ダウンフォース喪失時の危険性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/06 14:45 UTC 版)
「グラウンド・エフェクト・カー」の記事における「ダウンフォース喪失時の危険性」の解説
グラウンド・エフェクトはサイドポンツーンの形状だけではなく、サイドポンツーン下面と地面との間の空間が外界と遮断され、閉じた状態になっていることに強く依存する。そのためかつてのグラウンド・エフェクト・カーは、サイドポンツーンの横に可動式の硬質のスカートを備え、スカートを地面に接触させて空気の流入を遮断していた。つまり車体の一部を地面にたらし、ガリガリと引きずりながら走っているという事になる。 スカートによる空気圧の遮断が何らかの原因によって阻害されると、ダウンフォースが急激に失われ、マシンは非常に危険な状態となる。グラウンド・エフェクトが発揮されている場合、タイヤのグリップ力が飛躍的に高まり、車両が横滑りしにくくなるため、コーナーリング時にも速度をそれほど落とさないで済む。これがグラウンド・エフェクト・カーの最大の利点であるが、その状態でグラウンド・エフェクトが失われると車両は高速で横滑りしてコースアウトし、激しくクラッシュする(事故を起こす)可能性が高い。コーナーリング時のみならずストレート走行時であっても、グラウンド・エフェクト効果が失われた場合に車両はしばしばコントロール不能となる。場合によっては車両が宙を舞うこともあるなど、ドライバーのみならずコースマーシャルや観客をも事故に巻き込む危険性を持つ。 ただし、後述するように現在のグラウンド・エフェクトカーは地面と接触するような長いスカートが使用されることはまずないため、この問題は過去のものとなっている。
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