一番隊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 01:56 UTC 版)
全部隊長伊藤が率いる部隊。隊長のカラーは赤でコールサインはR(レッド)11 - 18。 長所と短所を併せ持つ癖のある面々が揃っており、「お荷物部隊」として認識されているが、乃木曰く「いい部隊」になるらしい。 伊藤始(いとう はじめ) 19歳。階級は一等侍尉・コールサインはR11。一番隊の隊長と部隊全体の前線指揮を担当する。 普段は微笑みを絶やさない好青年だが、生え抜きの一期生の中でも圧倒的な戦闘能力を誇り、硫黄島における遭遇戦では「5分間で200匹」というスコアを挙げた侍No.1と目されるエリート機甲歩兵である。 祖父はシャヘルを作り出した6人の遺伝子学者の一人である農業学者・伊藤千秋。伊藤千秋は多くの新技術を生み出したが、シャヘル発生の原因を作ったとして、孫の始も世界中の人間から理不尽な逆恨みを受けている(両親は自殺。他の親族は改名して離散した)。 趣味は料理で、味は絶品。本人は特にお菓子作りが好きだが、異常なほどの甘党であるため、デザートだけは壊滅的な味。実際に口にした隊員達から「甘いを通り越して苦い」「致死量」という感想を得ている。もっとも、そこ以外は非の打ちどころがないためか、最期の直前まで誰も指摘できなかった。 弟や恋人、大切な物を守ろうと兵士として優秀でいようとするあまり、人としての欠落が増えていき、いつの間にか弟の訃報を聞いても「心が動かなくなって」いた。そこを円や優作、乃木に危ぶまれていたが、武道に万の最後を聞き、彼が幸せだったと安堵し、涙を見せて人間らしさを取り戻そうとしていた。 しかし、ミスラの侍研究所襲撃に際し、迎撃してこれを撃退するが、武道を助けようと外骨格から降りたところを死んだふりをしたミスラに貫かれる。その後脳の情報を引き抜かれ、瀕死の状態のところを乃木に撃たれ、死亡したが…。 GHCにおけるシャヘル暴走事件の際、弟の万を残したまま隔壁を閉じて逃げたことが負い目となって彼を苛み続けており、弟や恋人の愛情も周囲の称賛も自分自身を見ていない「お世辞」としか受け取っておらず、乃木いわく「誰かに自分自身を憎んで欲しかった」とのこと。 「ミスラ」の項も参照のこと。 楠木鉄也(くすのき てつや) 14歳。階級は二等侍尉。一番隊後衛組で、一番隊副官・コールサインはR12。父親は陸軍将補で、息子が侍所にいることを良く思っていない。 最年少の侍で幹部候補生のエリート。 生真面目で大人しい性格のため、女性隊員からは階級が下の者からも「てっちゃん」の愛称で呼ばれ愛玩されているが、趣味の釣りのことになると傲岸不遜な性格に変貌する(若山や丹波からはドSと認定されている)。 始の死後、隊長となる。始という絶対的存在をなくし、バラバラになりそうな一番隊で苦労している。しかし自分が隊長であるという責任感を自覚し、陸軍に連れて行こうとする父に対しその覚悟を見せる。 第二部開始時は陸軍に所属している模様。父の副官的立場にいたが、秘密裏に神永と連絡を取り合っていた。滝川に汚染こそされていなかったが、脅迫を受けていた父親のコードを使い陸軍所有のKVB-Sを侍所へ送った。 千葉進太郎(ちば しんたろう) 17歳。階級は一等侍曹。一番隊前衛組・コールサインはR16。 お調子者でお気楽な性格。よく余計なことを言っては美雪から暴行を受けているが、慣れている所為か非常に回復が早い。ニンジンが嫌いで罰ゲームに伊藤製のキャロットケーキを出された時には「二大嫌いな物」と言っていた。 実家は寿司屋。北米派兵前の休暇で帰宅した際に、(自分に気付かずに話す)両親の会話を聞き、死地に赴く「侍」を続けるか、店の跡継ぎになるか迷っている。 尊敬していた侍最強である始に直接工兵としての能力を買われ、一番隊にスカウトされたことを誇りにしている。そのためか伊藤が戦死した際には武道にきつく当たってしまう。後に「ふたら」で目覚めない武道を見た際には「こいつだけは助けてやりたい」前述の暴言に関しても「まだ、あやまってない」と語っている。 第二部開始時はセントヘレナ演習基地で工兵の教官を務めている。講義はわかりやすく、新兵からの評判も良いらしい。KVB-Sの実用化のために本国に呼び戻される(その際、口実として秘蔵のコレクションを売却される)。その後、美雪に「ふたら」に呼ばれ合流。武道の深層意識に侵入する丹波のサポートのため、武道のバイタルチェックを行ったのち、祢々切と共に戦線に復帰した。 若山美雪(わかやま みゆき) 17歳。階級は三等侍尉。一番隊前衛組・コールサインはR15。 進太郎の幼馴染であり、いつも彼に殴る蹴るの暴力を振るう。純粋に彼をサンドバッグだと思っているのか、特別な感情の裏返しなのかは不明。 実家は航空会社の経営をしており、利益優先の父親や祖父の姿を見て、経営者として仕方のないことだと承知してはいるが、余りいい感情を持っていない。 第二部では祢々切こと、検非違使の次官。実戦部隊側の副長(特務二尉)を勤める。 丹波庵(たんば いおり) 20歳。階級は二等侍曹。一番隊通信兵・コールサインはR14。 通称「いおりん」で、乃木からは「伊丹(いたみ)」とも呼ばれた(後述)。高レベルの強化手術と特殊な神経改造を受けており、写真記憶なども可能。そのせいか、実年齢より幼くミステリアスな容姿をしている。いわゆる「不思議少女」。口調は常に敬語。不思議系な言動のため、神永に「木星帰り」と呼ばれることも。 その能力を使って武道と五六八をからかうのが趣味。また、よく軍のコンピュータをハッキングし、さまざまな機密情報を得ている。K計画に興味を持ち、その鍵と思われる武道に興味を抱く。 第二部開始時は海軍でオペレーターを務めながら、乃木とも組んで「シャヘルの指揮系統と内通者」を探していた。 「ふたら」強奪作戦中、監視チップが作動した武道を鍋島と共に「ふたら」に運び込み救護。武道の深層意識へ侵入して彼を再起させた。その後は武道の「一(コード・ワン)」の補佐を務め、滝川が武道に差し向けようとした「左(コード・レフト)」の作動を妨害したところで果てたかに思えたが、武道が通信の負担を減らしていたらしく生き残り、EMESには乗れなくなったが新生情報局へ異動することとなった。 本名は「伊丹詩織(いたみ しおり)」。かつて両親から虐待を受けており、両親を刺殺して住居のマンションに放火。37人が死亡し死刑判決を受けたが、適性の高さから囚人徴兵の一期生に回された。しかし一年後、任務中に脱走。監視チップが作動して脳を焼かれてしまい、奇跡的に生き残ったものの脳が恐怖・苦痛を危険信号として感じないようになってしまう。この際に「伊丹詩織」としては死亡し、「丹波庵」という名前を与えられている。 長篠優作(ながしの ゆうさく) 19歳。階級は三等侍尉。一番隊後衛組・コールサインはR13。 瓶底眼鏡をかけており、近視らしいが、狙撃の腕は確からしい。鷹の目(ホークアイ)という目に特殊な手術をしており、時間制限(本人曰く2分も使えない)はあるものの、発動すると常人では考えられないほどの連射性と的確性を兼ね揃えた射撃能力を持つことが出来る。 始の親友であり、入隊前から祖父達の繋がりで彼とは旧知だった。始に背中を任され、何があっても彼を守ると決めていた。彼の死後、何も出来なかったことや汚れ役を乃木にやらせたことを詫びている。また始の死後の円の状態も危ぶんでいてフォローをしている。 なお、実家は農家(田畑だけではなく、牧場などもある循環型農場を「経営」している)で、送られてきた果物や野菜を皆にふるまっている。 第二部ではキューバ奪還戦の最中、神永と共に行方を晦ましていたが、極秘裏に乃木と接触情報の交換を行った後、監察に捕らえられた武道と美雪を救出した。伊藤が武道に敗北した後、武道や円の代わりに伊藤に引導を渡した。
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