顕微鏡モードがあります。
通常、接写には強いけれど倍率はそんなに高くないコンパクトデジカメに置いて、
一眼レフの一般的なマクロレンズの等倍をはるかに超える倍率で被写体を撮影できるという、
マクロマニアにとっては驚異的な機能でございます。
液晶性能は外でも見づらくはないですが、やや物足りないのが残念なところ。
バッテリーの持ちは悪く無いですが、
本体充電なので、充電するときはUSB端子の蓋が開きっぱなしというのがちょっといただけません。
どちらにせよ、充電器で充電するときも電池蓋ははずさなければならないのですが、
パッキンがむき出しになっているとちょっと怖いですね。
このモードにすると、
レンズ前1cmで撮れるのですが、
1cmで撮れるカメラなんてのは最近は当たり前。
しかし、W端ですら、35mm換算で等倍をはるかに通り越し、
1.3倍以上の倍率を稼げているようです。
W端ですら。
ということは、テレマクロでも1cmで撮れるというのがまた、驚異的なのです。
テレ端にした時にはなんと6.9倍、
超解像ズームを使用すると13.8倍。
更に、デジタルズームを駆使すれば44.4倍という、
なんとも信じがたい倍率を稼げます。
この大きさのカメラでここまで出来るのは素晴らしいの一言です。
それだけにとどまらず、
何枚も連写してピント範囲を合成する、深度合成モードや、
倍率優先の顕微鏡コントロールモード、
更に、ピント位置をずらしながら撮影するフォーカスブラケットモードなど、
使える機能がたくさんあります。
ある意味、この機能があったから購入したわけですが、
残念な点としては、しょうがないとはいえ深度合成モードは合成に時間がかかること。
そして、失敗すること。
失敗すると連写した写真が全部破棄されること。
というのもありますが、
個人的に痛い部分としては、
LEDライトを発光させる設定にしても、
電源を切ったり、モードダイヤルを動かしたり、
更に、顕微鏡モード内の設定を変更しただけで、
発光設定が全てリセットされてしまうというところですね。
細かい所がちょっと残念な感じはあります。
数センチ離れるとピントが合わなくなります。
しかし、通常撮影モードの最短撮影距離は10cmと物足りないので、
普通の接写撮影をするとなると結構物足りない印象でございました。
使いこなすとなかなか楽しそうです。
●AF・画質
顕微鏡モードでもバシバシピントが合ってくれますが、
肝心な昆虫などの奥行きがある被写体は割りと外してくれます。
そもそも、中央しかAFが使えないというのも不便で、
目に合わせると右側ないし左側が合いてしまう写真ができやすいです。
深度合成モードや、
合成するタイプの撮影は処理に時間がかかります。画質はセンサーサイズが小さい割には頑張っているのではないでしょうか。
特に顕微鏡モードを使用すると、
等倍鑑賞ではかなり厳しいですが、
ちょっと離れて見る分にはしっかり写っています。
ただ、センサーサイズが小さく画素数が大きいという弊害か、
ダイナミックレンジはかなり狭いです。
あまりそういうことを求めるカメラではないということは承知ですが。
顕微鏡モードなんかは唯一無二の存在なので、
自分にとっては革命的なカメラでございました。
・作例
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