五術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/28 22:22 UTC 版)
五術とは、あらゆる情報に「易卦」や「干支」という記号をつけて類型化する「記号類型学」による、「人生」の構成要素、つまり「運命」を見る方法の総称[要出典]。「命」「卜」「相」「医」「山」という五分野に分かれていることから「五術」と呼ばれる。張が日本に「五術」を伝えたのは、1965年ごろのことで、それまで日本には「五術」という概念が全く存在しなかった[要出典]。 「命」は「命理」とも呼ばれ、生年月日時の「易卦」や「干支」を基にして盤や課式をつくり、「五行論」に基づく法則によって個人の体質や才能を測り、「貴賎」「寿夭」「吉凶」「富貧」「成敗」の「五訣」を判定できる。「子平(八字)」(日本では四柱推命とも呼ばれる)や「紫薇斗数」などがよく知られる。 「卜」には「占卜」「選卜」「測局」があり、「占卜」は「易卦」や「干支」をもとにして盤や課式をつくり、「五行論」に基づく法則によって、物事の 「吉凶」や「成否」「象意」「応期」などを判断するもので、「易(周易、京房易、梅花心易、断易)」や「六壬」などが知られる。また「方位」や「時間」などを選ぶ事を 「選卜」と言い、目的の達成を容易にしたり凶事を避けることができるというもので、「奇門遁甲」などが知られる。「測局」は、天下国家人民大衆などの動静を予測するものであり「太乙神数」や「皇極経世」などが知られる。 「相」というのは、五官で感知できる情報によって、物事の現在ある状況や影響を判断するもので、例えば「風水」は「地理(地相)」「陽宅(家相)」「陰宅(墓相)」とも言うように、土地の起伏やうねり、建物の外観や間取り、墓の形状などを、「干支」や「易卦」などによって分類された条件で見て、その影響によって「貴賎」「寿夭」「吉凶」「富貧」「成敗」の「五訣」を判定できる。「相」には「風水」の他、「名相」「印相」「人相」がある。 「医」については「中国医学」と特に違うところはなく、「干支」や「易卦」を使って「記号類型化」した「中国医学」を「五術」の「医」とする。 「山」は食餌法や功法によって体を鍛え、免疫力を向上させるなどして、病気に罹り難い体をつくり、健康と長寿を保つことを目的とする。また、護身の法として武術なども含まれる。「山道」は「仙道」とほぼ同義だが、干支や易卦などによって記号類型化されているのが五術の山である。 「五術」は「記号類型学」ともいうように、統計的な分類作業によって得られた経験則である。従って一人の人間が一生を費やしても、ただ仮説を提示することができるだけであり、集団が世代を重ねて集計し続けた結果として、ようやく何らかの結論が得られるものである。そのような作業を行う集団を「門派」といい、特に明朝には多くの門派が「五術」の技を競い合ったという[要出典]。「門派」の存在基盤は有力者の庇護の下で権力闘争を請け負った一種の私兵組織と考えるべきである。ところが清朝時代は満州族の支配するところであり、次第に門派の存在基盤は失われ、特に福建省の門派の多くは台湾に活路を見出すようになる。張明澄の「人生成型理学」の基となった「明澄派」とはそのようにして台湾に渡った門派のうちの一派であると考えられる。 張明澄家の言い伝えによれば、「明澄五術」は明朝の万暦帝の時代以後に福建省に生まれ、その初代は梅素香という女性であり、十数巻の家伝書を残したという[要出典]。張明澄の名付け親は曽祖父にあたる第十代掌門の王文澤であり、張明澄の生誕時にその子平命式を見て十三代掌門とすることを決めたという[要出典]。なお十一代掌門は王文澤の長男で王興文と名乗ったが早世したため、十二代は王文澤の孫である張木つまり張明澄の父親に託され、公式には空位だという[要出典]。中国では世代の数え方は厳密であり、張明澄は十代王文澤の曾孫に当たるため十三代となる。また十四代掌門は、張明澄の義兄弟である黄耀徳の長男で、張明澄の最初の弟子でもある黄顕釣が黄文徳の名で引き継ぐ由である。 前述のように、張明澄は1966年の荐任官時代に『奇門遁甲天書評註』『奇門遁甲地書評註』などの奇門遁甲書を張耀文の名で発表するが、具体的な作盤法や使用法が書かれた奇門遁甲書が出版されたのはこの二書が世界初である。その後、二書の成功の影響を受けて、多くの奇門遁甲書が出版されるようになったが、内容についても影響を受けていないものはない。また、これら書籍の出版には、義兄黄耀徳が協力しており、五術家としての名を張耀文と名乗るようになったのも、黄耀徳の一字を取って「耀文」としたものという[要出典]。
※この「五術」の解説は、「張明澄」の解説の一部です。
「五術」を含む「張明澄」の記事については、「張明澄」の概要を参照ください。
- >> 「五術」を含む用語の索引
- 五術のページへのリンク