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正二位とは? わかりやすく解説

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正二位

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/23 14:07 UTC 版)

正二位(しょうにい)は、日本位階及び神階における位の一つ。従一位の下、従二位の上に位する。

解説

律令制における官位相当においては左大臣右大臣に相当する。贈位により正二位を受けた場合、その位階は贈正二位と表記される。

室町幕府江戸幕府将軍もその在職中、この位階に留まることが多い。その他、大納言中納言など大臣に昇ることがない羽林家以下の公卿も昇叙によってこの位階に叙せられることがある。

明治時代から終戦前の時代にあっては、親任官他、勅任官及び華族が叙せられる位階であった。勲等においては、大勲位ないし勲一等と相当した。

日本国憲法に規定される栄典としての位階は死没時に叙位されるため、内閣総理大臣など三権の長として功労ある者が死後に受けることが多い。

正二位に叙された人物

日付は叙位日。没時追賜の場合は直前の位階を参考付記。

名前 叙位日 備考・説明
石上麻呂 和銅元年5月11日
(708年2月7日)
右大臣
藤原不比等 和銅元年5月11日
(708年2月7日)
大納言
橘諸兄 天平12年11月21日
(740年12月14日)
右大臣
藤原豊成 天平勝宝9歳5月20日
(757年6月11日)
右大臣
藤原永手 天平神護2年正月8日
(766年3月2日)
右大臣
藤原冬嗣 弘仁14年4月27日
(823年6月9日)
右大臣
藤原緒嗣 天長10年3月6日
(833年3月30日)
左大臣
藤原良房 嘉祥4年11月7日
(851年12月3日)
右大臣
藤原良相 天安3年11月19日
(859年12月16日)
右大臣

南北朝時代・室町時代

近代

氏名 主な役職 正二位に叙位された年月日 直前の位階
徳川慶頼 権大納言将軍後見職 1876年明治9年)11月16日 正三位
木戸孝允 参議文部卿内務卿 1877年(明治10年)5月26日 従三位
池田慶徳 鳥取藩 1877年(明治10年)8月18日 従二位
大久保利通 内務卿、大蔵卿 1878年(明治11年)5月15日 正三位
大原重徳 集議院(上局)長官 1879年(明治12年)4月3日 従二位
森有礼 文部大臣 1889年(明治22年)2月14日 従二位
岩倉恒具 権中納言 1891年(明治24年)12月17日 従二位
久我敏通 権大納言 1891年(明治24年)12月17日 正三位
東久世通積 権中納言 1891年(明治24年)12月17日 従二位
坊城俊逸 権中納言 1891年(明治24年)12月17日 正三位
伊藤博文 内閣総理大臣伯爵 1895年(明治28年)12月20日 従二位
徳川義直 権大納言、尾張徳川家始祖 1900年(明治33年)5月4日 従二位
細川藤孝 大蔵卿法印、近世細川氏 1902年(明治35年)11月12日 従四位下
姉小路公知 右近衛少将 1906年(明治39年)9月1日 従四位下
島津忠寛 淡路守佐土原藩 1907年(明治40年)10月23日 従二位
徳川治保 権中納言水戸藩 1907年(明治40年)11月15日 従三位
佐竹義堯 右京大夫久保田藩 1908年(明治41年)9月9日 従四位下
野津道貫 元帥 1908年(明治41年)10月18日 従二位
結城秀康 権中納言、北ノ荘藩(福井藩)主、越前松平家宗家初代 1909年(明治42年)9月11日 正三位
税所篤 宮中顧問官枢密顧問官子爵 1911年(明治43年)6月21日 従二位
楫取素彦 元老院議官男爵 1912年大正元年)8月14日 従二位
青木周蔵 外務大臣、子爵 1914年(大正3年)2月16日 従二位
亀井茲監 左近衛中将津和野藩藩主 1915年(大正4年)11月10日 従五位下
北畠具行 権中納言 1915年(大正4年)11月10日 従二位
横田国臣 大審院院長法学博士 1915年(大正4年)11月10日 従三位
徳川頼宣 権大納言、紀州徳川家 1915年(大正4年)11月10日 従二位
乃木希典 陸軍大将 1916年(大正5年)11月3日 従二位
徳川頼房 権中納言、水戸徳川家 1918年(大正7年)11月18日 正三位
藤原秀郷 下野守武蔵守鎮守府将軍 1918年(大正7年)11月18日 従四位下
結城宗広 上野介 1918年(大正7年)11月18日 無位
伊集院五郎 元帥 1921年(大正10年)1月13日 従二位
原敬 内閣総理大臣 1921年(大正10年)11月4日 正三位
加藤友三郎 内閣総理大臣、元帥海軍大将、子爵 1923年(大正12年)8月24日 従二位
松室致 検事総長司法大臣貴族院勅撰議員枢密顧問官 1931年(昭和6年) 2月16日 従二位
渋沢栄一 第一銀行頭取、子爵 1931年(昭和6年)11月10日[1] 従二位
犬養毅 内閣総理大臣 1933年(昭和7年)5月16日 正三位
武藤信義 元帥陸軍大将、関東軍司令官、陸軍教育総監、男爵 1933年(昭和7年)7月27日 正三位
入江為守 皇太后宮大夫御歌所長、子爵 1936年(昭和11年)3月19日[2] 従二位
朴泳孝 朝鮮貴族 侯爵 1939年(昭和14年)9月20日 正三位
荒木寅三郎 京都帝国大学総長、学習院長、枢密顧問官 1942年(昭和17年)1月30日 従二位

日本国憲法施行後

いずれも没時追賜。

氏名 主な役職 正二位に叙位された年月日 直前の位階
松平慶民 宮内府長官 1948年昭和23年)7月18日 従二位
若槻禮次郎 内閣総理大臣 1949年(昭和24年)11月20日 従二位
關屋貞三郎 宮内次官 1950年(昭和25年)6月10日 従二位
岡田啓介 内閣総理大臣 1952年(昭和27年)10月17日 従二位
阿部信行 内閣総理大臣 1953年(昭和28年)9月7日 従二位
潮恵之輔 文部大臣 1955年(昭和30年)1月9日 従二位
林頼三郎 大審院 1958年(昭和33年)5月7日 従二位
鳩山一郎 内閣総理大臣 1959年(昭和34年)3月7日 正三位
広幡忠隆 侍従次長 1961年(昭和36年)4月12日 従二位
武者小路公共 貴族院議員、特命全権大使 1962年(昭和37年)4月21日 従二位
徳川家正 貴族院議長 1963年(昭和38年)2月18日 従二位
池田勇人 内閣総理大臣 1965年(昭和40年)8月13日 正五位
田中耕太郎 最高裁判所長官 1974年(昭和49年)3月1日 正四位
大平正芳 内閣総理大臣 1980年(昭和55年)6月12日 従五位
岸信介 内閣総理大臣 1987年(昭和62年)8月7日 正三位
三木武夫 内閣総理大臣 1988年(昭和63年)11月14日 正五位
福田赳夫 内閣総理大臣 1995年平成7年)7月5日 正五位
小渕恵三 内閣総理大臣 2000年(平成12年)5月14日 無位
竹下登 内閣総理大臣 2000年(平成12年)6月19日 正八位
鈴木善幸 内閣総理大臣 2004年(平成16年)7月19日 無位
橋本龍太郎 内閣総理大臣 2006年(平成18年)7月1日 無位
海部俊樹 内閣総理大臣 2022年令和4年)1月9日 無位

関連項目

脚注

  1. ^ 『官報』第1462号 昭和6年11月12日
  2. ^ 『官報』 第2765号 1936年3月24日 「叙任及辞令」

外部リンク


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