初期消火の試み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 06:30 UTC 版)
「ウィンズケール原子炉火災事故」の記事における「初期消火の試み」の解説
運転員達は火災にどう対処すべきか確信を持てなかった。まず、彼らは空冷用のファンを最大出力にして冷却効果を増加させることにより炎を吹き消すことを試みたが、これは逆に炎をあおった。トム・ヒューズと彼の同僚は、すでに激しい炎の出ている周囲から無傷の燃料カートリッジを取り出して延焼を防ごうとしていた。トム・トゥーイは炎の中心部の溶融したカートリッジの一部を足場用のパイプで突いて、炉の後ろの燃料冷却プールに落そうと提案した。しかしいくら押しても燃料棒は動こうとせず、この方法では不可能だとわかった。パイプを抜くと先端は軒並み赤熱しており、さらに、抜いたパイプのうちの一本は赤熱した先端から溶融した金属がしたたり落ちていた。ヒューズには、これは中性子照射を受けたウランが溶けた物に違いなく、それは重大な放射線の影響が燃料供給側の作業用エレベーターにまで及ぶと解っていた。 「熱に曝された燃料チャンネルは白熱していた」とヒューズと一緒にエレベーターで作業していた同僚は言った。「それはまさに白熱していたんだ。誰も、文字通り、誰も、一体どれだけ高温になってしまうのか想像もできなかった。」
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