保湿剤
保湿
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 16:02 UTC 版)
化粧品などに保湿成分として添加され皮膚表面での保湿作用がある。分子量が80万から120万と極めて多いため、塗布では吸収は難しいと考えられてきた。それでも分子量が5万から200万までの5種類のヒアルロン酸を塗布することで、どの分子量でも肌の水分量や弾力性は、偽薬を使用するよりも改善される。表皮の保水性が低下すると俗に「ちりめんシワ」と呼ばれる細かなシワができるが、保湿はこうした乾燥性の小ジワを防ぐと考えられているがヒアルロン酸もその保湿力から化粧品に多用されている。ヒアルロン酸は水分を保持し親水性なため、皮脂に弾かれにくく加工するといった工夫を行う化粧品会社もある。テオシアルを製造するテオキサンは化粧品も作っており、盲検試験によって顔面半面に塗ることで塗らない面よりも水分量や質感が改善されていた。ヒアルロン酸入り化粧水を利用したシャボン玉液がある。これはヒアルロン酸の保水力や粘性の大きさに着目したもので、割れにくいシャボン玉になる。毛糸の手袋や軍手を使用すると、弾ませることができる。 2008年に異なる分子量で皮膚からの浸透性を調査した初の研究では、計測できるようトリチウム化したヒアルロン酸を豚の耳に塗布し、5時間後より22時間後の方が浸透しており、5万分子のヒアルロン酸では75フラックス前後、30万分子では25フラックス前後、80万分子で10前後となり、150万分子ではさらに少なく、低分子化されているほど浸透性が高いことが明らかとなった。さらに5万、13万、30万でのヒトでの偽薬対照の試験を実施し、8週間後には分子量が少ないほど顕著に皮膚のザラツキを減少させ、シワを緩和していた。前述の200万分子量までの偽薬対照の試験は2011年に実施され、5万と13万にシワの有意な減少が観察され、低分子による浸透性の違いが原因だと考えられた。2014年のランダム化比較試験では、1千、5千、5万、20万、200万の分子量のヒアルロン酸を配合したもの(フィレリーナ)を使い、唇の体積は塗布し3時間後に約8%、毎日使用し30日後に約14%増加、シワの量は30日で約27%減少、深さでは約22%減少した。ヒアルロン酸は日本の技術によってナノ化すると5nmにまで分子量を小さくでき、細胞間の隙間より小さくでき皮膚バリアを通過することができる。 マイクロニードルの技術を使って肌への浸透性を高めている化粧品もある。以前は、痛みを伴う注射でしかヒアルロン酸の皮膚への投与は難しかったが、ヒアルロン酸を微細な針の形状へと加工することで、痛みを感じることなく皮膚から吸収することができる。ヒアルロン酸の溶解型マイクロニードルそれ自体は以下のような化粧品として市販され、ほかに薬効成分を吸収させる目的の、医療用のパッチ型ワクチンにも使用が考えられている。 韓国人女性を対象としたランダム化研究では、週に2回、溶解型マイクロニードルのヒアルロン酸をあてることで8週間後に目尻のシワを改善しており、皮膚刺激も痛みも生じておらず安全であった。
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「保湿」の例文・使い方・用例・文例
- 天然保湿成分が、肌に潤いをたっぷり与えます
- 保湿成分が肌のうるおいを保ちます
- それは肌の保湿に良いと言われている。
- 皮膚に塗られるとき、回復効果または保湿作用を持つ濃い液体の形状の様々な物質のいずれかからなる化粧品でも
- 手のための保湿クリーム
- 甘い無色で粘性のある吸湿性の液体で、皮膚を通して吸収されると有毒であるが、不凍液として、あるいはブレーキ液、さらに化粧品やパーソナルケア用品の保湿剤としても使われる
- 自然保湿因子という,角質層中の物質
- 保湿柔軟剤を含んだ化粧水
- 美容液という,保湿性の高いスキンケア用の化粧品
- 保湿効果をもたせた化粧品
- 日本では,シアバターから作られた石けんや保湿クリームは天然のスキンケア製品として人気があります。
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