葛藤
葛藤とは、人間関係や心の中で生じる対立や争いのことを指す言葉である。この対立は、個人の内面での価値観や感情の衝突、あるいは他者との間での意見や立場の違いから発生する。葛藤は、人間の心理や行動を理解する上で重要な要素となる。
葛藤
「葛藤」とは、「互いに対立する感情・意見・欲求を同時に抱え、取捨選択できずに苦悩する心理状態」を意味する表現である。または、「人間関係のもつれ」を指す意味で用いられることもある。
葛藤の意味をわかりやすく例えれば、「これでいいのだ」と思う一方で「このままでいいのか」「このままではいけない」という気持ちもあって悶々としている状況が葛藤であるといえる。
「葛藤」の読み方は「かっとう」である。ただし、植物名としての「葛藤」は「つづらふじ」と読む。
「葛藤(かっとう)」は、英語では conflict(コンフリクト)と訳される。conflict は闘争・衝突・対立・利害の不一致・葛藤などの意味で用いられる単語。
「葛藤」の「葛」は「つづら」または「かずら」とも読む。同じく「藤」は「ふじ」とも読む。どちらも蔓植物の名称である。
「葛藤(かっとう)」の語源は仏教にあり、煩悩を捨て去ることの難しさを「葛と藤の蔓が複雑に絡みついて解けないさま」に例えて「葛藤」と表現された。これが「複雑に絡み合い(もつれて)苦悩するさま」を指す意味で用いられるようになった。
葛藤の語の慣用句
- 葛藤に苦しむ
―― 葛藤の語源のように複雑に絡み合ってしまった相反する感情に苦しむという状態のこと。 - 葛藤を抱える
―― 葛藤に苦しむと同じ相反する感情に苦しむという意味がある一方で、どちらかの選択肢を選ばないといけない状態のときによく使われる。 - 葛藤に駆られる
―― 衝動的に葛藤を持つこと。 - 家族の愛と葛藤を描いた物語
―― 家族が互いに寄り添い(愛)、かつ対立して苦悩する(葛藤)ストーリー
葛藤の類語・類義語
葛藤の類語としては「競合」「対立」「衝突」「相克(そうこく)」「軋轢(あつれき)」などが挙げられる。「葛藤」は主に「苦悩・悩ましさ」の意味・ニュアンスを中心とするが、「相克」は主に「対立する事柄が互いに相手を打ち負かそうとして競う」という意味合いを中心とする。「軋轢」は「対立が生じて不和が生じる・不仲になる」という意味合いを中心とする。
かっ‐とう【葛藤】
読み方:かっとう
[名](スル)《葛(かずら)や藤(ふじ)のこと。枝がもつれ絡むところから》
1 人と人が互いに譲らず対立し、いがみ合うこと。「親子の—」
2 心の中に相反する動機・欲求・感情などが存在し、そのいずれをとるか迷うこと。「義理と人情とのあいだで—する」
3 仏語。正道を妨げる煩悩のたとえ。禅宗では、文字言語にとらわれた説明、意味の解きがたい語句や公案、あるいは問答・工夫などの意にも用いる。
つづら‐ふじ〔‐ふぢ〕【▽葛藤】
葛藤
葛藤
葛藤
葛藤
葛藤
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/26 22:30 UTC 版)
そのうえ、1926年に肺結核を患ってからしばしばサナトリウムに滞在し、治療や手術を受けていた。療養中にドイツの作家トーマス・マンの息子で同じく作家のクラウス・マンや作家カール・シュテルンハイムの娘でシュテルンハイムやクラウス・マンの演劇の舞台芸術・衣装を手がけていたモプサ・シュテルンハイム(ドイツ語版)と出会った。モプサと彼女の愛人でシュルレアリスムの画家のルドルフ・カール・フォン・リッパー(ドイツ語版)のもとに身を寄せていた時期には、カール・フォン・リッパーが入手した麻薬を使っていた。没後60年以上経ってから刊行された『モプサ宛の書簡』には、「麻薬や酒や悪徳。これらはすべて自己欺瞞に使うものであって、大嫌いだ。全身全霊、真っ向から人生に飛び込まなければならない。複雑な性的・心理的問題は嫌になる。こういうのは麻薬と同じで恐ろしい空虚を覆い隠すものであって、欺瞞だからだ」と、生きる意志の強さと葛藤が伺われる。
※この「葛藤」の解説は、「ルネ・クルヴェル」の解説の一部です。
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葛藤
「葛藤」の例文・使い方・用例・文例
- 強い心的葛藤
- 精神内の葛藤に由来する不安
- 人種間には様々な葛藤、軋轢があることは、本書においても明らかにされているところである。
- 父と私の葛藤。
- 悲劇の本質は、短編小説のそれと同じように、その葛藤である。
- 心理的葛藤を経験する, 煩悶(はんもん)する.
- 両家の間には長い葛藤があった.
- 彼は友情と愛国心との葛藤に苦しんだ.
- この問題が政界に葛藤を生じた
- 葛藤を解く
- 葛藤が解けた
- 支那との葛藤未だ解けず
- この問題が政界の葛藤を生じた
- 葛藤が解けたか
- 葛藤未だ解けず
- 無意識の願望あるいは葛藤から生じて、通常の健康な個人の無意識的な過程明確にするという(シグモンド・フロイトによる)失策
- 認められたい欲望と恥をかく恐れの葛藤から生じる、個人的に劣っているという感情
- 彼は葛藤と優柔不断で身動きがとれなかった
- 防衛機構が感情の葛藤を抑制すると、それが臓器的根拠がない身体的な症状に転換すること
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